YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Tron Legacy

2010-12-27 11:58:45 | 映画
日本へ出発する前日のクリスマスイブに手持ち無沙汰だったので、思い立って Tron Legacy を観にいった。クリスマスホリディの映画シーズンだというのに(と言うかシーズンだからこそ)、是非観てみたいという映画がなく、子供向けの映画が多かった。Tron にしても間口を大きく取れば子供向けの範疇に入る。

オリジナルも観てないので、復習はさっぱり、予習もあまりしないままでの突入であった。

結論としては、何から何まで普通で途中で居眠りしそうにった。話題の3D も見慣れてきているせいか、あんなものだろうと言う感じである。

あらすじとしては、ジェフブリッジス扮するオリジナルの主人公が20年前から失踪(仮想空間に閉じ込められている)しており、息子が父を助け(?)にいくと言う話である。結局、父は現実の世界へ連れ戻せないのであるが、仮想空間で一緒に戦った女性(彼女が何者なのかの説明があったが今一よく理解できず)を連れ帰ってくるというドタバタSF活劇である。

たいした映画ではないが、最近のアメリカの映画の傾向が透けて見えるような気がした。

まず、父と息子の関係。2、30年前までは非常に珍しいかったギークの父を、息子が軽々と超えていくことである。スターウォーズでも葛藤しながらではあるが超えていく(ダースベーダーはギークではないが)事がモチーフとなっている。空間的に断絶しているが根の所では共通なものがあり、父の存在を定義し直しながら超えていくイメージである。離婚などで父親と同居しない息子(そして父親)の関係を暗示しながら、何らかの因縁があり関係修復出来るという、父親にとっても息子にとっても非常にポジティブで力強いメッセージがあるような気がする。(映画を作る人たちは、このような父親であったり、息子であったりするのであろう)

もう一つは、仮想空間で戦う相手は人の形をしたプログラムなのであるが、やられて死ぬ(壊れる?)時の映像イメージが、バンパイヤーがやられたのとまったく同じなのである。最近、バンパイヤー絡みでは、バンパイヤーと人間の恋物語まで登場しており、私にとっては理解不能なブームなのであるが、一番遠い仮想空間の中での死に方がそっくりと言うのが、バンパイヤーブームの根の深さを感じさせる。

映像的には、30歳若いジェフブリッジスを登場させているが、30歳若い本物のジェフブリッジスを知っている身としては、画像処理の限界を見たような気がする。画像処理した30歳若い彼と記憶の中にある30歳若い彼の微妙に違う気持ち悪さを、意図的にやっているとすれば、それはそれで脱帽である。(まあ、そんなことはないであろう)

唯一興味が湧いたのが、息子が現実に連れてくる女性である。仮想空間では前髪を斜めにカットしたおかっぱで、無機質な化粧と人工皮膚のようなボディコンスーツで存在感抜群なのであるが、最後の現実でのシーンでは普通の髪型、化粧、格好になって、思いっきり現実的になり、思いっきりガックリ。ナタリーポートマンのアミダラ女王といい、私は、整った顔で変な髪形と化粧の女性が趣味の様だ。

暇に任せて観たものの、お勧めしません。世界同時公開のようなので、既に見ている人はご愁傷様です。

入場料は $7.50、ランチを食べた直ぐ後だったのでポップコーンと飲み物は Kids Combo で$5(聞いてみたら OK だったので、今後はこれでいこう)、ポップコーンは物足りないが、飲み物は 16oz (約450cc) もあるので充分であった。

Merry Christmas and A Happy New Year

2010-12-26 23:14:24 | このブログについて
さて、明日から、一途足先に日本に帰っている家族に合流して、1月4日まで日本に行って来ます。3年半振りなので非常に楽しみです。愛媛の田舎へも、一泊二日ですけど、家族で行きます。

ブログは帰米するまで基本的にお休みにします。時間があれば日本からエントリーをアップするかもしれませんが、書かなくてはならないと言うプレッシャーや強迫観念を取っ払って、本当にのんびりする予定です。1日1エントリーが今年の目標だったので、ちょっと残念ではあるのですが、今年このエントリーが384本目なので、自分の中で言い訳してます。

1日1エントリーの目標は来年も引き続き掲げるつもりです。今年はメキシコ、カナダ以外の海外出張が無かったので出来たのだと思います。来年は日本や中国に出張が増える可能性が高いので、その辺は、やりながら折り合いを付けていくつもりです。

日本人らしく今年を振り返りながら来年の事を考えているのですが、基本的な目標に変化が無いのに自分でも驚きます。誇大妄想癖があるので、やっとぼんやり分かるようになった自分の実力を大きく超えている目標ばかりなのですが、ドンキホーテ的に頑張るつもりです。(目標については、年明けにでも改めて)

ブログに書く事が、本当に生活の一部になってきた一年でした。アウトプットとしては喋る方が好きだし、得意なのですが、書くために考える事の楽しさが少しづつ理解出来る様な気がします。英語の未熟さも改めて思い知りました。辞書を頻繁に引くようになりました。老眼が進行して英語辞書の細かい字が読み辛くなった事もあり、日本で英語機能満載の電子辞書を購入する予定です。カシオ XD-A10000 を考えています。

