YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

私的財産所有権の危機

2009-11-30 07:34:23 | アメリカ経済
先週、ニューヨーク州の控訴審で、ある地域の一部の住民が反対をしていても、、私企業(ディベロッパー)の為に、立ち退きさせられる事が出来るという判決が出た。ある地域とは、NBA (National Basket Association)のチームであるNew Jersey Netsがスタジアムとオフィスビル群を予定している場所である。

数年前に、同じ例で、コネチカット州である地域の開発を進める地方自治体対反対住民の最高裁判決があり、地域振興を掲げる地方自治体が勝訴している。最高裁判決として地域振興の名のもと(被告は地方自治体)で、私的財産の絶対性が侵された衝撃は大きく、その後43州の州司法レベルで私的財産所有権を強化された。

コネチカット州の例は、悲惨な結末となっている。地方自治体が勝利した事でオフィスパークを建設が始まり、反対住民の家が取り壊されたが、メインテナントとして予定していた超大手製薬会社ファイザーが買収や経済環境の変化で、かの地への進出を辞めた事で開発計画自体が頓挫した。

ニューヨーク州で改めて、その地域の反対住民以外にとって利益が大きいと言う事で、私的財産が侵されるのである。これは資本主義の基本中の基本である私的財産の絶対性の否定に他ならない。

アメリカ最高裁判所の判決に対して、私的財産の絶対性を守るように動いた43州は、非常に懸命であった。ニューヨーク州はそれを怠った上に州の司法でも、私的財産を、公的団体ではなく私企業からも守れないと言う愚を置かした事になる。極端なことを言えば、あなたの所有している物は、それ相応の補償があるとしても、いつでも誰でもが取り上げる事が出来るのである。

裁判結果とは全く関係ありませんが、New Jersey Netsは今日の時点で0勝16敗で、つい今朝方、監督がクビになりました。

Tiger Woods 交通事故 スキャンダルの予兆  追記有り

2009-11-29 01:36:01 | ゴルフ
Tiger Woods 交通事故の件は既に報道されておりますが、なんだかスキャンダラスな香りがしてきております。タブロイド(週刊誌ネタ)的なエントリーになってしまいましたが、ゴルフファンとしては、「Tiger、やっぱりおまえもか」とならない事を祈っております。

追記

土曜日に予定されていた記者会見が日曜日に延期されました。

現在の公式報道では、タイガーの単独自損事故を自宅の直ぐそばで起こし、車がロックされていたので、奥さんがゴルフクラブでリアウインドウを割ってロックを解除して路上まで引っ張り出したという事になっております。外傷は唇裂傷のみですが、数分意識が朦朧としていた。

しかし、現在、飛び交っている噂としては、タイガーはニューヨークのクラブホステス(こんな日本的な職業がアメリカにもあるのを初めて知りました)と浮気をしており、つい先日のオーストラリアで密会をしていた。これを知った奥さんが激怒して、ゴルフクラブでタイガーを叩き、タイガーが乗って逃げようとした車のリアウインドウを叩き割った。最初の一撃で朦朧としていたタイガーは、自宅を出て直ぐの消火栓そして木に衝突した。

ビュイックとの契約が切れているのですが、因に車は、GMのキャデラックのSUV、律儀です。

経済学をめぐる巨匠たち 小室直樹

2009-11-29 00:37:32 | 書評
何年が前から,一度経済学をちゃんと勉強したいと思っておりました。パートタイムで大学院へ行く事もずっと考えているのですが、現実は厳しく、実現しそうにありません。まあ、勉強は結構好きなのですが熱心ではないので、学校は馴染ま無いのかもしれません。

書店やAmazonで経済学を俯瞰出来る様な本(英語の)を探していたのですが、ふと本棚にあった「経済学をめぐる巨匠たち」を再読してみました。経済学を創始からシンプルに説明してあり、現在の問題点まで鋭く指摘している素晴らしい本でした。

