YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Free: Chris Anderson

2010-02-28 09:59:53 | 書評
Free は、The Long Tail を書いた Chris Anderson の第2弾である。(日本語版は、フリーロングテール

The Long Tail を読んでない身としては偉そうな事は言えないが、間違いなくThe Long Tail の方が画期的な著作であると思われる。デジタルコンテンツは、倉庫スペースが無尽蔵でほぼコストがゼロになった事で、在庫をいつまでも持つ事が可能となり、特にニッチマーケットで末永いビジネス(The Long Tail)が可能になったという内容である。Free では、コストがゼロになる事を分析し、ビジネスモデルや社会的インパクトについて書いてある。

しかし、この本、面白くないのである。一月前に購入して、就寝前に読もうと努力したが一向に進まないのである。先週の出張の折に持参して、飛行機の中で無理矢理読了した。手際良くまとまっているとは思うが、インパクトが無いのである。

「フリー」は、基本的に IT 関係のものが圧倒的なのであるが、デジタル関係の技術革新が著しく、特に流通(アクセス)、在庫(データ保存)のコストが限りなくゼロに近づいている状況が大きい。

それでも最終的に採算が合わなくてはならないので、「フリー」とそれを支えるビジネスモデルという事になる。著者は大きく3つのモデルに分類している。

1. Direct Cross-Subsidies 何かが有料だと、それと直接関係するものがフリー。(例:通話料とフリーの携帯電話)

2. Three-Party, or "Two-sided" markets 種類の違う顧客の一方を有料に、片方をフリーにする。(例:ブログの広告主と使用者)

3. Freemium 一部の顧客は有料で、その他はフリー。(例:ブログのプレミアムメンバーとプリーメンバー)

ビジネスモデルとして考える限りは、プロモーションの一形態としか考えられず、目新しい事は無いのである。

一方で、インターネットの恩恵が一番あると考えられてた活字メディアは、危機的状況にある。アメリカでは新聞社は新聞を発行する事では、ほぼビジネスとして成り立たなくなってきた。フリーで情報を提供しているうちに媒体の本質的変化が起こり、採算の取れるビジネスモデルの確立が出来ていない。出版業界は、自分で eBook リーダーを開発しない(出来ない)こともあり、小売りを含めた流通の将来は暗いが、コンテンツに集中する事で転換を図りつつある。(私自身は紙媒体の存続については楽観的)

尚、個人レベルでのフリー、自己満足系の話も出ているが、個人的にはウィキペディアの投稿者減少に見られる様に、継続的な情報インフラとしては、成り立たないのではないかと思う。自己満足を求める人のねずみ講なので、いつか終わりは必ず来る。

私のような門外漢にとっては、インターネットを中心とした世界で何が起きているのかを系統的に理解出来たので役に立った。しかし、物理的に存在する商品を扱っている者としては、フリーを支えるビジネスモデルの応用を、と思うのだが、無理だろうなー。

冷泉彰彦 Part3 トヨタ問題 リベラル対保守 ???

2010-02-27 13:42:46 | アメリカ政治
冷泉彰彦が週刊エコノミストに隔週で書いている「論調米国」の一番熱心な読者であるという自信が私にはある。そして、内容について的確な批判が出来ると思っている。(週刊エコノミストは公称発行部数85,000 部(思ったより少ないのでビックリ))

3/2/2010号は「トヨタのリコール問題」では、リベラル対保守の構図で解説している。いつもの調子で、リベラル系『ニューヨーク・タイムズ』のケンタッキー州の町民のトヨタへの信頼と今後の見通しも楽観的だとの記事、一方保守系『ウォールストリート・ジャーナル』の豊田社長の謝罪写真、問題の一覧表などで論調の厳しさ強調する記事を紹介している。

この背景として、環境にやさしいハイブリッド車をはじめとするトヨタ車が米国のリベラルに強く支持された歴史、一方で保守の側には、大型SUV車への嗜好などに代表される環境問題への認識の違い、そしてデトロイト復権への期待などの心情が見え隠れしていると解説している。

はっきり言って、とんでもないナンセンスである。

先ず「トヨタのリコール問題」を政治問題として捉えている事が間違っている。その上、リベラル対保守という単純極まり無い構図に当て嵌める事は、思考停止である。

リベラルのハイブリッド車好きは紛れも無い事実であるが、保守がデトロイト復権、それも大型SUV車が好きだから等と言う説は、噴飯物である。

冷泉氏は GM、クライスラーが倒産に危機にある時、保守派がベイルアウトに反対し、倒産後も組合、特に年金優遇の再建策に異議を唱えた事を忘れているのだろうか?現在、再建をしたこの2社は、政府と組合引退年金組織がオーナーであり、両者ともリベラル(民主党)である。

そもそも「トヨタのリコール問題」は政治問題ではない。前提が間違っているので、その他の展開は辻褄が合わなくなって当然である。

リコールについては、技術問題(海外への製造移管等)、アメリカでの広報活動を含めたリスク管理の問題、そして一番厄介な突然のアクセラレーションについては、エンジンの電子制御の信頼性というトヨタだけで収まらない技術的な大問題と大きく3つに分類出来る。政治の出る幕など無いのである。

議会の公聴会でも、民主党、共和党を問わず厳しくトヨタを吊るし上げようとしているのは、議員の売名行為的パーフォーマンス(これこそがリベラル、保守を問わず政治的)に過ぎないのである。

トヨタを心配する冷泉氏には大いに同調するが、状況分析がイデオロギーに凝り固まった「リベラル対保守」はいただけない。今後、日米関係、特に沖縄基地問題との関連性など、大掛かりなナンセンスに発展しない事を祈るばかりだ。