両親ともに日本人だと子供の単語力が10歳位から伸びなくなり、高校等で苦労するという体験談を聞いて、きっちり単語を素早く調べる方法として娘用に電子辞書を買う事を決定しており、探しているうちに自分も欲しくなってしまいました。(娘は10歳なのですが、高校生用の、こちらもカシオの XD-A4850 を検討中、とんだ出費となりそうです)

年明け早々、1月19日に歯の手術も控えているし、春には現在改造中の進化(するのか?)したゴルフスイングのデビューもあるし、買収された勤め先の統合作業でいろいろとあるだろうし、ネタには困らないでしょう。アメリカ政治は大統領選挙がいよいよ始まるし、経済も、考えてもいなかった様なニュースが飛び出しそうな気配です。

なにより今年一年、家族共々健康であった事に感謝しつつ、来年もとにかく健康である事を願っております。

自分勝手な俺様的ブログを読んで下さる皆様には、いつも大感謝しております。特にコメントを頂いた時の喜びはひとしおです。これからも、自分が発した情報が、誰かの何かの役に立つ事を常の心掛けていきます。

ちょっと遅めの Merry Christmas と ちょっと早めの A Happy New Year!!

皆様にとって今年が良い年であった事、来年がより良い年である事を祈りつつ。では、又、来年。

Currently Accepting Donations to Build a Time Machine Back to the 80's

2010-12-25 00:00:01 | 音楽関連
タイトルは、下の Level 42 の YouTube のコメントからのパクリ。税金控除になるなら、私も是非寄付したいと思います。



(音はこっちの方が良い)

私の Level 42 は基本的にこの "Something about you" と "Lessons to love" (貼付け無効)しかないのですが、探せば地下にアメリカで買ったオーディオテープ(!)があるはずです。(ネジがデザインされた World Machine

ちょうど、ファーネスのメインテナンスが来たので地下室をウロウロしていたら発見。



調べてみたら、Earth Wind and Fire のメンバーがプロデュースした頃から商業的な成功が始まったらしい。ある種哲学的な雰囲気があるイギリス系のロック/ポップ系(Tears for Fears から Coldplay 路線)とブラコン(EW&F や Kool and Gangs 等々)の混ざり合った所があるグループなので、わざわざオーディオテープを買う自分が客観的に良く理解出来る。(付き合いの長かったその当時の彼女と関係がダメになりそうな時に聞いていたという特殊な事情もあるが)

タイムマシーンが出来ても、音楽限定のほうがいろいろとと丸く納まる様な気がします。

正しいアドレスとオンプレーンの意識、大きなスイングアークの作り方

2010-12-24 01:57:24 | ゴルフ
2回目のレッスンは10日程前に受けた。最初のレッスンから2ヶ月になるのだが、出張の無い時は地下室で少しづつでも素振りをしながら新しいスイングに馴染もうとしているのだが、打ちっ放しにはなかなか行けず、直された右手のグリップがしっくりするのを待っていたら時間が経ってしまった。

又,レッスンからこのエントリーまでに時間がかかったのは、今回のレッスンでのスイングアークの作り方が超難解で理解するのに時間が掛かったこともある。

2回目のレッスンは、この冬ミシガンが一番寒かった月曜日の2時からで、私の後は予約が入ってないとの事で、一時間の料金$95で約2時間半も指導してもらった。先ずはビデオで前回のレッスンの成果をチェック。右上腕とシャフトがオンプレーンになってきており、グリップの変更は順調に進んでいる。自分でも右手を煽る感覚がなくなってきており、右肘から先、上腕とシャフトが一体になった感じでプレーン上をインパクトにかけて押し込んでいく感じが出てきている。

今回は、左手のグリップ、アドレス、右肘を中心としたオンプレーンのテイクバック、テイクバックでの積極的な下半身のターン、そして一番難しい大きなスイングアークの作り方とダウンスイングでの左腰の左方向へのラタレルシフト、このシフトと関連した右足をロールする動き、と盛り沢山であった。

左手のグリップは、ハンドファーストが大きいためにややウィーク気味なのを、左手の甲とフェイスの関係で正しい位置にするルーティーンを教えてもらった。併せてパムグリップ気味なのもフィンガー気味にされた。右手のグリップにしても、握った時に一番力の入る指の根元でグリップする事が肝心であるようだ。グリップする時に力を入れる必要は無いのであるが、インパクトの時に一番力強く握れるグリップというのが重要なのである。

次にアドレス。これまでの自己流のテイクバックでの意識は、オンプレーンよりインサイドに引こうというものであった。アドレスで右肘が伸びているために右肩が手出てきて肩のラインがオープンになっているのを、無意識に調整しようとしていたようである。更に悪い事に、テイクバックの始動で外側に持ち上げる癖があり、尚更インサイドへという意識が働いていた様だ。正しくグリップした後に右腕の力を抜き、右肘を少し曲げてスイングプレーンの上に置くという事らしい。(左手はプレーンの少し上に有る)この一連の作業後アドレスをすると自然にバランス良く立てる様になる。アドレスした時に足の指が動かせる位が丁度良いらしい。以前はつま先に体重が掛かっていたのであるが、これも少しづつ良くなってきた。

