棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

遠藤周作で読む イエスと十二人の弟子

2013-10-26 08:22:49 | 山郷の暮し
A5版の120Pほどの小さなほんですが、美術書コーナーにも置かれていたもので、挿画写真は題名に関係した名画や写真ばかり。
見知った作品だが、遠藤周作氏の
「私たちがもし聖書をイエス中心という普通の読み方をせず、弟子たちを主人公にして読むと、そのテーマはただ一つーーー弱虫、卑怯者、駄目人間がどのようにして強い信仰の人たりえたかということになるのだ。そしてまた、そのふしぎな弟子たちの変り方の原因こそ、聖書が私たちに課するテーマであり、謎とも言えるであろう。」
と始まり、私たちがよく耳にする「神の子イエス」という言葉は編集中には一言もない。
人間イエスであり、ましてや奇跡など起こして人々を驚かしたことなど触れていない。
イエスはひたすら「神の愛」を説いたのだと・・。
しかし、愛よりも現実には奇跡に近いパワーを必要としている現実だ。とも氏は語る。

12徒の苦悩は「神の愛」など腹の足しにもならなかった。とまで言い切る。
現実の懊悩は、私の疑問そのもので、前記した私がキリスト教になんとなく感じている「うさんくささ」でもある。

「・・このイエスの何もできないこと、無能力であるという点に本当のキリスト教の秘儀がかくされている
ことを」「無力であること」に自分を賭けることから始まるのである。
 遠藤周作で読む イエスと十二人の弟子 には長い間納得がいかなかった
モヤモヤが晴れる思いがした。
すなわち、私のモヤモヤを 当たり前の解釈で 日本人の感性で語っている。

この本自体が遠藤周作 作「イエス・キリスト」からの引用による編集ですからいまさら私が
抜粋するのはよろしくないのです。
まずは、図書館から借りてきましょう。

ryusun

つぶやき

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