冷泉彰彦については、これまでも批判してきたが、一応今回で店仕舞する予定だ。

参考までにこれまでのエントリー:

週刊エコノミスト 1/19/2010号
冷泉彰彦 Part2
冷泉彰彦

シャチ殺人事件 at SeaWorld Orland

2010-02-26 11:27:09 | 雑記
シャチの事を、英語で "Killer Whale" (殺し屋鯨?)と言うが、昨日、フロリダ州オーランドのシーワールドで、シャチが女性トレーナーを死亡さす事故が起きた。

名前はティリー、シーワールド名物のシャチのショーの直後に、トレーナーのポニーテールをくわえてプールに引き込んで振り回したと事。全身に打撲があり直接の死因は溺死だそうだ。女性トレーナーは16年の経験があった。

シーワールドはサンディエゴも含めて、シャチのショーを直ちに打ち切り、再開の予定は発表されていない。(上のリンクで見れますが、ひょっとすると消されるかもしれません)

オーランドはディズニーワールドがあり、フロリダでも代表的な観光地だ。シーワールドも有名で、そのなかでもシャチのショーは一番人気であった。私もサンディエゴとオーランドの両方でこのショーを見たことがある。尾びれで観客席に水を掛けて泳ぐ芸が有名だが、約7メートル、6トンの生き物が目の前で泳ぐ姿は大迫力である。

ビックリしたのは、このシャチは前科があった。それも2回、どちらも殺人である。最初は1991年でプールに誤って落ちたトレーナーをほかの2匹と、2回目は閉園後に不法に進入した人がこのシャチのプールで発見されたと言うものである。どちらも故意(?)ではないので事故扱いであった。

今のところ、シャチの処分は決まっていないとの事だ。

娘たちにも是非見せたいと思っていたが、再開するのだろうか?

追記(2月27日)
今日からシャチのショーが再開されそうだ。(もし、このショーが無ければしょぼくれた水族館に過ぎない)ティリーが出演しているかどうかはハッキリ報道されていない。

追記(2月28日)
ティリーは約30才、種シャチとしても有名だそうだ。

Cremation (火葬)と Burial (土葬)

2010-02-25 12:28:10 | 雑記
昨年、棺桶用部品の販売(直接ではないのだが)が上手くいかなかった事もあり、今日の WSJ で、棺桶の需要が減少しているとの記事を読んで、ちょっと溜飲を下げた。(イソップ寓話の狐と酸っぱい葡萄の話みたいだが)

アメリカでは、火葬が38%だが、毎年1%づつ増加しているそうだ。一番の要因はすばり費用。火葬は$1,400 (約13万円)土葬は $7,200(約65万円)。(火葬用の棺桶は、多分 Casket と呼ば無いのだと思う。)又、臓器提供希望者が増えている、つまり、切り刻まれるので後は灰になった方が良いと考えるようである。尚、灰は遺族が、死んだ人が指定した場所とか、思い出の場所に散骨(散灰か?)するそうだ。

現在、日本では火葬しか出来なかったと記憶しているが、私の小さい頃は、土葬も結構あった。(何せ田舎出身なもので)

日本の火葬技術は、非常にレベルが高い。なぜなら、火葬すると必ずお骨になるのがその証拠である。死体には、いろんなパターンがあり、老衰で亡くなった人、若くて事故死した人など、体内の水分や筋肉、骨の密度等がバラバラなのに、お骨になるのである。では、アメリカはどうなるかと言うと、アッシュ(灰)になる。本当に粉々になる。

実は、十数年前にデトロイトで日本から駐在の取引先の方が交通事故で亡くなり、葬儀の手伝いをした事がある。その時の世話人の中にアメリカで日本人のお葬式を仕切った経験のある人がいて、火葬した時に火力が強すぎてお骨が残らず灰になり、日本から来られた遺族の方が、大変悲しまれたという話をされた。

その経験から、火葬する時に係員に火力を強くし過ぎない様に依頼したのだが、出してみたら骨にもならない黒こげ状態(焼死体状態)であった。土曜日午後だった事もあり、係員は月曜日に火葬し直すと言い出したのだが、さすがに遺族も世話人も納得出来ず、お金($100だったと思う)を握らして何とか再火葬してもらった。さすがに黒こげのインパクトがあり過ぎて、強めにお願いした所、結局灰になってしまった。

他の国の火葬事情は知りませんが、日本の火葬技術は紛れも無く世界一というか、唯一無二だと思う。

合掌

Back to Basics for Toyota

2010-02-24 09:17:26 | アメリカ自動車業界
Back to Basics for Toyotaは、今日ウォールスリートジャーナルに掲載された豊田章男社長の投稿である。(念のために全文コピーも下記に貼付けておく)これだけの英語が書けるなら、明日の公聴会も冒頭挨拶だけでなく、質疑応答も英語で出来るのではないかと思う。(シニカルな冗談です、念の為)

社長自ら、全社を挙げて、上から下まで、設計から製造まで、厳重な品質管理を行うと宣言している。

素晴らしいメーッセージではあるが、製造と購買の現場には、悪い影響が出ると思う。

トヨタ、サプライヤーの現場は、硬直して行くと思う。工程変更など、トヨタの改善活動のの中心であった事が出来難くなるだろう。一度確立された工程や材料の変更は、変化を嫌って厳しくなるだろう。これまでも 4M(Man, Machine, Material, Method) の変化点での品質問題発生は知られているので、工程変更は、事実上不可能になるのではないかと思う。一番大きいのは、トヨタの技術者のチャレンジ精神がより一層減衰する事だと思う。

