あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

クラシックとジャズ

2013-05-18 | JAZZ
クラシック音楽のジャズ化については色々な人が演っていますが、アルバム単位とした場合は、バッハの作品をジャズ風に解釈したフランスのジャック・ルーシェ(ピアノ・トリオ)が有名です。
彼は1959年から64年にかけて「プレイ・バッハ」というアルバムを#1~#5まで作っています。
発売当時チョット話題になり、私もこの中の何枚かを聴いたことがありましたが、ジャズ本来の躍動感は感じられずそれきりとなっていて、これらのアルバムは最近中古市場でも見かけなくなりました。
同じジャンルの演奏家の中にもう一人有名な人がいて、こちらは好きな演奏家なので、今回はルーマニア出身のオイゲン・キケロ( ルーマニア名 Eugen Ciceu ) を取り上げました。

オイゲン・キケロ(EUGEN CICERO)1940年6月27日 - 1997年12月5日
オイゲン・キケロは10歳でリサイタルを開催したことがあり、兄の影響でジャズに興味を持ち、18歳になった時には兄のグループでジャズも演奏しています。
その後、活動拠点をルーマニアからオーストリアに移し活躍している時に、ドイツMPSレーベルの社長(ハンス・ゲオルグ・ブルーナー・シュワー)に認められ、1965年に「ロココ・ジャズ」でMPSからデビューしました。
このロココ・ジャズでは「バッハのソルフェジオ・ハ短調」「スカラッティのソナタ・ハ長調」「モーツアルトの幻想曲・ニ短調」などを演奏していますが、私には、まだ完全にジャズと融合したようには感じられませんでした。
次に出たアルバムが、ショパン・ジャズです。
その後、チャイコフスキーやリストをテーマにしたものも発売されましたが、一通り聴いた後、このショパンを残して、レコード棚から消えています。
レーベルは全てMPSで、当時は日本コロムビアから発売されていました。

日本には1972年に来日したことがあり、7月13日の銀座ヤマハ小ホールのコンサートで、「生キケロ」を堪能しました。
その時のチケットは「LOVE SEAT」となっていましたが、残念ながらというべきか?、会社のジャズ仲間との相席でした。


ということで、今回はこの「ショパン・ジャズ」を紹介します。
当初は国内盤で聴いていましたが、昨年ドイツの輸入盤を見つけ、「音」を聴きたくて買い替えました。
但し、オリジナル盤ではなく2nd盤ですが・・・
( 国内盤はキケロの強いアタックで、音割れする部分がありましたが、MPS盤ではありませんでした)

「CICERO’S Chopin」 MPS CRM615
 
1. 華麗なる大円舞曲 作品18
2. 前奏曲 作品28-7
3. ワルツ嬰ハ短調 作品64-2 
4. 前奏曲 作品28-20
5. 練習曲「別れの曲」作品10-3
6. 前奏曲 作品28-4
EUGEN CICERO(p) ETER WITTE(b) CHARLY ANTOLINI(ds)  録音 1965年12月

キケロとショパンは、同じルーマニア出身ということもあり、解釈もアレンジも良く出来ています。
なかでも私のお気に入りは、3番目の「Valse cis-moll, Op.64.2 」です。
また、このMPSレーベルには、オスカー・ピーターソンも数多くのレコーディングがあり、ピアノの音が素晴らしいです。

オイゲン・キケロは50枚近くのアルバムを制作していますが、1992年には日本のアルファ・レコードの企画で、クラシックを題材にした映画音楽を取り上げたCDを作っています。

「THE LAST SCENE」 ALFA JAZZ ALCR - 286
  
この中に入っている13曲と、奏者は上の右側のデータをご覧ください。
ベーシストはハンガリーの重鎮であるアラダール・ペゲです。
そして内容ですが、6番目にはカーメン・キャバレロの演奏で有名な「愛情物語」のテーマも入っていて、クラシックでありながら映画音楽ということもあり、馴染みの曲が並んでいて、聴き流しするには手ごろなアルバムです。

