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あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

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私の愛聴盤(第156回)

2021-07-18 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤の第156回は、デヴィッド・マレーの1977年大晦日のライブです。
1980年代に暫く流行った“LOFT JAZZ”というアングラ的な言葉と演奏の数々、その中心的存在の一人であったデヴィッド・マレーは、LPと共に、CDも数多く発売されましたが、最近はあまり注目されなくなってしましました。
その中で、この人だけは今も聴いている内の一人です。

「LIVE AT THE LOWEE Vol.1」 INDIA NAVIGATION IN 1032
  
1. NEVADA’S THEME
2. BECHET’S BOUNCE
3. OBE
4. LET THE MUSIC TAKE YOU

「LIVE AT THE LOWEE Vol.2」 INDIA NAVIGATION IN 1044
  
1. FOR WALTER NORRIS
2. SANTA BARBARA AND CRENSHAW FOLLIES
DAVID MURRAY (ts, ss) LESTER BOWIE (tp) FRED HOPKINS (b) PHILLIP WILSON (ds)
録音 1977年12月31日

これは、1955年2月生まれの22歳のデヴィッド・マレイが、36歳のレスター・ボウイと共演している唯一の記録です。
1枚目のアルバム裏面には、マレイと同じ南カリフォルニア出身のトランぺッターでもある“ウォルター・ロウに捧げる”となっていて、このライブにレスター・ボウイの参加が興味深く、マレイとのインタープレイがこの録音の価値を一層高めています。
AEOCの中心的存在でもあったボウイのプレイは、言うまでも無く表現の広さと深さは多彩で、このライブを終始リードしています。
1枚目の「BECHET’S BOUNCE」は、タイトルからも分かるように、シドニー・ベシェに関連する曲で、ここでのマレイは珍しくソプラノ・サックスを吹いています。
そして「OBE」では、ボウイのトランペットが大きくフューチャーされ、コルトレーンのMr.PCのメロディの断片をも織り交ぜながら淡々と進んで行きます。
2枚目は、片面1曲づつのロング・バージョンですが、A面は、ピアニストのウォルター・ノリスに捧げた「FOR WALTER NORRIS」で、ゆったりしたフリー・テンポでの23分を越える演奏において、前半はマレイが時には破壊的なアプローチで迫り、後半はボウイが自由な発想でのソロを取ります。
また、B面の「SANTA BARBARA AND CRENSHAW FOLLIES」は、少しテンポを上げての演奏で、マレイとボウイは前曲と同様に交互にソロを取り、これに前曲と同じようにベースとドラムスが反応して演奏が進行するのですが、この曲の後半は、フレッド・ホプキンスの4弦をフルに生かしたロング・ソロや、フィリップ・ウイルソンのドラム・ソロもあり、このライブを締め括るのにふさわしい演奏となっています。

この時期のデヴィッド・マレイは、アルバート・アイラーに似た音色や激しい音の放出もあり変化に富んだ表現が魅力的ですが、本質はコールマン・ホーキンスやベン・ウエブスターをよりどころとしていたこともあり、この後は徐々にオリジナリティを発揮しながら音色と共に力強い音に替わっていくのですが、それもまた魅力の一つです。

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