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ツレがうつになりまして。(2011年 映画)

2025-04-24 00:00:18 | 映画・演劇・Video
原作は同名のエッセイ漫画シリーズ。夫がうつ病になり、会社を辞め、漫画家だった自分(細川貂々)の連載も打ち切りになり、唯一の解決策である「夫の病気をネタにする」という方法でうつ病と戦う夫婦の日常を漫画にし、これが大当たりになった。

映画の話ではないが、日本の小説には「私小説」という歴史的ジャンルがあって、その多くは男性作家が不倫を続け泥沼の中を逃げ回るというのが多いが、病気をネタにするとは大胆だ。北杜夫は、自分は躁鬱病(現在は双極障害と表現)だと公言していたが、そもそも彼は父と同じく精神科医だったかな。

さて、映画では夫が堺雅人、妻を宮﨑あおいと技巧派俳優が演じる。なんとなくピタリとはまっているキャスティングだ。そういえば2009年公開の南極調理人では南極に行ったものの気分が落ち込んでしまい、調理のできない調理人を演じていた、後年の「倍返し」の怪演は反動かな。

実は、私は大坂商工会議所が中心となって認定している『メンタルヘルス・マネジメント検定』で1種・2種・3種の3種類の試験で合格している。中心的な分野は、うつ病対策。3種はうつ病の原因を個人が理解して、なるべくうつ病になりにくい生活を送ること。2種はうつ病の特徴である自分で気が付かないということで重症にならないように、近い人が気づいて早めに治療に入ること。1種は、組織の長(社長とか校長とか院長とか)うつ病にならないような環境を作ること。

少なくても、この映画の事案では1種も2種も3種も全部だめである。

思うに、3種の範囲(うつ病の仕組みと予防対策)については、中学あるいは高校で、しっかり教えれば患者数は激減するはず。もっとも、教えるべきことは、それに限らず、選挙に行く意味、ギャンブルの危険、ドラッグの危険、ホストクラブの危険、各種詐欺の手口、お金の使い方、護身術、などなど多すぎるのかもしれない。

御神酒徳利(演:瀧川鯉昇 落語)

2025-04-23 00:00:15 | 落語
『御神酒徳利』は元々、上方落語だったが、六代目三遊亭圓生が上方より移植したと言われる。実は、江戸(東京)で上方(京都大阪)を舞台とした落語をやろうとすると問題はコトバ。東京、京都、大阪ではコトバが違うので相当難しいのだが、圓生は関西で育って東京に来たので、コトバ問題に支障はない。

日本橋馬喰町の旅籠屋仮豆屋(馬喰町には旅籠が集中していた)の番頭善六は暮れの大掃除の時に、旅籠屋の家宝である(将軍家から拝受した)徳利が、無造作に置かれていたのに気づき、とりあえず盗まれないように無意識に水瓶の中に隠したのだが、忙しさに終われ、すっかり忘れてしまう。

一方、旅籠屋の主人は家宝の御神酒徳利が見つからず、大騒ぎとなる。しかも、善六は水瓶に入れたことを思い出せなかった。

しかし善六は帰宅してから、水瓶のことを思い出してしまうが、いまさら言い出すこともできそうにない。他意ありとして、首になるやもしれない。
そこで知恵を出したのが善六の女房。父親が占い師ということで、占いの口上に詳しく、だれも知らないはずの「算盤占い」というのを発案し、占いの結果として水瓶の中を探すということにしようということになった。しかも、ボロが出ないように「生涯に三回しかできない」と条件を付けることにした。

そして、翌日、狼狽している主人に対し、「実は、算盤占いで・・・」という作戦が成功し、見事に徳利は主人の手元に戻った。

ということで終われば、ショートストーリーで10分落語だが、徳利発見のこと、たまたま宿泊していた大坂の鴻池の支配人が聞きつけ、是非にも二度目の占いは鴻池の病気の令嬢のために使ってほしいということになり、旅籠の主人の命令で、翌日、大坂に向かうことになる。女房が言うには、「占いでは人の命の定めは変えられませぬ」と言えばいいということだった。

ところが、江戸を出てすぐの神奈川宿の旅籠屋で、事件が起きていた。大金および幕府の薩摩藩あての密書が紛失で主は番所の檻に入れられてしまっていた。

これが二回目の事件解決で三回目の大坂でも偶然が続き、謝礼金を大量に手にするわけだ。

演者によっては、特にサゲを入れずにこのままにする場合もあれば、独自に考案する場合もあるそうだ。

結構、ストーリーがしっかりしている演目と言える。

パディントン(2014年 映画)

