YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

未だに今年度予算をグダグダやっているアメリカ

2011-03-31 08:44:26 | アメリカ政治
もう何回も、去年の9月から今年度(2010年10月ー2011年9月)の予算が成立しておらず、2週間と3週間の短期暫定予算を2回成立させて、騙し騙し連邦政府が何とか回っている。(今年度に入る前に民主党は、今年3月までの6ヶ月の暫定予算を成立させていた)

今の暫定予算も来週4月8日に切れるので、何らかの予算が成立しなければ、連邦政府はシャットダウンする事になる。

共和党は、成立した2回の短期暫定予算で、既に $10B(約8000億円)を削減しており、今年度の予算で、2010年中間選挙の公約である一年で$100B(約8兆円)の歳出削減を上回りそうなペースである。(7ヶ月で $61(約4兆8000億円))

共和党としても、2、3週間毎の細切れ暫定予算を今年9月まで繰り返す気は無い様なのだが、未だに上院で過半数を占めている民主党が全く協力を拒んでいる。(これも、もう何回も書いているが)民主党は、1995年クリントン政権のときに、下院で過半数を占めていた共和党が歳出削減の予算に固執し結果的に連邦政府がシャットダウンし、棚ぼたでクリントン政権と民主党にその後の選挙で有利に働いた事があり、シャットダウンを厭わない雰囲気がある。(共和党にも恐怖感がある様に見える)

一方で、共和党も歳出削減で方向性は一致しているものの一枚岩ではない。保守派は、特に、ObamaCare の準備予算 $105B(約8兆4000億円)が今年度予算に巧みに仕込まれている(これは ObamaCare とのコンビネーション)事を問題にしており、もし、共和党が下院で割れれば、民主党に付け入る隙を与える事になる。

4月8日以降の今年度の予算がどのようなものか、未だにハッキリしない異常な事態であるが、来年度の予算の審議も始まろうとしている。オバマ政権は、財務長官がこのままでは "Unsustainable" と思わず言ってしまった冗談の様な来年度の予算教書を提出しているが、共和党は4月に独自の予算案を提出する予定である。

単純な歳出削減だけでなく、Social Security(年金)、Medicade(低額所得者のための国民医療制度)等の社会保障にまで踏み込んだ本格的な財政再建案を盛り込まれている予測である。

今年度、来年度の予算を審議している間に、もう1つ財政上の問題を解決しなければならない。5月もしくは6月に国債の発行残高が、上限である $14.29T (約1143兆円)に達する。これを引き上げるには議会の承認が必要なのである。

保守派からは手緩いと言う批判はあるものの、共和党は昨年の公約を守り、真剣に財政再建に取り組もうとしている。それに比べて民主党は、未だに財政危機という認識も薄く、全てを政治問題として処理しようとしている。共和党が削減案を出す度に、民主党は何の対抗案も無く(未だに財政は健全とか言っている議員もいるくらいだし)シャットダウンを持ち出して、国民の不安を煽るくらいしか出来ない。(シャットダウンといっても、国防省などの需要度の高い機関はしない)

さて、民主党のリーダー(大統領として国のリーダーという事になっているが)のオバマは、予算、財政についてこのところさっぱり音無である。でも、演説好きなので沈黙しているわけではなく、リビアの件では、今週、全ての批判に答えられる様な全方位外交的な演説を30分も行い、今日も外国の石油に頼らない政策(ついでに原発の選択肢も捨てないと言っていた)についてスピーチを行っている。

尚、現時点でオバマ最大の関心事であるであると考えられる Final Four (ベスト4)が出揃った NCAA男子バスケットボールトーナメントについては、自分の言葉でキッチリ解説していた。

海風 伊勢正三

2011-03-30 00:15:25 | 音楽関連
ジャンル不明な曲である。

「なごり雪」や「22才の別れ」のような所謂フォークの名曲を作った人のが、なぜ、こんな突然変異でフージョンの様な曲なのか理解不可能だ。

かぐや姫、風は売れた歌しか知らないので何とも言えないのだが、他にもこんな作風の曲があるのだろうか?