先ず、経済学を古典派とケインズ派に二分し、その識別条件は「セイの法則」を公理とするか否かとしております。「セイの法則」は市場に供給される全てのモノは売れるという法則です。この法則を公理とすれば古典派、信じなければケインズ派となります。供給サイド(古典派)、需要サイド(ケインズ派)と考える事も出来ます。又,経済学は、資本主義の歩みとともにあるので、ヴェーバーで資本主義発生のメカニズム、私的所有権の絶対性と抽象性について説明してくれてます。

なんと言ってもこの本の一番の価値は、シュンペーターの「資本主義は成功故に滅びる」の予言から、現在進行形の政治、経済状況を的確に分析している事である。2004年出版ですが、5年経っても少しも輝きを失っていません。現在を理解するために経済を抜きには出来ないので,経済学の知識も必需です。先ず,この本で本当にシンプルな原理原則を押さえておく事が出来ます。

尚、小室直樹は名前を知っているだけで、著作等は知らないのですが、今後出来るだけ読んでいくつもりです。インターネットで調べた限りでは、奇行等もありエキセントリックな人物との評もありますが,この本の印象と経歴からも、博学でその上素人にも分かり易く学問を教えてくれる希有な人物だと思います。

数年前購入した時に読んだ(と言う行為の)記憶あるのですが、内容は一つも頭に入っておりませんでした。私は一体何を読んだのでしょうか?懲りずに、英語(日本人以外の著作)で経済学を俯瞰出来る様な本を探すと思いますが、これ以上の本には出会える様な気がしません。

アメリカのB級グルメ

2009-11-28 10:19:09 | アメリカのテレビ番組
水曜日午後にドバイ ワールドの債務返済延期のニュースがあり、Thanksgivingをはさんで注目しておりましたが、円が一時的に84円の円高、今日のNY株式市場が今週上げ分を吐き出した位で、思ったより影響は出ませんでした。(来週も引き続く懸念材料ではあると思いますが。)やっぱり、$60ビリオン(約5千2百億円)程で、不履行では無く6ヶ月の返済延期だからかなーなんて、最初の緊張は忘れて、お気楽モードで過ごしてます。

それより、昨日のThanksgiving、半日で子供部屋の模様替えと茶の間(友人から譲り受けた畳を敷いて)をセットアップを終わらせて、ターキーもネタにして手巻き寿司ディナーの予定だったのに、結局2日も掛かり、昨日はマックのハンバーガー、今日は自宅で焼いたハンバーガーがメインで、Thanksgivingディナーは日曜日に持ち越しになりました。

肉体労働で腹ぺこで、ハンバーガーが出来るまで、Food Network で延々とやっていたDiners Drive-Ins' and Divesを観てました。この番組は30分でアメリカ各地のB級グルメを3軒づつ紹介していきます。

先ず,DinerもDrive-InもDiveもレストラン以下(?)の飲食店の呼称です。登場する食べ物は、バーガー、ホットドック、サンドイッチ等の正真正銘のB級グルメです。一応テレビ番組に登場するだけで、それなりにユニークだったりします。時には御当地物のシーフードやソウルフード(南部黒人の食べ物)等もあります。

だいたい登場する食べ物は、単純なものが多いのですすが、経験的にも味の差は確実にあり,本当に美味しいものもまります。ハンバーガーは全国区なので、美味しいと評判の所は本当に美味しいし、御当地物では、シカゴスタイルのホットドックもいけます。B級グルメの実力も侮れません。

一時期、熱心に観ていて、デトロイト周辺や出張先が取り上げられる度にメモっていましたが、未だに登場した店に行ったことはありません。上記リンクのビデオに出てくるKrazy Jim's Blimpy Burgerが近いので、狙っております。