サプライヤーに対しても製造現場では硬直化が進むが、昨年30%コスト削減を打ち出したばかりなので、品質改善との折り合いをどのように進めて行くのであろう。

今回のアクセルペダルの問題(電子制御は別問題)の遠因は、10年程前にトヨタ調達が打ち出した と CCCP 21 いうコスト削減プロジェクトにあるのではないかと思っている。 CCCP 21 の正式名称は忘れたが、21世紀に向けてのコスト削減プロジェクトであった。(前渡辺社長が調達の専務の時に打ち出して、その成功で社長になったと言う噂を聞いた事がある)当時、韓国車が復活の兆しを見せており、韓国車部品に比べてコスト競争力がないという危機感が強く、その時も30%のコスト削減要求をサプライヤーにしている。折しも、ニッサンが経営危機があり、ゴーンのサバイバルプランを打ち出し、成果が出始めた時期でもあり、サプライヤーに無理強いすれば出来る雰囲気もあった。トヨタは、もう少しお上品ではあったが、ある種のショック療法でもあった。設計的にも冒険していたし、サプライヤーベースの拡大も積極的であった。ここ数年、散発的に増えてきたトヨタの品質問題は、設計の余裕のなさ(その前に比べてという意味で)やコスト削減で余裕のないサプライヤーの製造現場での、本当にちょっとした事が原因になってきているのである。

トヨタはサプライヤーに対しても当然の様に、より一層の品質改善を強要すると思うが、その分は払う気があるのだろうか?資金が豊富なトヨタは自分の所はトコトンやるだろうが、サプライヤーに只でやれというのだろうか?それもサプライヤーの自由度を奪った上で。

サプライヤーとしては、トヨタはそれでも儲けさせてくれる有り難い OEM であった。ただグローバル展開が急速だっただけに、付いて来れない系列サプライヤーも出てきている。系列サプライヤーが大きくなり過ぎた事で、トヨタとしても濃淡を受けざる事情もある。海外では現調化の必要もあり、経営哲学が違う独立系のサプライヤーもいる。厳しい経済状況での危機であるので尚更、トヨタが今感じている恐怖感をサプライヤーに伝染させてはならないのである。悪い影響を出してはならないのである。

豊田社長のメッセージが、全トヨタサプライヤーにどのように届くか、届かす為にどのような戦術、戦略を行うのが注目される。それは絶対に日本的であってはならないと思う。兵站が延び切っていたにもかかわらず危機感がなかったトヨタにとって、目の前にある危機は、真のグローバル企業になる為の最大のチャンスでもあるのだ。

追記 (2/28/10): CCCP 21: Construction of Cost Competitiveness in the 21st Century


"Back to Basics for Toyota" By AKIO TOYODA WSJ February 23, 2010

The past several months have been humbling for all of us at Toyota. We are taking this experience to heart, making fundamental changes in the way our company does business. I can assure you that our response will be comprehensive.

The first step is taking care of vehicles on the road today. But it also means making even safer vehicles in the future―and being more open and transparent about any safety issues that arise.

Since last June, when I took over as president of the company, I have personally placed the highest priority on improving quality, not quantity. All Toyota vehicles bear my name. When cars are damaged, it is as though I am as well. I love cars, and I take the utmost pleasure in offering vehicles that our customers love. I, more than anyone, want Toyota's cars to be safe, and for our customers to feel safe when they drive our vehicles.

When my grandfather brought Toyota into the auto business in 1937, he created a set of principles that has always guided how we operate. We call it the Toyota Way, and its pillars are "respect for people" and "continuous improvement." I believe in these core principles. And I am convinced that the only way for Toyota to emerge stronger from this experience is to adhere more closely to them.

Toyota continues to produce many of the best vehicles in the world. Many of the customers who are bringing their vehicles to our dealers for repair continue to tell us how much they love our cars, and I deeply appreciate their loyalty.

Yet it is clear to me that in recent years we didn't listen as carefully as we should―or respond as quickly as we must―to our customers' concerns. While we investigated malfunctions in good faith, we focused too narrowly on technical issues without taking full account of how our customers use our vehicles.

Since we began selling cars in the United States more than 50 years ago, Toyota has done many things right. We've built a strong organization with nearly 200,000 dedicated team members at our plants, dealers and suppliers. Over the past two decades, we have won more than 700 top quality awards from various independent experts, among the highest of any auto maker. We've also led the industry in the development of hybrids, and we are investing billions in the development of next generation environmentally friendly vehicles.

Still, I recognize that we must do better―much better―in responding to safety issues.

This is why I am taking the company back to basics. Across Toyota, we are putting our customers, and the values on which our company was founded, front and center.

We have already taken a number of concrete steps. Our dealers and team members across America and around the world are making extraordinary efforts to deal with recalled vehicles quickly and conveniently. Toyota engineers have rigorously tested our solutions. And to further validate the safety of our vehicles, we've asked Exponent, a world-class engineering and scientific consulting firm, to conduct a comprehensive, independent analysis of our electronic throttle control system that we will make public when completed.

We are listening more closely to our customers' concerns, gathering information faster, and responding more effectively when there's an issue. In the U.S., we are expanding our field monitoring team and increasing our use of onboard vehicle diagnosis technology. Our commitment to move rapidly is underscored by the speed at which we recently launched recalls to address customer concerns about the Prius and Lexus HS250 antilock brake systems, which we are well on the way to completing.

More broadly, I am personally leading a company-wide effort to institute more stringent quality control. We've begun a top-to-bottom review of our quality control processes from design to production, sales and service. And we are assembling a group of distinguished independent safety experts to confirm that the enhanced quality controls we're putting in place conform to best industry practices.

