AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

人類滅亡後のBGM

2014年06月23日 | まったり邦楽
今月はじめに、八尾のアリオで『ガンダムUC episode 7』を見終わってから、駐車料金をうかせるためにモール内のタワレコで購入したのが、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎くんのソロ第二弾『ナマで踊ろう』。

坂本くんがまさか八尾くんだりまで出向いてきたとは思えないが、彼のイラスト付き直筆の小っこいサインが試聴コーナーに無防備な状態でさらされていた。
マジで一瞬ポケットに入れて持って帰ろうかと思ったが、なんとか思いとどまりCDを購入。
俺ってええやつすぎるやろ!

実は、前作ソロはまだ未購入で、ゆらゆら帝国のラスト2枚の作品がどうもサウンドが実験的すぎてついていけず(ライブヴァージョンはものすごく好きなんやけどね)、ソロになったらもっとわけわからんことになっとるんちゃうかーっていう、浅はかな猜疑心がジャマをして手をつけられずにいたのだ。
坂本くんはやはり、どこか他のロックミュージシャンとは一線を画していて、ロックのあるべき姿だの、本物のミュージシャンならこうでなくちゃ!みたいなことなぞ意に介してないところがあって、自分が面白いなと思う音楽を作るためなら、自分のギターを省いてしまったり、時には歌さへも誰か他の女の子に歌わすといった手段を選ばぬ突飛さがある。
で、まさか今回駐車料金うかすという不純な動機で、坂本くんのソロに手をつけることになろうとは・・・・




人類滅亡後の地球を舞台にしたコンセプトアルバムっていう設定は、アルバムジャケットからもなんとなくそれを窺わせている。
スティールギターを携えたシャレコウベ面の慎太郎くん。バックにはきのこ雲が舞っている。
このジャケットの通り、今回は坂本くん奏でるスティールギターが幻惑的な効果でご機嫌にスライディングしている。
その音色は、時に聴き手を何千年後かの世界が滅んだ廃墟へとトリップさせ、時には何もない不毛の凍てつく荒野に吹きすさぶ風のごとくループする。
それが坂本くん特有のニヒルでウェット感を伴った歌声と、なにか人類への警鐘を鳴らすかのようなストレートでシンプルな表現の歌詞が、不可思議かつ不穏な雰囲気を纏って聴き手にじわりじわりと響いてくる。

だからといって、ドゥームメタルのように暗い内容かというと、そうではなく、楽曲自体はポップでとても洗練されていて耳触りが実によく、聴いてるととっても楽しくなってくる。
とくにバンジョーがフィーチャーされたカントリー調の「あなたもロボットになれる」の合いの手のように挿入される様々なパーカッションの音がユニークでとても楽しい。
「この世はもっと素敵なはず」では、パンキッシュな歌詞とは裏腹な爽やかな女性コーラスに、聴き取り不能のボコーダによるロボ声との掛け合いが実におもしろい。
乾いたようでねっとりと響くリズム隊も渋い。調べたらドラムは菅沼雄太氏で、ベースはOOIOOなどで活躍するAYAさん。

こんなステキな音楽が流れているのなら、人類滅亡後の地球もまんざらでもないんじゃないかと思えてくる。
いや、でも、誰もいなくなった廃墟でこんな音楽が流れてるところを想像してみると、とてもブキミでもある。




今日の1曲:『スーパーカルト誕生』/ 坂本慎太郎
コメント (2)
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