AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
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ホワイトアルバム

2006年03月01日 | やっぱりメタル!!
人間椅子の新作『瘋痴狂』を購入してから一週間、ほぼ毎日聴きこんどります。
感想を書こう書こうと思っていたのですが、家に帰るとコテチーンと寝てしまい今日に至ったわけであります。

まずジャケットだが、白地に「瘋痴狂」という達筆文字がデーンと書かれており、人間椅子の判子にうさぎがピョコンという、なんとも簡素なデザインで中を開くと鳥獣戯画でも展開してんのかなと期待したが、白に黒文字だけというシンプルな作り。
このあまりにもやる気の無い歌詞カードとは裏腹に、今回はかなりの気合の入った力作といえましょう。
鈍くこもった音色の前作に比べ、今回は若干垢抜けた勢いのいい感じの作り。


だいたい鈴木氏のリード歌で始まる1曲目「雷神」は、まぁいつものごとく1曲目という感じ。ナカジマノブ氏のドッシリとしたドラムが気持ちいい。
「二十一世紀の瘋痴狂」って、このタイトルはクリムゾンの「二十一世紀の精神異常者」のパロディだろうか?
しかしラストギターソロは思いっきりツェッペリンのアレそのまんま。まぁ確信犯だろう。

そして、なんといっても今回久々の名曲と呼ぶに値する、大江戸ロックの集大成とも言うべき8分にも及ぶ大作「品川心中」。
「ええこちゃエ~~ええこちゃエ~~♪」っちゅう合いの手や、津軽三味線ギター奏法も炸裂していて椅子節満開だが、なんといっても間奏部分で和嶋氏による落語の小話が展開されるというのはロック史上初めてのことではないか!
もうこんなの人間椅子の楽曲にしかありえないよ!秀逸!!
小話の内容はちょっと把握できづらいが。




今回、ドラマーの歌う曲が3曲も入っているというのも異例のことかと。
前作より新加入したナカジマノブ氏は、どうやら歌って叩けるドラマーらしく、メンバーの中でも一番キーの高い高音域の声で歌える人。まぁ多少の苦しさは否めないが。
「ロックンロール特急」というタイトルからして垢抜けたナンバーは、キャッチーでノリがよくてとにかく明るい。
「孤立無援の思想」はコーラスからしてキッスのパクリというかオマージュが感じられる。
そして、ノブ氏本人が作曲したという「無慈悲なる青春」は本作中最もファストなスラッシュナンバーで、ルサンチマンな歌詞内容ながらアンスラックスの楽曲のように底抜けにキャッチーで明るい。これは本人の人柄が出ているのかな。
とにかくどの曲も出来が良くライブ映えしそう。

今回は鈴木氏の歌う曲がちょっと弱かったように思う。
まぁいつもながら鈴木氏らしい中期サバスやBUDGIEのようなミッドテンポでダラ~~とした感じの曲中心なのだが、「恐怖!!ふじつぼ人間」にしてもユニークなタイトルながら、ちょっとタンパクでもうひとヒネリ足りんというか・・・
「暗黒星雲」のブラッキーなドゥーム感は秀逸。

キング・クリムゾンの「Starless」+「太陽と戦慄 PT.1」×1/2のようなラストのプログレナンバー「幻色の孤島」だが、確かに和嶋氏の久々のフリップ奏法が炸裂しており、間奏の複雑極まる曲展開は圧巻なのだが、「それがしたかっただけちゃうん?」と思われるくらいに全体としてのまとまりが弱く感じられた。
う~ん名演なのに完成度がいまひとつなのが非常に惜しい。

ちなみに「幻色の孤島」というタイトルは、ドラマーのナカジマノブ氏が大好きな漫画家、日野日出志先生の作品名からきているのだとか。




ところで、今回のCDケース、なんかおかしくないか?
これはひょっとして、人間椅子ならではのプラティカルジョークというやつか?


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