As an added customer confidence measure, we also will be one of the first full-line vehicle manufacturers to make advanced brake-override systems standard on all of our new models world-wide, and we will include this new feature on an expanded range of existing models as well. This advanced "Smart Pedal" braking system will automatically cut engine power when the brake pedal and the accelerator pedal are pushed simultaneously.

In short, I pledge that Toyota will set a new standard for transparency and speed of response on safety issues. We also will strive to lead on advanced safety and environmental technologies. And I will continue to personally visit our sales and manufacturing workplaces to reaffirm the Toyota commitment to excellent quality.

President Obama has urged all auto makers to act quickly and decisively when problems are identified. I look forward to speaking directly to Congress and the American people tomorrow about the decisive actions Toyota is taking to make things right for our customers by building the safest vehicles in the world.

Mr. Toyoda is the president of Toyota Motor Corporation.

健康保険改革法案 何で今頃

2010-02-23 12:38:15 | アメリカ政治
健康保険改革 ウルトラ C Reconciliationでは、オバマ大統領は健康保険改革法案をペロシ下院議長に任していると書きましたが、間違いだった様だ。今日になって、ホワイトハウスから、健康保険改革法案の討議が始まって以来初めて大統領案が示された。(原文はこちら

たった11ページしか無いので法案と呼べる物ではなくプロポーザルとなっている。基本的には上院案に近い案で、批判が噴出した個別州の優遇措置は取り除いてあったりするくらいで、代わり映えがしない。(いろんな増税案は入っているようだが)

今週木曜日25日に予定されているこの法案では初めての大統領主催の民主党と共和党の会合(討議ではない)を前に、超党派法案の叩き台という体裁になっている。しかし、法案を通す方法としては、上院案をベースとした Reconciliation を想定しているので、なんでわざわざ今頃、オバマ大統領が新たな提案をする必要があるのかさっぱり理解出来ない。

オバマ大統領 合同機会での健康保険に関する演説でも、どのような内容かはハッキリ打ち出しておらず、半年経ってやっと自分の提案を発表したとも言える。どうせなら、上院案のパクリではなく、思い切って Public Option (政府が運用する健康保険)や Single Payer (全健康保険の国営化)を打ち出した方が潔かったと思う。

民主党内もまとまっておらず、下院、上院それぞれで Reconciliation に必要な単純過半数が取れないという予想もあり、オバマ大統領、ホワイトハウスの行動は、唐突な上に全く持って意味不明である。

ある意味、ヤケのヤンパチ、政治的自爆行為と考えた方がしっくりする。(としても煮え切らない自爆ですが)

今週木曜日の会合で、今後の予想がつくと思われるが、一般教書演説で強調した雇用拡大の件は、一体どうなっているのだろう。

我流ゴルフ理論(6)どこも急がない

2010-02-22 12:20:51 | 我流ゴルフ理論
遠くへ飛ばしたいと考えると、体のどこかを速く動かせばという感覚になります。この気持が特に強く出るのが、腰(下半身)と利き手です。

腰が先行するので、どうしても上半身、腕が送れてきてスライスになります。利き手が先行する人は、ダウンの途中で煽るようになり、フックが出ます。

体の各パーツの同調が出来ないために、それぞれのパーツが正しいインパクトのポジションにならないのです。つまりコントロールが出来ないのです。ではコントロールするためにはどうすれば良いか、ズバリ、体のどこの部分も急いでは行けないのです。

ゴルフのクラブは長く、先が重くて慣性モーメントがあるので、各パーツの同調が無くなると、最後の砦は手と腕の力でリカバリーするしかありません。しかし長いクラブになればなるほど、リカバリーは難しくなります。(ロフトも立ってくるので、その要因もあります。)7番アイアンくらいまでは、シャフトの短さとロフトに助けられて、比較的リカバリーし易いのですが、6番良い上は難しくなります。(ターゲットが遠くなる精神的なプレッシャーもあり、尚更急ぐ動きが入る。)

しかし、偶然にリカバリーが上手く行く事があり、特にドライバーはティーアップしているので、融通が利き易く、偶然で出たナイスショットを開眼したと勘違いし、その感覚を追いかけてしまう事があります。

体のパーツも急がさないために一番必要なのは、全てをコントロールしたスイングの方が、実は飛ぶのであると言う事を実感する事だと思います。先ず、ウエッジでムチャ振りと渾身でのコントロールスイングの距離を比べてみるのが一番良いと思います。ある程度正しいスイングが出来ていれば、距離は変わらないはずです。(もし距離が違う上に、長いクラブが上手く当たらないのであればスイングを直す必要があります)これが実感出来れば、後は長いクラブでコントロールスイングをするだけです。

コントロールスイングの感覚が出来てしまえば、素振りが一番有効な練習法となります。スイングをコントロールしているので、ボールを打つ感覚が希薄となり、素振りと実際に球を打つスイングが同じになってきます。ボールを打たない事で体に衝撃が無いので、手軽に練習出来る上に、故障の心配も少なくなります。

勘違いしては行けないのは、コントロール出来る限界での渾身のスイングです。たとえハーフスイングであってもそれは渾身のスイングでなくてはなりません。

401K, IRA が政府運用の Annuity に?

