羅針盤
悔しさを
ちぎっては投げちぎっては投げ
何もなかったかのように
わらってみる
わらっているつもりが
泣き笑い
もうなにもない
あるのは
洗いざらしのシャツに
汚れた運動靴
臆病風にふかれて
乱れた髪を
直すつもりの指は
必死で
その未来を見たいと
さし示している
あんぐりと開いた口
奇妙な偶然に
きょとんとして
歩いてきた道を
振り返ったのだ
これはもう
そうしなければいけないという
羅針盤の
針先で
しかたがないと
納得するしかなかった
夕方の出来事は
過去の贈り物
明日に向かうための