オバマ大統領 アフガン増兵来週発表 フォトオプ

2009-11-27 02:18:27 | アメリカ政治
オバマ大統領は、アフガン戦略に付いて来週火曜日 West Point (陸軍大学)で発表すると発表した。8月に軍から4万4千増兵の要請に対してのら3ヶ月経っての回答である。

アフガン戦略に付いては、就任直後に2万1千の増兵をしており、今回で2回目の増兵となる。今回は、出口戦略も併せて発表される。

ここまでに至る経緯とWest Pointでの発表に憤りを感じる。

上院議員時代、大統領選を通してブッシュ政権のやり方に批判的であった以上、大統領就任からアフガン問題に付いては、方向性は別として、全力で迅速な処理をすべきであった。3月の増兵時には、戦略は決定してたとのコメントを大統領自身もしていたが、これは全くの嘘であった。その後、自分で選んだ司令官から8月に増兵要請への回答を、戦略を練ると言う事で3ヶ月も待たせた。

戦略が決定したのなら、なぜ直ぐに発表しないのであろうか?議会への根回し等の必要性は分かるし、Thanksgiving Holidayの日程的なものもあるだろうが、時間的余裕は無いのである。

一番、あざといのは、わざわざWest Pointでやる事である。これは、アメリカでもっとも権威のある軍の学校を、自分の背景に使おうとする意図である。(フォトオプ:Photo Opportunity) これは、最高司令官としての自信の無さとオバマが政治活動家でしかない事の限界を露呈している。

アフガンで協力している国々は、この辺を敏感に嗅ぎ取っていると思われる。中途半端な増兵や出口戦略は、逆に泥沼化を招く可能性が高い。

アフガン戦略の内容については、来週の発表を待つ。精緻に組み上がったものではなく、シンプルで力強いものである事を期待する。

911 テロ首謀者の裁判 in NY

2009-11-26 04:00:19 | アメリカ政治
先週のニュースになりますが、911の首謀者としてパキスタンで捕まったKhalid Sheikh Mohammedの裁判が、ニューヨークの裁判所で行われる事が決定した。捕獲以来キューバのGuantanamo収容所に留置されていたが、ニューヨークに移管される事になる。

当初、戦犯として軍事裁判の予定であったが、司法長官判断(当然、大統領判断でもあると思われる)で、刑事裁判として扱われる事になった。容疑者として、アメリカ市民と同じ権利が与えられる。

以前には彼はテロの首謀者として911の計画、実行した事を認めていたが、刑事裁判として起訴された時点で無罪を主張した。これで、ニューヨークで殺人罪(?)として刑事裁判が、ちんたらと続く事になる。

ちょっと考えただけでも、以下の様な心配事がある。

1 刑事裁判なので、基本的に検察側の証拠に全てアクセス出来る事になる。その中で収容所での取り調べが改めて話題に上る。今年の春に収容所での取り調べが拷問だったのではないかとの疑問が、オバマ政権よりブッシュ政権のやり方を批判する形で上がっている。よって自白は拷問を受けたと言う事で採用されない可能性がある。

2 911がニューヨークなので裁判が行われる事に、それなりの正当性はあるが、ニューヨークは元々アルカイダの標的であり、テロ再発の可能性が高くなる。

3 容疑者は反論出来るので、アルカイダのプロパガンダ(反アメリカ)になるのは確実である。被害者の家族も、これらの主張を聞かされるのである。

OJ シンプソンが無罪になった裁判方法(州が違うので完全には同じではにが)を使うと考えると何が起きても不思議は無いと感じるのは私だけではないだろう。

では、なぜこのような判断が下されたのだろうか?

