YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

2011 Toyota Highlander SE 4X4 リビュー

2011-07-31 12:37:04 | 雑記
2011 Toyota Highlander SE 4X4 に乗り始めて1ヵ月が過ぎ、近所のチョイ乗りから、ミシガンからノースキャロライナまで1000マイルの遠乗りまで経験したので、使用レポートを書いておこう。

トラックベースの 2008 Ford Explorer Eddie Bauer からということもあり、まず一番に感じるのは、華奢な事である。

これは、車に全く疎い家内の最初の感想でもあり、非常に興味い。まずハンドルからして細い。このように部品一つ一つを工夫し、軽量化を図って燃費を改善しているのだろう。

カムリベースという事もあり、数年前のモデルチェンジまでは車体が小さくて人気がなかったのだが、それを無理やり拡大したので、剛性がぎりぎりなのかもしれない。大きくなったといっても、競合している SUV、ホンダのパイロットや Ford Explorer 等に比べると、まだまだ小さい。

デザインも良くなったとは言え、なんだかダサい。日系自動車会社の SUV のデザインは、未だにビッグ3に見劣りがする。最近のトヨタ全体にいえる事だが、空力上の意味があるのだと思うが、側面のデザインは妙である。ドアパネルなど外に向かって膨らむのではなく、逆に凹ましてある。格好も悪いし、汚れもたまる。

エンジン(V6 3.5L)の吹け上がりは悪くない。トルクフルな力強さはないが、高速の合流や追い越しも全く問題がない。

燃費は、町乗りで20M/G(8.42キロ/リットル)、高速で22M/G(9.26キロ/リットル)、V8の Explorer よりは30%も良くなったので得した気になっているが、高速で今一伸びないのは不満である。AWD であるし、時速80マイル位で走るので、仕方ないとも思う。

足回りも、スポーティな乗用車より柔らかい。

エアコンは抜群に効く。オートではないので手動で調整だが、今回の長旅も外は摂氏35度を超えていたが、クルージング中は一番下の目盛で充分であった。

華奢な感じが頼りなくて嫌なのだが、ボートを引っ張ったり、オフロードに乗り入れる事は、ほとんどないので、乗用車代わりで運転する分には何の不満もない。インパネの反射がフロントガラスに映らないとか、オーディオの音量つまみの工夫とか、細かい所にトヨタの繊細さ見られる。(アメリカで日本車を所有するのは初めてなので、こんな事は日本車では当たり前になっているのかもしれない)

元々、車に何の期待のない私としては、過保護な感じが鬱陶しいのだが、普通に気にする人々の心をくすぐると思う。華奢という感想はあるものの、乗り心地、操作性ともスムーズな上に静かなので、家内は気に入って乗っている。

雪の降る地方で、四駆(もしくは AWD)が必要で、ある程度のサイズも欲しい人にはお勧めである。但し、デザインは、去年フルモデルチェンジした Explorer の方が断然良い。リースが2年なので、次は狙っている。

がんばる日本、でもちょっと変

2011-07-30 07:05:05 | 雑記
昨日の WSJ に掲載された "Japan Snaps Back With Less Power" の記事で、電力不足でもがんばる日本を称えるていた。

経済も震災前に戻りつつあり、電力不足で予想された様々な悪影響も現われてい様だ。

がんばる日本、日本人の真骨頂であろう。

このような状況で、脱原発への動きも勢いが増しそうだ。でも、歴史的、それも明治維新以来のことを考えてみれば、ちょっと早計であろう。

日本は、何かあるたびに、とにかくがんばって何とかしてきたのである。そして、がんばった結果を勘違いして、いつも間違えた結論を出したのではなかった。

エネルギー問題は、人々が生活する上で一番重要なことなのであるから、がんばりを要素に入れて検討する事の愚に最大の注意を払うべきだ。

でも、既に、間違いなく突っ走っている。真面目でがんばる国民と、その上に胡坐をかき国家戦略を考える人の構図が見えている。常に考えていなければいけない人々が思考停止し、毎日必死に生きる人たちが知恵の限りを出しつくし枯れていくのだ。

