ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

掃除のおばさん

2020-01-31 23:34:44 | 日記

                         掃除のおばさん

                     いつのまにか
                    怒りを納め
                    にこにこと
                    タメぐち

                    理路整然に疲れ果てて
                    

                    「あんたよー
                     私は前に病気して
                     歯槽膿漏もして
                     歯医者通ったけど
                     まだよくならないさー
                     そしたら
                     今度は蓄膿でよ
                     頭重くて
                     髪の毛
                     施設カットにしてっていって
                     刈り込んでこうなってしまった
                     でも
                     なにがあってもね
                     世の中に出て行かないと
                     精神が痛むよ

                     はい、あんたもがんばって
                     あい、外行かないでさびしいから
                     こっちに座っておきなさい」

                     掃除のおばさんに
                     好かれて
                     追いかけてきては
                     弾丸の言葉を浴びせられて
                     くち あんぐり

                     いつも廊下とトイレを
                     ひとりでせっせっと
                     水びたしにしては
                     モップでふき取っている

                     「今の世の中はつながりが切れているから
                      家族がひどい
                      葬式があるときにやっと連絡来るけど
                      遠慮しーしーさね
                      仲悪いでもないけど
                      むぬ(言葉)いいかんてぃーする(かけるのも難しい)
                      なんでこうなったかねー」

                     掃除のおばさん
                     的確な社会観察をしている
                     いつも
                     下うつむいて
                     モップがけだけしているかと思っていた

                     「そうだよね、どうなるんかねー、これから」
                     思わず、うなづいてしまった
                
                     来週からどんな体の不調を訴えるのか
                     わたしも歯痛
          

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