バーナンキ連銀議長の議会での証言が終わった。
次の焦点は3月18日のFOMCにある。市場は0.5%の利下げを織り込んだが、今週に入ってから0.75%利下げの期待観も出てきた。
今週にはいってから発表される景気指標が一段と景気の冷え込みを証明している。
ビジネス・ウィーク誌はウェブ・サイトで“バーナンキ将軍は2つの敵に直面している”と、政策のジレンマを論じている。
金融市場の危機と景気鈍化、いまひとつはインフレである。
同議長はプリストン大学教授の時には大恐慌の研究で有名になったほどで、現在のような危機に対して、どう戦うかを充分に心得ているとしている。1929年の株式市場の暴落のあと、政策当局は利上げ政策をとった。
当時の恐慌も、ITバブル(ラジオの発明)とフロリダでの不動産バブルの後に続いた。当時は、米国ドルは金とリンクしており、ドルからの資金の逃避を防ぐために高金利政策を選択した。それが大恐慌に発展した原因であるというのが、かねてのバーナンキ議長の持論である。
現在も資金はドルから金に流入する動きが強まっている。状況は全く同じである。
2つの戦いにどう対処するか?当然、金融市場の安定と景気の回復というのが優先順位である。
1月以降の日米欧の株価はそれを織り込んでいる。あとはスピードの問題である。