人間そんなにがんばってばかりいられないのだ。

明日から Vacation、3年連続 Outer Banks へ

2011-07-29 11:10:33 | 雑記
こんな時ではあるが、子どもが楽しみにしているし、既に料金は払い込んであるので、Vacation に行ってきます。

去年は夜中じゅう走ってヘトヘトになったので、今回は途中で一泊します。明朝早く出て、全行程の3分の2位(約600マイル)の所にホテルを取りました。(これもポイントでタダ)去年は、ちょっと南に行き過ぎて不便だったので、2年前に滞在した Avon というお店などがある比較的便利な町(?)で予約しました。ここです。

昨年の反省で、仕事はしないつもりだったのですが、本当にしなくて良い状況というのは困ったものです。但し、電話インタビューが入りそうなので、携帯は手放せません。(既に電話インタビューが2本、今日は面接、来週も電話インタビューが2本予定されており、何とかなる雰囲気があり、重苦しくはない)

コンピューターは持って行きますが(メールもこの状況だとチェックせざるをえない)、ブログは一応お休みの予定です。但し、Toyota Highlander で初めての遠出なので、これまでのチョイ乗りと合わせて感想くらいは書こうかとも思っています。

持参する本は、Going-Ou-of Business Sale の Boarders で買ってしまった "The Big Short" と Kindle に入っている "DEMONIC" と Dick Francis の遺作(というより、事実上息子との共作)"Crossfire"。久しぶりに小説を読みたくなって、アメリカに来る直前に嵌まって(日本語訳で)読みまくった Dick Francis の事を思い出した。アメリカに来た直後にペーパーバックを1、2冊買ったのだが、その当時の英語力では歯が立たず、それっきりになってしまっていた。(多分、地下室で眠っていると思われる)

本以外では、リバタリアンのラジオホストであり映像プロデューサーである Mike Church が制作したアメリカ建国に関する DVD "Road to Independence-The Movie" "The Spirit of 76 - Final Edition DVD" と CD "The Fame of Our Fathers"。娘達を洗脳する気はないが、正しい建国の歴史を一緒に勉強しようと思っている。そうだ、娘にトランプも教えなくては。

アメリカ独立宣言の小冊子(憲法も入っている)も持って行って、暫くご無沙汰している四国独立についても考えてみようと思う。

カレーを作る重大な任務もあったりして、何だか盛り沢山だなー。全部(電話インタビューは外せないが)諦めちゃうかも。(でも、貧乏性が顔を出しそう。我ながら中途半端で優柔不断だと思わず溜め息)


過去のエントリー

"Vacation 今日でおしまい" (8-7-11)
"Summer Vacation: Outer Banks, NC in 2010" (7-31-10)
"Summer Vacation: Outer Banks, NC" (2-16-10)

Selena Gomez - Love You Like A Love Song

2011-07-28 06:42:15 | 音楽関連
セレーナ・ゴンザレス(ゴメスです)と親父ギャグ的に呼び、娘達に嫌われているお父さんであるが、車の中で聞かされる彼女の CD は悪くない。アメリカでも売れるアイドルには金が掛かっているのだろう。何と言ってもこちらのアイドルはちゃんと歌えたりするから凄い。

衛星ラジオが未だ聞けるので、娘達と車に乗る時は、Radio Disney ばっかりなのだが、流れている曲は勘に触る様なものが無く、気にならない。むしろいかにもプロが作ったという感じがあり安心して聞ける。(だから、くだらないとも言えるのだが)

この曲、「何とかの様な恋」の考え方は決して新しくないのだが、6歳の娘が意味も分からず歌っているのを聞いていると、こんな二重構造を普通に受け入れて育つ次の世代の、物語を想像したり、観たり、読んだりする感性はどうなって行くのだろうと思ったりする。

ビデオは、なぜか安っぽい作りであるが、カラオケ、日本語が登場し、図らずも側面から「がんばれ日本」になっている様な気もする。(全く関係無いだろうけど)


アメリカはデフォルトしないのでご安心を

2011-07-27 05:30:30 | アメリカ政治
唯一のリスクは、オバマがキチガイである事だけだ。(可能性はある)

