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イラク戦争と、米政治の退廃(8)「中国に革命を!」と、米  文科系

2021年06月24日 08時34分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 思うところあって、旧エントリーを再掲します。それは、去年の6月28日から7月6日にかけて連載した「イラク戦争と、米政治の退廃」9連載の第8回目『「中国に革命を!」と、米』です。因みに、思うところとはこういうことです。

 僕のエントリーの3分の2ほどは、名称そのものを検索にかけると(エントリートップの1段目を筆者名も入れて青転換し、そのままWeb検索にかける)、「Microsoft Bing」の検索画面にすべて読めるように紹介されて来るのですが、この9連載については3回目、4回目しか載せられていません。因みに、3回目は「イラク戦争が世界を難民流出で悩ませたこと」、4回目は「イラク戦争は米の『原油=ドル』政策から引き起こされたもの」と言う内容。今までこの検索をやって来た僕としては、9連載の内容からしてこの2つの紹介だけは少なすぎると実感しました。このことから、この検索画面作りの「方針」を少々探ってみたいと、僕は思い立ったわけです。まー、米政権と運命共同体に等しいGAFAの一端に、「米政治擁護言論」の規制が掛かるのは当然のことでしょうが、「国連の嫌われ者、米」という3回はすべて落ちているし、下の大事な中国関連事実(の一端)報道も落ちているのです。しばらく、この検索方針についてちょっとした探りを入れてみようということ。もっともこんな事を明言すると、拙稿紹介がすべてなくなるかも知れませんが、そうなったら仕方ありません。

 

【 イラク戦争と、米政治の退廃(8)「中国に革命を!」と、米  文科系 2020年7月5日

 米から中への覇権移行に関わる米中冷戦について、アメリカ外交の要人たちが「中国に革命を起こさせるべし」、「『なるべく』平和革命を!」と叫び振る舞い続けてきたのを、日本人のどれだけが知っているだろうか。イギリス人で日米政経問題の長年の研究者ロナルド・ドーア著「日本の転機 米中の狭間をどう生き残るか」(ちくま新書)に紹介されていた有名政論人らの議論を紹介しよう。

 まず、日本でも有名になった「大国の興亡」(1988年発行)を書いた、ポール・ケネディは少々平和的で、この覇権移行は必然だろうが、「暴力の度合いを減らして欲しい」と述べている。ケネディは、大国の興亡で「過去、大国が入れ替わった時とは、旧大国が手を広げすぎた時だ」と述べて、米ソ冷戦時代にはその双方にそういう警鐘を鳴らしていた。その後ソ連が、東ドイツ崩壊を機に降参と諸手を挙げた時に、米外交論壇はケネディに対してこんな勝ちどきを吠えたという。
「それ見ろ、米への警鐘は余計な心配だったろう!」
 ところが、ご当人のケネディは、今度は米中冷戦の行方についてウオール・ストリート・ジャーナルにこんな記事を投稿したと、ロナルド・ドーアのこの本が教えてくれる。

『西洋からアジアへの、権力の地殻の変動のような移行は逆行させにくい。しかし、米国議会およびホワイトハウスがもし合理的な政策を取れば、このような歴史的な転換期の浮き沈みの度合い、暴力の度合い、不愉快さの度合いをかなり軽減できる。私のような「斜陽主義説の輩」にとっても、まあ慰めになると思う』

 ケネディのこういう議論に対して、ネオコン(新保守主義者)論客が猛反発するのは、言うまでもない。その典型、ロバート・ケーガンはこう語る。
『国際的秩序は進化の産物ではなく、強制されるものである。一国のビジョンが他国のビジョンとの葛藤においての勝利に起因する。・・・現在の秩序は、それを是とし、その恩恵を蒙っている人たちが、それをとことんまで防衛する意思及び軍事能力があってのみ、存続できる』

また、著名な外交官、キッシンジャーはこう語っている。
『外向的丁寧さを剥ぎ取って言えば、米国戦略の究極的目標は中国の一党支配権力制度を取り除き、自由民主主義体制に変えさせる革命(なるべく平和的革命)を早めることとすべし』
『中国が民主主義国家になるまで敵対的に「体制転換」を中国に強いるように、軍事的・思想的圧力をかけなければならないとする』

 ケーガンの「国際秩序は強い国が利益を守るために強制するもの」にしても、キッシンジャーの「中国体制転換に向けて敵対的に、軍事的・思想的圧力をかける」にしても、良くていわゆる暴力革命・政権転覆、悪ければ戦争という含みである。

 既に起こっており、今後激化するこの冷戦の原因がこれから常にアメリカ側にあることを、否が応でもこれに巻き込まれるはずの日本人はよーく見ておくことだ。ちなみに、近年のアメリカが国連無視をどんどん深化させてきたのは、中国に対する国連的解決など放棄しているからだとも言えるのである。自らの最大目標2%成長率も延び延びになるばかりで、トランプにおべっかを使うことしか出来なかった安倍のような馬鹿が下手をするなら、これからもどんどん米兵器を買わされて米中冷戦の最前線に日本が立たされることになる。イージス・アショアで既定方針に反旗を翻した河野洋平は、その点だけとれば、日本の利益にかなったことをした。