もう一人、ロシアのピアニストがチャイコフスキーを題材にしたアルバムを紹介します。
(先日店じまいしたムトウ楽器の最後のバーゲンで見つけました)

「P.TCHAIKOVSKY IN JAZZ / SEASONS 2005 」ΦOHOTPAΦ RECORDS MEL CD 60 00988
 
SERGEY ZHILIN (p) DMITRY KOSINSKY (b) BODEK JANKE (ds) 
録音 2005年7月11日 ~ 20日

曲は7曲入りで、6番目にはオイゲン・キケロのCDにも入っている「花のワルツ」がありました。
書かれている文字の大半はロシア語なので、チンプンカンプンですが、アルバム自体の内容はジャズ・アレンジが面白く、クラシックのタッチとマッチしていて、まずまずでした。

なお、オイゲン・キケロとセルゲイ・ツェイリンは、共にYouTubeで画像が見れますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉田のうどん(パート4)

2013-05-16 | 吉田のうどん
吉田のうどんの紹介も4回目で、8番目のお店となりました。
今回はうどん屋さんの他に、地元の高校生が立ち上げたサイトも紹介します。

まずはお店ですが、その名は「あんめ」です。( うどんマップ49番 )
位置関係は富士見バイパス ( 国道139号 )の上の方になります。
  

前の看板と電線群がちぃっとお邪魔ではありますが、お店の入り口の道路側から見える富士山はこんな感じです。
そして店ののれんと、調理場・・・
  

次に店内と、メニュー ・・・
写真は座敷ですが、入り口を入ってすぐ右側にはイス付テーブルもありました。
当日は、このメニューの中で、当店人気 NO.1 と書かれている「天ぷらうどんの大盛り」をオーダーしました。
  

そして肝心なうどんと、汁のお味はというと・・・
これまで食べてきた「吉田のうどん」の中で、麺は一番硬く、しっかりした腰があり、噛み応え十分でした。
うどんが硬すぎると、のど越しが悪い場合もあるのですが、これは美味しく頂きました。
そしてスープは、煮干しのだしに味噌ベースで醤油がブレンドされていて、うどんと絡んで絶妙な仕上がりでした。
トッピングは小エビの入った野菜のかき揚げで、これも脂っぽくなく◎でした。

それからこのお店のすぐ近くにある「ひばりが丘高校」の生徒達が、吉田のうどんに関する小冊を制作し、
これが2012年度版と2013年度版の2冊となって、お店に置いてありました。
この2冊と、2012年度版の最初のページ、それに2冊に載っていた今回の「あんめ」の紹介記事です。
   

なお、この小冊と、ひばりが丘高校の生徒が立ち上げているサイトは「吉田のうどんなび」で検索するか、
ここにアクセスしてから検索してみてください。
中々良く出来た紹介記事です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月の富士山

2013-05-15 | 富士山
5月15日(水)の富士山を、何時もの場所から紹介します。

当日の天気予報は「晴れ後曇」で、午後には雲が掛ってくる予定でしたが、富士山の周りは夕方まで晴れていました。
撮影した時間は午前6時36分から5分間の3枚と、夕方5時の1枚です。

    

最初の3枚はたった5分間ですが、雲の動きが早いです。
撮影している間に、雲は頂上付近の裏側をかすめて上昇していきました。
前回紹介した4月の富士山は、17日に撮影したもので、約1ヶ月経ちましたが、大分雪も解け始めてきています。

先日富士山は、世界文化遺産への登録勧告がなされ、後は6月16日のユネスコの世界遺産委員会の結果を待つだけとなりました。
そのため今年は、今まで以上に注目される「お山」となりそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グラント・グリーンのアイドル・モーメンツ