そして、なぜ1977年にこんな曲を作る事が出来たのであろうか。本当に奇跡の様な名曲だと思う。

アコースティックギターのイントロがもの凄くかっこ良い。別の楽器でもっとかっこ良く出来る様な気がするが、このイントロはやっぱりアコースティックギターでしか成り立たない様な気もする。コーラスから歌い出しへの流れも抜群。




ギターだけだと、尚更、この曲の異様なポップさ(この表現あたっている様な、外れているよな)が際立つ。


Why Fukushima made me stop worrying and love nuclear power

2011-03-29 10:55:59 | 新聞、雑誌から
私を原発信者にさせたフクシマ

オリジナルは、イギリス、ガーディアンの記事(原文はこちら)であるが、産経ニュースの要約を引用しておく。

 22日付の英紙ガーディアンで環境コラムニスト、ジョージ・モンビオ氏は「なぜフクシマは私の不安を取り除き、原発を許容させたのか」と題して「原子力は想像できる範囲で最も厳しい試練に直面しているが、人類や地球への影響は小さい」と指摘している。

 モンビオ氏は地球温暖化に警鐘を鳴らしてきた環境派だ。温暖化対策のため温室効果ガスを出さない原子力を見直す動きには距離を置いてきたが、福島第1原発事故を目の当たりにして原発推進派に転じたと打ち明ける。

 「不十分な安全機能しかない老朽化したポンコツ原発を怪物のような地震と巨大津波が襲った。原発は爆発し炉心溶融を始めたが、知り得る限り誰一人として致死量の放射線を浴びていない」と語り、環境保護派は放射能汚染の被害を誇張し過ぎているとも批判する。

 モンビオ氏はまた、「エネルギーは薬と同じでどんなものでも副作用を伴う」と指摘。太陽光など、再生可能なエネルギーを促進する必要はあるものの、原発による電力供給をすべて再生可能エネルギーに置き換えることはできない。

 環境保護派は風や川の流れをエネルギーに転換する牧歌的な理想を唱えるが、水力発電は川の流れをせき止め自然環境を破壊する。 英イングランド地方では1800年に1100万トンの石炭が産出されたが、これと同じエネルギーを得ようとすれば4万4500平方キロメートル超の森を切り倒す必要があるという。

 モンビオ氏は「原発を廃止したらそれに代わるのは森でも水でも風でも太陽でもなく化石燃料だ。石炭は原発の100倍の害をまき散らす。原子力産業のウソは嫌いだが、フクシマは私を原発信者に改宗させた」と結ぶ。(ロンドン 木村正人)

引用終わり


福島原発事故をキッカケに、環境コラムニストが、原発賛成に転向するところに、ヨーロッパの人々が持つ独特の懐の深さを感じる。(これって、偏見もしくは差別?)アメリカの環境キチガイや、日本の原発反対派には、このような崇高な思想の昇華は、絶対におきそうにない。

肝心なのは、最後の文節に出てくる "I still loathe the liars who run the nuclear industry." (私は今でも原子力業界を運営している嘘つきは大嫌いである)。こういう気持を持った原発信者が増える事を祈るのみである。

震災のアメリカ自動車業界への影響

2011-03-28 11:36:18 | アメリカ自動車業界
まず、いきなり GM のトラック工場が、日立製のエアーフローセンサーの不足を懸念してストップした。余り人気の無い小型ピックアップを生産している工場なので、部品の在庫を温存する為と推測されている。(他の車種にも使われているのであろう。(WSJ によると日立の全世界シェアはなんと60%。現時点でどの程度復旧しているのかは不明)

日立は、立地からしても地震の被害が大きかったのではないかと思われる。東北地区の下請けも多く、早くからアメリカからの原材料輸出の話が出ていた。

先週末から騒がれだしたのは、Xirallic という自動車塗料に入れるピグメント。ドイツ、メルク社の小名浜工場だけで作られているとの事。(メルク社の日本技術者が開発したらしい)アメリカでは、フォードとクライスラーが、このピグメントのは入った塗装を使った色の車のオーダーを受け付けていない。(因に、トヨタやホンダも日本製の車のオーダーを受け付けていない)

そのほか私の知っている限りでも、原発の避難区域内に工場があり、被害さえも解らない化学薬品会社や、工場自体には影響が無いもの、計画停電で今後の生産量が7割程度になる原材料メーカーもある。特に化成品は鹿島コンビナートからしか供給出来ないものもあり、影響が広範囲になる予感もしている。

