YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

初詣

2012-12-31 08:28:44 | 非常に個人的な昔話
明治神宮に初詣に行った事が一度だけある。大学生の時、友人(男)とその知り合いの女子中学生二人と一緒であった。そのうちの一人はお正月なので着物を着ていた。

帰りになぜか新宿東口の喫茶店でお茶したのだが、トイレに行ったかなにかで着物が少しはだけた様になってしまった。着ている本人も、連れの女の子も、勿論アホ男子大学生も着付けの心得が有る訳が無く、途方に暮れそうになった。

すると、私達をサーブしていたウエイトレスさんが気付き、従業員控え室に連れて行ってキチンと着付け直しをしてくれた。

数年に一度位日本でお正月を過ごすのであるが、段々とお正月らしさが無くなってきていると感じる。アメリカで暮らしているので、その華やかさからは尚更程遠い。

日本のお正月とその季節感がよぎる度に、元旦から新宿の喫茶店で制服を着て働く喫茶店のウエイトレスが、普通の事の様に着付けしてくれた日本を思い出す。

オバマ政権、第一期の総括

2012-12-30 10:58:37 | アメリカ政治
もしオバマが落選していれば、自分の予想が大当たりとなり、無意識に希望的観測が入った独り善がりな見方が正しかったと増長する所であった。オバマ再選で、自分自身と保守系メディアに対して懐疑的になった事で、今後もう少しアメリカ政治を冷静に観察出来る気がする。

いろんなエントリーで散発的に書いて来ているが、自分なりにオバマ政権の第一期を総括しておこう。

一言で言えば、無能政権がピッタリであろう。政権運用能力、現実的な法案作成能力の欠如が著しい。

オバマ政権の第一期は、民主党が連邦両院の過半数を持っていた前半(上院が絶対過半数を持っていたが、マサチューセッツ州上院議員テッドケネディーが死去により一票足りなくなった)と、2010年中間選挙での歴史的敗北で共和党が過半数をしめ、ねじれ状態になった後半に分かれる。

大型景気刺激策 (American Recovery and Reinvestment Act of 2009)、ObamaCare、金融改革法案 (Dodd–Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act) の大きな法案は前半に可決しており、後半は目立った成果が無い。

まず、大型景気刺激策であるが、法律が成立したのが2009年2月17日、大統領就任から一ヶ月も経っていない。よって、大統領が法案自体に大きく関わってはいない。2008年リーマンショックのドサクサで民主党のやりたい放題法案であった。特筆すべきは共和党の賛成票が皆無であった。

ObamaCare は、審議途中でマサチューセッツ州上院議員テッドケネディーが死去した。補欠選挙で共和党が議席をとった事で民主党は上院の絶対過半数を失い、通常の法案可決手続が出来なくなった。そこで既に可決していた上院案を下院で修正する事も出来ず不完全なまま可決され、歪なまま法律となった。国民健康保険制度(日本とは違うが)は民主党の長年の夢で有り、民主党が、大統領と上下院で過半数を持っている非常に稀な状況での出来事である。最終的には強引で巧妙な議会運営手腕にお陰で法案可決がなった。

就任当時から、法案に無駄が有ればチェックして拒否権を使うと綺麗事を言っていたが、大型景気刺激策そして皮肉にも ObamaCare の内容を理解していない事は、当人の法案に対する不勉強と行政の長としての真剣さに欠けるを如実に物語っている。

金融改革法案についても、当初は共和党賛成が一票も無かったが、両院協議会での修正案追加で3人の共和党議員(メイン州2議員とマサチューセッツ州議員)が賛成に回った事で成立している。

こうやってみると、オバマ政権の前期は、民主党両院議長 (Nancy Pelosi, Harry Reid) の政権と言っても過言ではないであろう。下院で過半数を失ってからは、結局何も出来ていないのである。民主党が上院で過半数を持っているので、リーダーである Harry Reid が審議優先権を悪用し、下院で成立した法案の審議さえしないという異常事態が続いており、オバマはこれを放置している。

移民法改正、財政改善については、2010年中間選挙後に大統領キャンペーンのリップサービスだけで、ホワイトハウスの予算案、今回の Fiscal Cliff の顛末をみても、真剣に考えているとは到底思えない。一方で、Excutive Order と呼ばれる大統領命令を頻繁に出しているが、これは自分の支持団体へのおべんちゃらの域を出ない。(但し、環境問題等では、経済への実害が出ている)