アメリカ修正憲法14条第4項に債務の返還義務を厳しく規定してあり、恣意的にデフォルトする事を禁止してある。(解釈については異論があり、クリントン元大統領は、議会の承認無しで、Debt Ceiling の上限の引き上げが出来ると珍解釈を披露している)又、Social Security も別の法律で支払い義務を規定してあり、建前上は別会計なので、国債と直接結びつけて支払いを遅らしたりする事は、出来ない。

数字を見てみよう。アメリカ財政は約40%を借金に依存しているのだが、借金しなくても毎月 $172B(約13兆円)の歳入がある。国債の利払いは毎月 $29B(約2.32兆円)しかなく、何の問題も無い。(政府活動に障害はきたすものの、このままの状態でもデフォルトするにの最低でも2、3ヶ月は掛かるとの試算もある)

市場も冷静で、アメリカ国債は普通に取引されており、値動きも極めて普通である。格下げされて金利が上昇するという話もあるが、そんな事を織り込んでの市場なので、何を今更である。

今週月曜日に、オバマ大統領は Debt Ceiling についてのこの2週間で4度目の声明を行ったが、基本的に「俺に白紙の手形をよこさないと大変な事になるぞ」と言っているのに過ぎない。共和党の提案(今のところ、下院で可決したものが唯一の案)を批判しているが、民主党とホワイトハウスは、具体案さえ無い惨状である。増税で財政をバランスさせる為には、現在の税率を80%引き上げないと出来ないのである。約倍である。アメリカの財政問題は、歳入ではなく、歳出問題なのだ。

Debt Ceiling の上限を引き上げは、重要で緊急を要する事に変わりは無く、何らかの妥協が近々成立するだろう。オバマやホワイトハウスが騒いでいる8月2日の Doomsday は何事も無く過ぎて行く事だろう。


過去のエントリー

"Cut, Cap and Blance" (7-20-11)
"Cry Baby President" (7-15-11)
"Debt Limit Summit!?" (7-7-11)
“I thought he was a kind of a dick yesterday” (7-1-11)
"Debt Ceiling の交渉、取り敢えず決裂" (6-25-11)
"Debt Ceiling" (5-11-11)

リリースのタイミング

2011-07-26 06:26:25 | ゴルフ
こんな時に限って調子が良い。

先週は 44+38=82、昨日のゴルフリーグは 35(パー 35)。直近の 18 ホールだけだと、バーディ1つ、ボギー3つで残りはパー。(あまり意味の無い事を言っているのは重々分かってます)44 にしても、ショットのミスではなく、ショートゲームのちょんぼで、ダブル2つ、トリプル1つの 44 なので、ずっとパーで回っている気分だ。

今年もいつもの様に試行錯誤を続けているのだが(ゴルフはじめてからずっとだが)、先週のラウンドの数日前に、根本的にリリースのタイミングが遅れている事に気が付いた。非常に微妙であるのだが、インパクト直前からクラブが水平に戻る位までをリリースのゾーンと思っていた。これでは決定的に遅いくなってしまい、一番肝心なインパクトの瞬間は、ファイスをスクェアにする為の挌闘をしている最中となる。

ドライバー以外のクラブは、基本的に打ち込むので、上から叩くイメージのリリース感覚が必要なのは自明である。(ドライバーも、ボールのポジションが違うだけで、力の入れ方としては同じだという認識)リリースのイメージとしては、始まりから終わりが45度くらいの幅で、インパクト手前22.5度からインパクト後22.5度の間でリリースするのが、自分には、一番しっくりしている。

レッスンのお陰で、スイングプレーンのイメージが出来つつあり、プレーン上で一番良いタイミングを探っていて、この結論に達した。スイングプレーンに沿ってバックスイングをする事で、苦労していた浅いトップも改善し、距離もキチンと出ている。リリースを独立して考える為には、スイングプレーンの確立が必要という、何だか当たり前過ぎる結論にもなっている。