2010-02-21 12:28:38 | アメリカ政治
401K (確定拠出型年金)や IRA (個人年金)が狙われている。ホワイトハウスが主導する形で、アメリカ財務省と労働省は、企業や個人の年金口座を政府管理の Annuity にする事を検討しているようである。現在、個人の資産である年金口座を政府によこせという事である。

大不況おかで、これら年金口座が大幅に目減りした事で、資金運用を企業や個人に任さずに政府運用し、将来の年金を保証しようと言うのが発端であった。一見、得な様に見えるが、Social Security (公的年金)が既に存在しているし、そのSocial Security (公的年金)も今年はついに単年の収支が赤字になると予想され破綻が近いとの心配があるだけに、今後、議会での審議までいくのか疑問は残る。

具体的には、これら年金口座に与えられている税控除の特権を無くして、政府運用の Annuity に誘導しようと言う事らしい。現在、個人にとっては、401K, IRA も所得税控除があり、運用益も非課税になっている。但し、引退後引き下ろした金額は所得として計上され、制限年齢前の引き落しにはペナルティーが課せられる。(税引後の個人年金口座 (Roth IRA) と呼ばれる所得税控除の対象にならないが、運用益、引き落しは全て無税というものもある)

個人年金の総計は $3.6 Trillion (約330兆円)もあり、政府は、将来の支払いを約束する事で、この金額が今欲しいのである。

アメリカもご多分に漏れず、財政赤字が累積してきており、$12.4 Trillion もある。オバマ政権も今年は、雇用促進と財政規律を強調しているので、増税等も容易に出来ないので苦肉の策とも言える。

個人財産を政府が取り上げる形となるので、例えば、年金口座を移して直ぐに本人が死亡した場合の全て政府が没収するのかという運営上の問題もあるので実現は難しいと思われる。(相続税との絡みも出てくるだろう)こんな姑息な方法より、骨太(どこかで聞いた事のある文句ですが)の財政再建案を是非とも考えて欲しいものである。

財政赤字については、民主党も共和党も極刑に処されるくらいの有罪である事に間違いない。現時点で、お互い罵り合っているが、とんだ恥さらしである。ただ共和党に救いがあるとすれば、現在の保守回帰機運の隆盛の一番大きな要因は、際限無く膨らんだ財政赤字をなんとかしなければという危機意識の高まりなので、今後、キチンと財政規律の確立の方向と行動をとれば、膨らみ過ぎた福祉政策の是正と財政再建が始まるだろう。

ところで、401K (確定拠出型年金)は、企業にとっては文字通り確定拠出型で、従業員の投資額にマッチングという形で経費として拠出するのであるが、リーマンショック後は、拠出額が ”0” で確定したままの企業がデトロイト界隈では多い。(実は、私の所も)

タイガー・ウッズはやっぱり仏教徒であった!!

2010-02-20 11:58:16 | ゴルフ
今日の記者会見は、メジャーの放送局が通常の番組を中止してまで生中継をしたのだが、内容的には全くと言って良い程無くて、首を傾げたくなるものであった。無理矢理深読みすれば、今後復活へ向けの地ならし第一弾という事も言えるが、ゴルフへの復帰はいつになるか分からないとコメントしていた。

興味深いコメントは以下の通り。

(1)改めて、事故当日も含めて家庭内暴力は一切無かった事を強調。奥さんには過剰な程に感謝の気持を表していた。但し、(暗に、離婚の件も含めて)家庭の事は二人の間での問題であると壁を作っていた。事故当日の状況は不自然である事は否定出来ないので、子供(とそのママ)を守るという事で、二人の間で合意があったのだろう。

(2)ステロイド等の使用を否定。これは全体の会見のスキーム上、ちょっと不自然な感じがした。でもゴルファーとしての将来を考えると、重要な事かとも思う。これまでもし使用していたとしても見つかった事は無いので、ここで思いっきり否定しておく事で過去はシャットアウト出来る。今後は、いろんな意味で欺く事をしないと言っているので、大丈夫という思いだろう。付け足しみたいな感じだったが、キャリア的にはこれが最重要ポイントではなかったかと思う。

(3)自分は仏教徒であると明言。一連の問題は、仏教の教えを守らなかったので起きた事であり、仏教の教えに忠実に生きる様に努力する事を宣言した。(仏門に入るわけではない)

意地悪な見方をすれば、(1)と(2)は、真実でない可能性があるので、スケールの大きくなった虚構の始まりとも言える。

問題は(3)であるが、タイガーの特殊性を一段と際立たせるので、わざわざ言う必要があったかとの疑問が残る。タイガー・ウッズ クリスチャンへの勧めで、タイガーについての宗教的アドバイスの事をエントリーしているが、スキャンダルまでは宗教においてもクロスオーバーな事が大きな強みだったが、現時点では逆に八方塞がりになってしまっている。目の前に仏教徒である自分のおかあさんがいるので、クリスチャンになりますとも言えまいが、タイガーが反省するのにわざわざ宗教を持ち出さなくても良かったと思う。

仏教徒のタイ人は、一体どんな感じなのかは、皆目見当がつかない。

史上最高のゴルファーである事は間違いないのですが、才能と人間性には、全くの関連が無いという事であろう。典型的な牛肉マトリックスのケースであろう。

Shoe Shine

2010-02-18 21:19:04 | 雑記
趣味のレベルまでは行かないのですが、靴磨き、結構好きです。kiwi のキット揃えているし、スポールシューズやスエード様の消しゴムのようなものも持ってます。防衛大学出身の友人に、靴の磨き方の基礎(自衛隊流だと思います)を教わった事もあり、正統の靴磨きが出来ます。

アメリカンカジュアルの悪影響で、服装はいい加減の極みなのですが、足元を見られたときに恥ずかしくないように、靴だけはキチンとしたいと心掛けてます。

靴磨き(Shoe Shine)は、日本で見た事ありませんでしたが、アメリカでは比較的見かけます。私の行動範囲では、空港、それも南部の空港には必ずあります。(デトロイト空港内には現在無かったと思います。)そして靴磨きはほぼ100%黒人です。ちょっと話が飛びますが、昨年、オバマの上院銀議席を売っぱらおうした罪で罷免された白人の前イリノイ州知事の「小さい時は貧しくて靴磨きもした。自分は黒人のオバマより黒い」の問題発言から推測しても、伝統的に黒人の職業のようです。

