つなぎとめるもの～音楽は世界を救う

こんなにも大きな権力（ちから）の前で　音楽はまったくの無力だ
こんなにも大きな悲しみの前で　音楽はなすすべもない
飢えを満たすことも
傷口をふさぐことも　できない

それなのに　なぜ
血を吐くような思いで　奏でる音の一つ一つを
磨こうとするのか

もし　あなたの目に汚辱や悲惨や理不尽ばかりが映って
この世界を見捨てたくなった時
自分でもとめられない感情（こころ）の奔流に押し流されそうになった時
歪んだ世界がつくり出す狂気の淵にのみこまれそうになった時

あなたをつなぎとめるひとすじのかぼそい糸に
この音がなりうるのなら
ほんのわずかでも善いもの美しいものが確かに存在すると
信じるよすがになるのなら

音楽なんて何のたしにもならない
音楽なんてどうしようもなく無力だ

だけど　音楽が世界を救うこともあるから

かけがえのないもの

もし　髪の毛のひとすじまでそっくりな人がもう一人いても
それはあなたじゃない
性格も遺伝子も同じでも　やっぱりあなたじゃない
あなたはこの宇宙にたった一人のかけがえのない存在
かわれる人なんてどこにもいない
あのやさしさ　あたたかさを　世界から消してしまわないで
あなたが大切にしていた人達に
受け容れ難い悲しみをつきつけないで

The one and only

あなたがいなくなったら　世界は一変するよ
ずっと喜びだったあなたを思わせるすべてが涙の源（もと）になる
笑えないよ　泣いてばかりいるよ
あなたのいない世界に意味なんてない

カッコよくいってしまうより
カッコ悪く生きる方が数倍大事と
あなたにこそ伝えてほしい
自分も大切にしなければ
周りを大切にしたことになんかならない
一人一人を慈しむ先に　あなたの望んだ世界もあるはず
自分を許せない罪も
二度と帰れないあの場所も
みんな背負って新しい明日に存在して

この声がまだ　あなたに届くと信じています
この宇宙でたった一人の　かけがえのないあなた