孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ガザでの戦闘開始から明日で1年 拡大する戦火 イスラエルに対し国際社会の意思を行動で示すべき

2024-10-06 22:34:33 | パレスチナ

(イスラエルによる攻撃が激化し、ガザ地区ジャバリヤから避難する人たち=6日【10月6日 共同】)

【ガザでの戦闘開始から1年 拡大する戦火 増え続ける犠牲者】
パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で1年になりますが、戦闘は止まず、レバノンへの地上侵攻及び大規模空爆、更にはイランへの報復をめぐる緊張と戦火は拡大の様相を呈しており、それにともなって犠牲者も増加の一途をたどっています。

****ガザ戦闘1年、死者4万人 レバノンも侵攻、戦火拡大****
パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で1年。ガザ保健当局によるとガザ側死者は1年間で4万1800人を超え、ガザ人口の9割に当たる190万人以上が避難生活を続ける。

停戦交渉が難航する中、イスラエルは9月30日、ハマスと共闘する親イラン民兵組織ヒズボラ掃討を掲げ隣国レバノンに地上侵攻。

イランはイスラエルをミサイル攻撃するなど戦火は中東各地に拡大し、出口は見えない状態だ。

ガザ戦闘は昨年10月7日、ハマスによる奇襲で始まった。イスラエル側死者は約1200人。ネタニヤフ政権は直ちにガザ空爆を開始。昨年10月下旬、イスラエル軍はガザ北部から地上侵攻して徐々に南下し、今夏までにほぼ全域を掌握した。

女性や子どもも含めた犠牲者はガザ人口の約2%に当たり、国際社会から非難の声が高まった。

ガザは境界封鎖によって食料不足が深刻化し、餓死者も出た。感染症も広がった。軍は「人道地区」を設定して住民に退避要求したが、人道地区への攻撃も相次ぐ。【10月6日 共同】
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*****ガザ建物59%損壊、農地も激減 「生き地獄」と国連総長*****
イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は7日で1年。軍はガザ全域をほぼ掌握した。9月下旬時点での衛星画像のデータ分析では、建物の59%が損壊され、農地も68%が被害に遭った。

食料不足で餓死者も出ており、国連のグテレス事務総長は「住民が生き地獄にいる」と警鐘を鳴らす。

米オレゴン州立大のジャモン・バンデンホーク氏らが地球観測衛星の画像データで建物被害を分析した。軍は昨年10月下旬に地上侵攻を始め、北部から徐々に南下。ガザ地区の約28万7千棟のうち59%が破壊され、北部ガザ市に限ると損壊された建物は74%に上る。最南部ラファも47%。【10月6日 共同】
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【攻撃の手を緩めないイスラエル・ネタニヤフ首相】
こうした状況でもイスラエルは攻撃の手を緩めていません。

****ベイルート、一晩に25回空爆 イスラエル軍、人口密集地を攻撃*****
イスラエル軍は5日深夜から6日にかけ、レバノンの首都ベイルート南部を約25回にわたり空爆した。レバノン国営通信が伝えた。空港近くの医療用倉庫やガソリンスタンドなどに大きな被害が出た。

軍は住宅の地下に親イラン民兵組織ヒズボラの武器製造施設や武器庫があるとして、人口密集地への攻撃を正当化した。

レバノン当局によると、5日は23人が死亡、90人以上が負傷した。1年間の死者は2千人以上になった。

イスラエル軍は5日、レバノン南部の病院に隣接したモスク内にあるヒズボラの拠点も空爆したと表明した。軍報道官はレバノンに地上侵攻した9月30日以降、ヒズボラ戦闘員ら約440人を殺害したと述べた。

イスラエルのネタニヤフ首相は5日の声明で、イランによる1日の弾道ミサイル攻撃に対し「イスラエルには自衛や反撃の義務と権利があり、われわれは実行する」と宣言した。軍は「深刻で重大」な対応を検討中と表明。

米中央軍のクリラ司令官が5日イスラエル入りし、軍幹部らと攻撃先を協議したもようだ。【10月6日 共同】
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****イスラエル首相がイランに“報復宣言” レバノンへの攻撃も続く 中東全域が緊迫化****
イスラエルのネタニヤフ首相がイランへの報復を改めて明言しました、イスラエルはレバノンへの攻撃も続けています。

ネタニヤフ首相は、5日、イランから受けた攻撃について、「史上最大の弾道ミサイル攻撃で、このような攻撃を容認できる国はない」とした上で「自国を防衛し、これらの攻撃に対応する義務と権利がある」と述べ、報復を明言しました。

地元メディアは、アメリカ軍の幹部がイスラエルを訪問し、イランへの報復攻撃について協議したと伝えています。(後略)【10月6日 TBS NEWS DIG】
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アメリカではトランプ前大統領がイラン核施設攻撃を主張してイスラエルの攻撃を煽っています。