作業がし易い様にお客さんの座る椅子がやたらに高くて、何となく恥ずかしくて、今までやってもらった事が無かったのですが、今週のテネシー州出張では、溶けかかった雪で靴が汚れた事もあり、ナッシュビル空港で挑戦してみました。

別段、これと言って特別な事は無く、5分程で$5.5で($10渡して、釣りはいらねーとカッコつけてしまいました)ピカピカになりました。一番興味があったのが、どんな靴の磨き方をするのかという事でした。自分が正統と信じている靴磨きが、果たしてプロとどう違うか、じっくり観察しておりました。結論は、私もオバマより黒いと言える自信が付きました。

では、正統的な靴の磨き方を簡単にご紹介しましょう。

(1)汚れを落とす。私はクリーナーを使って綿のウエスで取るのですが、プロは大胆にもブラシに中性洗剤を付けてごしごしやっておりました。(ちょっとビックリ)キチンと汚れを落とす事が基本中の基本です。

(2)靴墨を薄くまんべんなく塗る。私はキットの塗り専用のブラシですが、プロは手の平でやってました。(絶対に付け過ぎてはいけない)

(3)ブラッシング。これは同じ。でもプロのブラシは大きくて羨ましい。

(4)ポリッシング。これも同じ。専用のフエルト(?)でやります。

(5)底とソール横側を靴墨を付けた布で塗っていく。これも同じ。友人からキレイに見せるためのコツして教わったので、プロが最後にこれを始めた時は、妙に嬉しくなりました。

靴磨きではないのですが、特別テクニックとして習ったのは、表面を引っ掛けて色が剥げてしまった時の修復技術として、靴墨を剥げた所に少し多めに塗り込んで、ライターの火で靴墨が溶けるくらい炙るというものがあります。このテクは使えます。

チップ入れても $10 なので、一度試してみるのも良い経験だと思います。

材木価格の値上がり記事で思った事

2010-02-18 01:13:51 | アメリカ経済
アメリカの材木の値段が上がっているようだ。それも今年に入って32%の大幅上昇である。

理由は、ズバリ供給不足。住宅事情の冷え込みで、生産が2005年か2009年に掛けて45%も落ち込んでいる。流通中間在庫も絞られておる。しかし、アメリカのも春(文字通りの)がやってくるので、建築業者が春からのシーズンに備えて購入を始めたことで、需給がタイトになり値上がりしている。

昨年11月で終わるはずだった政府の住宅購入補助金が延長された事もあり、新築住宅販売が増えると読んだ建築業者が強気に買い付けているケースもあるらしい。一方、供給側は市場が冷え濃く局面で大赤字を出しており、一度占めた工場を再開したくても運転資金の確保に苦労しており、一朝一夕に増やせない状態である。

今後、住宅市場、特に新築の展開と材木価格に注目のであるが、同じような構図が、いろんな産業で頻発している可能性があると思われる。

プラスチック、ゴムの化成品の業界でも、年明けから供給逼迫の話ばかりである。製品だけでなく、Feedstock と呼ばれる原油を分解した化成品の原材料が逼迫してきている。(直接関係はないが、天然ゴムも逼迫しているものがあり、価格も2年前の最高値に迫る勢いである)

イメージ的には、日本ではリーマンショック後直ぐに在庫圧縮や生産調整をした状況が(日本の落込みが一番早く激しかった)、アメリカでは1年以上掛けて行ってきた感じである。アメリカは今後の状況が厳しくなりそうな悪い予感がしている。既に最初のショックから一年以上も経ってやや景気が上向いたこの時期に供給、流通在庫のボトムがやって来た感じがあるからである。

サプライチェーンには、Bullwhip Effectと呼ばれる現象が、普段でも発現するのに、需要が全く読めなくなった挙句の景気浮揚なので、比較的中間業者が少ない製品でも、あちこちで問題が起きている感じである。My Life at MIT Sloan の関連エントリーWSJ Caterpillar の記事(全部は購読してないと読めないようです)を同じ頃に読んだ事や、クライアント、サプライヤー、自分自身も局地的な嵐に巻き込まれているので、ひしひしと Bullwhip Effect を感じている。

これからの景気の上昇局面で(あくまでも希望観測ですが)、今後、原料から一般消費財の不足が騒がれるのではないかと思う。その事で景気感と一致しないインフレが起こる予感がある。アメリカの景気回復の予想をするとき、この辺の問題も考慮する必要があるだろう。(定量的に検証するスベは思い付かず)

面白いオブザベーションとしては、リーマンショック直後の対応は、数字だけを見ていると、冷徹と思われているアメリカ経営より日本経営の方が対応が早かった事があげられる。Just in Time が浸透しているので中間流通在庫がアメリカに比べて少ないのが最大の要因だと思う。アメリカは、やはり、広大だし、土地が安い(倉庫がある)ので、必要量だけよりトラックロード単位の流通がコストが安いと推測されるので、サプライチェーン全体で中間流通在庫が必要以上にあるのだと思う。(ちょっと大雑把過ぎる気もするが、当たらずとも遠からずの自信有り。)

Save the Senate Tour

2010-02-17 12:43:21 | アメリカ政治
11月の中間選挙で、上院100議席中36議席が選挙となる。これらの議席は、現在民主党と共和党が59:41で、改選される36議席の内訳は、18:18である。1月のマサチューセッツ州補欠選挙で共和党スコット・ブラウンが勝利して以来、民主党側は、大物議員の引退宣言や、数ヶ月前までは当選確実しされていた候補者の不出馬が相次いでいる。