2013-05-14 | JAZZ
続けてグラント・グリーンの「アイドル・モーメンツ」です。

グラント・グリーン  1935年6月6日 - 1979年1月31日  ミズーリ州セントルイス生まれ
1960年代を代表するギタリストの一人で、ビ・バップからモダン、はてはジャズ・ファンクに至るまで、さまざまなジャンルで活躍し、自身のアルバムの他、サイドマンとして数多くのセッションに参加していて、その数は50作品を超えています。
13歳の頃からプロとして、リズム&ブルースやゴスペルなどを演奏していて、ルー・ドナルドソン(as)との出会いにより、ブルーノート・レーベルへの吹き込みが始まりました。
奏法は、トレード・マークとしているシングル・ノート(単音)を主体とし、同じフレーズを何回も繰り返すところも、他のギタリストとは違った特徴があります。
このアルバムは、ブルーノートでの第8作目に当たり、デューク・ピアソン (p) のアレンジや、当時、新主流派と言われたジョー・ヘンダーソン (ts)、ボビー・ハッチャーソン (vib) が参加していることでも注目されました。
私自身、彼の数あるアルバムの中で、良く聴くレコードでもあります。

「IDLE MOMENTS」 BLUE NOTE BLP 4154
   
1. IDLE MOMENTS
2. JEAN DE FLEUR
3. DJANGO
4. NOMAD
JOE HENDERSON(ts) BOBBY HUTCHERSON(vib) GRANT GREEN(g) DUKE PEASON(p) 
BOB CRANSHAW(b) AL HAREWOOD(ds)   録音1963年11月4日、11日 

このタイトルである「アイドル・モーメンツ」は、ピアニストのデューク・ピアソンが「無為の時間」と解釈しているようで、曲名の意味する通りスローテンポの気怠い感じの、それでいてダレるところが見当たらない内容で、メンバー全員の緊張感を持った演奏が聴きどころとなっています。
そして、このアルバムに纏わるレコーディングの雰囲気や、進行状況については、ピアソン自らがLPジャケットのライナー・ノートで語っています。(和訳参照)

ライナーに記載されているような経緯によって、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、この熱演トラックをタイトル・チューンとし、ジャン・ド・フルールと、ジャンゴの2曲を圧縮し、再録音されたものがLPになっています。

その最初に録音された2曲は、1989年に東芝から発売されたCDで聴くことができます。
 

ちなみにこの2曲の演奏時間は、ジャン・ド・フルールが「 6:48/8:08 」、ジャンゴが「 8:43/12:16 」で、併せて4分53秒短縮されていています。
LP時代はこの5分弱が貴重だったのでしょうね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グラント・グリーンのLPジャケット

2013-05-13 | JAZZ
グラント・グリーンは、ブルーノートレーベルの看板スターで、コードを使わないシングル・トーンのアドリブが魅力のギタリストです。
そして、自身のリーダー・アルバムはもちろんのこと、サイドマンとしても数多くのレコーディングがブルーノートにあります。

その中で1961年から1964年にかけて録音されたまま、当時は発売されず、後に「ブルーノート未発表シリーズ」としてLPが、日本のキングレコードから出されたことがありました。
( 後に本国から、この中の一部が同じイラストで発売されています )
このシリーズは、ブルーノートには珍しく全てイラストで描かれていて、ジャケット裏面には「 Cover design : Tanaka & Fujiyama 」のクレジットがあり、録音エンジニアは全てRVGです。

もう一つの特徴は、下記に紹介する5枚の内の3枚において、いずれもソニー・クラーク (p) とサム・ジョーンズ (b) が参加しているので、この2人の演奏もしっかり聴くことが出来ます。
(ドラムはルイ・ヘイズとアート・ブレイキーが担当しています)
  

この3枚は1961年12月23日と62年1月13日、1月31日の3回のセッションからなり、後に2枚のCDに纏められて発売されました。
 


後の2枚は「REMEMBERING」(録音 1961年8月29日)と、「MATADOR」(録音 1964年5月20日)で、マタドールのほうは、マッコイ・タイナー (P)、ボブ・クランショー (b)、エルヴィン・ジョーンス (ds) の強力なカルテットです。
    

この5枚に共通して言えるのは、曲の大半が有名なスタンダードで耳に馴染みが良いことです。
イラスト画のジャケットは、これまでのブルーノートのイメージとは違いますが、これもまた雰囲気があって良い感じです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鉄線の次は (5月12日と23日)

