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トーマス・スタンコの新譜

2024-07-28 | JAZZ
ポーランドのトランペッターであるトーマス・スタンコのECMからの新しいアルバムを聴きました。
新譜とはいえ、彼は2018年7月に享年76で他界しており、凡そ20年前の独ミュンヘンでのライブ音源です。

「September Night」 ECM 2650
  
1. Hermento’s Mood
2. Song For Sarah
3. Euforia
4. Elegant Piece
5. Kaetano
6. Theatrical
Tomasz Stanko (tp) Marcin Wasilewski (p) Slawomir Kurkiewicz (b) Michal Miskiewicz (ds)
録音 2004年9月9日

トーマス・スタンコのアルバムは、過去に70年代のトーマス・スタンコ・カルテットとして取り上げていて、この時は全てピアノ・レスでしたが、今回はピアニストであるマルチン・ボシレフスキ・トリオとのセッションです。
トーマス・スタンコのトランペットの音色は、アート・ファーマーのようにソフトでありながらも独特の音色を持っており、それは「Song For Sarah」のような美しいバラード演奏に表われています。
また、ピアニストのマルチン・ボシレフスキは、いかにもヨーロッパ的な音色であり、スタンコのラッパに上手く溶け合っています。
その中で、「Euforia」はベースのソロにドラムスが絡むところからスタートし、このアルバムの中では4人による一番力強いプレイで、スタンコらしさが良く出た演奏となっています。

なお、このアルバムのエンジニアは、ステファーノ・アメリオで、ECMのサウンドが彼の手によってどのように響くかも興味がありましたが、以前掲載したアレッサンドロ・ガラティの新譜を踏襲している音作りのように感じました。
しかし、このレコードの唯一の不満は、片面の収録時間が21~25分あるにもかかわらず、音溝の刻まれていないデッドワックス部が幅広く取られていることから、もう少し盤面を広く使ってカッティングしていたら、より素晴らしい音が再生出来たのではと思わざるを得ません。

 


このアルバムを聴いた後、手元にあったマルチン・ボシレフスキ・トリオ(シンプル・アコースティック・トリオ)の2枚のCDも久しぶりに聴き直してみました。

「Habanera」(MW712-2)    「Simple Acoustic Trio」(Z091)
 

「Habanera」は1999年9月の録音ですが、当時は日本でヨーロッパのジャズ・ピアノ・トリオが流行っていた時期でした。
また、「Simple Acoustic Trio」は、1996年にスペインで開催された「20th GETXO INTERNATIONAL JAZZ FESTIVAL」の模様を収録しており、2枚のCDには「Habanera Excentrica」が共に入っています。
よって、改めてこの曲の演奏を比較してみましたが、ハバネラの方はベースとドラムスの2人による眺めの演奏があり、幻想的なイントロからスタートしており、ライブの方は、ベースがまるでギターのような音色でハバネラのリズムを奏で、それに乗ってピアノが力強いメロディを奏でていました。

そして、ハバネラの方はトーマス・スタンコの作曲による「Green Sky」が美しいバラードで、全曲を通して美メロによるヨーロッパのジャスを感じさせていました。
一方のライブの方は、同じポーランド出身の医者で、作曲も行い更にジャズ・ピアニストでもあるクシシュトフ・コメダの曲を3曲取り上げていて演奏にも現代的な息吹を吹き込んでおり、また、カーラ・ブレイの「King Korn」では、ゴツゴツした特徴あるメロディをベースと対話しながらの演奏していて、これも一聴の価値ある内容となっていました。


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