春の夢
桃色のさくらが咲きました
冷たい風と
暖かな風の
間で
揺れています
むかし
むかし
またその
むかし
むかし
生暖かい風の中
夢を見ていました
こんなふうに
物語を書き
ちぎった白い紙に書き
夢は
ちぎれた
紙切れ
の端っこで
風に
散っていきました
冷たい水溜りで
重く
暗い底に沈んでいきました
溶けない
氷
紙切れのまじないは
そのまま
こころを縛り
にじむ傷口
すり傷は
乾くこともなく
そのまま
かさぶたもできず
じくじくと
隠して
顔を背けて
欠けたパズルの1片
穴が空いたまま
もう埋められないのか
春の
冷たい風と
暖かい風の
間を
さまよい
さまよい
覚めない夢をみている
桃色のさくらが咲きました
冷たい風と
暖かな風の
間で
揺れています
むかし
むかし
またその
むかし
むかし
生暖かい風の中
夢を見ていました
こんなふうに
物語を書き
ちぎった白い紙に書き
夢は
ちぎれた
紙切れ
の端っこで
風に
散っていきました
冷たい水溜りで
重く
暗い底に沈んでいきました
溶けない
氷
紙切れのまじないは
そのまま
こころを縛り
にじむ傷口
すり傷は
乾くこともなく
そのまま
かさぶたもできず
じくじくと
隠して
顔を背けて
欠けたパズルの1片
穴が空いたまま
もう埋められないのか
春の
冷たい風と
暖かい風の
間を
さまよい
さまよい
覚めない夢をみている