2013-05-12 | 日々の暮らし
家の内外には、鉄線のあとにも「青・紫系統の花」があります。

昨夜(11日)の雨に濡れた紫蘭(しらん)、釣鐘水仙、蛍蔓(ほたるかずら)、ラベンダー・ハーブ(和名 真性ラベンダー)、そして2色のジャーマン・アイリスと、盛りだくさんです・・・

    


まだまだ続きがありました。
5月23日に家の近くで見つけた4つ…
左からシラー・ベルビアナ、ブルーデージー(るりひなぎく)、トレニア(夏菫)、そして右端の花はアルペンブルー(宿根草)のようですが、どなたか花の名前が分かれば教えて!
   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バラが咲いた

2013-05-11 | 日々の暮らし
先日、咲き始めたベランダのバラが大きく花を咲かせました。
    

浜口庫之助 作詞 作曲 の「バラが咲いた」
 バラが咲いた バラが咲いた 真っ赤なバラ
 淋しかった僕の庭に バラが咲いた
 たったひとつ咲いたバラ 小さなバラで
 淋しかった僕の庭が 明るくなった
 バラよバラよ 小さなバラ
 いつまでもそこに咲いてておくれ
 バラが咲いた バラが咲いた 真っ赤なバラ
 淋しかった僕の庭が 明るくなった

 バラが散った バラが散った いつの間にか
 ぼくの庭は前のように 淋しくなった
 ぼくの庭のバラは散ってしまったけれど
 淋しかった僕の心に バラが咲いた
 バラよバラよ 心のバラ
 いつまでも ここで咲いてておくれ
 バラが咲いた バラが咲いた 僕の心に
 いつまでも散らない 真っ赤なバラ


そしてミニバラも予定通り開花を始めて・・・
 

さらにアパートの入り口には鈴蘭も・・・
 

良い季節になりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイレクト・カッティングのレコード (その2)

2013-05-09 | JAZZ
続いてもう1種類の「ダイレクト・カッティング」盤です。

こちらは女性歌手のキャロル・スローンのアルバム収集をしている中で、偶然にも2枚が揃ったので紹介します。

「SPRING IS HERE CAROL SLONE WITH R.HANNA AND G.MRAZ」 
ロブスター企画 LDC-1008 / LDC-3008
     
1. HONEYSUCKLE ROSE (3:44 / 4:53)
2. SPRING IS HERE (5:40 / 5:16)
3. LOVE IS HERE TO STAY (4:17 / 4:30)
4. I’M GLAD THERE IS YOU (3:05 / 3:02)
5. THEY CAN’T TAKE AWAY FROM ME (3:55 / 3:42)
6. S’WONDERFUL (4:22 / 3:56)
7. BUT NOT FOR ME (3:44 / 3:22)
CAROL ALOANE(vo) ROLAND HANNA(p) GEORGE MRAZ(b)  
録音 1977年10月23日 パイオニア・スタジオ

このレコーディングも前回同様、2回録音されています。
そして曲目の最後にある数字は最初の録音と2番目に録音された各々の演奏時間です。
ここでチョットややこしいのは、右側写真の「TAKE 2」が、本来のテイク1になるべき最初に録音されているからです。
その経緯ですが、最初に限定発売されたものは、演奏も録音も慣れてきた2回目のものが使用されています。
そのレコードが廃盤となってしばらくして、ジャズ・ファンからもオーディオ・ファンからも、そしてヴォーカル・ファンからも再発売が待望されたのですが、最初に発売した2回目の録音のメタル原盤が使えないため、最初に録音されたものを「TAKE 2」として再発しています。

通常、同じ曲を続けて演奏すれば慣れてくるので、前の部分を修正していくことが多く、録音に関してもバランス補正できるため、この2枚を聴き比べてみてもそのように感じます。
そして、歌とピアノ、ベースによるシンプルなせいでしょうか、またはこの録音に関し技術提供をしているパイオニア(株)の技術力のせいでしょうか、はたまた日本と米国の違いでしょうか、いずれにしても前回の「THE THREE」に比べこちらの方が「生音」に近く非常にリアルな音作りとなっています。
ヴォーカルの前に迫り出してくる音と共に、ベースの音撮りは非常に優れていると思います。
キャロル・スローンの大半のものは所有していますが、これは出来も良く名盤の部類にはいるアルバムだと思います。
2枚を聴き比べてみた感じでは、最初に発売された2回目の録音の方の纏まりが良く、これがオリジナルとして発売されたことも納得できました。