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Jリーグに歴史的強豪誕生(3)家長が川崎で生きた理由  文科系

2021年06月24日 00時17分39秒 | スポーツ
 
 19年2月末に書いた3連載の再掲3回目だ。
 
 
 川崎で18年度J1リーグMVPを取った家長昭博については、特別に嬉しい褒め言葉、内容がある。
「川崎という君の能力が出せるチームがあって、そこに来られてこれだけ評価されて、本当に良かったね」
「もう一度、君が伸びられる、貴重な時代が来たんだよ!」

 さて、この言葉、内容について、以下サッカー雑誌などからの抜粋などを試みたい。僕のその問題意識はこういうものだ。ガンバ大阪の育成始まって以来の天才宇佐美は燻り続けているのに、その前のガンバの天才・家長は何故これほどの復活ができたか。そこには、世界と日本の近年サッカーの激変が関与していると、僕は理解している。

 そもそも今の川崎で、家長が、仲間からこれだけの高評価を得られたのは何故か。彼が川崎に溶け込める走力を持っていたことに加えて、彼の能力が「今のサッカーのゴール前で凄まじく生きる」ように時代が変わってきたからだと考えた。宇佐美ならこうはいかない。ゴール前能力でも家長ほどの当たられ強さはない上に、走力が不足するはずだ。そして、この走力、内循環機能は主として中学時代に育つものであって、20歳過ぎて大きく育むことの出来るものではないという運動生理学上の理屈も付け加わってくる。ただし、スタートダッシュ力はこの例外で、プロになってからでもかなり育つものだ。これは、清水時代の岡崎から知ったことである。岡崎は、元オリンピック短距離選手、杉本龍男氏に師事して走り出しの体の使い方などを身につけるとともに、あっという間に代表レギュラーFW、南アW杯の予選段階世界得点王に成り上がった。なお、この杉本龍男氏が今は堂安律の専属トレーニング・コーチをやっていると、先日のテレビで知った。

 ともあれ、川崎における家長の評価は、かつての所属チームよりも遙かに高いはずだ。それは、彼がボールを持てる力が、川崎の得点戦術ゲーゲンプレスのゴール前で限りなく生きるからだろう。ドリブル名手だし、相手を抜くことも上手い。ゴール前混戦で敵をハンドオフする力も、倒されない体幹も限りなく強いし、混戦でのパス力もある。このような力は、ゲーゲンプレス時代のゴール前では、繋ぎサッカー全盛時代とは比較にならぬほど大きな宝物になったのだ。加えて、家長は走れるから、出場時間も大変長い。
 川崎でやっていける以上を通り越して大活躍できたのには家長自身の予想も遙かに超えていたと思うのだが、逆に同時に、「この程度なら、俺にはそんなに難しいことでもなかったな」とも思ったはずだ。だから語っているのだろう。「このチームでなら、まだまだ俺は伸びるぞ!」。

 さて、こういう全てが選手育成にとって何が大切かを、新たに示してくれたと思う。何よりも、プロの対人スキルと、広く身方組織を見る目・視野は基本小学生まで。次いで、走力は、基本的に中学までしか身につかない。身体の強さは高校からでも遅くはないとは、ガンバ・ジュニアで家長に負けていた本田圭佑の今の体力や、高校までひ弱だったと思われる憲剛や俊輔が示してきた通りだと思う。
 
 
 この連載はこれで終わりです。ところで、23日夜、3位と4位の戦い、マリノスと鳥栖のゲームを観ました。マリノスが見違えるように強くなっていた。もともとゲーゲンプレス戦術のチームですが、走力がさらに一段と強まって凄まじい走りだ。まさか、ここまで失点が少なかった鳥栖をあれだけ追い込むチームがあるとは、僕には驚きを通り越した思いでした。それによって防御にも走る力が増えたようで、以前には多かった失点がすっかり減っている。ちょうど、ゲーゲンプレスの元祖クロップがリバプールに行って得点を増やし、やがてどんどん失点を減らした末にチーム久々の優勝を遂げた時のように。これすべて、セルティックへ行った名監督・ポステコグルーの遺産なんですが、このチームがこのまま走れれば川崎とのリベンジマッチが楽しみで仕方ありません。ちなみに、ポステコグルーは、クロップ・リバプールを世程深く研究してきたのでしょう。
 マリノスは、この日の勝利で2位の名古屋を追い越したようですが、名古屋よりも断然強い。これに比べれば、このままの名古屋なら、次第に落ちてくるんじゃないでしょうか。
  
 
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