「いつかは・・」とかねて考えていた買収劇が実現した
富士フイルム(4901)による、富山化学(4518)の買収である。このところエーザイ(4523)、武田薬品(4502)が相次いで海外の企業や、日本の子会社の買収に踏み切ったが、今回の買収は「ついに・・・」と感じさせるM&Aであった。富山化学は株式市場では話題の多い企業で、投機家の売買の対象になることが多かった。それだけにいつも株価は割高ではあったが、視点を替えれば買収に1,000億円という価値がつけられたことは、これからの薬品株の投資価値の評価をするうえでは大きな意味がある。
外資がこれまで日本の薬品株に目を付ける場合には販売力にあったが、今回のように開発力に目を付け、その評価として1,000億円を投じたのには大いに注目すべき意味がある。
これまでから富山化学には合併や買収のウワサが出たことがあるが、株式の支配権の少ない特定の経営者の壁に遮られ、話がなかなか進まなかったようだ。
今回のM&Aの成立は薬品株の評価の見直しのきっかけになる。
世界でもっとも割安な東京市場のなかにあっても、内外で見捨てられた存在であった業界だけに、先行き外資が動き始める可能性が強い。
最近、評判の悪いM&Aに対する閉鎖性の海外からの見直しにつながれば、大きな意味がある。
株式相場にもよい影響を与えるだろう。