左肘を中心としたテイクバック始動は、オンプレーンに上げていくための必然である。下半身は、左膝を前に出し、右膝を伸ばす事で積極的に回していく。(これは、Stack & Tilt 的な動き。所謂捻るという感じではなく、体に直角になっている仮想のドアを開けるイメージ(ドアスイングとは違う)だそうだ。下半身を止めて上半身を捻るタイプの選手は、怪我が多いらしい。筆頭はタイガーで次はアンソニーキムがヤバそうと言っていた。

続いては、今回のレッスンの一番の難関であるスイングアークを大きくする方法である。基本的に前回レッスンの肝であった右手人差し指の根元に掛かるプレッシャーを大きくする事に尽きるのであるが、具体的な動きとしてはトップから右腕を伸ばしていくのである。(イメージとしては背中に背負った刀を右腕で抜く感じ)ね、理解不可能でしょう?

いくら右腕を伸ばそうとしても、左腕があるので伸ばせないのである。そして、右人差し指の根元のプレッシャーを大きくするということで、不思議な事にスイングプレーンから外れないのである。又、この時に右手のコックがほどける動きが自然に出来るようになる。話が一段とややこしくなるのであるが、左手の手首は、テイクバック始まってからインパクトまでずっと折れてはダメなのだが、コック(手の親指、小指方向の動き)はどこかで解かなければならない。コックがほどけた後で左腕(左肘から先)がターンでインパクトするのである。手首が強ければコックを最後まで解かず、そのラグで一段とヘッドスピードを上げる事が出来るのだが(ガルシアや青木功みたいな感じ)、私の場合は、ダウンスイングの真ん中辺りで右手人差し指の根元のプレッシャーを強く感じ始めるタイミングでコックを解かないと左腕のターンが間に合わない。

このスイングアークを大きくする腕の動きの時に、下半身ごと捻った体をヒネリ戻そうとするとオーバーザトップになるので、左腰を左方向にバンプする動きが必要となり、インパクト後、右足ロールで下半身を押し込むように立ち上がって行くのである。このとき気をつけなければならないのは、腰はアドレスからたったの8インチ(20センチ)位しか動いていないので、腰を速く動かしてスイングスピードを上げようとする気にならない事。腰を早く動かすと上半身がつられて動き、結果的に右肘から先(シャフト)がプレーンから外れてしう。(これこそが私の最大の欠点で、腰の動きに腕が付いて来れなくフェイスが開いたままの、”コスコス”スライスが出る)

インストラクターもスイングアークを大きくする事は、頭で理解する事を含めて一番難しいと言っていた。何回か偶然にでも出来ると感覚が分かり始めるのだが、先ずは右手の人差し指のプレッシャーを感じられないと理解不可能だと思う。

今回のレッスンは盛り沢山な上に、スイングスピードを上げるための非常に難易度の高い技術を教わったので馴染むまでに時間がかかりそうだ。先週末両日そして今日と、既に3回打ちっ放しにいってトライしているが、少しづつ安定してきた。時々、自分でも惚れ惚れする様な球が出る。(そんな事言っても、結果はスコアですけど)今回のビデオ分析でも言われたが、やはりインパクトが良いので、弄らなくて済むのが幸いしている様だ。

クリスマスからは日本に帰省、仕事始めから出張が目白押しで、次のレッスンも又2ヶ月後とかになりそうだ。そんな事を言っていたら来シーズンが始まってしまう。急がなければ。

どれもこれも、大改造の部類に入る変更なのだがどこかで一度は試した事、もしくは偶然でも経験のある事が多いので、幸い強烈な違和感を覚える事は無い。理論的にもキチンと一本筋が通ってきているし、いつもマン振りしたい私にとって、球を打つ度に入れた力が無駄に使われず、全ての力がたまに伝わる様な感覚が芽生えてきたのが非常に嬉しい。

アメリカ全50州で、唯一ミシガン州だけが

2010-12-23 02:18:25 | 雑記
この10年で、人口が減っている。

今週火曜日、Census の結果が発表となり、大統領選との絡みについてはこちらでお伝えしたが、最大のショックだったのが、ミシガン州だけ10年前に行われた前回の Census から人口が 0.6% 減少している。

アメリカの人口は現在、308,745,538 (3億874万5538)で、過去十年で9.7%の増加。先進国の中では高い伸びで、メキシコ、ブラジル、インドネシア並みらしい。

ネバダ州び伸びが最大で35%、アリゾナ州が続いている。やはり南部の伸びが著しく、ニューイングランドや中西部は減っていないだけという感じだ。ミシガン州も減ったとはいえども減少数はたったの 55,000、まだ1000万が住んでいるので微妙な所ではある。

詳細は、公式ホームページでじっくりお楽しみ下さい。

天然ゴム、歴史的な高値

2010-12-22 09:55:41 | 経済の話題
金とは関係ないのだが、密かに天然ゴムが、史上最高値を付けている。今年の夏前に2008年の最高値に迫った後一度落ち着いたのだが、あれよあれよと言う間に史上最高値になってしまった。

