立花隆の宇宙ものを読んだ後に、田中角栄ものに流れて、結構ロッキード事件や戦後の疑獄に詳しくなった時期がある。数年前に出版された
The History of the CIA などで、日本絡みのCIAの活動は、非常に限られているが、ちょっとは知っている。
で、今日本で大騒ぎになっている小沢一郎の事が、何だか良く分からない。
全体構図をアメリカ絡みの陰謀説風に考えると以下の様になると思う。基本的に今回の小沢一郎を田中角栄のロッキード事件とダブらせている。(アメリカ、中国、登場国も同じ)
戦後、アメリカは、児玉誉士夫等を利用して自民党にお金と影響力を持っていた。そんな自民党で、つい20年前までは田中角栄の愛弟子として幹事長までやっており、自民党時代、小沢一郎はアメリカの手先とまで言われた。(Ozawa Lever とまで呼ばれていた)
小沢の親分である田中角栄の逮捕は日中国交回復をアメリカの頭ごなしにやったので、ローッキードというアメリカ発の情報で嵌められた。この逮捕は東京地検特捜部によるものだった。そして、東京地検特捜部はその成り立ちからアメリカの意図が強く反映されると噂されている。
最近急激に、親中国、アメリカからの離脱を画策する小沢一郎は、アメリカにしてみれば、「可愛さ余って憎さ百倍」ということで標的にされている。
陰謀説としては、結構良い出来だと思いますが如何でしょうか?
しかし、部分、部分と全体が、何かしっくり来ない様な気する。
まず、社会党政権、新生党、そして民主党と移り変わりゆく中で、小沢一郎はがなぜ反アメリカに変節したかがハッキリしない。(親分、田中角栄の恨みをずっと心の奥底の秘めていた?)
昔はアメリカに協力していたし、田中角栄逮捕の両面から、東京地検特捜部の事は裏も表も理解しているはずで、身辺は気をつけるはずであろう。今報道されている様な事でぼろを出す様なヘマをするとは考えらない。
私なりの結論は次の通りだ。
田中角栄のロッキード事件は、日本では大事件だったが、アメリカの軍事産業の営業活動(その当時では、わりと当たり前の)の恥部として露呈した。核心は、特に児玉誉士夫とやくざと政界の密着が本筋であったが、部分的に姿を現して時効等などで矮小した形で決着した。
今回の小沢一郎の事件は、児玉誉士夫のような大物黒幕がいなくて、秘書ふぜいがが利権の回りをちょろちょろして発覚したスケールの小さいヤマであろう。それ故に政治家の意地汚さが目立つ事件であろう。(もし、無罪だったら、アメリカの息の掛かった東京地検特捜本部も調査しきれなかった事になり、勘違いに基づく箔がつきそうだ)
小沢一郎には実力があるので、こんな事で潰しては国の損失だと言う人もいるが、いくら実力があっても、政治を私欲(もし有罪なら)のために使ったなら、退場してもらわないといけない。
極論すると、日本人は人物の実力や才能に惚れすぎて、ダメな所には目をつぶる傾向があると思う。もう一歩深みにはまった発言をすると、キリスト教の神の概念がないので、善悪感が人同士の相対的にものになっている事がその根底にあると思う。
日本の小沢一郎報道とその回り(ブログなど)があまりに騒々しい割に、スッキリしないので、アメリカ陰謀説で考えてみたが成立しそうにないので、ただの日本政界の金の話であろう。
こんな事真剣に考えた自分に少しがっかりしております。