リリースの終わりが左斜め前22.5度で終わる為に、フォローで変な方向にクラブで引っ張られる事も無く、フィニッシュもキチンととれる様になった。

"Stack and Tilt" では、必然的にコンパクトなフィニッシュになるとしているし、"後藤 修のスクェア打法" でも、フィニッシュしながらフィニッシュするは厳禁となっている。(一方で、テイクバックしながらテイクバックしろ、インパクトしながらインパクトしろと言っているだけに、フィニッシュでの逆は奥深い)この辺の抽象的な表現の技術的な解釈としては、スイングプレーンに於けるリリースの区間をインパクトを中心とした対称ですよ、と言っているのではないかと思う。(決して、振り上げる方向には力を入れないという事)

私の場合、リリースの幅はインパクトを挟んだ45度だが、それぞれの腕力違いで、幅も始まりのタイミングも違うと思うが、下半身を止めたままで上体、腕をリリースする角度は、一般的にはこのくらいで幅であろう。(青木やセルジオは例外)力強いインパクトになる為には、インパクトを中心とした対称の区間でのリリースは絶対であろう。

暫くは、ゴルフリーグ位しかプレー出来ないが残念だが、素振りで極めてみようかと思っている。

思想としての近代経済学:森嶋通夫

2011-07-25 07:01:49 | 書評
経済学をちゃんと理解しておきたいという思いが常にあり、数年前に偶然、再読した小室直樹の「経済学をめぐる巨匠たち」が結構役に立ったのだが、その中で紹介してあった、当時一番ノーベル経済学賞に近い日本人と言われていた、森嶋通夫の「思想としての近代経済学」を読んだ。(森嶋と小室は師弟関係にある)

残念ながら、森嶋通夫は2004年に亡くなっており、日本人のノーベル経済学賞受賞は遠い夢になりそうだ。

「経済学をめぐる巨匠たち」は、基本的に「思想としての近代経済学」の二番煎じである。そして、一番茶の味は格別であった。

本書は、近代経済学を最も重要なのは、「セイの法則」(供給はそれ自身の需要を創造する)を公理とするかどうである、という事を軸に、代表的な経済学者を紹介する形の内容となっている。公理とすれば古典派になり、否定すればケインズ派となる。

森嶋は、「セイの法則が成立する経済」から「セイの法則が成立しない経済」への転換がいかにして起こるのかを、「耐久財のジレンマ」で説明している。消費財にも生産財にも、消耗財と生産財があり、耐久財は数回、数年に渡り、繰り返し使える財と定義する。耐久財は生産した分だけ売れる事が無い上に(セイの法則が成立せず)、所有とレンタル市場が存在し、この市場が同時に均衡しないので、価格の市場調整機能が上手く働かない。セイの法則を公理としないので、彼自身はケインズ派に近いのだが、2つの学派を飲み込んでいるのが凄い。

数式が登場せず、シンプルなモデルで説明してあるので、理解しやすい。又、経済学を、社会学、歴史学と一体として考えており、それぞれの理論背景の考察が鋭く、現代をどのように理解するか切り口が随所に示唆されており、使える経済学(本来の姿)としての輝きがある。

私自身がケインズを全く分かっていない事を思い知らされたインパクトも強かった。ケインズは、イノベーション等で投資ブームが生ずれば、投資の国家管理を中止して経済を自由化させるべきだと考えており、投資が旺盛であればセイの法則が完全復活し、古典的な経済理論が正しいと述べている。政治的な保守派の立場で、ケインズ的な政策に批判的であったが、政治として一時回避的な政策提言と考えれば筋が通っている。(但し、深い経済的な認識が無ければ、上手く機能しない事は日本が証明している)

ケインズは、第一次世界大戦後ヴェルサイユ平和会議にイギリス代表団の一員として出席しており、賠償金問題を通してのヨーロッバの平和問題への提案などの解説を読むと、経済問題としての戦争を正しく認識しており、事後処理についても、平和の為に(経済的にも)バランスをとろうとしており、経済学という狭い領域に留まっていない事も刺激的である。

経済学とは何ぞやという事が俯瞰出来るので、計量モデルでコンピューターをオーバーヒートさせる様な事をしている研究者から、私の様な数学が苦手なアマチュアまで、一度は読んだ方が良いのではないかと思える名著である。