理由はいろいろあるのだが、まずは中国。現在世界の全生産量の40%を買っている。従来シンガポール市場がメインであったのだが、現在は上海市場での取引量の方が多くなっているらしい。次に、今年の夏のアジア各地の豪雨。影響で主産地タイの出荷が落ち込んでいる。そして忘れては為らないのは、投機資金の流入も有るらしい。

天然ゴムが上がると、本来は関係のない合成ゴムも連られて上がる。天然ゴムは主にタイヤの原材料なのだが、合成ゴムと混合して使われる。耐久性とか粘着性のバランスで無限の組合せがあるのだが、天然ゴムが上がると合成ゴムの比率が上がったりして、価格も上がる傾向がある。

原油価格も上がり気味なので、合成ゴムメーカーとしては絶好の値上げチャンスであろう。

最大の問題は、今後天然ゴムの供給が増えない事だ。ゴムの木は植林から採取まで7年掛かる。2005年以前の数年は天然ゴムが安くて、産地での植林が増えておらず、今後数年は供給が増える事は考えられない。よって、限られた供給を奪い合うと言う図式が続く事から現在の価格のまま、もっと高くなるという憶測もある。

非常に個人的な問題として、家内が乗っている SUV のタイヤがボチボチ交換の次期に近づている。SUV のタイヤは大きく、たっぷり天然ゴムを使ってある。

産地に、豪雨、洪水、津波、火山噴火、山火事などが起こらないように祈ってます。

Census(国勢調査)の結果とオバマ再選の関係

2010-12-21 00:08:57 | アメリカ政治
今年の春行われた Census (国勢調査、10年に一回行われる)の結果が明日出るらしい。今後の行政を行う上の基礎データとなるのだが、2012年の大統領選にも大きな影響が出てくる憶測が出てきている。(Census とオバマ再選に関する記事

民主党が強い中西部(Rust Belt)の人口が減り、共和党が強い南部(Sun Belt)の人口が増えている事が大きいのだが、アメリカ大統領選の仕組みが特殊なので、州単位で過半数を取った候補がその州の票を独り占めにする事になる。(これは、選挙区単位で同様な仕組みで州として取りまとめる事になる)今回の Census 結果に、2008年の大統領投票データを入れるだけで、いくつかの州がマケイン候補にシフトするらしい。

11月の中間選挙の時の行われた州知事選、及び州議会議員選でも、共和党の大躍進があり、オバマを当選さすために民主党の州知事がその州で出来る限り協力する事も期待出来なくなる。又、議員の増減に基づき、州が選挙区を引き直す事になる。(州の与党が有利になるように行われるのが通常らしい)

議会の逆風、選挙プロセスでの不利にオバマ陣営がどのように対応していくのだろう。本来の仕事を忘れて(忘れた方がアメリカにとって幸せという事はあるのだが)、オバマが一番得意な自分の選挙運動に集中されても困ってしまうのだが。

Obama, the comeback kid!?

2010-12-20 06:12:54 | アメリカ政治
ここに来て大忙しのアメリカ議会であるが、偏に与党であった民主党が審議義務放棄した一年の付けが回っているだけなのである。その上、中間選挙での敗北が確実となった夏頃からはこの傾向が一層強くなり、中間選挙までは民主党の更なる凋落を招く法案は審議せず、年末のドタバタ(ブッシュ減税の期限切れ、暫定予算案が決まらず政府のシャットダウン)を利用して、これらの法案に無関係な民主党のやりたい法案をくっつけて通そうという戦略に切り替わった。

この民主党の作戦は、暫定予算で見事に打ち破られたのであるが、サンクスギビングからの短期間で議会で審議された主な法案をみてみよう。

1)ブッシュ減税の2年延長:これは、失業保険の13ヶ月延長と抱き合わせで可決
2)暫定予算法案:現在の予算の2ヶ月延長のみで可決(その他2000ページに及ぶ全く関係無い分はカットされた)
3)軍の "Don't tell, don't ask" ポリシーの廃案を可決
4)大学教育、軍隊勤務を条件に不法移民の子供に永住権を与える法案(DREAM ACT)は否決
5)ロシアとの核兵器削減条約の批准については審議中

オバマにとって公約を守れたのは "Don't tell, don't ask" のみで、ブッシュ減税については大敗北、暫定予算に Obamacare の予算とかテロリストを収容しているキューバの収容所(ギズモ)からの容疑者の国内移送予算がつかなかった(収容所閉鎖の目処が立たず)ので敗北、DREAM ACT は包括的な移民改革法案の一部だけの話なので余り意味は持たず、といった所であろう。

一番注目されているのはブッシュ減税の延長で、未だに失業率10%という現在の経済状況で実質の大増税をする訳にはいかず、本当に不本意ながらという感じである。民主党からも批判の声は上がったが、結局は妥協案に賛成している。大統領選挙中から大反対していたブッシュ減税の延長を妥協案としてオバマ自らが打ち出した事で、オバマ大統領が中道路線に切り替わったという見方が、特にオバマを支援しているリベラルから多くなってきている。

ここに来てあれだけ強情であった民主党やリベラルグループが、急にオバマの中道路線への動きをなぜ支援するかを考える必要がある。民主党は、下院、上院、2009年からはホワイトハウスを牛耳った事で、リベラルな政策が受け入れられるという読みもあり、世論の反対があろうと関係なく好き勝手な事をしてきた。その結果として先の中間選挙での歴史的敗北があった。