簡単に言うと、対テロ戦争を嫌っているオバマ政権が、ブッシュ政権を批判し違いを明確にするための一連の戦略の一部である。先ずは就任早々Guantanamo収容所を一年以内に占める(これは目処が立っていない)、収容所での拷問を追求(これも決着していない)、テロリストにもアメリカ人と同じ人権を与える(テロ(戦争行為)ではなく犯罪として裁判)等である。国益を考えず政治的な判断だけで処理しようと成れの果てである。

裁判を巡って何が飛び出すか予測もつきませんが、アメリカに取って良い事は何も無いと思う。

カトリック教会の目覚め

2009-11-25 05:53:50 | アメリカ政治
健康保険改革が上院で審議される事で、カトリック教会が、特に中絶反対の立場から発言を始めている。下院案の最終段階でやはり中絶に政府の補助金が出ないように修正条項が追加された時も、議員への圧力を掛けている。カトリック教会は、中絶反対、同性結婚反対の立場ながら、政治的な活動はもう何十年も政治的活動を行っていなかった。よって、唐突に沈黙を破った事になる。

アメリカ文化が革新的な方向へ突き進む間(例えばフリーセックス)に、クリスチャニティー、特にカトリックは自分たちの価値観を強く押し出さない事、つまり沈黙する事で、結果的に垣根(コアな信者)の外で行われている事に暗黙の了解を与えてしまった。

興味深いのは、反カトリック的な中絶賛成、同性婚賛成者の中には、カトリックもおり、リベラルな民主党でも有名な所ではケネディ一家、下院議長のペロシ女史もカトリックである。(アメリカのカトリックは大嘘つきと言うカトリックの自虐的ジョークもあるが、ジョークではなく真実である。)

健康保険改革法案で、中絶に政府の補助金、つまりカトリックの人々の税金も使われる可能性が出てきた事で、ついにカトリックも何十年もの沈黙を破る決意をしたようだ。中絶賛成の議員には Communion (聖饗式?)を行わないと言う司教もいる。

人の生き死に関わる事に、健康保険とはいえ政府が直接手を出す事は、宗教面からもやはり適切ではない事実がある。

健康保険改革法案を推し進めるリベラルのエリート達は、思いがけないカトリックの反対に戸惑っているはずである。その中でもカトリックのリベラルエリートは、神を信じていない事、アメリカ建国の礎であるクリスチャニティーを踏みにじっていると公言している様なものだからである。

健康保険改革法案は新たな動きがある毎に、アメリカのいろんな面を炙り出してくれる。

地球温暖化 科学者の倫理

2009-11-24 11:25:39 | アメリカ政治
コベンパーゲンでの国際会議を一ヶ月後に控えて、気候変動を研究する科学者、特に地球温暖化を唱える科学者の倫理観が問われる事件が起きている。

イギリス のEast Anbglia University にあるClimate Research Unitのコンピューターがハックされ、メールや書類ファイルなどが、インターネットに流失した。大学はこれらのデータが流失したものであるとのコメントを出している。Climate Research Unitは、気候変動の中心的研究機関の一つで、地球温暖化に人間の影響が大との立場を取っている。

メールの中にはこの研究機関の科学者から、反対の立場の科学者に対しデータを提供しない、研究誌への掲載を拒否する、国連気候変動部会への報告を妨害する等の内容があり,反対科学者をbeat upするとまでの表現のある。(危害を加える意味ではなく、学会で吊るし上げると言う意味で)

地球温暖化を訴えてきた人々は、反対する人々を非科学的であると批判してきたが、当初から科学的な根拠が怪しくまず地球温暖化ありきとの指摘もあった。

元々その科学的根拠を疑問視されていた気候変動、地球温暖化に基づいた政治活動は、うさん臭さを持っており、腐敗ぶりが白日のもとに曝される日も近い。その時が来るのが待ち遠しい、いや到来しつつある。

Sarah Palin (サラ ペイレン)

