ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

セーター

2015-06-02 16:12:03 | 日記

                        セーター




                二十歳の
                ピンク色のセーターの娘が
                梅雨の合間の青空に
                駆け抜けていった




                ひと時の涼しい風にのって
              
                太陽がまぶしい




                瞼の奥に
                病院のあの重苦しさが
                映るのだけれど
                いまは
                そこにはいない
                


                外の光と風に
                そっと
                つつまれて
                ゆっくりと
                後ろを振り返って
                ことばを
                つたないことばを編み込むのだ



                かつて苦手だった
                編み物は
                大きな穴だらけの
                段違いの
                セーター



                マタギの
                寒さしのぎ


             
                無口な
                獲物追い
                

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