あとは同性愛者間の結婚であったり、銃の規制に、口当たりの良い事を場当たり的にしているに過ぎない。

オバマは、イリノイ州上院議員を数年、上院議員4年の経験しか無く、政権運用経験は無く、連邦レベルの議会についても経験がなさ過ぎた。この事は余り騒がれていないが、やはり決定的だ。

第一期は前半は大統領の職務が何だか分からないなかで、民主党の絶対優位を悪用した手練手管の両院議長 (Nancy Pelosi, Harry Reid) に勝手にやられ、後半は議会のねじれ状態で運営がままならなくなり、何もする努力もしないまま再選のキャンペーンに熱中したというのが、単純であるが本質的な構図だと思われる。

2010年中間選挙後に目立った法案は、ブッシュ減税の延長と国債発行額の上限アップだけである。オバマはブッシュ減税の失効を目指していたが、中間選挙の敗北と再選を睨んで、ブッシュ減税の延長措置と財政削減の内容を先送りにして共和党との妥協をしている。これが Fiscal Cliff の要因である。

ホワイトハウスは議会に予算案を提出する義務が有るが、2013年度予算は余りにふざけた内容で上院で一票の賛成もなかった。民主党議員でさえ反対する程の惨憺たるものであった。

Fiscal Cliff をめぐる騒動は、今後最低でも2年間続く状態を暗示している。オバマには、本質的な意味でアメリカ再建、特に財政再建については、何一つ考えていないのである。よって、共和党が真摯な議論をし、妥協案を示しても、関係無いのである。やる気がそもそも無いのだ。

再選でオバマ政権はあと4年続くが、今後2年は過去2年と同じく予算や国債残高上限問題で危機的状況が何度も発生するであろう。2014年中間選挙でも議会ねじれ状態が解消しなければ、あとの2年も同様になるであろう。

オバマは再選された事で、決定的に史上最悪の大統領の汚名を着るのだ。

Smoke and Mirrors

2012-12-28 23:03:58 | アメリカ政治
"Smoke and Mirrors" とは目くらましの意味だが、Fiscal Cliff をめぐるホワイトハウス、連邦上下院の動きを見ていると全ては煙幕 "Smoke and Mirrors" の中で、実は出来レースなのではないかという気がして来ている。

クリスマス休暇前に、共和党の下院議長が "Plan B" と呼ばれていた代替案を可決しようとしたが、共和党議員の票をまとめられず流れてしまった。その上で、次は上院がやるべきだ、とケツをまくった形になっている。共和党が過半数を占める下院と違い、上院は民主党が過半数を持っている。

今日は、ホワイトハウスで、上下院の両党のリーダーがハワイでのクリスマス休暇を中座しているオバマ大統領を囲んで話し合いを行った。議会運営は上院、下院の順でやる事は決まったが、上院案を下院で成立するかは不透明なままだ。

法案は、時間切れと寸前という事もあり、とりあえず、ブッシュ減税を延長し時間稼ぎをするだけの内容になる可能性が高い。本格的な議論は年明けにやろうという事だ。

しかし、2010年暮れ、2011年夏に同じ様に時間稼ぎをしたなれの果てが、今回の Fiscal Cliff の原因だけに、結局は財政問題を先送りするだけで、2010年の中間選挙で共和党が過半数を取り返した以後2年続いている膠着状態が最低でも後2年は続くのだ。

増税と財政削減が話題の中心になっているが、国債発行残高の上限問題もある。大晦日頃に上限である $16.1T (約 1,370兆円)に達するのであるが、この引き上げ法案も可決されていない。

オバマ大統領は Fiscal Cliff 交渉当初は、今後上限を設けず政府が際限なく国債を発行出来る様にする項目を入れていた。あまりにふざけた提案だったので、その後話題にならなくなった。(オバマ大統領は、この提案についてはその後触れていない)

共和党は、ブッシュ減税の延長(年収 $1M 以上については税率アップ容認)と福祉削減をセットで考えているが、オバマ大統領は基本的に福祉削減がされない Fiscal Cliff が来ても構わないと考えているとしか思えない。共和党がいくらホワイトハウスと交渉しても妥協点はないのだ。

