AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

星気中の無次元天球

2008年05月27日 | やっぱりメタル!!
HMVのポイントもようやく貯まったので、久々にデスメタルのCDを購入しました。
今更なんですが、ポーランドが誇るブルタルデスメタルバンド、VADERの2nd『DE PROFUNDIS』です。

実は十年くらい前に「モービッド・エンジェルが好きなら、ヴェイダーも聴け!」といろんなデスメタラーから薦められてまして、まぁ気にはなってはおったんですが、その頃すでにエクストリームミュージックには殆ど興味を失っており、今まで手付かずのまま放置しておりました。
しかし、最近の私のクトゥルーブーム再熱の勢いもあって、このヴェイダーの2ndはかなりのクトゥルー趣味が濃厚なアルバムだと聞き知っており、ジャケットもH.R.ギーガーを彷彿とさせるとても邪悪で素晴らしいものだったので購入に踏み切った次第にございます。

とりあえずせっかく各曲に邦題がついているので紹介しときます。

1.沈黙の帝国
2.闇の所業
3.キングゥの血
4.転生
5.ソーティス
6.叛乱
7.月、血、夢、そして我の
8.霊視と幻視
9.炎の中の再生

bonus tracks

10.デ・プロフンディス(アルバムタイトル曲がボーナス・トラックて!)
11.天罰

歌詞カードを見てみると、各曲にいちいち教義みたいな説明文が付いており、その中でクトゥルー的要素がふんだんに盛り込まれております。

「この離散の悪霊(ZAXと名付けられた星気中の無次元天球)は奈落の守護神であり、門に棲む者であり、門そのものであり、故にH.P.ラヴクラフトの神話に於けるヨグ=ソトホートと同一なのである。」

とか、

「人、旧支配者の長たるキングゥの血より創られずや?」

とか、『ルルイエ異本を基にした後期原始人の神話の型の研究』さながらの能書きっぷりでございます。
どうやら、ラヴクラフト作品そのものからというよりは、旧約聖書やアレイスター・クロウリーの教義を引き合いに出し、クトゥルー神話との関連性を強引に結び付けるというのが彼らの手法のようである。

音源の方ですが、パっと聴いた感じではエントゥームドを思い浮かべましたが、全体的にはトータルの短さといい、スレイヤーの『REIGN IN BLOOD』をモロ意識しとるな~と感じましたね。
特に9曲目なんか、リフのフレーズそのまんまな所がありました。
演奏力はかなりのものです。特に今は亡きドラマーのDOCの腕は超人的。この方はよくピート・サンドヴァルと比較されてますね。
しかしオリジナリティが欠如しているというか、ギターリフにもこれといった面白みがなく、ヴォーカルもいたって普通。そしてやたらツーバスの音だけが先行してるんですよね。バスドラで曲を作ってるのか?と思わせるほど。
せっかくクトゥルー神話体系を題材としているのに、雰囲気作りとかオドロオドロしさといった創意工夫が乏しいんですよね~、そういった表現力に於いてはMORBID ANGELの方が3枚も4枚も上手です。
ENTOMBED、DISSECTION、ARCH ENEMYと、ことごとくヨーロッパ系のエクストリーム・ミュージックがダメな私でしたが、今回のVADERも例外に漏れませんでしたなぁ~
北欧のメタルとはなんか相性が合わんのだわ。

あ、そうそう、彼らはカヴァーアルバムでTERRORIZERの名曲“FEAR OF NAPALM”をカヴァーしてましたね。選曲の趣味はいいですね。



今日の1曲:『FEAR OF NAPALM』/ VADER
コメント (2)
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