中間選挙の結果について、こちらを参考にして頂ければありがたいのだが、下院は次の1期2年だけではなく何年も共和党の過半数が続く事が予想されるし、民主党が辛うじて過半数を確保(3分の1の部分的な改選)した上院でも絶対過半数がないため、基本的に議会の機能停止をさせないためにには共和党主導の法案を受け入れざるを得ない状況がある。

この2年のやり放題で成立した Obamacare を筆頭とした民主党主導の法案は今後、予算がつかず店晒しという見通しもある。廃案法案が可決された時の最後の砦がオバマ大統領の拒否権である。(議会が大統領の拒否権をひっくり返せるのは、上院、下院とも3分の2が必要)これで2012年にオバマ大統領が共和党の大統領候補に破れたら、これらの廃案法案が議会を通過すれば成立する事になり、民主党にとっては大打撃となる。(これって、こう書くだけでも民主党が変である証拠である。民主党は政府に大きな役割を持たせ、議員達がそれのブローカーをやる事で成り立っているという構図そのもの)

基本的に社会主義である民主党、リベラルは、革命などで一気に社会を変更しなくても少しづつ蝕んでいけば良いという考え方があるので、法律さえ残しておけば10年先にでも主導権を握った時に活用出来るのである。( Fabian Socialism(フェビアン社会主義) を読んでもらえば、その辺の戦略と目標が分かります)

来年から共和党に議会の主導権を握られるので、オバマ大統領にはこの後6年ホワイトハウスに居座ってもらい、拒否権を発動しまくってもらわなくてはならないのである。一方、共和党としては、下院での最初の法案が Obamacare の廃案法案という事で、何とか上院も通して、オバマ大統領に拒否権を発動してもらう作戦なのであろう。

オバマ大統領がブッシュ減税の延長で見せたようなフェイクの中道路線へのシフトではなく、本当の意味で妥協が出来るのであれば2期目の可能性も出てくると思う。オバマ、そして民主党も注意深く、実務的になってきた事を強調していくだろう。

でも、オバマは筋金入りの社会主義者である事がすこしづつ暴かれてきているので、もう誰も騙されないと思うのだが、やはり大統領であるし、彼自身も頭は良いのでいろんな手で、共和党そしてアメリカ市民を欺こうとするであろう。皆気をつけなければ。

Gold-dispensing ATM

2010-12-19 09:26:20 | 金(GOLD)の話題


以前、アブダビで金の自動販売機がお目見えしたとのニュースを紹介したが、フロリダ州の高級リゾート Boca Raton にアメリカで最初の金の自動販売機がお目見えしたそうだ。設置したのは PMX Gold という会社で、今後全米の高級モール等に40機設置する予定との事。

価格は10分毎にマーケット価格を反映するようになっているらしい。映像の中に、10g-$482, 1 troy once-$1,470 と出ていたので、マーケットより7-10%位高いのであるが、実物をこのような形で入手するのだから妥当だと思う。

近くに設置されたら、是非買おう。

パラボリック (paraboric)

2010-12-18 01:53:17 | 金(GOLD)の話題
パラボリックは、相場のテクニカル分析手法の一つらしいのですが、確かに9月以降は、波を打つ様なトレンドがありますので、この分析法が有効かもしれません。



金相場がファンダメンタルよりトレンド分析の話が多くなってきた様に思うのは気のせいでしょうか?


追記:イカマイさんのコメントに回答しながら、こちらの方がエントリーよりも内容的に重要だとおもいますので本文に追加しておきます。(イカマイさん、ありがとうございました)

金の価格との関係で言うと、FRB の総資産と比例関係になるそうです。(あんまり良いチャートではないのですが、こちら

よって、FRB が資金を市場から吸収(いろんな方法があるとの事)を始めると金価格も下がる事になるそうです。

来年秋頃からの流動性吸収が予想されている様ですが、アメリカの景気が上向けば前倒しになる可能性もあるそうです。

本邦初公開 醜い口腔全体のレントゲン写真

2010-12-17 10:55:00 | 歯のはなし(治療日記)


送ってもらったファイルがちょっと小さいのですが、正面から見た私の歯のレントゲン写真です。右上(写真では左上)のブリッジの前歯側のポストが2本になっているのが分かると思います。写真では左側のポストの先っちょが化膿しており、今回の騒動となっています。(現状の説明はこちら

専門歯科医に2回、掛かり付けの歯医者さんに歯形取り(インプラントでのブリッジまでのテンポラリーのスナップブリッジ製作用)と足繁く通っております。専門歯科医の2回目は治療プランの説明でした。

治療プランの概要は次の通りです。(自分の歯の説明なので、写真では左右逆)

専門医の治療プランですが、右側のブリッジの一番左の歯は残す。ブリッジを一本目と2本目の間で切り分け、一本目はブリッジをクラウンを被せた風にす残す。残りのブリッジは取り除き、ポストになっている歯は2本とも抜いて、同時にソケットグラフティング(抜歯した所にインプラントの雌ネジ(ソケット)を埋め込みギャップを人口骨で埋める)をする。結果的に入れ歯ではなく、インプラントによるスパンの短いブリッジになる。