但し、民主党議員すれば、このままにしておく訳には行かず、上院が重い腰を上げたという状況であろう。上院案が下院で可決されればオバマもさすがに拒否権は使えないであろう。

民主党首脳とオバマ大統領が完全に一致しているのは、今回の危機は共和党のせいだと激しく攻撃する事だけだ。

もし、年内のブッシュ減税の延長以外の意味のある法案が成立するとすれば、既に共和党と民主党で手打ちが出来ている証拠で、やっぱり同じ穴の狢という事だ。

愚図の大いそがし

2012-12-26 02:35:13 | 雑記
最近、自分が本質的に怠け者である事に気がついた。そう考えると必然なのだが、仕事でずっと忙しい状態を経験した事がない。無意識に自分の本質にあった仕事の組み立てをして来ているのかもしれない。

この2ヶ月ほどブログ更新が減ったのは、これまでの人生で一番忙しく働いていたからだ。(大したことをしていたわけではなく、いろんな偶然が重なったのと、兎に角出張が多かった)

そんな状態で、歯を抜いたり、家の改修などをしていたので、公私ともに大忙しであった。

始まりは11月の日本出張。訪問先が多くて、いろんな人と(日本人ばかりでなく、ドイツから日本出張に来ていた日本語を喋るフィリピン出身の人とか、しゃぶしゃぶの好きな英語の下手なドイツ人とか)いろんな打合せを、北は茨城(宇都宮の方が北か?)から南(西?)は鳥取まで行った。アメリカに帰る飛行機の中で打合せメモを整理していた時に、既に詳細が記憶から欠落しているのに気が付いた。

今回の出張で、生まれて初めて茨城県に足を踏み入れた。ランチの時に地元の方と「大津浜事件」(江戸幕府が開国する40年前に異国人(イギリス人)が上陸した)の話となった。尊皇攘夷が水戸藩で芽生えるきっかけとなる日本史上でも重要な出来事である。大津浜には、捕らえた水兵と地元民が相撲をとった記された石碑があるらしい。

成田空港で買った吉村昭の本「冬の鷹」が良かったので、蔵書の中から「桜田門外の変」を引っ張り出して読み直し、改めて幕末、明治維新に思いを馳せてみた。旅をしない私にとって、出張であっても初めての地というのは刺激的なものだ。

日本は計10日、間の週末は町田にある家内の実家にお世話になった。近所にある日帰り温泉「湯快爽快」に連れて行ってもらったのだが、無料送迎バスなどもあり、本当に便利であった。のんびりお湯につかるだけなら、本格的な温泉場まで出かける必要がないのが助かる。普通のお風呂、温泉、サウナがあり、料理もそこそこ美味しいし、なにより清潔なのが良い。散髪だって出来る。マーケットとしては老人層を狙っているのだろうが、アメリカから忙しない日本出張をする日本人にとってもドンピシャコンセプトである。(それとも私が只の老人という事であろうか)

日本出張後半は、松葉ガニの美味しかった米子で締めくくり。

アメリカに帰ってきたのは Thanksgiving の前日で、4連休は完全に時差ボケで、家族の大顰蹙をかった。

12月に入ってからも、メキシコそしてアメリカ国内日帰り出張(飛行機も有り運転も有り)連発で、その間に歯を抜いたりしてヘロヘロであった。そんな中で、改修の最終段階である全室内のペイントが行われた。自分で塗るわけでは無いが、家具を各部屋の中央に寄せなくてはならない。出張日の早朝や夜な夜な、結構重い家具やピアノを動かしたりしていた。

9月に改修作業が始まってから断続的に12月までやっていたので、この3ヶ月寝室にリビングの家具が鎮座してたり、ベットではなく床に引いた布団で寝てたりして、兎に角落ち着かなかった。基本的に家にいる家内は、アメリカ人の大工2人が出入りするのに精神的に疲れていた。

クリスマスツリーも飾れないので、娘達はサンタが来ないのではないかとやきもきしていたが、代用にポンセチアの鉢植えを置いたので、プレゼントはちゃんと届けられた。

で、やっとペイントも終了し、目出たくクリスマス休暇となった訳であるが、まず家具をもとに戻す作業が有り、その上、フィニッシュした地下室の調度しなくてはならない。クリスマスイブに IKEA で散財し、クリスマスイブとクリスマス当日、IKEA の出張組み立て作業員に成れるくらい家具の組み立てをしていた。

でも、まだ家の中は片付いていない。


愚図の大いそがし」は、昔読んだ記憶が微かにあるコラムのタイトル。調べてみると著者は山本夏彦であった。本の内容も著者の事もすっぽり抜けているのだが、「愚図の大いそがし」の文言だけを鮮明に覚えている。

フリーライター 山田高明って何者?