センサーとか電気部品とは違い、原材料系はほぼ船便で来ているので、まだ全然影響が出ていない事もあり、ドタバタ始まっているものの緊迫感はまだ無い。(輸入材料を使っているのに、問い合わせをして来てこない所もあり、ちょっと拍子抜けしていたりもする。これらの会社のリスク管理のあり方を疑ってしまう)まあ、日本の会社は、Force Majeure を出していないので、アメリカにおいては、米系、日系に限らずピンときていない可能性もある。(出たら出たで、過剰反応をもあるので、それも厄介)

なぜこの期に及んで、日本の企業が "Force Majeure" を出していないのか不思議に思っていたが、面白い情報を得た。(真偽の程は未確認なので注意) "Force Majeure" を出してしまうと、在庫や今後限られた生産量を公平に出荷しなければならないらしい。(例えば、昨年の出荷実績に応じて、限られた量をその割合とか)現在、日本では、顧客に優先順位を付けて、足りない供給量をどのように分配するかを必死で調整を行っているらしい。いかにも日本らしいご苦労な事が行われているようだ。

生産とは全く別に、更に心配な事が増えて来た。それは放射能の影響である。

現時点では、ドイツ船社のHAPAG 社船籍以外は、東京、横浜港へは継続寄港する予定なのだが、今後、船籍国の指示により寄港拒否の可能性があるとの事だ。また、航路についても、福島原発の日本の30キロ圏外ではなく、アメリカ基準の80キロ(50マイル)を適用しているそうだ。(これは余り影響ない様な気がする)

アメリカ政府は、日本からの船舶、輸入品の放射能検査は厳しくなると予想されている。知らなかったのだが、航空便については、放射能測定は日常的に行われているとの事。測定が厳しくなっており、通関前の荷物が裁き切れなくなっており、保税倉庫はごった返しているとの事だ。(中国では、既に旅客便に載っていた貨物の通関拒否があり、そのまま送り返されている例がある)

今のところ、アメリカにおいては、日本からの原材料系供給不足の危機はスローモーションなのであるが、在庫、流通在庫の切れる5月頃からが怖い。放射能漏れもまだ続いているので、長期戦になりそうな嫌な予感がある。代替品の等の次善策の検討を始めなければと考えている。

今後長期的には、特殊な原材料に頼った部品などについては、比較的入手のし易い汎用品などへの転換が起こるのではないかと思っている。日系メーカーの工芸品的な自動車造りが、ある程度、転換せざるを得ないのではないだろうか。

震災の日本全体への真の意味でのインパクトは、まだその兆しさえ、姿を現していない。

政治家の唯一の商売道具「言葉」

2011-03-28 00:30:55 | 政治の話題
オバマ政権のリビアに対する対応は、ころころ変わっていて、戦争したいのか、人権擁護したいのか、良く解らないのだが、批判が高まった事を受けて、先週土曜日のラジオ演説(オバマになってビデオ演説になっているが)で、人権擁護という方向性で一所懸命、自己弁護をしている。

さて、演説の1分47秒頃に、"countless civilians" を救う事が出来たと自慢しているが、リビアの人口は、カダフィ側を含めても全部で642万しかいないので、”countless” を使うのは不適当であろう。

アメリカ大統領ともあろうお人が、こんな意味の無い情緒的な言葉を演説で使う事は、基本的に間違っている。以前からオバマのスピーチライターの資質に疑問を呈しているが、書く方も書く方なら、それを承認して読んでしまう政治家も政治家である。

政治家の唯一の商売道具は「言葉」である事を考えると、由々しき問題であろう。

さて、「言葉」が唯一の商売道具で有る職業として、アジテーターとか職業的左翼があるが、これらの人々は、意味の有る言葉を使う事と論理が成り立たなくなるという不思議な職業である。よって、意味も無く大げさで、情緒的で、感情的な言葉を連ねる事を生業とする奇怪な存在である。

残念ながら、"change" を掲げたオバマに "change" は無く、オバマ本来の生業として、唯一の商売道具「言葉」を使ってしまったという事であろう。

料理人には良く切れる包丁が必要だが、良く切れる包丁は殺人者も必要なのである。罪無き「言葉」”countless” に同情してしまう。

被害総額16兆~25兆円、政府試算

2011-03-27 10:34:22 | 雑記
『政府は23日、東日本大震災によって損壊した設備や道路などの直接的な被害額を16兆~25兆円とする試算をまとめた。阪神・淡路大震災の約10兆円を大幅に上回り、戦後最大の自然災害となる。試算には東京電力の原子力発電所事故や放射性物質(放射能)による被害などは含まれておらず、最終的な被害額はさらに拡大する見通しだ。』

発生から10日以上経って、やっと直接被害額16兆~25兆円という政府試算が出ているが、これでも少ないと思う。その上、東京電力の原子力発電所事故や放射性物質(放射能)による被害は含まれていない。GDPを最大で0・5%押し下げると見込んでいるが、落ち込みがたったの2.4兆円で済むのだろうか?