写真でも分かる通り、上の奥歯に呼応する下の奥歯が無いので、奥歯を抜いた所ではなく、少し前歯よりにソケットを埋め込むのだと思う。前歯の強制についてはまだ決定していないようで専門歯科医から電話連絡が来る事になっている。(掛かり付けの歯医者はどのようにするのか疑問を持っていた)

左側のブリッジはそのままだと言われたが、もし矯正をすると新調の可能性が高い。


下記は Chee さんのために Treatment Plan 原文の大サービス。

Surgery…Phase 1) 2 ½ hours
Periodontal scaling and root planing Lower Right / Left sides
Extraction of teeth # 2 and # 6
Socket grafts #2 and # 6
Crown lengthening # 7 and Upper Left (歯茎の健康を守るために、歯茎を少し切るらしい)
Total $3799
Estimated insurance / adjustments $ 1097
Patient responsibility $2702

2 weeks later… Suture removal / Post healing check

4 – 6 weeks later… January 2011 Insurance renewal
Post surgical cleaning
Total $185
Estimated insurance $129.50
Patient responsibility $55.50

Surgery,,, Phase 2) 1 ½ hours
Implant placement # 2 and # 6
X ray
Oral sedation
Total $ 3545
Estimated insurance / adjustments $31
Patient responsibility $3514

2 weeks later… Suture removal / Post op healing check

3 months after Implants are placed… Pre restorative / Locator case
Evaluation with Dr. Wolf
X ray
Total $96
Estimated insurance / adjustments $81
Patient responsibility $15

3 months after case is finished… Post restorative
Evaluation with Dr. Wolf
X ray
Total $96
Estimated insurance / adjustments $0
Patient responsibility $96


治療費合計は $7,721、保険負担(歯科保険だけでなく、医療保険でのカバー分もある)が $1,338.5。
なんと、自己負担は $6.382.50

これには、ブリッジのコストは入っていないので、1本 $780 で最低でも4本分なので計 $3,120 の追加分があり1万ドルコースである。(左のブリッジを新調するとなると、更にプラス$3,120)ブリッジを切り離して残した所も、結局新しいクラウンになると思うのでもう1本追加はほぼ確実。(早速、来年の税金の控除となる医療費のフレックススペンディングへの積み立てを年間最大の $5,000に変更した)

抜歯とソケットグラフティングする日は2時間半掛かるとの事、全身麻酔(笑気ガス?)なので帰りは自分で運転出来ないので運転手が必要と言われた。

年末年始の日本帰国と1月にメキシコ出張が入っているので、抜歯は1月14日の予定。もし、それまでに化膿した所が腫れたり、痛みが出るのに備えて、ペニシリンと痛み止めの処方箋を書いてもらった。(購入済み、日本へのメキシコへも持参予定)

I can't wait for the start of the treatment!!

民主党最後のやりたい放題

2010-12-16 05:41:32 | アメリカ政治
今年も残り少なくなり、民主党が過半数を占める下院もやっと終わろうとしている。来年からは、上院で民主党が数では上回るが絶対過半数が確保できないので、基本的には共和党が議会の主導権を握る事になる。

オバマ政権(及び民主党)がやりたい放題の法案を可決できるのも残り少ないことを意味している。上院は今でも民主党が絶対過半数を持っていないため、民主党主導の下院案を通過さすことが出来ないので、上院で先に共和党の賛成を得れる案を作って、下院でそのまま可決さすのが唯一残された手である。(ObamaCare 法案成立と全く同じ手法)

現在、上院で審議されている今年度の暫定予算案は正に民主党最後のやりたい放題のチャンスとなっている。

暫定予算が成立しないと年明けに政府がシャットダウンするのであるが、このことを人質に民主党は暫定予算に全然関係ないポーク(Pork: 議員が地元や関連団体のために付ける予算法案)を追加しまくっている。審議中の法案内容が追いつかない凄まじい事態となっている。

ここで心配した事が現実になってきている。民主党は、暫定予算に何でもかんでもてんこ盛りで一気に突破を謀っている。

民主党は中間選挙での敗北を予想して、計算ずくで予算案を審議せずに残しておいたのであろう。確信犯である。人質は、政府のシャットダウンで、暫定案が成立しなかったら反対に回った共和党を悪者にするつもりであろう。

民主党の最後のやりたい放題が通るのか、政府のシャットダウンでの批判を真っ向から受ける覚悟で共和党が阻止するのか見ものである。

ラジオ政治トークショー

2010-12-15 05:13:57 | 概念的ビジネスプラン
精神的にきつい日の余韻で、先週位までは何をするにも集中力が欠け、新聞、雑誌を読んでも文字を追っかけているだけの変な状態が続いていた。定期購読している週刊エコノミストは、そんな時には内容的に一番相応しくない雑誌なのであるが、パラパラめくっているうちに自分の目を疑う様なものが、書評にあった。