2025-04-22 00:00:22 | 映画・演劇・Video
英国で、3月2日にパディントン像が切断され盗まれるという事件が起きた。

ベンチに座っていた人物が突然、襲われ、顔を蹴られたうえ、強引に連れ去られた。よく見ると、人間ではなく、英国の国民的キャラクターのパディントンのオブジェで頭と体の一部分を持ち去っていった。

その後、捜査が始まり、オークションサイトに壊れたパディントンを出品した空軍所属の男が二人逮捕された。酒に酔った勢いと言っているらしいが、その勢いで出品したのかと疑問はある。

そのオブジェだが、パディントンの三作目の映画の公開記念に全英23か所に配布されたということ。犯人二人は、修理費約100万円を払うことになったようだ。

ということもあり、映画化第一作(2014年)を観てみた。英国の一般的な白人家庭の中に、ペルーから密入国した熊のパディントンがやってきて、家庭内や地域社会に様々な小波を立てるのだが、一方で、世界の貴重な生物を剥製にして収集している女性が登場して、パディントンの捕獲を画策する。

そして、陰険な策略によって捕まったパディントンは睡眠薬で眠らされて、剥製寸前のところで、救出者があらわれるわけだ。

ということは、白黒二元論の典型映画の007シリーズと同じではないかと思ってしまう。もっとも、007は一回の映画で100人ぐらいが地上からいなくなるのだが、こども向けなので、剥製収集家は動物園で強制労働を課せられるだけで済むようだ。なんとなく動物園の仕事が罰ゲームみたいに撮られているような気がした。

それと、途中で逆さ吊りされて川に落とされたタクシー運転手のことが心配だ。

江の島、海の三景

2025-04-21 00:00:20 | たび
江戸時代から観光地だった江の島を題材にした浮世絵として有名なのは、歌麿の『風流四季の遊 弥生の江之島詣』、広重の『相州江之嶋弁財天開帳参詣群衆之図』、北斎の『富岳三十六景 相州江之嶌』と三巨人がそろい踏みになるが、「弥生の江之島」は春の江の島に向かう二人の美人画だが、広重・北斎の江の島は、島を陸側から見る構図になっている。

ところが、現代の江の島だが、島から見た海が絵になる。

まず、三浦半島方向のヨットハーバー。遠く三浦半島の西側が続く。




次に、「山二つ」と言われる場所からのぞき込むような南の海。こういう地形がどうやってできるのか、見当がつかない。




三つめは岩屋がある海岸から南に向かっての海景。



南の方に何があるかというと、まず伊豆大島がある。そこから南に行くと、ニューギニアになり、次は豪州。その先は南極になる。

常立寺で眠る人たち

2025-04-20 00:00:10 | 歴史
江の島に行くなら足を伸ばしたいのが歴史的遺産のある「常立寺」。伸ばすと言ってもモノレールや江ノ電の駅からは、北側へ1~2分。駅の南と北では、全く違う雰囲気の町。つまり普通の町の方だ。



ここにあるのは、『元使塚』というもの。日本と元が1274年の文永の役と1281年の弘安の役で戦ったいわゆる『元寇』の中に登場する。

第一回目の文永の役(1274年)では、16日間の戦いが、暴風雨によって艦船沈没という事態で元側が失敗した後、翌年に脅迫状を日本に送ってきた。その時の使節の長が杜世忠というモンゴル人だった。副使は唐人でその他ウイグル人二名と高麗人一名。

そもそも元は10回以上日本の使者を送っているが、さまざまな理由で日本に到達しなかったことも多いし、到着しても大宰府で文書を日本側に渡して、いつまで待っても返事がないので諦めて帰国することが多かった。

ところが、この時の使者はいきなり下関の方にいったわけだ。つまり、そうなれば京都または鎌倉に行けると思ったのだろう。結果としては、鎌倉に連行され、斬首されたわけだ。この結果は元にはすぐに伝わらず、1279年に次の使者が博多にやってきて、悲劇が繰り返されたわけだ。そして、第二回目の戦争(弘安の役)が始まった。



鎌倉幕府の公式処刑場(龍ノ口)が近くにあり、後年に使者の墓(五輪塔)が造られた。

よく紹介される画像には巨大な石板が中心となっているが、あれは大正の終わりに建てられた碑で、手前にあるのが五輪塔。



「元使塚」の文字の上にある『誰姿森』は、古来からの、この場所の地名だそうだ。

大相撲の巡業が藤沢市で行われるときには。モンゴル力士が訪れることで知られ、2007年にはモンゴル大統領も訪れている。(5人の使節のうちモンゴル人は1人だけだが)

武家屋敷か?

