AMASHINと戦慄

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3

2011年03月03日 | まったり邦楽
ロックバンドのアルバムあるあるで、3rdアルバムにまんま「3」とタイトルつけるパターンが多い気がする。
ま、単にタイトル考えるのが面倒くさいだけなんだろうけど。
例えば、有名どころで『LED ZEPPELIN 3』、『ゆらゆら帝国 3』(インディーズ作品は含まない)。最近ではPORTISHEADも『THIRD』と、まんまのタイトル・・・・・・・

「え、それだけ?」と言われそうだが今思いつくのはその程度なんであとは皆さんで探してみてください。
あ、なんで「3」の話をしだしたかと言うと、今日が3月3日だからです。念のため。

まぁ古今東西「3」という数字は、神秘的であり、万物において重要な意味合いを持つナンバーであると言われてますが、その事例をあげていくのもまた面倒くさいので、皆さん各自で調べてもらうとして、そろそろ本題に入らせてください。

今日ご紹介するのは堀込兄弟ユニット、キリンジの2000年作のサードアルバムその名もズバリ『3』!!
本作はキリンジにとっても転機となった作品で、シングル“エイリアンズ”などのヒットソングも生まれている。
聴きやすくて軽やかなポップ面と、プログレハードに展開するロック面とが富田恵一氏による卓越したアレンジで絶妙に融合し、バランスのとれた見事な作品に仕上がっており、当時私もそのあまりの完成度の高さに舌を巻いたものだ。
もとは当時SSTVで偶然流れた“牡牛座ラプソディ”の、なんとも不可思議なPVを見て興味を持ち出したのがキッカケで、一見小田和正風の歌メロJポップロックなんだが、キリンジの楽曲にはどこかヒネた一筋縄ではいかぬ不可思議な魅力があった。

『アルカディア』 ユニークなPVもキリンジの魅力のひとつだろう。彼らの無表情さが笑える。


とにかく有名タレントにも楽曲を提供している才能溢れた兄弟が、各々作曲した楽曲をそれぞれ比較してみると、影響された音楽の背景がなんとなく垣間見れて面白い。
どこか冷めていて、メロウな高音ヴォイスが持ち味の泰行(弟)の曲は、ポップだがどこか70~80年代ハードロックからの影響を匂わせている。
一方、普段はコーラスを担当しているが、時にフワっとした浮力を持ったリードヴォーカルを聴かせる高樹(兄)の曲は、スティーリー・ダンなどのAOR的雰囲気を強く感じさせるものがある。
整形して変わり果てた元恋人のことを歌った#11“メスとコスメ”のリズムセクションなどはその最たるものだろう。

そういった外来のロック要素が全面に出ているせいか、やはりキリンジには70年代プログレファンや、80年代ロックファンからの支持者(今となっては中年連中)が多いようだ。
そういえば油ギッシュなジャケットもなんかヒプノシスっぽくない?

#12“サイレンの歌”は、フロイドのようなゆったりとしたテンポに哀愁漂わすコーラス、終盤「クリムゾン・キングの宮殿」でのメロトロンを髣髴とさせる壮大なストリングスが絶大な効果を発揮しており、プログレファンは心奪われること間違いないだろう。
そして、ラストを飾る#13“千年紀末に降る雪は”の、金原千恵子カルテットによる優美なるストリングスを導入した、どんなクリスマスソングより温かみのあるこの暖炉部屋のような雰囲気・・・
歌詞内容共にキリンジの真骨頂ともいうべき名曲である。



今日の1曲:『サイレンの歌』/ キリンジ

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