2012-12-25 13:09:41 | ブログ探索
尊敬する池田信夫が代表取締役である言論プラットフォーム『アゴラ』に、フリーライターを名乗る山田高明なる人物がエネルギー関係や電気自動車の事を積極的に書いている。(山田 高明のアゴラ記事一覧

電気自動車には興味があるのでそれなりの読んでいたが、技術音痴の戯言、只の EV 被れの域を出ず、余りに馬鹿馬鹿しい。

今回(なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その8)――EVの欠点は十年以内にすべて解消する)も、いろんな事をグダグダ書いているのだが、車内空調の所で完全に破綻している。

車内空調問題は、電気自動車にとっては一番厄介な問題であろう。エアコンも問題なのだが、実はヒーターが大問題なのである。それなのに『冬場はモーターの熱を利用できるとして』との一言で片付けている。

まず、モーターの熱をどうやってヒーターに利用するというのだ。そのうえ、インホイールモーターに未来を見出しているので、各ホイールから熱を回収する方法が既に確立されているのだろうか?

電気自動車に力を入れている自動車会社(特にニッサン)の太鼓持ちの提灯記事か、狂信的勝手応援団の妄想記事としか考えられない。


Follow the money

2012-12-14 21:46:39 | アメリカ政治
Fiscal Cliff から落っこちてしまうのか未だに予断を許さない。自分の税金が上がるのは嫌だが、自動的に政府の拡大に歯止めが掛かるなら悪くないかとも思う。

妥協が成立しなくて年を越しても、急に景気が悪くはならないと思う。

連邦議会予算局は、Fiscal Cliff から落っこちた場合(このまま自動的に Bush 減税と予算化カット(と言っても増え無い訳ではなく、ほぼ横ばいになるだけ)、2013年は、GDPはマイナス 1.5%、失業率は 9.1% と予想している。

そして財政赤字が半分(と言っても$641B!!(約52兆円))だけしか増えないらしい。(オバマ政権は毎年 $1T 近く(約100兆)の財政赤字を続けている)

一方でメジャーな福祉政策 (Medicare, Social Security) 改革は手付かずとなる。

真綿で首を絞められるように、嫌な感じで不況に突入するのだ。

これまでの様に、土壇場で奇妙な妥協がオバマ政権と共和党の間で成立する気がしていたが、今回はちょっと違うようだ。

オバマ政権は、常に金持ち層を目の敵し、今回もブッシュ減税を延長するがトップ 2% の納税者の税率はアップさせたいと大統領選挙戦でも公約していた。また、現在キャピタル・ゲインに対する課税は一律 15% であるが、キャピタル・ゲインを所得と計上とする事で実質増税、それも金持ちにより重くなる。

Caterpillar, Wal-Mart 等が年明けに予定していた配当を今年中に繰上げたり、年内に特別配当を出す事を決定している。Fiscal Cliff が避けられない場合、少しでも株主にメリットを出そうとしているのだ。

お金を追いかければ、何が起こっているのか見えてくる。


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Hangmu Style

2012-12-10 19:04:27 | 雑記


Danger Zone を紹介したときに、 Top Gun 映画の冒頭シーン、空母甲板での実写と思われるクルーたちのアクションが余りにカッコ良くて密かに練習している事を告白した。

中国軍が、公式映像に Top Gun の一部を無断で使っている事で、中国にもこの映画のファンがいるのを知り、自前空母(といってもロシアから買っているのだが)の甲板で Top Gun の冒頭シーンに出てくるクルーたちのアクションのようなものをやってくれればと面白いと、不真面目に考えていたら、本当にやらかしてくれた。

上の写真は、公式に公開されたものであるが、どう考えても Top Gun のまねであろう。(というか、アメリカ式の模倣だろうが、必然的にこうなるのかも)