ちなみに音撮りに使用しているマイクロフォンは、ヴォーカルがNEUMANN U-87、ピアノは高音と低音に同じくNEUMANN U-87をそれぞれ各1本、そしてベースはELECTRO VOICE RE-20とSONY ECM-40です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイレクト・カッティングのレコード (その1)

2013-05-08 | JAZZ
「ダイレクト・カッティング」 今となってはちょっと懐かしい響きです。

レコードが初めて世の中に登場した時代は、奏者の演奏したものを直接ディスクに収録する、いわゆる「ダイレクト・カッテシング」方式を採用していましたが、テープレコーダーの出現により、一旦磁気テープに録音してからディスク・カッティングを行うことで、その後の編集に色々なテクニックを加味することも可能となりました。
しかし、この過程を経ることによって、テープレコーダーに起因する音の濁りを避けることができないため、1970年代にはテープレコーダーを通さず、マイクロフォンから直接ディスクにカッテングする方法で、レコードが制作されることが流行った時代がありました。
この方式を使って国内盤初のジャズ・レコードが制作されたのは、イースト・ウインドレーベルの「ザ・スリー」と言われています。

このダイレクト・カッティング・レコードの存在は以前から知っていましたし、当時はレコードも持っていましたが、処分してしまってそれきりとなっていました。
ところが最近、山口克己さんの「LPレコードに潜む謎」という本を読む機会があり、その中の 《「THE THREE」を聴く》 という記事に触れ、再びこのレコードを聴いてみたくなりました。
 

その一部を紹介します。(左側からご覧ください)


上記の様に、たった1枚のレコードですが、テイク1とテイク2があり、同じ曲順で2回録音されたことになっていて、その中でもテイク1は、いろいろな方式で録音されています。
ここでその内容を改めて記載してみると、

1. ダイレクト・カッティング テイク1
2. ダイレクト・カッティング テイク2
3. テイク1を同時録音で収録した2トラック倍速(76㎝)のテープからカッティングされた45回転盤
4. テイク1を同時録音で収録した2トラック倍速(76㎝)のテープからカッティングされたレギュラー33回転盤
5. テイク1を同時録音で収録した2トラック倍速(76㎝)のテープからリ・カッティングされたレギュラー33回転盤
6. 米国インナーシティ(IC-0007)レーベルで、同テープをダビングしたものから制作された米国盤

ということで、テイク1は5種類のレコードが発売されていますが、改めて私が手に入れたものは、上記2番目のテイク2でした。

「THE THREE」  日本フォノグラム EW-1001
  
1. YEARNIN’ (5:08 / 4:18)
2. ON GREEN DOLPHIN STREET (5:19 / 4:19)
3. SATIN DOLL (5:43 / 5:20)
4. MANHA DE CARNAVAL (カーニバルの朝~黒いオルフェ ) (6:02 / 6:04)
5. ROUND ABOUT MIDNIGHT (4:37 / 4:34)
6. FUNKY BLUES (5:13 / 4:52)
JOE SAMPLE(p) RAY BROWN(b) SHELLY MANNE(ds)  
録音 1975年11月28日 LA ワーナー・ブラザース・スタジオ

このザ・スリーは、レギュラー・グループではないのですが、いずれもビック・アーティストであることから、このタイトルがついています。
ピアニストのジョー・サンプルはジャズ・クルセイダーズ(後のクルセイダーズ)の一員としても有名です。
制作にあたってはオリバー・ネルソンも協力しているのですが、このレコーディングの1ヶ月前に急死しているため、そのネルソンの霊に捧げて、最初に彼の曲を演奏しているのだそうです。