2009-11-23 11:23:19 | アメリカ政治
Sarah Palin (サラ ペイレン)は、去年の共和党マケイン大統領候補の副大統領候補だった人です。当時は、アラスカ州知事でしたが昨年の大統領選でメディアで揉みくちゃにされて、今年の夏、2期目を目指さない以上知事に留まる意味は無いとの理由で、突然辞任しました。現在は、つい先日出版されたGoing Rogue(じゃじゃ馬でいこう(?))のプロモートで、アメリカ全土を回りながら、メディアのインタビューを積極的にこなしております。彼女出演のTVインタビューは高視聴率を獲得しております。

昨年の大統領選挙中は、随分バカキャラでからかわれましたが、本も売れ行きも発売前に百万部を超えたりして、彼女出演のTVインタビューは高視聴率を獲得したりして、保守系に止まらず、幅広く抜群の人気があります。本人は明言しておりませんが、2012の共和党からの大統領選出馬も成り行き次第でと否定しておりません。人によってはレーガン元大統領に匹敵すると言う人もいます。

では、そんなに人気があるのでしょうか?

保守本流を具現化しているからです。例を挙げると、アラスカと言う土地柄もあるのでしょうが狩猟をします。中絶絶対反対で、つい数年前にダウン症を承知の上で子どもを出産しております。この出産の件は,観念的に中絶賛成する人に対する中絶反対の立場から、非常に重要な意味を持ちます。本人も中絶を考えたと本にあるそうです。(遺伝子異常の時は、中絶反対の立場の人も容認している。)

大統領選の時には経験不足も指摘されましたが、市長、州知事経験があるので、議員経験しか無いオバマ大統領やバイダン副大統領に比べて見劣りするとは思われません。

無職になってからも、健康保険改革関連で老人医療をコスト削減のために政府が治療法をコントロールする仕組みをDeath Panelと本質を付く鋭いコメントをしたりしております。

話題はちょっと逸れますが、アメリカでこういう保守系の女性は、女性権利保護団体から嫌われます。つまり、これらの権利団体は結局、リベラル(革新派)である事が図らずも露呈しております。当時、オバマ大統領候補のプライバシーは保護されましたが、ペイレン副大統領候補のプライバシーは、これでもかと言うくらい報道されましたが、これらの団体は、彼女のためは何一つ活動をしませんでした。

レーガン大統領時代に保守の基盤を再構築し、クリントン時代にさえ議席数を伸ばしてきた共和党が、保守の原則から漂流している間に議会の過半数を失い、民主党が社会主義的な政策を数の論理で強引に進め、アメリカの本質を根本から変えようとしている歴史的な局面での、オバマ大統領の誕生、その対局でSarah Palin (サラ ペイレン)の登場、アメリカの政治はまだまだダイナミックです。(ちなみにオバマ48歳、ペイレン45歳です。)特に、保守系のスターとして女性と言う所には唸ります。

Sarah Palin (サラ ペイレン)は一人の人間、女性としてアメリカのために出来る事があるとコメントしております。2012年の共和党大統領候補を含めて、今後の動向には注目です。

おかねのこねた 春山昇華

2009-11-23 09:28:38 | アメリカ政治
「社会主義化するアメリカ」の著者の春山昇華さんの人気ブログおかねのこたねを最近、熱心に読んでおります。特に週末の定点観測アメリカは外せません。

先週末の定点観測アメリカでは、方向感を判断されていなかったので、僭越ながら経済データ以外の事で注視されている事について質問しました。(人気ブログにコメントすると自分の露出が増えるとのヨコシマな考えもあります。)基本的には、2010のアメリカは「No」という回答をいただきました。

私としては、もう少し政治的な見解の入った回答を期待していたのですが、投資家の立場からの明確な回答で一層ファンになりました。

しかし、オバマ大統領に好意的でいらっしゃる様なので、彼が成功すると考えるとアメリカは社会主義化すると思いますが、そう簡単には行かない様な気がします。一方で、オバマ大統領が失敗しても、それは更なる経済劣化を招くので、結局人は政府を頼らざるを得なくて社会主義化する可能性もあります。早いうちにオバマ大統領が死に体にならない限りアメリカの社会主義化は避けられないと言うシナリオは結構高い確率で起こりそうです。