小沢革命政権で日本を救え』を取り上げてあったのだが、驚いたのは著者の二人。副島隆彦と佐藤優の共著だ。

副島隆彦については、『日米「振り込め詐欺」大恐慌』を読んで余りに酷い妄想に驚いた事がある。(いつの間にか週刊エコノミストに「シネマ館」というコラムを書くようになっている)佐藤優については、文芸春秋連載、本職であったソ連、ロシアとの外交活動の事を書いた『インテリジェンス交渉術』は素晴らしい出来であったし、その後、立花隆と共著の『ぼくらの頭脳の鍛え方』では、胡散臭さを放ちながらも鋭い所を見せていたが、本格的に大量に本を出版し始めてからは、本格的に堕ちて行ってしまった。その上副島隆彦との共著という事実に暗澹たる気持になった。

なぜ、日本のマスコミや出版界は、才能がある時の人(佐藤優の才能については最近?マーク)をこのように一気にしゃぶり尽くすのだろう。特に、政治絡みで脚光を浴びた人々は芸がある訳ではないので、しゃぶり尽くされれば終わってしまうのである。佐藤優は有名になったことを自分で楽しんでいるような気がするが、それでいいのであろうか?

このような怪しい人やしゃぶり尽くされたゾンビな人が政治の事を語って、それなり世間に受け入れられる土壌は、日本に政治や世界情勢などを安定してキチンと解説してくれる機能がないからであると思う。日本には、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、そしてインターネットと情報のアウトレットはあるのに、コンテンツが著しく貧弱なのが大きな理由であると思う。

アメリカ生活で運転することが多いせいかラジオを良く聞く。音楽、スポーツ関係、ニュースと変遷してきて、現在はトークショー、それも政治関係のものを中心に聞いている。お気に入りは、Rushn Limbaugh, Mark Levin, Sean Hannity、保守系ばかりであるのが、「如何にも」でちょっと恥ずかしい。自分の名誉のために言っておくと、一応、リベラルの番組も聞く努力をしたのであるが、政治信念というより、ホストのキャラ、構成、ゲストといった基本がなっておらず聞くに堪えないものが殆どであった。

長い前置きとなったが、日本でも政治問題専門のラジオトークショーを始めたらどうかということである。モデルは完全にアメリカの踏襲である。

毎日同じトークショーホストによる政治、経済の四方山話は、ホストのキャラと強い政治信念(右であっても、左であっても)を打ち出す事で、賛成,反対にかかわらず、考えるキッカケを与えてくれる。中立,公正な番組ではダメなのである。

もっとも重要なのは、ホストだ。どうやって発掘するかが問題なのだが、地方からスタートして最終的に数年で全国レベルとするのが理想であろう。(これもアメリカモデルの踏襲)アメリカは国土が広いせいか、地方に一杯ラジオ局がある。現在人気のホストはこれら地方のローカル局のホスト、レポーターから始まって全国区に勝ち上がってくる。スターホストが休みの時に、地方で活動する人々がゲストホストを務めたりするのだが、スター性は無いものの確かな実力とその層の厚さに感心させられる。

日本では地方局も系列があったりして自由な放送は出来ないと思うので(もし一定の時間枠を買い取って、放送内容に制限無しで利用出来れば理想的)、旧五大都市(大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市)にでも新しいラジオ局を開設して始める。午後の時間帯だけとか深夜だけとか時間限定で運用を始めれば良いと思う。これらの活動資金を宣伝スポンサーで賄えれるのが理想だ。地方で頭角を現したホストを全国区にして、これら地方の局を使って、全国版、地方版の組合わせという風に拡げていけば良いのである。

興味深いのは、ラジオ媒体はテレビより自由でインタンーネットとの相性がよい。サイト自体を有料メンバー制にしたり、出版や講演等の組合わせの相乗効果で収益を上げる道を探る。(テレビ局や新聞社と同じビジネスモデルではある)

日本の放送業界に疎いので、ラジオ局の開設自体が難しいの簡単なのかも分からないのであるが、基本的に先ずマスに向かって無料で発信する事と、アメリカの人気ホストのように20年も30年も安定してメッセージ出し続けられるスターの登場する事が肝心であろう。(スターホストが他のマスコミにしゃぶり尽くされないようにする注意も必要)

「オールナイトニッポン」(まだやっているのか?)「走れ歌謡曲」(古過ぎ)や小沢昭一だけでは、ラジオも泣いている事だろう。政治は言葉で成り立っている以上ラジオとの相性は抜群であり、トークショーの形態で「ながら」メディアである事のメリットを最大に活かせる。

このアイデア差し上げますので、誰か始めてくれないかなー。条件はただひとつ。「時々、俺にもしゃべらせろ!」

ObamaCare 違憲判決 (訂正あり)

2010-12-14 00:18:23 | アメリカ政治
バージニア州の司法長官が ObamaCare が成立したその日(3月23日)に憲法違反で告訴していたのだが、今日バージニア州の連邦裁判所で違憲判決が出た。(判決原文(英語)は(こちら。私もまだ読んでいない)

判決の主旨は、医療保険購入を義務付ける事が、憲法で規定する Commerce Clause の拡大解釈(連邦政府は州の間の商業活動を規定出来る)及び General Welfare Clause (社会保障)の権限を越えているとしている。又、非購入者への罰金を税金との考えに対しては、議会で罰金を税金として議論された事は無い事と連邦議会の税徴収の権限を逸脱しているとしている。(論理が成り立ってないと喝破されている)

