昨日のウォール街ではナスダック指数は上昇したが、ダウ、S&P500は下落した。
年初来ではダウ‐8.2%、S&P500‐9.3%、ナスダック‐13.1%で、相場の下落トレンドは続いている。
一時はナスダックが昨年10月の高値から‐20%超も下げたので「いよいよベアー・マーケット入りした?」とヒヤットさせる場面もあった。
またウォール街では「リセッションにはいったかどうかは別として、景気が悪化していることは確認ずみ」という見方で一致してきた。
ヘッジファンドの運用者たちは、景気の悪化を前提にした戦略を立てている。
相場の世界で目立った動きは金、石油の上昇である。新高値を抜くのは時間の問題となってきた。ほかにも銅、小麦、砂糖などの商品相場も高い。これまでの米連銀の利下げは株価には大きな影響を与えず、インフレの先行指標である商品市況には影響が明確に出てきた。景気対策よりもインフレ要因として作用している。今週の連銀のFOMCの一部のメンバーがインフレ懸念を表明したのも当然だ。皮肉な現象である。
ただエコノミストの間では「3月18日の定例FOMCまでに0.5~0.75%の再利下げがある」とみる向きが増えてきた。景気指標の悪化と株安の継続が理由だ。
「連銀の政策については、バーナンキ議長とコーン副議長の2人のコンセンサスづくりで決まる」というのが市場の見方である。
NY株が目先、方向性を転換することは考えにくい。
われわれが関係しているヘッジファンドは金、銀、プラチナ、食品などの商品相場に力をいれ、株価の下落の影響のヘッジの戦略をとっている。また商品関連ファンドの成果が新年来は好調である。
われわれの戦略にも引き続き加えていきたい。