ルーズベルト大統領のニューデール開始から80年、リベラルの総仕上げ的象徴としてオバマ大統領がいます。但し,健康保険改革と言う最終戦では、保守の激しい反撃もあります。この決着の山場は来年です。

「社会主義化するアメリカ」是非とも読んでみたいと思っております。

健康保険改革法案、上院審議決定

2009-11-22 23:58:38 | アメリカ政治
昨日アメリカ時間で11月21日(土)の夜に、上院の委員会で可決された健康保険改革法案を本院で審議するかの採決が行われ、すっぱりと両党で割れた60-39(共和党の一人は欠席)で、審議開始が決定した。

尚,上院案は、先日可決した下院案とは違うもので、もし上院本院で可決された場合、両院案の統合が行われた上でホワイトハウスに送られます。

審議開始の採決だけなのですが,民主党の中にも反対がありました。Filibusterでも説明しましたが,上院では60以上の賛成が無いと基本的には、いつまでも採決が出来ませんので、審議開始の採決でさえこんな状態ですので、まだまだ時間がかかりそうです。しかし、法案成立に向かって進んでいる事には間違いありません。

最後まで意思表示をしなかった民主党議員の票を買うために、民主党の上院でのリーダーであるHarry Reidは、法案にこの議員の州に有利になる修正条項($100ミリオンのコスト増)を追加しております。

昨日,最終的に賛成に回った議員のコメントを聞きました。その中で印象的だったのは、現在の状況では効率が悪いので、この法案で無駄を無くしてコストを抑え、市民全員が健康保険が持てるようにしたいとの発言でした。

本人は、多分意識していないでしょうけど、これは健康保険の計画経済化に他ありません。そもそも計画経済は、社会主義国の失敗例が一杯あります。旧ソ連では、食料(政府価格で安いのだが)を買うのにさえ長い列が出来ていた映像を思い出しました。

アメリカの健康保険が高いのは、政府が色々な規制をしたなれの果てと言う面がありますので,本末転倒です。アメリカ上院議員のコメントとしては最低の部類に入ると思います。この法案を推進しているオバマ政権、民主党の方向を図らずも露呈した感じです。

まだまだ法案成立までの道取りは長く、ハードルは高いのですが、予断は許しません。

ぼんやり考えています

2009-11-22 01:24:14 | 雑記
ブログを始めて、強迫観念に駆られる様に、特に政治、経済の事を書いてきました。特にアメリカでは、偶然か必然なのか、大不況とオバマ大統領誕生が重なり、話題には事欠きません。

情報源も幅広くなり、特にブログ情報の豊富さにはビックリします。いろんな所でいろんな人が、生業として、仕事の延長として、趣味として、ブログを書いていらっしゃいます。役に立つ、面白いと思うのは、自分の立ち位置がハッキリしている方々によりブログのように思います。

そこで、自分の立ち位置を記しておきます。

政治、経済については、自分の家族が安心して暮らしていけるかを基準に考えております。娘たち(9歳、5歳)の大学までの教育、妻の老後(私の死んだ後)のことが常に頭にあります。又、娘たちが、職業の自由、住む場所の自由を私と同じように享受出来る事を祈っております。

私は百姓の長男で、親父の代に産まれていれば、百姓になっていたはずです。私の父は昭和6年生まれで、軍国少年だったが軍隊に入るには若すぎ、アメリカ民主主義の洗礼を受け、農地解放で先祖が頑張って拡げた農地を取られ、ダム建設で転居を余儀なくさた経験を持っておりました。子どもに大学教育を受けさせれば一人前に生きていけるだろうと考え、私のする事に何も文句を言わず自由にさせてくれました。(愚痴は何回か聞きました。)

