11/26(水) 朝方に夢を見ていた、その夢から醒めていたのか夢現であったろうか。夢の中のつづきを一生懸命に考えて、ああだこうだと工夫をしていた。その夢は、忘れたはずの剣道の稽古であった。
少年の私が父に剣道を教わって、稽古をしていた。未だ小学にも上がらない子供であった。不思議な夢と云うか、深層心理の中に埋もれていたものが、ふっと浮かび上がったきたのか。三歳ごろから小学校に上がるまで、関節炎でコルセットやギブスの生活だったので、とてもじゃないが剣道は出来なかったし、運動も止められていたのだ。
それが、こんな夢を見るとは・・・。挫折した道への悔恨からか、今更に、ああすれば、こうすればと修行のステップをなぞっていた。
そんな所為か、時計を見ると7時を過ぎていた。時刻は7時10分、厚いカーテン越しに来る夜明けの訪れは、未だ明け方のように暗いというに・・・。
大急ぎで台所へ向かう。家人は「今日はもう間に合わないよ」と言うが、『そんなことはねえや、鍋でご飯を炊けば二十分だ』と、弁当作りに入った。先ずは、飯を炊く。菜の方は、今日はトンカツを揚げる予定であった。
揚げ物の準備をし、タマネギとアスパラのフライを、そしてjジャガイモの素揚げ。箸休め用の茗荷とスナップエンドウも素揚げして、青シソドレッシングで和えた。最後に、トンカツを揚げてお仕舞だが・・・。時間も差し迫っていると云うに、トンカツを一枚、カツ煮にする手の入れようだった。
これだけじゃ淋しいので紅鮭を二切れ焼いて、今朝の弁当事を終えた・・・、やれば出来る!揚げ物から、カツ煮に転じさすとは中々の技じゃあないか?
朝の一仕事を終え、雨の中を会社に向かう道すがら『今日は特段の予定が入ってないな、思い切って歯科医の予約を取ろう』と、決断をした。半年も前から、右の奥歯がグラついて塩梅が宜しくなかった。延ばし延ばしにしていたが、抜くことにした。幸いにも社の近くに何件か歯科医がある。
会社に入る前に、歯科の扉を押して予約状況を確認した。今日の11時なら予約ができると聞き、申し込んだ。歯医者に行くのは六年ぶりとなるか、抜く歯以外にもガタが来ているのは承知だ。当然、抜歯だけで帰してくりゃあしない。小一時間の予定が、歯石取やらで一時間半も椅子に縛られてしまった。
Drは、歯を弄りながら「タバコを吸いますね、タバコは歯の末梢神経を麻痺させるのでよくないですよ」とか言っている。『その分、毎日アルコールで消毒してますから…』とか、応えたかった。が、こっちやあ口開けているので声も出せない・・・・。何とも締らない姿だ。
未だに口の中に入れ歯でも詰まっている感じで、気色が悪い。暫くは、歯医者の魔手から逃れられそうもない。挙句に銭までふんだくられるとは・・・。
治療が済み、帰りに「高松でお会いしましたら、宜しく」と、Drに言われた。治療に入る前「何処からうちのことを知りましたか?」と訊かれ、『ソバの高松に行かれるでしょう。私もよく行くので、そこで先生達が見えると聞いてましたから』と応えたのだ。
見目麗しき助手が何人かいたが、汚い口を無理やり開かれて弄られたとあっては、例え飲み屋であっても一緒になれば、気恥ずかしいぜ・・・。
今夜は酒、控えた方がいいのか?どうなるか、実験をしてみるのもありかな・・・・。