AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

匂いコレクター

2007年03月25日 | しねしねシネマ
大阪で恒例の午後の旧連臨時会合があるというので、明日廃車となるプリメーラに1000円分だけガソリンを入れておいたのだが、当日になってドタキャンとなり、雨の中ガソリン消化のため橿原くんだりまで映画を見に行く事にした。とんだ大気汚染である。

めっちゃ観たい映画があるというわけでもなかって、どれにしょーかと悩んだ挙句、結構評判のよかった『パフューム ある人殺しの物語』を観る事に。
久方ぶりの洋画。

舞台は中世フランス。驚異的な嗅覚を持ち一切の体臭を持たない男が、美しい女性の香りを永遠にとどめておく方法を探るため調香師となり、戦慄の連続殺人鬼と化していく男の物語。
魚市場で赤子を産み落とすシーンやら、最初ハリウッド的なコテコテしたヴィジュアルにかなり抵抗を感じたのですが、臭覚で獲物を狙う男の怪物像を見事に描いた新感覚サイコスリラーといった感じでなかなか面白かった。
13種の美女の香りを蒐集するまで殺人をも辞めないこの男の蛇のような執拗さ。
これって触覚芸術を完成させるために女を殺し続けた我が国の触手怪人“盲獣”になんか犯人像が似ておりますな。
何十キロ遠くに逃げようが彼の驚異的な臭覚から逃れることはできません!
で、彼自身体臭が無いので(それが彼のコンプレックスだったんですが)番犬の鼻も役に立たないのだからもう成す術なしといった感じ。いやいや恐ろしい怪物ですよ。
またこの役者がやせ細った野良犬のような容姿で、正に“臭獣”といったところか(全然上手くない!)。

そして13種の美女の香りを集めて調合した究極の香水には一種の幻覚剤のような効力があり、この香水をつけた者は世界をも彼の足元に跪かせてしまうのである。
彼をこの世界に導いた師匠的な存在の調香師も、最初に彼が調合した香水を嗅いで楽園にいるような幻覚を体験するのだが、この調香師役がダスティン・ホフマンであったのが面白かった。監督が彼をこの役に起用した最大ポイントは恐らくあのデカい鼻だったに違いない。
しかし、ラストの大どんでん返しがまさかの乱交パーティーとは・・・目がテンになってしまいましたわ。
いや~西洋的エログロ臭作映画ですな!

彼は香水をつけることでしか人々に自分の存在を認識してもらえない事にたとえようもない孤独と虚しさを感じていたのだが、半径10メートル以内に近づくとその存在にすぐ気付かれる体臭の持ち主とではどっちが不幸なのだろう?
いずれにせよ両者とも香水の力に頼らざるを得ないだろうが・・・
ちなみに私は周囲でワキガと噂されてる人の臭気にも全く気付かない鈍感な鼻の持ち主である。

オススメ度:★★★★

今日の1曲:『Smells Like Teen Spirit』/ NIRVANA
コメント
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