このレコードは片面15~16分の演奏で、曲目の後にある数字は最初がテイク1、後がテイク2の演奏時間です。
私は6種類のアルバムを聴き比べた訳ではないので、各々の比較はできませんが、2番目のテイク2を聴く限りでは、余りに整然とした演奏で、ジャズ本来のハプニングに欠けるような気がしました。
演奏面から見た場合は、一発勝負であるダイレクト・カッティングの限界なのかもしれませんが、「音」を聴くということに限って言えば、それなりの楽しみ方はあると思います。

なおこの6種類については、著者の詳細な説明がありますので、左から続きをご覧ください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の愛聴盤(第13回)

2013-05-06 | 私の愛聴盤
第13回はアルバート・アイラーの「スピリチュアル・ユニティ-」です。
アルバート・アイラー(Albert Ayler) 1936年7月13日 - 1970年11月25日 オハイオ州生まれ
ハイスクール時代から音楽活動を開始、軍楽隊に所属していた時期もありました。
1962年頃から主にヨーロッパを中心に演奏活動をしていて、最初のレコーディングは、同年10月25日にスエーデンの超マイナーレーベルであるバード・ノーツへ吹き込んだ「サムシング・ディファラント」とされています。(このレコードは同国のソネットから再発されていて、日本ではオリジナルジャケットでDIWからも発売されている)
その演奏からはソニー・ロリンズの影響が感じられます。

その3ヶ月後にはデンマークのデビュー(DEBUT)レーベルに 「マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー」を録音し、スタンダードの曲においても、独自のスタイルで強烈な個性の演奏を繰り広げています。
1966年には米国インパルス・レコードと契約し「ニュー・グラス」と言う、大半の楽曲がボーカル入りの異色作も作っています。
1970年11月に行方不明となり、25日にニューヨークのイースト川で、死体で発見されました。
公式には溺死とされていますが、他殺説もあります。
ということで、彼の活動期間は僅か8年の短い期間でありました。

今回のアルバムは1964年に録音された傑作と言われるもので(但しその道の人のみの言葉ですが)、私が購入したのは1970年頃の、あちこちで大学紛争が起っていた時代でした。
そして、ピアノレスのトリオ演奏でありながら、これらの曲の強烈な「音」を聴くたびに、当時の状況がダブって聞こえます。
当時私が住んでいたアパートの、隣の一軒屋からも時々ジャズが聞こえてきて、その中に今回のスピリチュアル・ユニティーもあって、苦笑した想い出のアルバムでもあります。
そして愛聴盤でありながら、団地住まいでお隣さんが気になるため、最近はレコード棚からジャケットを取り出すところまでで、ターンテーブルに乗せることが少なくなった盤でもあります。

「SPIRITUAL UNITY」 ESP 1002
   
1. GHOSTS : FIRST VARIATION
2. THE WIZARD
3. SPIRITS
4. GHOSTS : SECOND VARIATION
ALBERT AYLER(ts) GARY PEACOCK(b) SUNNY MURRAY(ds)  録音 1964年7月10日 NYC

このオリジナル盤は、発売枚数も非常に少なく超高値で取引されています。
私の所有しているLPは再発盤(再再発盤?)ですが、レーベルのデザインも色々あるようで、後半のものは白レーベルです。
CDも発売されていて、その中に清水俊彦さんの解説書がありました。
 

なお、このアルバムの2ヶ月後に、デビュー・レーベルに録音した「GHOSTS」は、上記メンバーにドン・チェリー(tp)が加わり、同じ曲を再現していますが、その後も度々演奏しているお馴染みの曲です。
下はそのオリジナル・ジャケットと、フォンタナからの再発盤です。
    

*ドラマーのサニー・マレイのスペルは、アルバムによってSUNNYとSONNYの両方が記載されており、SONNYとしている方が多いです。
なお、1962年11月23日にデンマークのカフェ・モンマルトルで実況録音されたセシル・テイラーとのセッションを記録したフォンタナ盤(オリジナルはDEBUT)では、Arthur Murrayとなっています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする