YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Fool me once, shame on you; fool me twice, shame on me

2012-08-31 21:25:06 | 雑記
「2回も同じ様に騙される奴はバカだ」という英熟語であるが、2008年にオバマに投票した、特に無党派層の人々が、今年の大統領選挙の時に持つ最大の恐怖心だろう。

今週フロリダ州で共和党大会が行われ、ロムニーが正式に大統領候補に任命されたのだが、こんな時に限って日本出張で、ロムニーの演説は勿論、話題になった色々なスピーチも全く見れなかった。

元々、録画を観ないタチなので、逃した以上観る気もないが、ニュース番組の評価は比較的高いものが多かった。

来週の民主党大会が終われば、大統領選の行方が見えてきそうだ。

オバマの実績や、今更ながらに経歴、過去について、保守派、共和党よりだけで無く、民主党やリベラル側からも、批判に近いものが出てきている。以前紹介した "The Amateur" (6-7-12) は、どちらかというとヒラリー贔屓の著者のオバマ批判本であった。"Fool Me Twice: Obama's Shocking Plans for the Next Four Years Exposed" は、もう少し中道な立場の著者なのだが、その種の本である。

実は、民主党のなかにも、”Fool me twice, shame on me" の恐怖感を抱いている人々が多いそうなのである。来週の民主党大会、早々と不参加を表明した州知事等の有力民主党員がいる事を以前書いたとが、ここに来て、下院民主党筆頭(前議長) Nacy Pelosi と上院議長 Harry Reid が不参加を表明している。(訂正:両方ともスピーチする事が正式に発表された)開催期間も4日間の予定であったが、費用の問題もあり、3日になった。(共和党は4日間の予定だったが、ハリケーンで3日間に短縮された)ハイライトであるオバマの任命受諾会場も、当初は10万人以上収容出来るレース場を予定してたが、その他のスピーチやイベントが行われるコンベンションセンターに変更になっている。ゲストスピーカーもオバマ政権の官僚が中心で、お寒い限りである。

オバマが2回もアメリカ市民を騙す手腕があるかが試される大統領選挙である。

2016: Obama's America

2012-08-29 05:06:31 | 映画
この映画のナビゲーター役でもある Dinesh D’Souza の“Obama's America” を元に製作された映画である。オバマが反植民地主義者であった父の夢を追いかけているという筋である。

オバマが反植民地主義、共産主義の影響を受けている事は、紛れもない事実である。又、カリスマ性があるので、政治家としては独裁者気質が醸造されていると思われる。

映画では反植民地義者である父親の影響を柱に据えているのだが、大統領就任以来の出来事を俯瞰してみると、オバマの政治信条と性格は色濃く出てくるものの、映画のストーリーはなんだかすっきりしない。

オバマ政権の分析は、最初の2年、つまり連邦上下院を民主党が牛耳っていた期間と、2010年の中間選挙で共和党が下院の過半数を取ってねじれ状態となり議会が機能しなくなった期間に分けて考える必要があると思われる。

最初に2年は、大型の景気刺激策と ObamaCare であるが、これらはオバマのアイデアではなく、民主党首脳部指導によるものである。特に ObamaCare 法案を上下院でどのように通過させるかだけが勝負の、非常に歪んだ機会運営のなれの果てであった。つまり、当時の下院議長 Nacy Pelosi と 上院議長 Harry Reid に上手く踊らされただけで、大統領としてリードした訳ではない。

民主党が下院で過半数を失ったあとは、結局、意味のある政策は打ち出せていないし、共和党との妥協点さえ見出せていない。つまり、どうしたらよいのか分からないし、何をする気もないのだ。

敢えてもう一度そして何度でも言おう、オバマは、大統領職に飽きているし、興味がないのだ。但し、大統領職についてくるさまざまな特典は後4年欲しいのだ。

オバマは2年前からレイムダックであり、それが心地良いので、もう4年続けていたいのだ。大統領は上がりの職だが、元大統領より、現職大統領としてブラブラする方が楽しいに決まっている。

反植民地的、共産主義的な政治信条は持っているのだが、アメリカを本当に衰退させようという様な強固な信念はない。一方で、政権運営能力も無いので、結局、やることがはっきりせず、やり方もまずい。よって、表に出てくる事象に統一性が無く、賛成派も反対派も、オバマが何を考えて、何をしたいのかが理解不能という状態になっている。

オバマを買い被ってはならないのだ。

何の仕事もせず、地位と特典は維持したい。これこそオバマが目指す Big Government の究極の姿ではないか!


