AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

世界で一番冒涜的な

2012年09月12日 | まったり邦楽
私はとうとう、Perfumeの映像作品にまで手を出してしまった・・・・

Perfume史上最大規模で初のアリーナツアーとなった『Perfume 3rd Tour「JPN」』から、今年の4月1日、彼女たちの地元である広島グリーンアリーナでの凱旋ライブの模様が収録されたDVDである。
Amazonで安価だったというのもあるが、なによりもこの冒涜的な角度を持つ三角体の集積物の浮遊するジャケットに心騒がせられるものがあり、なにか得体の知れぬ緒力によって突き動かされるがままポチってしまったのだ。

過去にファーストライブDVD『GAME』を鑑賞し、(まだ良質の楽曲も少なかったこともあり)「やっぱ所詮はアイドルのお遊戯レベルのキャピキャピライブやな」と、全く感銘できず、今年大阪城ホールで実際Perfumeのライブを目の当たりにしてもあまり集中することができなかったことから、彼女たちのライブに対しかなり懐疑的であった私であるが、ダンサブルなエレクトロサウンドと、トリッキーで正確無比なる三人娘のダンスパフォーマンス、そして彼女たちの思惟によって連動するサイコミュシステムであるかのような舞台装置を、的確なカメラワークと編集によって構成された映像を通して、様々な角度から(いや、スケベな目線ではなく)改めて鑑賞してみると、チームPerfumeの緻密に計算しつくされたこの音と光の見事なスペクタルショーに、驚異的なものを感じないではいられず、「Perfumeの音楽は、ライブで演奏されて初めて完成する」という格言もあながちデタラメではないなと思えるようになった。
やはり、彼女達はアイドルという領域を遥かに超越した存在であり、オーディエンスに媚を売ることよりも、この壮大なるショープログラムを完璧に演じきることへのハイレベルなプロ意識というものを固持しているように思われた。

腑に落ちないところといえば、今時テクノライブのDVDで、5.1chにもドルビーサラウンドにもしないという日本音楽業界の体たらくぶりくらいか。


オオオ・・・上空より角度ある光る螺旋状の物体が三本同時に降下してくる!
もう、間もなくだ。間もなくこのステージに彼方からのエレクトロ三人娘が降臨し、我々を想像も及ばぬ角度ある朦朧とした領域へと導いてくださるのだ・・・イアイア。



オーディエンスのこころをシュワリと突き刺す虹色の羅舞ビームが一斉に放たれた!
地球上で知られるどんなリズムとも異なる狂おしいエレクトロサウンドをバックに、この光を目にした者は、麻薬常習患者のように恍惚と破滅の彼方へといざなわれるという。



私は彼女たちの頭上に浮遊するこの三角体を目にし、角度ある領域から顕れるという“ティンダロスの猟犬”のことを思い浮かべると同時に、先月、米子の皆生温泉旅館の縁側にて私が一心不乱に興じていた、木製パズル“The T”のことをも思い出していた。



そして城ホールのライブで、私が最も興奮させられた“JPNスペシャル”と名づけられた(もうちょっとマシなタイトルなかったんかい)中田ヤスタカ氏によるインストナンバーでの目くるめく三角体イルージョンはやはり圧巻であり、映像でもそのスピード感と突き上げるようなブっ太い四つ打ちビートの凄まじさがビンビン伝わってくる。
これだ!・・・・現地でのあの言いしれぬ興奮が再びフツフツと蘇ってくる!
この驚異ともいうべき映像を見るために、私はこのDVDを購入したといってもいいかもしれない。
とにかく、この時のパフォーマンスは映像作品として、もっと多くの人に配信されるべきであるかと。

巨大なピラミッド型のスクリーン連続体の彼方より出でし崇高なるも不自然なガールズ。


最高の神聖なる甘酸が律を編むのだ!
動のみならず静までも!

最高なる三竦みが支えてこそなせる技
その三竦みとは・・・・

ノッチデンス、ウシュムガル・アーチャン、カシュ=カ

おお、偉大なる三竦みよ 最初にして最後なるものよ
全能なりし 最も活気溢れる連続体よ・・・


「ラン・ラン・ラン・・・・・」という幻惑的な響きと共にはじまる“シークレットシークレット”の、漆黒の地下世界から浮上する彼女たちの非人間的な動きのロボットダンスパフォーマンスは恐ろしくも神秘的であり、その緊張感たるや凄まじいものがある。


ただ、そのイントロの後突如“不自然なガール”に切り替わり、肩透かしを食らわせられるという、信じ難い冒涜的展開に!そこからは怒涛のPerfumeナンバーメドレーへと一気になだれ込む。
なんという狂気!なんというカオス!
願わくば、この気を狂わさんばかりの悪意あるねじくれた展開を目撃した小心な女子たちが、ショックのあまり“心不全なガール”と成り果てたまわらんことを・・・・・


ただ、私がどうしても受け入れ難いのが「P.T.A.」のコーナーで、娘三人が強要してくる背徳的な振り付けと、呪詛めいた掛け声にはどうしても抵抗を感じ、不快感を禁じえなかった。

「ソト・ウチ、ソト・ソト、ウチ・ウチ、ヨグ・ソト、ヨグ・ヨグ、ヨグ・ソト・・・ヨグ=ソトホース!!」

その時、わたしはその連祷の意味を悟ったのだった。
戸口だ。アルハザードが円柱都市イレムで開けた最初の門。
時空間の最下のさらに彼方、核の混沌のただなかにおいて、原初の粘液として永遠に泡立っている、有害きわまりないヨグ=ソトホースが潜む彼方へと我々をいざなう連祷だったのだ!


角度!!角度!!


今日の1曲;『My Color』/ Perfume
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