AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

決戦は13日の金曜日

2016年05月19日 | DJはじめました。
以前から何度か足を運んでるものの、常連というほど通ってはいない大阪の暗黒バー(メタルバー)で、13日の金曜日になると開催されるDJイベントには前々から心騒がされていた。

DEATH,BLACK,GOTHIC,DOOM,INDUSTRIALなど、暗黒系メタル括りのDJイベントで、ま、この辺のジャンルは私の所持してるCDの中でも1割にも満たないくらいに専門外なのであるが、悪魔主義的なバンドやオカルト志向の音楽にはメタルを聴き始めた中坊の頃からいたずらに好む性癖があり、自分の奥底に潜む邪悪な暗黒精神が如何ほどのものか、是非この年に一度くらいしか開催されないDJイベントで試したくて仕方なかったのである。

で、土曜日出勤日であったにも関わらず、イベント当日仕事終わって家で3時間だけ睡眠をとって終電で大阪に向かい、夜中1時頃から(すでに13日の金曜日ではないが)店でオールナイト、そして始発で家に帰り仕事場に向かうという、20代の頃にしかやったらあかんような強硬スケジュールでこの暗黒のDJイベントに参加させてもらったのであった。
今回はすでに本編枠は埋まってて、夜中2時以降からのフリーDJタイムのみの参加となった。

その日のTシャツはもちろんお気に入りのエンジェル・ウィッチ両性神バフォメットT。



天一のこってり食ってから店に向かいドアを開けて愕然としたのが、まず以前よく通っていたメタルバーのDJイベントより確実にギャラリーの年齢層が若い。しかも20代と思わしき女性客がこの時間帯にもかかわらず3人、その内の1人はパツキンの外人さん。
私の若い頃はこの手のイベントでかかるような音楽は女の子から忌み嫌われていたように思われるが、時代は変わったんだなぁと。
まぁゴシックやメロディックデスメタルバンドが台頭してからすでにメタル事情にはめっきり疎くなった私の知るところではないが。

こりゃ今夜は楽しくなりそうだぞ!と一瞬思ったものの、その日私の用意してきたCDはとてもじゃないけど女性ウケするような類のものではないことに気づき、すぐに絶望感でいっぱいになった。



セットリストはこんな感じ。

1.Innocence And Wrath~The Usurper / Celtic Frost
2.エイズルコトナキシロモノ / 人間椅子
3.God Is God / Laibach
4.すべての邪な神々よ! / Morbid Angel
5.Psalm 9 / Trouble
6.Sign Of Fear / Destruction
7.来るべき時期 / Meathook Seed
8.Os Abysmi Vel Daath / Celtic Frost
9.Hey Doctor / Witchcraft
10.Angel Of Death / Angel Witch
11.Mourning Of A New Day / Cathedral


『13日の金曜日』というテーマのイベントなので、当然デスメタル、ブラックメタル中心のDJイベントになるということは予想された。
ならば私はミッド&スローのヘヴィでどんよりした楽曲を中心に流そうではないかということで上記のようなセレクトに相成った。
まぁ私の場合、陰鬱で精神を蝕むような絶望感に溢れたどうしようもなく不健全な楽曲に強く“暗黒”を感じてしまう傾向にあるのでこういった選曲になるのは必然なのであるが。
最近の若い女の子が好むようなメロディックで抒情的なものはまずない。

ただ、私が店入りした頃イベント本編は終盤に差し掛かっていて、あと2人のDJさんを残すのみとなっていたが、この2人というのが偶然なのか、店のマスターが意図したものなのか、両者ドゥーミーな(しかも誰も知らんような)ものばかりを流さはる人たちで店の空気はすでにかなり重たいことになっていた。店入ったときWitchcraftの新譜がいきなり流れてて「え?」ってなったもんな。
その後の私のこのセレクトである。もちろん盛り上がるはずもなく回している本人が一番気が滅入る状態になるという。


まず、1曲目はベタながらCeltic Frost。
このような邪悪なイベントにおいて、デスメタル、ブラックメタル、ゴシックメタルなど、全ての暗黒メタルの始祖とされるセルティックを無視することはできない。
暗黒メタルDJの一発目として、邪悪で荘厳なるこのイントロダクションほど相応しいものはないのではないか?




ドゥームメタルといえば、オドロオドロしくヘヴィに展開するこのシカゴ出身のTroubleの1stからのナンバーは今回私の一押しだったが、これ後で調べたらキリスト教賛歌ナンバーらしく(要はストライパー流してるようなもん)このイベントの趣旨にかなり反していたことに気がつきこりゃ失敗したなと。まぁそんなこと誰も気にしてないとは思うが。

PSALM 9



まぁこういうテーマのDJイベントだから、デス、ブラック、ゴシック、ドゥーム系の音源を流しておけば無難なのであるが、やはり私としては一応得意分野であるスラッシュナンバーも流したいところ。
まだデスメタルやブラックメタルなどというスタイルが確立されていなかった時代、音の陰惨さや歌詞の背徳性でブラックメタルと位置付けされていたのが、このDestruction。
不穏なシンセ音で始まり、あやかしのアコースティックが奏でられ、ヘンチクリンな編拍子(つか三拍子か)が展開される中、シュミーアが病的ともいえるヒステリックな歌唱で歌い上げるDestructionの中でもかなり異色でアーティスティックなこの名曲をチョイス。

Sign Of Fear



30分枠で考えていたので予定のプログラムは6曲目までだったが、次回す予定の人が見事に酔いつぶれて伏せっており(私のドゥーミーな選曲がそうさせたのかもしれない)、しかも他にフリーDJに参加しようというおこがましい者がその場にいなかったため、彼が目覚めるまでそのままつなぎで回すことに。
ただ、予備で持ってきていたCDもほぼ若者ウケせぬようなドゥーミーなものばかりで、Meathook Seedなどの変わり種も流してみたものの反応は皆無で、店側にも申し訳なさでいっぱいで気が重くなる一方であった。
セルティックの曲をもう一回流すという自分の流儀から外れるようなことをしたりとほんとネタがなかった。


挙句の果てにはNWBHMのAngel Witchをセレクト。
これかなりサタニックな曲調でこのイベントの趣旨に合ってる気がするんですがねぇ。
最近の若い人はこんなナヨっとしたケヴィンの歌声はおキライ?

Angel Of Death



Cathedralのあまりにもスローで陰鬱な“Mourning Of A New Day ”を〆で流してますますドゥーミーな心情になっているところに、その日最後に入店してきた客が「あ、このカテドラルのCDジャケットは見たことないですねぇ」と食いついてきたではないか!
これは天からの、いや、地獄からの救世主か!?

そしてその後、彼とはCathedralとTroubleはどっちがヘヴィか、そしてMorbid Angel、人間椅子の話題(彼は喫茶ナザレス参加経験者らしい)からのクトゥルー神話のディープな語らいで大いに盛り上がり、私にとってこの部分がこのイーヴルな夜のハイライトであり、一番の収穫となった。


今日の1曲:『決戦は金曜日』/ Dreams Come True

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