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アフリカ象大繁殖!?

2012-08-16 06:19:07 | 新聞、雑誌から
ロイターの記事『南アでゾウに「出産制限」、頭数が100年前の200倍に拡大』によると、南アフリカに2万頭以上いるそうで、環境や野生動物への影響が出る可能性があり、精子をブロックするワクチンを使い頭数制限をする方針らしい。(推定で58万頭のアフリカ象がいるとされている)

保護で頭数が回復したが、増え過ぎたので駆除という訳にもいかず、この方法がとられるとの事。

ゾウのいない動物園は淋しいが、動物保護の行き着く先が精子ブロックワクチンというのは悲し過ぎる。

Food vs Fuel

2012-08-14 11:00:21 | 化石燃料、エネルギー関連
アメリカは、世界のとうもろこしの40%を生産している。そのうちの40%がバイオ燃料の原料になっている。つまり、アメリカだけで全世界のとうもろこし生産量の16%を燃料にしているのだ。

今年は、アメリカ中西部の旱魃で大幅な減産が予想されており、このままバイオ燃料用としてもとうもろこしを浪費(?)すると、より厳しい価格高騰となりそうだ。

国連と食料関係の国際機関は各国に対して、バイオ燃料の義務付けを廃止して欲しいと要請を出している。

アメリカは、毎日80万バレルのバイオ燃料を使用しており、これは石油消費の5%に相当する。義務付けだけではなく、オクタン価調整や排ガス規制対策としても利用されている。補助金で、中西部の田舎に巨大なプラントが数多く建設され、今まで何もなかったド田舎の貴重な就職先になっていたりするので、問題は更にややこしいなっている。(バイオ燃料自体にも継続的に補助金が支出されている)

バイオ燃料への補助金は、農家への豊作貧乏対策の一面もあったのだが、例え豊作であっても、食料を燃やすより、石油、天然ガス等を掘ったほうがまともだと、私は思う。

Gibson Guitar 政府と和解

2012-08-12 21:04:19 | 雑記
絶滅の危機にある樹木の保存に関する条例の違反で一年前に摘発された Gibson Guitar が、条例違反をした可能性を認め、罰金 $300,000(約2400万円)と絶滅樹木の啓蒙プロモーション費用として $50,000(約400万円)を支払う事で和解となった。又、没収された $261,844(約2100万円)分の黒檀(Madagascar ebony)についても、その所有権を放棄した。

Gibson のCEO は、摘発自体に不服であり、違法行為による告訴もなかったのだが、裁判費用等を考慮し不承不承和解に合意したとのコメントをしている。上記の費用以外に、今回の摘発で約 $2M(約1億6千万円)の損失が出ているらしい。

知らずに指定の絶滅樹木を輸入した場合の罰金の低減案が、現在、連邦議会で審議されているとの事だ。(共和党は賛成、民主党は反対)


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オバマ大統領 再選の行方(16):共和党副大統領決定

2012-08-12 05:19:17 | アメリカ政治
共和党の副大統領候補が、ウインスコンシン州連邦下院議員の Paul Ryan に決定した。Paul Ryan は下院予算委員会長で、上下院の連邦議員の中でも財政のプロ中のプロと考えられている。

副大統領候補を選びには、大統領選を意識した選択と当選後の政権運営を考えた人選の二通りが考えられる。

大統領選挙選を考慮すると、約40州は基本的にどちらの党になるかが決定しているので、Swing States と呼ばれる過去に共和党にも民主党にもなった州での激しい戦いとなる。そのなかでも選挙人数の多い州、オハイオとか、フロリダとかを意識した人選と言う事が考えられる。(Marco Rubio, Rob Portman)

安定した政権運営をするには、連邦議会での経験が豊富な連邦上院議員もしくは、州知事経験者が良いと思っていた。(Rob Portman, Tim Pawlenty, Jon Huntsman)

両方の条件を満たすオハイオ州連邦上院議員 Rob Portman が最有力であり、ベストの選択であると思っていた。

ロムニーはライアンを選ぶ事で、財政再建がロムニー政権の最大の柱である事を打ち出した。ロムニーがアメリカの抱えている問題を正しく理解しており、最善の選択を行ったと思う。肥大した福祉政策にメスを入れ、景気回復を図らなければ、アメリカの存在感が薄れてしまう。

副大統領候補として一番考慮されなければならないのは、大統領にないかあった時に取って代われる資質、つまり大統領が勤まるかという事である。42歳と言う若さもあり、未知数であるが、現副大統領よりは格段に上であり、経歴といういみではオバマよりもずっとましだ。


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Call Me Maybe - 2012 USA Olympic Swimming Team

2012-08-10 21:26:18 | 音楽関連


まだオリンピックは閉会してないが、休みが終ってテレビ観戦しなくなったら急に関心が薄れてしまった。

最初の一週間は、特にアメリカは競泳が中心で、すっかり嵌まってしまった。

こんなに楽しくおちゃらけビデオ作ったりしながら、メダルをバカスカ取るアメリカ、この年になっても、やっぱり好きです。

それにしても17歳の Missy Franklin、美人じゃないけど可愛いね。

The Communist

2012-08-05 21:46:26 | 書評
この本("The Communist - Frank Marshall Davis: The untold story of Barack Obama's mentor")を買おうか迷っている。

著者は歴史学者、それも冷戦が専門であり、アメリカでの共産主義運動のついても造詣が深い。

本の内容については、この記事("COMMUNIST MENTOR OBAMA BACKERS TRYING TO HIDE")が上手くまとまっている。

オバマの著作である "Dreams from My Father" の中に、彼が Frank とファーストネームだけで22回も言及する大きく影響された人物が登場するのだが、フルネームは登場しないし、人物索引にも出て来ない。これは明らかに著者、つまりオバマが意図的に隠している。(普通の編集者だったら、こんな間抜けはしない。その上、オーディオ版では Frank が登場する所は全てカットされているとの事)

Frank とは Frank Marshall Davis であり、社会活動家とされているがアメリカ共産党の歴としたメンバーであった。因に彼も黒人である。初めて知ったのだが、スターリンはアメリカ撹乱を企てていて、当時の人種差別を利用して南部の黒人を共産主義者に仕立てようとし、資金援助などもていたらしい。

現在、ホワイトハウスで一番オバマに対して影響力があるのが Valerie Jarrett であり、2008年の大統領選そして今回の再選キャンペーンを仕切っているのは David Axelrod である。この2人は、Frank Marshall Davis を中心として強く結びついているのだ。(Valerie Jarrett に至っては、祖父の時代まで遡れる)Frank Marshall Davis はシカゴで活動したあとハワイに引っ越しており、オバマが出会ったのはハワイである。白人リベラルであるオバマの祖父が、父親代わりとしてオバマ少年に引き合わせている。オバマが最終的にシカゴに落ち着いたのは偶然ではないのである。

面白いのは、共産主義は常にキャンペーンを行う。(例えば、人種差別反対、同性婚賛成、金持ちへの増税、福祉政策の拡大)そのプリズムを通してみれば、オバマの選挙活動、政権運営は、正に王道を行っている。オバマが繰り出す選挙キャンペーンのスローガンは、Frank Marshall Davis が執筆、発行していた共産系新聞 "The Chicago Star" の見出しのコピーそのものだそうだ。

上の記事で著者の Paul Kengor が図らずも言っている様に " Do the American people know what they elected in November 2008?” という自問がなされなくてはならないのだ。彼は、Americans ultimately elected the culmination of Chicago’s communist past in the 1930s, 40s and 50s.”(『アメリカは、1900年代前半のシカゴ共産主義者の亡霊達の極致を選んだのだ』)と結論付けている。

本を買うのは迷っているが、オバマが共産主義者であると言う考えに迷いはない。(著者は、オバマが大学時代に共産主義者であった強固な証拠はある。その後転向した形跡はないとしている)

政治部門でベストセラーになっきているのだが、余りに衝撃的でどう扱って良いのか分からないのだろう、現時点ではメディアでも大きな話題になっていない。


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"If you’ve got a business, you didn’t build that." (7-16-12)