これまで連邦裁判所で ObamaCare の違憲性を問う判決が2例あり、どちらも合憲判決が出されており、今回が初の違憲判決となった。今週木曜日にはフロリダ州で20州の司法長官が合同で提訴した裁判の判決が出る予定になっている。(訂正:12月16日は、判決ではなく、裁判官が原告の論告を聞いただけであった)

今後の順序としては連邦政府(オバマ政権)は当然控訴する。連邦控訴審でどちらの判決が出たとしても最終的に連邦最高裁判所で決着する事になる。バージニア州の司法長官は、控訴審を飛ばして一気に最高裁判所に行くことを要請しているが、実現は難しそうである。(最高裁判所の判決は、面白いことに2012年大統領選挙の真っ直中になる予定らしい)

ObamaCare の医療保険購入を義務が違憲となると、その他の付帯条件が成立しなくなり瓦解することになる。購入を税金と言わない限りは連邦議会に強制する権限が無いのだが、上で述べたように議会審議では税金という議論が無かったので、今更どうすることも出来ない。

共和党は ObamaCare の廃案を先日の中間選挙の公約に掲げており、来年から過半数を握る下院では速攻で廃案法案を成立させる予定であるので、法廷闘争と平行してオバマ政権との凌ぎ合いが見物であろう。

憲法、法律の素人の私だってずっと以前から分かっている結論なのに、オバマ大統領を始めホワイトハウス、関係閣僚達は最初からそしてこの期の及んでも、ミョウチクリンな論理をこねくり回して自己弁護に忙しい。

ObamaCare の憲法違反に関する過去のエントリーは以下の通り。
ObamaCare 法廷闘争:7-21-10
健康保険改革法案 憲法違反訴訟:3-28-10
健康保険改革法案 アップデート 憲法違反?:12-23-09

Black Swan

2010-12-13 07:52:12 | 映画
スター・ウォーズ  エピソード1/ファントム・メナスのアミダラ女王を観た瞬間から、ナタリー・ポートマン (Natalie Portman) は大好きな女優です。溯って Leon とか Mars Attacks も観たのだが、映画での出会いが、幼いけど大人びた端正な顔立ちで、化粧もビッチリで謎の髪型と衣装のアミダラ女王でなければインパクトに乏しく、ここまで注目していなかったと思う。(エピソード2/エピソード3 では、残念ながら大した役回りではないので印象が薄い)

大学生(ハーバード!)やってたりして映画出演は多くないし、話題作も『Vフォー・ヴェンデッタ』(V for Vendetta)(観ていない)位しかなく、気になる女優というだけの存在になりつつあった。

"Black Swan" は彼女にとっても久しぶりの話題作である。話題作りのためかもしれないが、ライバルのバレリーナとのレズビアンの濡れ場(なんて魅惑的な響き)のシーンが過激すぎて、彼女が父親と揉めたという様なゴシップが伝わったりして、いやがうえにも勝手も盛り上がっていた。(結局、大した事無かったけど)

ストーリーは、それまでプリマドンナだったバレニーナが引退する事で、ナタリー・ポートマン扮するニーナが『白鳥の湖』の The Swan Queen に選ばれる。舞台監督から黒鳥のパートを演ずるためには幻惑的にならなくてはならないという指導を受ける。そこに失意の引退したバレリーナ、奔放なライバル、元バレリーナでニーナの事だけを心配する母親が絡み、ニーナは段々と幻覚を見るようになる。クライマックスは公演初日。幻覚の中で完璧に黒鳥になりきったニーナが素晴らしいバレエを踊りきって終わる。

サイコホラーサスペンス映画という刷り込みもあり、幻覚と陰謀が織り混ざったストーリー展開はハラハラものであった。公演途中で殺人(実は幻想)があったりするのだが、結局、誰も死なず、何の疑惑も残らず、殺人の幻想はニーナが自分を傷つけただけというオチのハーピーエンドで、思いっきり拍子抜けした。(他の観客の反応も同様)

ナタリー・ポートマンは、バレリーナの役のために随分(9キロ)減量したらしい。役作りかどうか不明だが、アミダラ女王の時の完璧なお肌ではなく、結構荒れていた。濡れ場はあったもののヌードになる訳でもなく、恐怖におののく表情ばかりで、凛とした彼女の表情が好きな私としてはイマイチ。

後味が良い分、映画としては面白くない。最近流行(?)の違った結末(最後まで幻覚か現実か分からないといった具合の)を DVD ではやるのかもしれない。

期待が高かっただけに、非常に残念。余りお勧めしない。


芸術作品と言う事なのだろう、デトロイト地区では ”WAITING FOR SUPERMAN” を観に行った Landmark Theater でしか上映されていなかった。今回も 入場料は$5と安かったのだが、ポップコーンのミディアム($6.50)とコーラのスモール($4.25)はちょっと高めで合計$10.75。(前回と全く同じコンビネーションの注文をしている)

先週金曜日がデトロイトでの封切りという事もあり、客の入りはこの冬初の本格的な雪にしては上々であった。でも半分くらいしか埋まっていなかったが。