現在の悪い経済状況が自分にどのようにかかわってくるのかを注視しています。又、娘たちが生きていくであろうアメリカで、悪い経済状況下で政府の権限拡大によるアメリカの本質的な変化を心配しております。最近、情報、データが多くて消化不良気味だったので、今週末、来週(Thanksgivingで稼働日3日のShort Week)で少しぼんやり考えて、頭をすっきりさせようと思っています。

オイルと株、為替、金との相関性

2009-11-21 01:40:14 | アメリカ経済
オイルと株、為替、金の動きの相関性がこの夏は非常に強まっていた。これは、景気回復への期待が根拠であったが,ここ2ヶ月は少しづづ相関性が薄れてきている。このようなデータは初めて見たのですが,気になっている相場を俯瞰出来そうなので取り上げてみました。(WSJの記事ですが、肝心のチャートが見当たりません。)

ではオイルとそれぞれの相場の相関性を考えてみましょう。

株:関連性が強いと言う事は、先に述べた通り景気回復の始まり,ただし,オイルが上がるとインフレ懸念で相関性薄まる。
為替(ユーロの対ドル):オイルは基本的にドル建てなので、オイルの上昇はドルが弱くなると言う事。
金:基本的に関係はないはずなので、相関性が強いのはコモディティーバブルの前兆。

今年の春から夏に掛けて景気回復の気運が高まったが,雲行きが怪しくなってきた。金はどうもバブルっぽいと言う事です。オイル相場は、産油国の方針や中国需要の増加が論じられますが、それらの要因は全体のお金の流れの中では余り大きな影響は無さそうです。

マネー過剰流動分がどのように分配されていくかと言う問題になります。景気回復と皆が思った時はバランスよく分配されていて相関性が高かったと考えると、現在は美人コンテスト状態で、先行きが分かりません。金の相関性が一番低いので、現時点では一番美しいと思われているようです。

でも、オイル本位制が前提です。貨幣や金じゃない所が目新しいのですが、全てが相対的と言う事は、結局、時間や時間軸で何を言っても正しいし間違っていると言う事になります。

美人コンテストの方が簡単に思えてきました。

我流ゴルフ理論(3)AJ Bonar 腕の動きだけ

2009-11-20 07:38:59 | 我流ゴルフ理論
数年前,ゴルフチャンネルで彼のインフォマーシャルで良く流れていたので、興味がありました。同じ時期にゴルフマガジンでAJ Bonar の記事(英文)を読んだのがきっかけで、DVDを購入しました。

では、AJ Bonar のゴルフスイング理論はどんなものなのでしょうか?

はっきり言って、スイング理論ではありません。フェースをコントロール出来るのは手と腕の動きだけなので、その動きを意識するだけだと言う事です。

1 フェースは、インパクトでターゲットラインに対して90度を保てない。特にプロは、インパクト前後でトウがヒールより速く動いている。つまり、シャフトを軸に回転させている。このシャフトを軸にした回転がクラブヘッドのスピードにプラスされて飛距離をうむ。
2 この回転を与えるために、インパクトでは右腕の肘から先を反時計回りに捻る。(私は右利きです)

これだけです。

この右腕の動きが、Stack and Tiltと良くマッチします。Stack and Tiltではインパクトで両手を伸ばした状態で迎えるのですが、これは、右肘の絞り、右手のコックをインパクトでほどいておきなさいと言う事です。インサイドから腕が下りてきて(正確には左のリードで引き下ろして)インパクト直前で右腕がやや余裕がありながら伸びていると、肘から下の反時計回りの動きは、比較的簡単に出来ます。

右腕の絞り過ぎ、コックのし過ぎをしないことで、右肩がインパクトにかけて落ちなくなります。青木やセルジオの様な強烈なコックからのインパクトは、よっぽど腕力の無い人でないと出来ません。私の場合、ドライバーで飛ばそうとして体の動きが速くなったりすると腕が付いて来れなくなります。