上院は、法案を通すためには60議席の絶対過半数が必要であるので、オバマ大統領就任以来、民主党が強引に進めていた法案等は、民主党が一枚岩でない上に59議席になった事で本格的に塩漬けになっている。もし、中間選挙で共和党が躍進し、例えば過半数の51議席(50:50の時は上院議会議長である副大統領が投票するので民主党が過半数となる)を取るような事になると、法案を通すために民主党色の強い法案は通らなくなり、中道の法案を何とか通すと言う状態になると思われる。

興味深い選挙区(州)を上げておく。

先ず、ネバダ州。民主党の上院リーダーであったハリー・リードの苦戦が伝えられており、今日投票が行われれば落選確実だそうだ。

次に、イリノイ州。元々オバマ大統領が占めていた議席で、この議席を売ろうとした現在は罷免されて被告人の当時の州知事が指名した議員が再選を目指さず、混沌としている。(この前州知事の事は裁判が始まれば、いずれエントリー予定)

その他の州でも、健康保険改革案で自分の選挙区のある州への優遇を画策したアーカンサス州のブランチ・リンカーンや、オバマ大統領就任直後に、再選の可能性を考えてわざわざ共和党から民主党へ乗り換えペンシルベニア州のアーレン・スペクラーなど、民主党の現職で危うい人が続々出てきている。オバマ政権の閣僚として引き抜いた後任議員が苦労しそうなコロラド州も注目だろう。

そこで、オバマ大統領はこれらの上院議員を救うために今週からこれらの州に応援に飛び回るそうだ。名付けて(非公式だが) "Save the Senate Tour" だ。昨年のニュージャージー州、バージニア州の知事選、1月のマサチューセッツ州上院補欠選挙では応援に行くのが遅れて結局民主党全敗となっているので、11月の中間選挙に向けて早めの始動と言う事だろう。但し、未だ選挙が始まっているわけではないので、応援というより選挙用の寄付金集めの人寄せパンダとしてのツアーである。

選挙キャンペーンは、本来、オバマの大得意分野であったが、昨年来の3連敗以降、民主党内でもその神通力が疑われてきており、寄付金集金掛かり的な活躍となってきている。大統領がゲストの夕食会は、一回で$1M(約9千万円)の寄付が集まるとも言われており、厳しい選挙戦を戦うために軍資金に役立てようと言う目論見である。

当然、大統領が登場するので候補者の知名度は上がる。でも、オバマ大統領も発言をするだろうが、行く先々で何を言うかに注目している。健康保険改革法案や Cap & Trade (炭素税(環境税))の事は逆噴射しそうなので強く言うわけにはいかない。やはり雇用促進を頑張る、景気刺激策第2弾を実行するがメインだと思うが、変に力むと、聞く方はなぜもっと早くに優先しなかったかという疑問が出てくるので、何を言っても中途半端にならざるを得ないだろう。

民主党の選挙活動のために飛び回るのであるが、淀んで何も進展しない今まで通り古くさい Washington DC を離れ、市民の人々と多く触れる事によって、"Change" を改めて進めて行こうと言うスキームらしい。一応それらしい仕立てではあるが、ホワイトハウスに腰を落ち着けて、キチンと仕事して欲しいと思うのは私だけではないだろう。

Summer Vacation: Outer Banks, NC

2010-02-16 17:50:37 | 雑記
旅行したり、バケーションをとる趣味の無い私ですが、家族が居るとそういう訳にもいきません。特に子どもたちの夏休みは2ヶ月以上あるので、真ん中当りでイベントが無いと親が持ちません。日本へ送りつけて、自分はゴルフ三昧という、今から思うと幻の様に素晴らしい夏もあったのですが、その時に日本の暑さと子供の汗疹に懲りた家内は、夏休みの帰国には消極的です。

さて、今年はサマーバケーション初心者としては珍しくリピーターとなって、昨年と同じ Outer Banks, NC に行く事にしました。

Outer Banks は文字通り大西洋側の外側に自然に出来た細長く続く砂の堤防で、ノースキャロライナ州にあります。東海岸で海で夏を過ごしたい人達には有名な所です。基本的には海があるだけですが、ライト兄弟が初飛行に成功した Kitty Hawk があります。堤防なので外海、内海という感じになっており、ちょうど去年は沖を強力なハリケーンが通過し、外海側はサーファーも怖がって入れないくらいでしたが、内海側は凪いでおり遠浅でポチャポチャ海水浴が出来ました。

昨年はラッキーな事に、友人の勤める会社の福利厚生の一環で借りいる5ベットもあるサマーハウスを、その友人家族と二家族だけでシェアーした上に、ただみたいな負担分(1日$30で、4日)だけでした。(去年のサマーハウスはこちら

子どもたちは海があれば良いので、後は食事の心配くらいです。サマーハウスには当然キッチンもついており、ブランチを食べて海、海でスナック、夕食はレストランでという感じでした。又、シーフード販売店もあり、ポットと呼ばれるジャガイモやコーンに貝、カニ等魚介類をポットに入れたキットを料理(ビール注いで、レンジに掛けただけ)して、楽しみました。。Outer Banksには点々と大きなグロセリー(食料品中心のマーケット)もありますので、普通のものは普通の値段でそろえれます。

家族全員大満足だった事もあり、事情も分かっているので、今年も行こうという決断になりました。今年は一週間なので、昨年の経験を踏まえ日本食のレトルトなどを買い込み、炊飯器も持参し、食費は更に低予算でいこうという計画になっております。(サマーハウスのレンタルは、一週間単位)