震災直後12日に、どのくらいの被害になるか考えたのだが、津波を生中継で観ていた感覚としては、最初から阪神・淡路大震災とは較べものにならず、関東大震災の方が参考になるのではないかと思ったし、今でも思っている。(震災手形との相似形で、その後の経済の混乱の心配も同様にある)

関東大震災 死者と行方不明者の合計 142,800人、被害総額が45億円、一般会計予算の3年分、国民所得の3分の1、2010年の GDP は480兆円、一般会計予算は92兆円(歳入の48%が国債)だ。

まずは、関東大震災当時に較べて、いかに政府の規模が拡大しているかに愕然とするのだが、取り敢えずおいといて、直接的な被害が16兆~25兆円であるとしても、放射能と電力不足の影響をいれるとその何倍になるのではないだろうか?

政府は、子ども手当とか高速道路の新料金割引を見直しとか、小手先の財源確保に奔走している様だが、桁がヘタすると2つ違う可能性もある。国と地方を合わせて長期債務残高が892兆円とGDPの2倍もあるので、今のままの財政状況で、復興国債を発行すると財政がパンクするのをスピードアップさせるだけになると思う。

被災者救済については阪神や中越での教訓が活かされているようだし、財政的な見通しも比較的簡単に弾けるであろう。

肝心なのは、復興資金の規模とそれをどのように使うかであろう。被災地の人には惨い話であるが、切り捨てられる地域が一杯出てくるであろう。(電気が回復するのに10年掛かるとか言うデマがあるとの記事を読んだが、戦略的にそんな地域も出てくると思う)

国の公債残高が553兆円もあり、一般会計歳入のうち3割強を借金している状態なので、復興国債を発行しても規模によっては消化されない可能性もあると思う。そうでなくても、15年前から日本はディフォルトすると言われているのである。

じゃあどうするのという話になるのだが、私に答えがあるわけが無い。しかし、単純に考えれば、まず単年の予算をバランスさせる。つまり、歳入不足分の25兆円をカット。ちょうど震災の直接被害推定額と同じなので、国民みんなで痛みを分かち合う。地方交付金を全部やめて、社会保障を半分にしたらちょうど25兆円が浮く。その上で、100兆円規模くらいの復興国債を発行して、全て売れるのを祈る。(もし余ったら即刻償還する条件をつけておく)その後は、国債残高が GDP の50%(本当は0が理想)になるまで発行出来ない様に法律でも作っておく。

現在の財政状態で正気でいられる政府や議員さんは、本当に尊敬に値する。もしくは、みんな狂っていると考えた方が良いのだろうか?

「危機の時こそチャンスと捉えよ」と言うではないか、「最大の危機こそ最大のチャンス」だ。管首相も支持率0%を目指して、毎晩ホテルや料亭で奥様と豪華な夕食で精をつけて、新生日本の人柱となって欲しい。

こんな時だからこそ、飛躍した発想が必要なのだ。だらだら真面目にやっていると日本経済の突然死がやってくる。(ロシア、アルゼンチンのようにディフォルトしてもアケラカーとやっていけるとは思えない)

4万人を捜し出せ

2011-03-25 08:56:55 | ミシガン関連
昨年、アメリカで行われた Census (10年に一度の国勢調査)の詳細データが発表されている。アメリカ全50州で、唯一人口が減っている悲惨なミシガン州だが、州の象徴であるデトロイトは、悲惨を超える状態になっている。

人口 713,777、百年前と同じになったそうだ。1950年代には全米 No.5 の年であったが、現在 No. 19。Indianapolis や Columbus (オハイオ州)にも抜かれてしまった。

人口が75万人を切ると、連邦政府や州政府からの教育関係等の助成金が出なくなるとの事で、デトロイト市長は、市職員で再調査をし、Census の結果の改定を求めると宣言している。向こう10年間で一人当たり $1,000、$750M(約600億円)、必死にならざるを得ない。(予算上の確定は2013年)