イメージ的には、ほとんどノーコックで上げて,ダウンスイングの真ん中くらいで、右肘も右手もほとんどほどいて居る感じです。この辺は、田原 紘 と言うゴルフプロが同じ事を行っております。(私が読んだのは「実践50歳からのパワーゴルフ」)

AJ Bonar の一つの欠点は、左腕の動きの話が無い事です。Stack and Tiltでもなぜか左腕の動き(引き方)の話がありません。(本には出て来るのか?)唯一、後藤先生が左のリードと言う形で出てきます。

左のリードが無くなり、右手、右腕だけの感覚になると、結局インパクトで詰まってきます。そのため体を変に動かして詰まりを解消しようとするスイングするようになり、めちゃくちゃになります。

我流ゴルフ理論の骨格は、こんな所です。次からは、もう少し細かい技術的な考えを散発的に書いていきます。まずは、左腕の引き方からです。


追記(10-19-10):この理論で需要なヘッドを右手でどのように感じるのかの写真を追加しておきます。



右手を煽ってヘッドを返すのではなく、右上腕の反時計回りでヘッドが返っていくイメージがわき易くなると思います。

我流ゴルフ理論(2)後藤 修のスクェア打法

2009-11-20 00:49:48 | 我流ゴルフ理論
後藤 修先生(勝手に先生と呼ばせて貰っております。)は、ジャンボ尾崎、中島を指導した事があり、日本でも数少ないプロを教えるプロです。それも海外の理論等を輸入するのではなく、日本人に適したスイング理論を構築されております。Stack and Tilt を骨格としながら腰のリリースをについて懐疑的なのは、自分の体が硬い事もありますが、後藤先生の称えるインパクト、つまり、半身を踏ん張って腕をさばく感覚を大事にするためです。数年前に爆飛び 奇跡の300ヤード打法を手にしてから、バイブルのようにしております。(不敬虔な信者ですけど。)

では、スクェア打法とは、どういうものなのでしょう?

1 スイングの弧のインパクト前後で、フェースがターゲットラインに対して90度になるゾーンをつくる。(インースクェアーイン)
2 日本人のほとんどは、スライス体なので、最初はドローを打つ所から始める。
3 テイクバックは右足首より始動し、下から上に力を貯めるように捻り上げる。
4 トップからは左のリードでし、クローズに踏み込んだ左足で踏ん張り、腕を体の前でさばいてインパクトをする。腰や肩を回すのではなく、腕を振る。
5 インパクトしたら上体を立ち上げる(キレ)

素振りを大切にしており、これは非常に大事な事だと思います。また、クラブを反対に持った素振りなど、スピード、キレを大事にするドリル、縮んでいる腕や肩を柔らかくするドリルは非常にすぐれております。

この本は、スイングの基本的な体の動きが書いてあるだけで、基礎中の基礎しか書いてありません。そのうち続きも書くとあとがきで宣言しておられますが、既に9年経っているので、怪しくなってきております。(お年のようですし)本やサイトを参考にしていただければ分かりますが、後藤先生の言葉は、もう哲学です。もちろんゴルフ理論としても全体像がしっかりしております。

私のスイング理論は、形而上は後藤 修先生、形而下は Stack and Tiltで出来上がっております。

後藤先生は毒舌なので、日本のゴルフ界から再び干されている様子で、最近雑誌でも見かけなくなりました。最近は後藤塾オフィシャルサイトをチェックするのみです。不肖の勝手な弟子なので有料会員にはなっておりません。エッセイは、的外れな所もあるのですがエンターテイメントとしては楽しめます。アメリカが北京オリンピックボイコットをしていれば、今頃時代の寵児だったと思います。あくまでもゴルフの師匠です。政治や経済への視点には?もありますが,スジの通った生き方は尊敬しております。

肝心な腕の振り(動き)については、大切とは書いてありますが、この本の中では具体的な技術論は書いてありません。次回のA.J.Bonarで書いていきます。