酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

彩の国 プレゼンテーション研修

2005年06月23日 | コミュニケーション
彩の国 埼玉県の中堅都市 H市の職員研修だった

H市の名物は 焼き鳥やさんの多いこと

飲み屋さん 店頭売りの店は100軒を下らない

住宅街にも店が散在している


「プレゼン」は大勢の人の前で 説明して 聞き手にその気になってもらうこと

提案型説得スキルを実習主体に学んでもらう

住民説明会で 効果を発揮してもらうことを目的としたものだ

「わかりやすく」「簡潔に」「印象深く」がキーポイントになる


初日の講座開始の当初から やけに気になる受講者がいた

最前列にいた50代の男性係長Yさん 俳優のベンガルに似ている

他の受講者全員が顔を向けてくれて メモなどとってくれている中で

ひとり むしろ毅然として 無表情、メモをとるどころか 顔も向けてくれない

久しぶりに出会ったタイプの受講者だ

こんなとき 講師としてムッとしたことも過去にはあった

なんとか 気をひかせようと 勝負をしてしまう

わざと質問を仕向けたり 揶揄したりする

結果は無残だ よけい反発されるのが落ちだった

人間の行動には理由がある

Yさんの態度にも なにか理由があるはずだ


やっと2日目になり 気を許してくれたようだった

研修室の扉が開いたまま開始してしまったとき 席を立ち 率先して扉を閉めてくれたYさん

全員が 驚きの表情 その後に湧いた拍手 照れて頭に手をやるYさん

いい光景だった


Yさんの実家は専業農家 田んぼが2000坪ある

この時期 毎朝4時起きで田んぼに「水ひき」をするという

それから役所に出勤する

”こんな忙しい時になぜ研修なんだ” 研修参加を指名されたときから反発心があったという

日頃からも 人付き合いが苦手のほうだともいう

もちろん 人前で話すなんて 以ての外

そんなYさんが 最後の感想発表を たどたどしいながらも 一所懸命取り組んでくれた

「きのうはイヤな研修が終わったあと 焼き鳥やで飲もうと思っていた 

しかし 研修の宿題があったので まっすぐ帰った 今夜は飲みたい」

「立て板に水」が 人の心を動かすとは限らない

訥弁のYさん 一番拍手が多かった


このブログの友人 「編集長」さんのコメントを思い出す

”いま 親しくしている友人は 第一印象の悪かったものが多い”

つくずく人間関係の不思議さ 機微を感じずにはいられない 研修の2日間でした