ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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約束の重み

2011-12-03 23:52:33 | 日記

一昨日、新聞に掲載されていた某国語辞典の宣伝広告に思わず苦笑いしてしまいました。ある語彙について当該辞典で説明している文章を掲載していたものですが、まずは、その文章を御紹介いたします。新聞広告の転記ですので、著作権法上も問題ないとは思いますが。

こうやく【公約】政府・政党など、公の立場にある者が選挙などの際に世間一般の人に対して、約束すること。また、その約束。〔実行に必要な裏付けを伴わないことも多い〕

公務員連絡会が今年の5月に給与の引下げに関して片山総務大臣との交渉の結果、苦渋の決断をした際に確認した事項には「国家公務員の給与削減に係る法案と自律的労使関係制度に係る法案については、政府として同時に今国会(筆者注:177通常国会)に提出、成立に努力する」との事項が含まれていました。

しかし、最近では与党の複数の幹部ならびに一部閣僚が、自民・公明両党の対案-今年度の人事院勧告を実施したうえで給与の引下げを実施するもの-に譲歩し、給与引下げを先行処理する意向を示したとの報道がみられております。

そもそも、今回の給与引下げにあたっては、当時の菅内閣から「現行の人事院勧告制度の下では極めて異例」ではあるけれども、「来るべき自律的労使関係を先取りする形で」交渉を踏まえて給与の引下げを行わせてほしいという趣旨の申出があったことから、交渉を重ねた末に「被災者及び被災地とともに歩むとの思い」をもって内閣の提案を受け入れたものであります。制度上は、内閣の判断により、現行の人事院勧告制度を無視した、いわば内閣自ら「超法規的措置」を図ったも同然なのです。

であるにも関わらず、国公制度改革関連4法案の成立への道筋を探ることもせず、給与引下げだけを先行させようとするのは、論理的に破綻してはいないでしょうか。

参議院で与党が少数となっており、閣法の成立に困難が予想されるのは自明の理といった状況の下で、内閣自ら「来るべき自律的労使関係制度の先取り」に言及した以上、前内閣の事務を継承した政権の責務として当該制度の確立に邁進するのは当然の責務であり、それができないというのであれば、合意の前提条件が崩壊するということを再認識すべきではないでしょうか。

「提案者の責務は重い」というのは、社会人としての常識だと思うのですが・・・。

【ふく福】