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恐怖VS情報公開?   落石

2009年02月17日 19時04分21秒 | Weblog
ソビエトがまだ存在していた昔、中央アジアへ旅行に。
二人の子供に「行かない?」と聞いたら「こわいからいや」との返事。
ビックリ。我家ではソビエトが怖いという話は一度もしたことがない。
なのに、何故?

このブログに投稿するために少し勉強した時に読んだこと。
国民を戦争に動員するのは簡単。
敵が攻めてくる、と言い続ける。恐怖心を植え付ける。
愛国心を煽り、反対する者を愛国心のない者と言って攻撃する。
この戦略があれば、100%成功。
ナチスの首脳の話です。

この二つの話を説明してくれる本がありました。
「サブリミナル・インパクト」著者は下條信輔。
知覚心理学、認知神経科学の専門家。

現代社会は過剰な刺激に満ちている。直接、快楽を刺激する音楽と映像。
絶え間なくメッセージを投げかけるメデイアやCM。
それらは私達の潜在脳に働きかけて、選択や意思決定にまで影を落とす。
が、私達はそれを自覚しない。意識下にある情動系、認知系への介入は
意識レベルでは認識されないからだ。
と、本に書いてあります。

ビールのCMを見ると、のどが渇いてくることはありませんか?
つまり、繰り返し、繰り返し接触するメッセージは、
感情の記憶となって、ふっと生理的に、無意識に現れるというのです。

政治の世界では、これを組織的に実践したのがナチス。
ナチスの場合は経験的な知恵だったのでしょうが、
恐怖という感情を見事に利用しました。
いまのアメリカでは、この恐怖の利用が、意識的に実践されているといいます。

たしかに、9・11以後、アメリカでは、
イスラム原理主義=過激派テロリスト、国家の安全=国防=愛国という
二分法にもとづくメッセージが流され、続けました。
(これにはアメリカの主要メデイアが大資本に買収されたという事情も)
イラクが大量破壊兵器を持っていないことが明確になっても、
時に応じて、テロ情報が流され、恐怖という情動系に
刷り込まれた記憶が消えないようにコントロールされているように
著者には感じられると言います。

著者は、問題は、この事実が個人の意思決定に作用しても
そのことが自覚されない点にあると、指摘します。
大脳皮質が意識・思考の領域ですが、その下を流れる無意識な感情と感覚運動の回路、
情動という潜在的な認知レベルにあらわれる反応は、集団に感染しやすいとも。

二人の子供がソビエトはこわい、と言ったのは、まさに自覚できないけれども、
ソビエトに行くという体験に直面した時に、刷り込まれていた恐怖という感情が
記憶のなかから呼び起こされて、旅行に参加しないという行動を決定づけたのです。

北朝鮮が怖い、という刷り込みは、
恐らくすでに充分行われていると思います。
ちょっとテポドンのニュースがあれば、あっという間に甦り、
日本中に恐怖の連鎖が起る可能性が高いようです。

それにしても無意識という点。
北朝鮮に関して、情報がほとんどなく、一部の人々が
情報操作をしやすい状況にある点、
いずれも、対応を非情に難しくしています。





コメント (4)
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