都市再興の予算獲得の為に、人口減を強調して来たデトロイト市だが、10年間で25%も減り、75万人を切るとは思っていなかった様だ。

電力不足、リバタリアン的解決方法

2011-03-24 01:43:32 | 経済の話題
日本経済の復興と言う意味で、一番気になるのが、東京電力の供給能力と計画停電である。

そんな中で、セ・リーグの早期開幕とナイター開催が、全面的にボコボコにされている。この騒ぎのなかで、巨人滝鼻オーナーの「開幕はお上が決めることじゃない」が、一番まともなコメントではないかと思う。

計画停電が実施されている非常事態に、しゃあしゃあとプロ野球のナイター如きで貴重な電力を無駄にする事を、政府を筆頭に一般市民やプロ野球ファンまでが全面的に非難をしている。(選手会も同調している)

これって、国家的に非常に危ない心理状態だと思います。70-80年前にこんな感じに日本中がなって、国民全てが猛反省をしたのじゃなかったでしたっけ。未曾有の災害を戦争、被災者や停電で影響を受ける人を兵隊さんに置き換えたら、そのままじゃないですか。

といっても、電力不足は如何ともし難い。何と言っても京浜工業地帯(表現が間違っている様な気がするが)が影響を受けており、復興に向けて大ブレーキになりそうである。ナイターで4000-6000世帯の電源を使い、その上、試合を見る人がいるので、更に電力が必要というのは由々しき事態なので、解決策も提案しておこう。

東京電力は、電力料金単価を、使用量が多いほど高くすれば良いのである。電力不足が深刻な今、大量に使えば使う程、単価を高くすれば良いだけである。(取り敢えず一般家庭への料金は据え置いて、例えば一カ所当たり平均家庭の千倍で単価100倍、一万倍で単価1000倍とか。(東京電力はこのような需給バランスを取る為の料金シュミレーションをしているとどこかで読んだのだが、探しても見当たらず)

別にセ・リーグとかを目の敵にするのではなく、大口顧客全て公平に扱えば良いのである。基本的に、プロ野球で電気を使うのと、どこかの会社の本社機能(23区が除外されている理由らしい)や工場が24時間動くのと、どちらが大切かは、別に政府が決める事ではないだろう。(政府機関だって、優先的に供給を受ける正当性があるのだろうか?)

供給不足なのだから、それに見合うお代を頂戴すれば良いだけである。需要を押さえる為には、一杯使う所を割高にすれば良いだけである。こうすれば、企業も、個人も、そして政府機関も、合理的な判断を下すはずである。巨人滝鼻オーナーも、一所懸命ソロバンを弾くはずである。

こうして需給バランスが取れ、計画停電が無くなり、東京電力も、今後活動する原資を確保する事が出来、政府の助け(税金投入)が少なくて済むとおもわれる。日銀が躍起になってもおこせなかったインフレも来るだろう。供給が足りないと値段が上がるという経済の原則を理解する最高の教材にもなる。

「欲しがりません勝つまでは」ではなく、供給不足の折「欲しい人は、一杯払ってね」が正しい。


追記:セ・リーグは、結局、開幕延期とナイター自粛とおれちゃいました。さて、次の標的は何になるのでしょうか?

Force Majeure

2011-03-23 05:12:03 | 雑記
"Force Majeure" は、不可抗力と訳される事が多く、同義語として "Act of God" もある。大体、契約書の最後の方に、免責事項としてちょこんと載っているのであるが、最近、いろんな所で、いろんな会社が頻繁に宣言している。

今回の地震、津波、原発事故で、日本から輸入しているもの心配は始まった事を書いたが、空輸しているもので直接的な被害以外のものについては、タイムラグ(船便が主流なので、後1-2ヶ月は流通を含め在庫がある)があるので未だ大騒ぎになっていない。被害の大きな所は、未だ実態もつかめてない所もあると聞いている。一方で、日本で入手が難しいものの、アメリカからの輸出対応が可能かどうかという問い合わせも増えてきている。

原材料等の場合、製造会社がアメリカ販売子会社を持っていたり、商社が絡んでいたりするのだが、日本で製造している外資を除き、今の所 "Force Majeure" の通告を目にしていない。(購買関係ではないので、二次情報であるが)私の働く業界でも、オランダの工場が自分のコントロール出来ない外部の停電で大減産になったり、アメリカの原材料屋は予期せぬ自社設備の故障(!)で生産の目処が立たないといった自己都合的な(?)理由で、堂々と "Force Majeure" を宣言しているのに較べると、本当に悄らしい。

