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トロンボーン演奏の第一人者

2013-05-25 | JAZZ
ジェイ・ジェイ・ジョンソン (本名 James Louis Johnson) 1924年1月22日 - 2001年2月4日

モダンジャズにおけるトロンボーン演奏の第一人者、インディアナ州インディアナポリス生まれ

ハイスクール時代からトロンボーンを吹き、スウィング・ジャズ全盛期の1941年にクラレンス・ラブ楽団に入ってプロとしての活動を開始しています。
1946年にニューヨークに出てきて、ビ・バップのイデオムを消化し、最初のバップ・トロンボーン奏者の一人となっています。
そして1946年6月にはバド・パウエル、マックス・ローチらを迎え、初リーダー・アルバムをサヴォイ・レーベルに録音しています。
当時から卓越したテクニシャンであり、わざわざレコード・ジャケットに「ヴァルブ・トロンボーンでない」との断り書きがあったそうです。

ちなみにヴァルブ・トロンボーンとは、形は普通のスライド・トロンボーンそのものですが、管の収縮で音の高低を出すのではなく、トランペットのようにピストンを操作して吹奏するため、早いフレーズを演奏することができます。
このヴァルブ・トロンボーンで有名な人は、スタン・ゲッツとの共演も多くあるボブ・ブルックマイヤーです。

話を元に戻して、ジェイ・ジェイ・ジョンソン(J.J.)はデビュー後、ディジー・ガレスピーや、オスカー・ペティフォードのバンドでも演奏していて、ベティフォードのグループの一員として、駐留軍慰問のためアジア各地を巡業し、1951年の暮れには日本にも立ち寄っています。
50年代は、ジャズ・シーンの繁栄がNYから西海岸に移った時期があり、帰国してからは仕事がなく、音楽生活から離れていた時期もありました。
そのような中で、人気・実力共に最も高かったのは1954年に白人のトロンボーン・プレイヤーであるカイ・ウィンディングと結成した2トロンボーン・コンボ「J&K」で、二人は日本でも「スイングジャーナル」誌における人気投票のトロンボーン部門で上位を占めていたこともありました。
J.J.のプレイに聞かれる豊かな音楽性と、驚異的なテクニックは、他のプレイヤーを圧倒するものがあり、長い間トロンボーンの第一人者でもありましたが、残念なことに前立腺癌による病苦からインディアナポリスにて自殺しています。

最初に彼の代表的アルバム(LP)を4枚並べてみました。(いずれもCDで入手可能です)
   

続けて、日本で発売されていない2枚を紹介します。
「THE FOUR TROMBONES」 DEBUT DEB-130
  
1. BLUES FOR SOME BONES
2. I’LL REMEMBER APRIL
3. YESTERDAYS
4. MOVE
5. STARDUST
JAY JAY JOHNSON(tb) KAI WINDING(tb) ENNIE GREEN(tb) WILLIE DENNIS(tb)
JOHN LEWIS(p) CHARLES MINGUS(b) ART TAYLOR(ds)     
録音 1953年9月18日 NYC

このレコードは、デンマークのデビュー・レーベルから発売されていますが、演奏者はいずれも米国人で、NYCでレコーディングされています。
4人のトロンボーン奏者によるジャムセッション形式のものと、ソロをフューチャーしたものに分かれていますが、そこは当然のこととして、J.J.とKAYの2人のスペースが多くなっています。
そして最後の曲のスターダストで、J.J.のバラードプレイを期待したのですが、J&Kは共にお休みで、ベニー・グリーンのソロとなっています。
ジョン・ルイスやチャーリー・ミンガスの参加も以外でした。

「A TOUCH OF SATIN」 COLUMBIA  CL 1737
  
1. SATIN DOLL
2. FLAT BLACK
3. GIGI
4. BLOOZINEFF
5. JACKIE-ING
6. GOODBYE
7. FULL MOON AND EMPTY ARMS
8. SOPHISTICATED LADY
9. WHEN THE SAINTS GO MARCHING IN
JAY JAY JOHNSON(tb) VICTOR FELDMAN(p) SAM JONES(b) LOUIS HAYES(ds)  
録音1960年12月1日

J.J.のCBS(COLUMBIA)への録音は、1955年から1961年までの約6年間でかなりの枚数に上りますが、カルテット編成となるとジャケット紹介にある「ブルー・トロンボーン」や、この作品になります。
この2枚を比較すると、バックを務めるメンバーからいっても、ブルー・トロンボーンに軍配が上がるのは止むを得ないですが、こちらも自身のオリジナル2曲、エリントンの2曲、モンクの1曲(5曲目)など、3分前後の曲が多い中で、最後の聖者の行進は、早いテンポでありながら6分10秒と長く、完全にモダン・ジャスとなっていて楽しめるアルバムです。

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