中国語で空母を Hangmu と読むらしい。PSY の Gangnam Style に引っ掛けて Hangmu Style と称し、ネットでこのポーズを取るのが流行っているらしい。

Top Gun と Gangnam Style の節操のないハイブリッドに中国を感じる。

それにしても背中の漢字がお茶目だ。


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中国の空母 (8-11-11)
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GANGNAM STYLE (9-30-12)



中国のカタパルト技術に興味があったのだが、どうも離陸は先端の傾斜に頼っているようだ。日本のニュースでは着陸のほうが話題になっていたので、ワイヤーに引っ掛けて止めるの方がむずかしいのかも。

日本にも、2,3隻(空母って、隻って数える?)欲しいところである。


アメリカにおけるユダヤ教

2012-12-09 16:20:58 | アメリカ政治
オバマ再選でアメリカにおけるキリスト教の衰退を書いたが、ユダヤ教の衰退も著しい。

イスラエル建国やその後の紛争の歴史について詳しい訳では無いが、アメリカのユダヤ人が大きく関わりずっと支援を続けてきている事くらいは知っている。

ユダヤ人はなぜか民主党を支持しているので、民主党政権になっても共和党とは違った意味で親イスラエルで、外交方針も基本的に安定していた。しかし、オバマ政権になって、特にイランの核兵器開発を巡って、関係が急速に悪化していた。

今回の大統領選で、ユダヤ教徒のオバマ離れがあると思っていたが、結果的には民主党支持に変化は無かった。つまり、アメリカのユダヤ人達はイスラエルの事を特別な国だと思っていない事が判明した。

ロムニーがモルモン教徒である事は、基本的に共和党の大統領候補予備選で影響が無かった。そして、大統領選ではキリスト教(エバンジェリカルもクリスチャンも)もユダヤ教も影響力が無い事が明らかとなった。

どう考えても無神論者 (atheist) であるオバマを再選させるアメリカは、既に、建国の理念であるジュデオークリスチャニティー(judeo-christian)の基盤が崩壊しつつあると考えざるを得ない。


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異国情緒と叶わなかった恋と

2012-12-08 11:42:28 | 雑記
旅行する趣味がないので、トロピカル系のリゾートに行った事がない。(そのうち家族旅行でカリビアンクルーズとか行くかも)

感覚的に一番近いのが、出張で行くメキシコだ。

メキシコにはハシエンタと呼ばれる昔のメキシコ荘園をそのまま使ったり、模したりするホテルが多い。プールを囲むように建物があり、熱帯風の木々が生えていたりして、南国リゾート風になっている。建物やドアが意味もなく物々しかったり、天井からファンがぶら下っていたり、タイルがふんだんに使ってあったりして、意味もなく豪華な雰囲気になっている。

言葉(スペイン語)が全く理解出来ないので、いやがうえにも異国情緒満点となる。

そんな風情の中で去就するのは、日本にいた頃に思いを寄せた年上の既婚女性への叶わなかった恋とも呼べない自分の心の片隅にある甘酸っぱい追憶である。

異国情緒溢れるバカンスの同伴者は、やはり訳ありの女(ひと)でなければならない。

慣れないテキーラを飲み、ちょっぴり酔っ払ってホテルのベットに倒れ込んだりした時は、部屋の中でその女(ひと)がなぜか裸で恥じらいながらも奔放にしている幻想に包まれる。

インプラントをもう一本

2012-12-07 16:23:25 | 歯のはなし(治療日記)
#7のポストがぐらぐらしてきたので、一ヶ月程前に日本出張する前にポストを差し替えてもらった。(打合せ内容が決まる前に、松葉ガニとか夕食の予定が先に決定していたので、ぐらぐらしたままで日本に行く訳にはいかなかった)

ぐらぐらする前から出血が多くなんとなく違和感があったので覚悟はしてたのだが、長年に渡り、根、それも外側だけを使っていたこの歯も既に限界を迎えているという事で、結局インプラントにする事になった。

ハメ殺しにする予定だった上手くグラフティングがいかなかった#3インプラントも同時に取り除く事になった。(インプラントが完全にカバーされないので化膿するリスクがあるとの事)

