朝から曇天。昨夜遅くに一時的に激しく降っていたので、地面がビショビショになっているかと思っていたがそうでもない。天気予報では、すぐに雨が降るということはなさそうなので、朝食後は畑に行ってくることにした。ジャガイモを掘った後の畑に、次は白菜や大根といった野菜を植えたいから、早めに準備しておく必要がある。雨が降ると、畑を耕すのが大変なので、やれそうな時を逃すわけには行かない。
耕す畑の広さは、10メートルかける10メートルくらいのものだ。畑を貸してくれている人からは、耕運機を貸そうかと言われているが、借りに行ったりガソリンを入れたりしている間に、さっさと手で掘ったほうが早い。ケンくんのオヤジさんからも、自分ちの畑をやるついでに耕してやろうかと言ってもらっているが、わざわざ軽トラに積んで持ってきてもらうには、畑が小さすぎて気が引けてしまうのだ。
楽をしたいということであれば、畑を作ること自体どうだという気もする。畑の土作りやら、マルチやらネットやら、いろんな手間暇を考えると、スーパーで買ってくるほうが安い場合もある。もっと楽をしたいなら、外食すれば簡単だ。
というわけで、畑を作るというのは食費を浮かすということより、趣味としての意味合いの方がはるかに大きい。そういうことなら、畑作りを面倒臭がっても仕方がないのだ。そもそも趣味というのは、すべて面倒臭いものだ。やらなくてもいいことをやろうというところから始まるのが、趣味の世界なのである。趣味も高じれば、面倒臭ければ面倒臭いほど、楽しみの度合いも増して行く。
そんなわけで、クワを持って畑に行くと、せっせと土を掘り返す。掘り返しながら端まで行くと、今度は反対向きに掘り進む。すぐに腰が悲鳴を上げ始めるが、体を鍛えていると思えばなんでもない。わざわざジムに行ってバーベルを担いだり、機械をこねくり回したりしてお金を払うことを思えば、体力作りと野菜作りの贅沢な時間なのである。
3分の2を終わった頃には、今度は握力がなくなっている。おお、腰ばかりか握力も鍛えられるとは、さらに贅沢な時間なのである。と、自分の脳みそをごまかしごまかし、1時間半ほどかけてようやく耕し終わった。
次はここに石灰や堆肥などを撒き、さらに鋤きかえした後、畝を作るのである。