2025-04-19 00:00:15 | しょうぎ
新将棋会館、実際に見ると、なかなか近寄りがたい感じがある。建物の構造もあるが道路(歩道)よりかなり距離があるところに、入り口のドアがあり、入ってすぐ右側に受付がある。要するに部外者はビルの入り口から3メートル以上中には入れないという思想だろう。



連想したのが、江戸時代の城。門の外に馬や籠を置いて、門番をはじめ、何重にも防御網がある。旧将棋会館が、町人の商家だとすると、新会館は旗本の武家屋敷といったところだろう。

もっとも、わからないでもないが、江戸時代の将棋指しは、将棋師といって「士」ではなく「師」となっていた。「師」は「士」より劣り、寺社奉行扱いで、羽織はOKでも袴はNOだった。お城将棋の際には、足袋の着用まで願い出なければならなかった。

明治になってもしばらくは「師」を名乗っていたが、将棋が新聞社の人気記事として関根、坂田というスターが誕生したころから「士」を自称していたのだが、ついに屋敷を手に入れたということだろうか。


4月5日出題作の解答。途中の角捨ての効果は最後にわかる。







今週の問題。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

生シラスを食べに

2025-04-18 00:00:19 | あじ
江の島に行った最大の理由は、生シラス。今は解禁時期に当たる。不漁という話を聞いていて、「行かないと」と思い付いたわけだ。

島に入ってそのまま神社の方に行くと、有名な「とびっちょ」という店があり、シラス専門店のようなものだ。30分待ち。

本来なら生シラスで丼を埋めるような料理もあれば、今年のような年もある。

お店側もシラス三種盛りということで、「生シラス」、「釜揚げシラス」、「沖漬け風シラス」と三種類の一緒盛を注文。



画像ではわかりにくいが、この丼は、直径が24センチもある。さすがに人気店。シラスの三種は、微妙に、味と舌触りが変わっている。

本来は、生シラスで春の到来を感じるべきだが、既に十分に暑い。

江の島へ

2025-04-17 00:00:15 | たび
暖かくなったので、江の島に行く。ちょっとした目的があった。江の島は、島なのだが、橋があり、なんとなく陸続きに思えるが島の反対側までの渡し船も運航している。実際には、帰りに乗る心つもりだったが、帰るころには波が出てきて欠航になってしまった。



対岸(つまり本土側)の水族館には何度も来ているが、もしかしたら幼少期に来てから橋を渡ったことがなかったかもしれない。

基本的には観光地で、高いところにはシーキャンドルと呼ばれる展望灯台がある。江戸時代の江戸っ子の旅行先として、まず伊勢原の大山神社に行き、帰りに江の島と鎌倉を回るというのが黄金コースだった。今は鎌倉と江の島をセットにする人もいる。江ノ電利用ということ。



交通手段は、鎌倉と藤沢を結ぶ江ノ電の江ノ電江ノ島駅と小田急線の藤沢からくる片瀬江ノ島駅、そして大船からの湘南モノレールの終点の湘南江の島駅の三駅がある。駅としては小田急の駅が奇抜なデザインだろうか。モノレールだけが「江の島」で江ノ電と小田急は「江ノ島」となっている。

(そういえば、東急線には「溝の口」という駅があるが、JRの方は「武蔵溝ノ口」となり、実際の地名は溝口となっている。)

goo blog 終了への対応

2025-04-16 00:00:20 | 市民A
突然に goo blog のサービス終了が発表されました。7カ月後の11月18日が予定日ということ。

元々、本ブログはlivedoor blog と同一内容で公開していましたが、2024年1月1日よりgoo に統一していました。livedoor はそのままにしているので、2024年1月以降のgoo blog分をlivedoor blogに引っ越せばいいようで、そもそもlivedoorには引っ越し受けする機能があるので、問題点を確認してから実行することにします。

一つ気がかりは画像の上限サイズが違うことで、もう少し研究してから実行予定です。

kapiwとapappo (2016年 映画)

2025-04-16 00:00:15 | 映画・演劇・Video

アイヌの姉妹がアイヌの踊りや歌を発表するユニットを作って公演をはじめるまでの過程をドキュメンタリーにしている。

きっかけは、東日本大震災で東京と阿寒湖に別れて住んでいた姉妹が再び阿寒湖に集まる。姉は東京でアイヌの歌や踊りを披露していて、妹は観光船で観光客に歌を披露していた。

当初は、里帰りした姉と妹の一回だけのライブのはずが、・・・

アイヌ民族を差別していた問題を、第三者的(評論家的)に語るのではなく。当事者の立場で、フラットな気持ちでアイヌ音楽の純粋性を伝承したいという気持ちを映画を通じて表現している。

全編を通し、アイヌ音楽が数多く流れるが、どこか日本の民謡や演歌と底流が通じているようにも聞こえる。

もちろん、今でもデュエットは活動中。