****米トランプ前大統領、イランの核施設「攻撃すべき」 バイデン大統領はイラン石油施設の攻撃に否定的****
アメリカのバイデン大統領は、イスラエルがイランへの報復措置として石油施設を攻撃することについて否定的な考えを示しました。一方、トランプ前大統領は4日、イランの核施設への攻撃に反対したバイデン氏の考えを否定しました。

バイデン大統領「イスラエルはイランをどのように攻撃するか、まだ結論を出していない。議論中だ。私なら油田への攻撃よりも、他の選択肢を考えるだろう」

バイデン大統領は4日、イスラエルはイランからのミサイル攻撃に対する報復措置について、まだ結論は出していないとした上で、石油施設への攻撃に否定的な考えを示しました。バイデン氏は2日には、イランの核施設を攻撃することにも反対だと明言しています。

トランプ前大統領「彼(バイデン大統領)はイランについて聞かれたときに、まず核施設を攻撃し、その他のことは後で考えると答えるべきだった」

一方、トランプ前大統領は4日、選挙集会の中で「核兵器は最大のリスクだ」とした上で、「まず核施設を攻撃し、その他のことは後で考えると答えるべきだった」と述べ、核施設への攻撃に反対したバイデン氏の考えを否定しました。【10月5日 日テレNEWS】
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核施設はもちろん、国家収入の根幹の石油施設攻撃もイランとの全面戦争の引き金を引きかねないということでバイデン大統領はこれに反対はしていますが、イスラエル支持の立場は変えず、武器支援も続ける構えです。

【フランス・マクロン大統領 ガザで使用される武器についてイスラエルへの輸出を停止を提唱】
こうしたなかでフランス・マクロン大統領がガザで使用される武器についてイスラエルへの輸出を停止すべきとの考えを示しています。

****仏大統領、ガザで使用の武器禁輸呼びかけ イスラエル反発****
フランスのマクロン大統領は5日、パレスチナ自治区ガザで使用される武器について、紛争の政治的解決に向けた取り組みの一環として、イスラエルへの輸出を停止すべきとの考えを示した。

イスラエルのネタニヤフ首相は強く反発し、マクロン氏やイスラエルへの武器禁輸を求める他の西側首脳は「恥ずべきだ」と非難。「イスラエルは彼らの支援があろうとなかろうと勝利する」と述べた。

マクロン氏は仏ラジオで、優先事項は「政治的解決に戻り、ガザでの戦闘に使用される武器を停止することだ。フランスは出荷していない」と発言。

また「紛争拡大の回避がわれわれの優先事項だ。レバノンの人々が犠牲になってはならない。レバノンがもう一つのガザになってはならない」と述べた。【10月6日 ロイター】
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****ネタニヤフ首相、マクロン仏大統領を「恥知らず」と非難…軍事支援なくても戦闘継続を強調****
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5日の声明で、イスラエルへの武器供与停止を呼びかけたマクロン仏大統領を名指しして、「恥知らずめ」と非難した。

各国からの軍事支援がなくても、戦闘を続ける方針を強調した。

AFP通信によると、マクロン氏は5日、仏ラジオのインタビューで、「政治的解決に戻るため、パレスチナ自治区ガザで使われる武器の提供をやめるべきだ」と発言した。ネタニヤフ氏はこれを非難し、「支援がなくても我々は勝利する」と述べ、戦闘を継続する姿勢を鮮明にした。【10月6日 読売】
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ネタニヤフ首相は「自国を防衛し、これらの攻撃に対応する義務と権利がある」という立場で、ガザそしてレバノンを攻撃し、イランとも対峙していますが、「自国を防衛し、これらの攻撃に対応する義務と権利」があるとしても、そのために、逃げまどう住民を、避難先に身を寄せる避難民を、現状に何もかかわっていない子供たちを爆弾で吹き飛ばしていい権利はありません。

イスラエル国民の命が重いのと同じように、パレスチナ住民やレバノン住民の命も重いものです。

もしイスラエル国民を守るためなら、ハマスやヒズボラ攻撃のためには、パレスチナ住民やレバノン住民を吹き飛ばしてかまわないと考えるなら、それはパレスチナ住民やレバノン住民の命を軽視するものであり、かつてユダヤ人が経験したジェノサイドにも通じる考えです。

復讐の炎に焼かれるとき人の理性は失われます。

本来であれば同盟国アメリカのバイデン大統領がネタニヤフ首相の頬をひっぱたいても、その目をさまさせるべきところですが、大統領選挙におけるユダヤ社会からの支持を失いたくないという事情で、それはできない模様。

であれば、マクロン大統領が言うように、アメリカ抜きでも国際社会の意思をネタニヤフ首相とイスラエル国民に、厳しい具体的行動をもって、はっきりと伝えるべきでしょう。

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