そもそも2本分のインプラント(#2、#5)で5本分のブリッジをするのは無理があった。その上#3が使えないし#7も限界に来ているので、#7もブリッジのポストにしてインプラント3本で6本分のブリッジをする事になった。3本のインプラントは均等間隔ではなく、#6、#7は隣り合わせで#2までは3本分の変則ブリッジになる。

手術は来週火曜日、レジンで出来ているテンポラリーのブリッジを外し#3を取り除き、#7の抜歯とインプラントを同時にする手術となる。(テンポラリーのブリッジは再利用。#3を取って縫合したら元に戻す)

インプラントが固定するまで歯抜けになるので、フリッパーと呼ばれる入れ歯を3-4ヶ月する事になる。1本分だけなので、以前の様にかさ張らないという慰めの言葉を、馴染みのアシスタントのおばさんから頂いた。信用しよう。

再び抗生物質を飲む事になると思うので、折角治った便秘生活に逆戻りしそうだ。


涙なくしては読めない私の(どうでも良い)歯の治療に興味のある人は、右上の「歯のはなし(治療日記)」をクリックしてみて下さい。

死屍累々

2012-12-03 02:37:37 | 日本経済
金融の世界にまったく関係ない私でさえ、もう15年も日本国債の暴落を考えているので、実際に日本国債をディールしている人の中にも、何かの出来事や統計をもとに、ショートして大儲けしようとする輩がいても不思議はない。但しここまでは、兆しがあっても結局、暴落は起きていない。

日本では今年初めて、大人用(老人用)のオシメが赤ちゃん用の需要を超えたらしい。

ぞっとするデータである。赤ちゃんは成長すると数年でいらなくなるが、大人(老人)の場合、使い始めると死ぬまで必要なのだ。ぞっとするデータの裏にある現実に、改めてぞっとする。

2010年度の社会保障給付が100兆円を超えた。そのうち50兆円が「高齢」分野だそうだ。

死屍累々、ここまでは日本債権をショートしてきた債権トレーダーたちであるが、これからは大人用オシメを必要とする日本の老人たちである。

日本国債をショートする論理は "Why bet against it? から "Why not" になってきているらしい。

積みあがった屍を乗り越えて、今度こそはと、オムツのデータを見てショートする輩の運命はどうなることやら。

冬の鷹:吉村 昭

2012-12-02 02:05:54 | 書評
四十代後半からオランダ語の研究を始め、医学書『ターヘル・アナトミア』の翻訳書『解体新書』の中心人物、前野良沢を描いた本である。

良沢は学究肌だっただけに、『解体新書』の訳者として世間に名が売れ経済的にも恵まれた杉田玄白、大山師であった平賀源内との対比が鮮やかで、真摯であるが息苦しい人生が描かれている。

伯父である養父の「人の顧みぬこと」をオランダ語の研究と信じて、辞書の編纂から始め医学書を翻訳する作業は凄まじい。その上『解体新書』の完成度に満足せず、訳者として記されることを拒んでいる。オランダ語の第一人者になったにもかかわらず、弟子も取らずひたすらに研鑽を深めていく。

晩年は子供の死、経済的な貧窮があり、目が衰えた事で研究もままならなくなって人知れず亡くなっている。

一方玄白は、『解体新書』の翻訳作業、出版準備、その成功の取り込みに類い稀なマネイジメントの才能を発揮し、隆盛、栄華の中で人生を終えている。

脇役として登場する平賀源内は、才能、湧きこぼれる好奇心に自らを御せず、最後は詰まらない事で殺人を犯し獄死する。

年をとっても全霊を傾け第一人者になれるものに出会えるチャンスがある。自分に訪れた偶然の社会的な意義を正しく理解する事で成功する可能性がある。自分の才に囚われたままの人生もある。

最近本を読む意欲が萎えており、日本に行っても特に購入をする事も無くなっていたが、好きな作家とは言え、偶然空港で手にした吉村昭の著作は、題材も内容も素晴しいものであった。それよりも読書意欲が蘇ったのがうれしい。


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NHK テレビ時代劇 『天下御免』 (11-25-12)
プリズンの満月:吉村 昭 (1-29-11)
大黒屋光太夫:吉村 昭 (11-29-10)
アメリカ彦蔵:吉村 昭 (1-2-10)