どんな事があってもなんとかするぞという心意気の現れであるし、それぞれ働く場所で、歯を食いしばって頑張ろうしているのだ。津波直後の福島原発で働く人々(もしくは、東電幹部)も、もっと重い責任感を持って、同じ心意気で、文字通り一所懸命だった考える事も出来るのではないか?(結果的に、事態を悪化させた可能性もある)

ここまで生きて来て振り返ってみるに、どうにもこうにも、にっちもさっちもいかないと言う究極の状況には、ハッキリ言って出くわした事が無い。でも、今回はもう多分、一生お目にかかれない未曾有の事態であろう。(自分で直接経験したわけではないが)こういう時にこそ、素早く非常事態宣言を行い、対処するべきではないかと思う。いくら老齢経営者でも、これ以上の体験をした人はいないはずだ。

日本人は、言霊を信じる傾向があり、悪い事、最悪の事は出来るだけ言わないよう刷り込まれているので、心理的に難しいし、そのような教育、訓練もされていないが、そんな事を言っている場合ではないだろう。

今後、ドンドン復興が進み工場が再開されると、皆頑張って、メーカー等は自己負担で船便を航空便に切り替えてでも、迷惑を掛けまいとする動きもでるだろう。そんなに気張らなくても良いのではないかと思う。普通に頑張ってやれる範囲でみんなが苦労すれば良いのだ。これ以上の "Act of God" があるだろうか?

東電の計画停電も5月連休まで続き、その後も夏のピーク時には避けられないという事が分かって来ている。首都圏、東北地方にとって長丁場は間違いないのである。いつまでも精神力だけで持つわけが無い。

戦後の日本は、テンパったままで頑張って来たからこそ奇跡の高度成長があり、今がある。でもここは、日本の基準より、不可抗力に対してはずっと寛容なグローバルスタンダードに従って "Force Majeure" 宣言した上で、頑張っていけば良いのではないと思う。どうせやる事自体は同じで、みんな頑張るのだから。

エホバの証人

2011-03-22 18:51:49 | 雑記
ここ3年程、週末(日曜日が多いと思う)に2ヶ月に一回くらいのペースで、「エホバの証人」の宣教訪問を受けている。40歳位の感じの良いアメリカ人で、いつも控えめに出版物を渡してくる。例によって、常に2人組。彼の子供が一緒だったり、奥さんが一緒だったりする。(数ヶ月前は日本人の人も来たのだが、このアメリカ人とは全然別系統の様だった)

合う回数が増える度に親近感が増すもので、玄関先での数分の会話ではあるが、少しづつそれらしい話もする様になった。キリスト教に興味がある事と言っているものの、「エホバの証人」の教え、特に輸血拒否等については否定的である事をハッキリ表明しており、お互いにそのような理解の上で、会話をしている。

先週末の日曜日は、日本での地震が話題となり、マタイの福音書の一節を教えてもらった。(これでも一応、聖書は、英語版(Holy Bible New Living Translation、子供用に簡単な聖書絵本(?)を買った時に自分用に購入)と日本語版(リビングバイブル、これは貰いもの)を持っている)

それは、Matthew 28:2 (マタイの福音書28章2節)であった。イエス復活の場面だ。

Suddenly there was a great earthquake! For an angel of the Lord came down from heaven, rolled aside the stone, and sat on it. (突然、大きな地震が起きました。主の使いが天から下って来て、墓の入り口から石を転がし、その上に座ったからです)

聖書には、地震が19回(20回とも)出てくるらしい。そんな事を調べていたら、今回の地震、津波(そして原発事故)が3月11日に起きた事で、マタイの福音書3章11節と12節を指摘しているものを偶然発見

Matthew 3:11&12

“I baptize you with water for repentance. But after me comes one who is more powerful than I, whose sandals I am not worthy to carry. He will baptize you with the Holy Spirit and fire. His winnowing fork is in his hand, and he will clear his threshing floor, gathering his wheat into the barn and burning up the chaff with unquenchable fire." (「私は、あなたがたが改心するために、水でバプテスマを授けているが、私のあとから来られる方は、私よりもさらに力のある方だ。私にはその方のはきものを運ぶ値うちもない。その方は、あなたがたに御霊(みたま)と火でバプテスマをお授けになる。手に箕を持っておられ、ご自分の脱穀場をすみずみまで、掃き清めて、麦を倉に納め、もみ殻を消えない火で焼き尽くされる。」(英語版いろいろ微妙に違うので、日本訳もいろいろ))