中西部に住んでいると海は遠く、鄙びた海水浴経験はなかなか出来ません。去年は8月の後半だったのですが、Outer Banks はまだまだ暑く、その上日差しも強く(海の照り返しも)、海だ、夏だという幸せな気持になれます。ミシガン州のウエストコースも良いのですが、湖は淡水で妙に臭かったり、夕方は上着が必要なくらい涼しくなったり、いまいちです。ただ、砂の堤防なので土地が狭く、ゴルフ場が無いのが残念です。(バンカーショットの練習は出来る)

デトロイトから片道900マイル、去年は朝の6時に出て夜10時着(一時間程 Washington DC で渋滞に巻き込まれた)、今年は、夕食後夜中走って行くつもりです。

フランスとロシア

2010-02-15 00:32:27 | 新聞、雑誌から
フランスがロシアに軍艦4隻(一隻当り$750M(約700億円))を売る事が、今週(2月13-19日)号 の The Economist に掲載されていた。(Economist: French arms sales to Russia

ロシアの軍拡指向と軍事産業の衰退の現れであるとの解説である。一方で、これら軍艦を作るフランスの造船施設もフランス海軍からの注文が過去3年でたった一隻でレイオフが進んでおり、フランス政府がこの造船設備の三分の一を購入して、ノウハウを守ろうとしている。

Nato にとってロシアは未だに敵国であるので、フランス政府の売却決定はしっくり来ない。この記事を読んだだけでは、素人目にも、この軍艦販売は非常に奇怪に思える。ロシアの理由には正当性があるが、フランスの方の理由の印象は弱すぎるのである。

が、フランスが30年以上に渡り原発の使用済み放射性廃棄物をロシアに送り、その貯蔵を依存している事実との取引ではないかと見る事は出来ないだろうか。(IPS: France's Nuclear Waste Heads to Russia

2005年のこの記事自体は、輸送に関する懸念とロシアが国家としてシベリアに放射性廃棄物を不法投棄している事への安全性への疑問となっており、フランスとロシアの駆け引きの話は一切出ていない。(英語日本語ニュースさんのブログで、昨日読んだばっかりでだった)

しかし、ロシアがこんな汚れ役をやっている事を利用しないはずは無いと思う。軍艦だけではなく、付随する船や、兵器、システムも必要なので、もっと広範囲の武器ビジネスが既に決定していると思われる。

私の考えが的を得てるかどうかは何ともいえないが、改めてフランスは侮れないという感慨である。ナチにパリを占領されたのに、今でも大国の一つ(というか、言いたい放題、やりたい放題?)である事をみても、計り知れないものを感る。(私の勉強不足なだけ?)サルコジの奥さんが元モデルというのにも、底知れぬものを感じます。

フランスとロシア、歴史的にも結構古い付き合い(王室同士?から、これも勉強不足だ)もあるし、怪しい関係かも。

健康保険改革法案 ウルトラ C Reconciliation

2010-02-14 08:11:17 | アメリカ政治
民主党は、マサチューセッツ州の上院補欠選挙での敗北フィルバスターを阻止出来なくなった。オバマ大統領の一般教書演説も含めて、民主党の勢いは完全に失われ、健康保険改革法案も終わったと考えられているが、ペロシ下院議会議長はウルトラCでの強行突破を狙っているようだ。

Reconciliation は、議会運用上、予算(それも単年の)関係に限って使われる例外的なも手段だが、民主党は健康保険改革法案成立に使おうと画策している。(極限に簡単に言えば、下院、上院で単純に過半数あれば法案を通せる)上院案が叩き台となるが、下院が修正を入れ上院が単純過半数で承認する事になるので、基本は上院案だが何でもありではある。

民主党自ら、この手段がトリックプレーと言う事は認識しているが、特にペロシ下院議会議長は、何が何でも法案成立させたいらしい。

但し、下院も上院も民主党の仲間割れがあり、単純過半数の票読みが難しくなっては来ている。オバマ大統領も、未だ敗北宣言してはいないが、健康保険改革法案に付いては発言がほとんど無くなっており、ペロシ下院議会議長に一任している感じである。一方で未だ正統に両党合意を模索しており、2月最終週に超党派での健康保険改革法案の話し合いを呼びかけている。

では、ペロシ下院議会議長はウルトラ C Reconciliation を活用して、現法案を無理矢理通してしまうのだろうか?火の無い所に煙は立たずで、可能性は有ると思う。民主党にしてみれば、70年越しの悲願が目の前にぶら下がっているのである。ペロシ下院議会議長が議会を仕切る事で、歴史に名が残るのである。変な話だが、中身なんかどうでも良くなってきているとした思えない。

ペロシ下院議会議長は、非常にリベラル色の強い選挙区(カリフォルニア州サンフランシスコ)で再選は間違いないし、オバマ大統領は先週、良い仕事をすれば一期でも良いと発言しているくらいである。この手段の票読みが出来れば,中間選挙で落選する民主党議員の事などおかまい無しにやっちゃうと思う。

やらないとすれば、圧倒的に過半数を超えている民主党をまとめられずに、単純過半数さえ引き込めないのである。つまり、いまある下院案も上院案もヒドい法案なのである。

この悪夢が現実になる可能性は10%位だと思う。ほぼ死に体なのだが、油断するとトンでもない事をやりかねない危険性はある。もし現実になるとしてもそこまでの過程は密室での醜い裏取引になるので、C-SPANで放映される事も無く、非難囂々になるだろう。

法案は通したが、民主党の本格的な自殺行為だろう。ペロシ下院議会議長がどんな笛を吹いて民主党議員そして民主党そのものを奈落に誘導するのか。後に続くものが出ないことは願うが、是非その音色を聞いてみたいものである。