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米サブプライム実行者たちの犯罪性、「未必の故意」  文科系

2009年02月13日 10時47分15秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
1 初めに

世界的な住宅バブル・サブプライム爆発とその結末的大恐慌を巡っていろいろと本なども読み、考えてもきた。イギリスのブラウン首相、WTO役員、世界の経済学者たちがもう大恐慌と語り始めている。グリーンスパン前FRB議長も「100年に一度の経済危機」と語った。けれどもさて、ここでも落石さんが再三指摘してきたように、今の議論には何かが足らない。事実経過を説明しているだけでは、どうにも全く気分が晴れない。

ふと思った。第2次世界大戦の結末には裁判もあったし、反省したヨーロッパではその後EUが生まれたりもしている。歴史的大惨事には事実認定の他に、歴史的評価・判定も必要だし、何よりもこんな世界的悲劇は2度と起こさないという反省、改善策が最も不可欠ではないか。グリーンスパンとか竹中平蔵とか、誰かが誤ったと語るだけなら、「警察は要らん」し、「猿にも劣る」というもの。ことの重大さからしたら、世界大戦なみの大惨事と言えなくもないのに。
爆発的倒産劇、大失業時代、就職氷河期、膨大な数の馘首・自殺・一家心中・犯罪などなどをもたらし、世界の青少年たちから近い将来の希望を奪ってしまった。世界中が通り魔にあったようなものではないか。

2 おかしなおかしなことだらけ

考えてみれば、なんせおかしなことばかりなのだ。まずその、根本的におかしいことを羅列してみたい。
①アメリカの住宅が永遠に値上がりするものとして、その分を「どんどん借金ができるよ」と説得し、その「値上がり分を予定した借金(返済計画)」を示して低所得者に住宅を買わせたり、あまつさえさらに「これだけ返済したのだし、まだまだ住宅は上がるよ」と住宅担保の借金を積み上げさせて一般消費生活までを謳歌させてきたこと。
②そのローン債権を組み込み証券化した金融商品を作り、世界中に売ってきたこと。信用が低い商品(ハイリスク)だから「儲けも高いよ」(ハイリターン)と触れ回れば少数の人々しか買わないはずなのに、世界中がこの商品を買った。そこから、住宅の値段がさらにどんどん値上がりして①がさらに進められたのである。
③格付け会社がこういう関係の会社の格付けを下げず、保険会社がクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などで「元は取れるから、大丈夫」との信用を広めるなど、社会全体が上記の流れを支え続けてきた。数年前のエンロン破綻に見るように、格付け会社が破綻寸前までトリプルAにしていた企業の粉飾決算を見抜けず、このデフォルトには連鎖が必然だからCDSの補償などは全く絵空事だと誰にも分かっていたはずなのだ。
④こういうオカシナやり方全体でアメリカの双子の赤字が支えられていたにもかかわらず、これを垂れ流し続けてきたということもある。
⑤こういう金融立国を標榜した末に、金融が物作り現場を痛めつけ自動車産業などの破綻を放置してきたのに、いざとなるとこの自動車会社までを国家が救済するというのも、実にオカシナ話ではないか。
⑥こういうオカシナ話に後先顧みず、西欧も日本も中国も国家が乗ってきたということがまたまた、オカシナ話なのである。爆発したら何年も何十兆もの公金をつぎ込むと覚悟までしていたはずなのである。

3 「未必の故意」?

さて、この「おかしさ」の指摘は、結果論では断じてない。住宅関連デリバティブの登場を前にした時にはもう、全ての学者たちが「近々こうなる」と予言していたことなのだから。「住宅の永久値上げは日本のようにどこかで止まる。これが止まったら全てが崩れ世界が大恐慌になる」。こんな世界は、砂上の楼閣に決まっている。このことを大いに認めた上で、浜矩子は以上の事態をこういう言葉で説明していた。
「一人にとっての正解が、全員にとっては巨大な不正解をもたらしてしまう。部分最適の総和が全体最適だとは限らない。この現象を、世に『合成の誤謬』という。債権の証券化という金融手法の中には、壮絶な合成の誤謬の悪魔が潜んでいたのである」(岩波新書「グローバル恐慌」p28)

さて、そもそもこんな「誤謬の悪魔」とは、合法なことなのか? これから先も含めれば何千兆という損失が出たかも知れないのに、元凶たちは大して損もせず、国家や国民には莫大な悲劇や負債が残る。これで誰も罰されずに済んでいくのだろうか? 「未必の故意」とみて、大々的捜査でもやった方が良い。そうでもしないとまた起きる。
「未必の故意」とは、積極的に意図したわけではないが故意に罪を犯したというものだそうだが、サブプライム破綻には「普通の故意」に近い人々も多いはずだ。
ちょっと勉強してみたら、こんな数字もあった。ウォール街では「ベアー・スターンズ破綻後3ヶ月半で、経済犯として訴追されている人間は400人という。だからといって身ぐるみはがされた投資家を私は知らない」(週刊東洋経済11/8 P162書評欄)

さて、今後こういう「金融会社の『合成の誤謬の悪魔』」をどこが見張るのだ。それ以前に彼らの世界的行為のその都度の現状をどこがつかめるのか。他に抜け駆けしてこそ儲けられるというデリバティブ、金融の世界だから、徹底的な秘密主義の相手なのである。
また、「市場に任せよ」という新自由主義者には、こういう「悪魔」はつきものだと僕は思うのだが、こんな強大な悪魔を前提とした「市場に任せよ」はごめんと言う他はない。


煮え切らない文章で、失礼しました。趣旨をお酌み取り下さい。
コメント (25)
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郵政の民営化は、間違っている(保守系)

2009年02月13日 00時41分55秒 | 時事問題
この所、麻生首相の郵政民営化問題への発言を、新聞・TVが批判していますが、
私は何故、郵政を民営化しなければならないのかよくわかりませんでした。
しかも、当時を思い出せば、民営化問題は、衆議院で可決しましたが、参議院で反対されました。しかし、衆議院を解散するという暴挙をに出たのです。
アノ頃は、新聞・TVも刺客・刺客の大騒ぎで、結局、自民党は、現在の議席があります。その後、田舎の簡易郵便局が無くなったという報道もされるようになりました。麻生が、次の衆議院選挙を有利にしたいのはわかりますが、それにしても民主党は、どういう考えがあるのでしょうか?共産党もどうなのでしょうか?
簡保の施設の売却問題もありますが、問題は、地方の簡易郵便局の問題が大きいのです。日本の郵便局の人達は真面目ですから、田舎では、一生懸命になって手紙や宅急便も、簡易保険や貯金も勧めているのでしょうが・・。
確か、ドイツも国営と民営を共存させてしたようですが?ポストが二つあったそうです。
また、例のアメリカからの年次要望書で、アメリカの保険業界が、日本の郵貯・簡易保険に対して日本への圧力を掛けたのです。NTTもそうです。平成16年4月発行の「拒否できない日本」文春文庫ー関岡英之著ーを読んで下さい。
現在でもアメリカ大使館の広報をヤフーでひけば出てきます。

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