私は、これらを結びつけたりする気はないのであるが、改めて聖書の内容の幅広さ、深さに感動した。(罰当たりな私は、未だに聖書(特に旧約)は、素晴らしい想像力で書かれた作品であると言う意識が強い)

彼が来た前夜、土曜の夜に、たまたま聖書を取り出し「ヨブ記」を再読していた。日本人的には有り得ない、神とサタンとの取引(?)により苦しめられるヨブ。聖書の中の神は荒々しい。今回の日本の事を考えてオーバーフローした頭を落ち着かせる為に、なぜか「ヨブ記」を紐解く気になったのである。

私が、キリスト教に帰依する事はまず無いと思う。(「エホバの証人」は尚更)宗教のもつ独特の窮屈さがどうしても馴染まない。宗教を "way of life" と認識しているので、自分が育った日本人としての凡庸で土着的な感覚が、自分にとっての宗教だと思っている。一方で、この感覚とキリスト教の重なり合う所が多いのに驚いたりするのである。アメリカでの生活が長くなった事で、キリスト教的な "way of life" が染み付いてきたとも考えられるが、違和感が無いのでる。

心の拠り所となるものは、仏教でも神道でも、その他の宗教にもあるのだろう。自分にとってそれは読むという行為で、クリスチャンでもないのに、偶然「ヨブ記』だっただけだ。(その上、英語版の "Job" はキチンと読んでいない)

まあ、一家に一冊、聖書があっても罰はあたらないと思う。

抗生物質で便秘に

2011-03-20 10:34:04 | 歯のはなし(治療日記)
早いもので、ブリッジのポストになっている歯を抜いてから2ヶ月、そろそろインプラントの手術の時期である。(月曜日にでも電話で予定を聞いてみよう)

仮の入れ歯の調子は相変わらず悪く、一日入れていると首筋と方が張ってくる。噛む力が強いのか、噛み合わせが悪いのか、入れ歯にヒビが入ってきた。割れる前に新しいのを作ってもらっておかないと、本当に歯抜け爺で過ごさなくてはならなくなる。

手術後に化膿防止の為に、抗生物質 (Amoxicillin 250mg Capsule:アモキシリン) を処方された。24錠だったので8日間服用した。

今になって副作用を調べるというのも間抜けなのだが、腸内細菌のバランスが乱れて「下痢」「軟便」になるとあるが、私は全く逆で「便秘」になってしまった。(アモキシリンの副作用で便秘と書いてあるものがないので、特殊体質か?)何と無く通常に戻ったのは、一週間程前。手術後の2-3週間は、疲れやすいと感じていたが、これも副作用のようだ。

インプラントの手術をするとまた処方されると思うので、また2ヶ月くらい悩まされそうだ。やれやれ。(ペニシリンでは、便秘になった記憶が無いので、歯医者さんに聞いてみよう。)

シカゴに住んでいた時、隣りの人が薬剤耐性菌で危うかったらしい。医師から、最新の抗生物質を処方され、これが効かなかったら打つ手が無いと言われたそうだ。その人曰く、処方された抗生物質は絶対に全部服用すべきだと強調していた。途中で服用を止めて半殺しの細菌が耐性を持つそうだ。私は、薬は極力飲まない主義だが(今回も痛み止めは途中で止めた)、抗生物質の場合だけは、人類の健康の為に律儀に全部服用する様にしている。皆様もご協力を。

Bloomberg Businessweek 3月21日号表紙 ( WSJ 3-19-11 イラスト追加、The Economist も)

2011-03-19 21:05:52 | 新聞、雑誌から
感情論は別にして、これは上手いと言わざるを得ないだろう。座布団300枚。




これも追加:WSJ 3-19-11 "Japan's Shattered Mirror"




The Economist 3月19日号:上2つを見たあとだと、今一。でも日の丸をこのように使うのは、さすが。




追記 (3-25-11):在ニューヨーク総領事館が米誌「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」に抗議したとの事。(関連記事)ちょっと大人気ない気がする。