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東日本大地震の相対的規模と関東大震災との相似形

2011-03-12 20:41:41 | 日本経済
昭和三陸地震の死者と行方不明者の合計 3,064人。

明治三陸地震 同 21,959人。

阪神・淡路大震災 同 6,437人、被害総額が10兆円。

関東大震災 同 142,800人、被害総額が45億円、一般会計予算の3年分、国民所得の3分の一。

2010年の GDP は480兆円、一般会計予算は92兆円(歳入の48%が国債)だ。

東日本大地震発生から未だ24時間も経っていないのだが、映像を観ていると、津波の被害が甚大で、現在確認されている死者と行方不明者併せて 1,300人だが、最終的な死者、行方不明者、被害は想像も出来ない。人的被害だけでなく、インフラや家屋等の被害も広範囲なだけに、膨大な事になりそうだ。

まず、債務者の支払いモラトリアム、そて、今後復興に向けて個人、企業、地方自治体等、資金が必要なるので、無担保融資等の措置が取られるであろう。最終的には、日本銀行が引き受ける事になる。既に、措置の通告がでている。

震災手形の亡霊が見える。

津波にさらわれる家や車を見ながら、通常の火災保険や自動車保険では、支払いをされない事を思い出し、否応無しにディフォルトする債権が大量発生するであろう。また、金融上の救済措置が取られ、震災手形の時の様な被災とは関係無い不良債権を、究極的に日本銀行は大量に抱える事になると思われる。

阪神・淡路大震災の時も同じ様な措置がとられている様だが、被害総額に比べて融資額が小さいようだが、15年以上経っても債務残高は高く、代位弁済(これって最終的には日本銀行の不良債権?)も多いらしい。

国債発行で救済資金を調達し、最終的には日本銀行が刷りまくるという構図になると思うのだが、阪神・淡路大震災の時の1995年当時の国債発行額は200兆円程度であったが、現在は900兆円。

生活基盤を失われた人への継続的な支援が必要な事(東北は田舎のイメージがあるが、今の日本で自給自足出来る所は無い)被害規模によるが、広域被害でインフラ等の復興に巨大な資金が掛かりそうなので、阪神・淡路大震災の被害総額10兆円を超える可能性は非常に高いと思う。

震災手形は、昭和金融恐慌を引き起こすのだが、今回の地震(というか津波)による不良債権は、国債発行残高が GDP の200%を超えているので、インフレを引き起こしそうである。(金利も上がりそうだ)関東大震災をきっかけに、円は急激に下落している。(1ドル=2円4銭から一年で2円63銭の円安、金本位制に戻った事も要因としてある)

これらの流れは、軍部の台頭を招き、満州事変が起きる。

2008年以降、何とか大不況から弱々しくも立ち直ろうとしている矢先の大災害が、関東大震災の状況に似ている様な気がする。歴史は繰り返すわけではないが、財政状況と未曾有の津波災害のコンビネーションが心を重くさせる。

追記 (3-14-11):気象庁の命名は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」、報道機関は「東北関東大震災」としている。