AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

キングス・エッキス

2008年02月22日 | やっぱりメタル!!
16日の幕張で、メイデンの開演が今か今かと会場内が意気揚々としている時に、思いがけずBGMにKING'X“OVER MY HEAD”が流れて、私は歓喜のあまり隣にいたその日初対面だったアッコさんに、「このバンド知ってます!?キングスXといって、アメリカのスリーピースのバンドでしてねぇ~オバマヘオバマヘ・・・・」と、つい暴走気味に熱く語ってしまい、彼女を大いに当惑させてしまった。
またもや私の悪い病気が出てしまった・・・・

しかし、私が興奮してしまったのも無理はない。
実はメイデンライブの前日、ブックオフにてたまたま見つけたこのKING'S Xの4th、そのタイトルも『KING'S X』を500円という格安プライスで購入したばかりで、ことのほか内容が素晴らしかったからである!
もし、DREAM THEATERの4th『FALLING INTO INFINITY』をお持ちの方は、7曲目の“LINES IN THE SAND”という曲を聴いてみていただきたい。サビのバックでやたらソウルフルなシャウトをかましている声に気づかれるハズである。
その声の持ち主こそ、このKING'S Xの左腕の黒人ベーシスト兼ヴォーカリスト、ダグ・ピニックなのである!


KING'S Xはイングヴェイなど、数々のミュージシャンからかなりリスペクトされていたものの、そのあまりにも時代を先取りした特異な音楽性ゆえジャンルの設定が難しく、当時アメリカや日本(ちょうどバンドブーム)では、殆ど受け入れられることのなかった不幸なメタルバンドだった。
そもそもトンプソンツインズを髣髴とさせる時代錯誤も甚だしい髪型の黒人シンガーのいるバンドなどがメタルファンに支持される事の方が難しかったのだろう。
しかし、このダグほど硬質なメタルサウンドに見事溶け込むことに成功した黒人シンガーはいないのではないだろうか?と私は思うのである。

ザクザクとしたバッキングを切り込ませるタイ・テイバーの硬質でシャープなギターに重量感のあるダグのベース。演奏の丁寧さと、時折複雑怪奇でありながらその整合感の豊かさと楽曲のクオリティの高さがすでにメタルというジャンルを超越してしまっている。
そして時にはリードヴォーカルも担うタイのビートルズを彷彿とさせる心地よいキャッチーで印象深いコーラス・ハーモニーこそ、このバンドの最大の特性と言っても過言ではないだろう!
今回購入した4th『KING'S X』は、正にそんな彼らのKING'S Xとしての音楽性を確立させた前期の集大成ともいうべき見事な傑作に仕上がっている!
私が特に気に入ったのは、ストレートさが痛快な#1“THE WORLD AROUND ME”。プリンス、あるいはクラヴィッツみたいなダグのソウルフルなヴォーカリゼーションがシブい#3“THE BIG PICTURE”。プログレッシヴさとグルーヴ感が織り成すハードなナンバー#5“CHARIOT SONG”・・・・・と、言い出したらキリがないどの楽曲も秀逸のデキである。

最後に、当時MEGADETH(「RUST IN PEACE」リリース時)のデイヴ・ムステイン大佐があるTVインタビューで以下のようなことをおっしゃっていたのを記憶しているので紹介しておこう。

「何でスキッド・ロウみたいなクソバンドが売れてんだよ!!もっと他にいいバンドがいるだろうが!!KING'S Xとかさぁ・・・」



今日の1曲:『CHARIOT SONG』/ KING'S X
コメント (2)
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