この本を手に取ったのは、全くの偶然であった。日本人補習校図書部が不必要(多分貸し出しが無いという事だと思う)になった本を、無料配布と言う形で処分するブックフェアで入手した。誰かが、補習校に寄贈した本の様だが、それがこうして、私の手にあるのも、何とも不思議なものである。

Kid Rock - All Summer Long

2011-07-24 05:27:54 | 音楽関連


デトロイト出身の Kid Rock にも、カントリーにも興味が無いのだが、この曲だけは大好きだ。今日初めて PV を観たのだが、歌詞に出てくる Northern Michigan の夏の雰囲気が出ている。(でも、あんなに綺麗なオネーチャンは、ミシガンにはあまり生息していない)

ボートを運転している本人が被っているのは、言わずと知れた、ロゴが白いデトロイトタイガースのホーム用の帽子だ。(去年暮れに、田舎の友だちん家を訪ねた時に、お土産としてオレンジのロゴのアウエー用のを持っていたのだが、釣り好きの彼はそれを被ってやっているかなー)

この曲は、サビの部分で一晩中、一夏中歌っていた Lynyrd Skynyrd の "Sweet Home Alabama" へのオマージュになっている。Lynyrd Skynyrd は、70年代に飛行機事故でメンバー何人かが亡くなり、解散している。



"Sweet Home Alabama" は、いろんな人の想像力を刺激せずにはおかない曲の様だ。同名の映画(ラブコメディーだけど)もあるし、"Forrest Gump" を題材にこんなビデオをわざわざ作る人までいる。("Forrest Gump" は、良い映画だとつくづく思う)それとも、Alabama が人の心を刺激するのだろうか。

Alabama は、アメリカの中でも屈指の田舎州である。

Going-Out-of-Business Sales

2011-07-23 07:11:43 | 雑記
Boarders 清算が決定したので、昨日から Going-Out-of-Business Sales(倒産在庫処分セール)が始まった。

家内が2枚で合計 $20 分のギフトカードが持っていた事、娘達が Selena Gomez の最新 CD を欲しがっていたので、上の娘と、のこのこ、近所のお店に行ってみた。駐車場に入る時から車が多く、入り口の上には準備良く "Going-Out-of-Business Sales" の横断幕、店内は人でごった返していた。

しかし、お目当ての CD は無く、手持ち無沙汰で帰って来た。

このセール、いつ終わるかわからなので、夕食後、一家総出で、ギフトカードを使い切る決意で再度、突入。結局、お目当ての本もなく、仕方なく、子どもが、それなりに欲しがる本と自分の本を1冊買って帰って来た。結局、足が出てしまった。

セールと言っても10-40%引きで、ちっとも安くない。(Willy さんが、"Borders 清算へ" エントリーでコメントされていた通り)店内の検索用コンピューターはダウンしているし、店員も整理などしないので、CD などは段々と配列も滅茶苦茶になりつつあり、お目当てを探す事すら困難になりつつある。

私の買った本は、"THE BIG SHORT" のペーパーバック、昔から気にはなっていたし、入り口で平置きになっていたので、思わず手に取ってしまった。Borders での価格が、30%引きで $11.16 (定価は、$15.95)。帰宅して調べてみると、Amazon で $8.68、Kindle 版は $7.17(!) なので、思いっきり損をしている。

バーゲンを期待してフラフラ行ってしまった軽薄な自分を棚に上げ、裏切られた思いだけが残った不完全燃焼で、Boarders との関係は終焉を迎えた。

"Going-Out-of-Business Sales" は、安売りではなく、Borders への郷愁を確認するための、ご近所のイベントであった。(値段は結局の所余り関係無いのであろう)

で、こんな機会が無ければ、気になりながらも購入する事の無かった "THE BIG SHORT" であるが、Michael Lewis のカジュアルなファンなので、内容は何と無く知っていた。リーマンショックの1年程前から、少数の人々が住宅ローンバブルの崩壊を予想しており、更にその少数のうちの極一部の人が予想に基づいて行動(Big Short)をしており、その辺の事情が書いてある。(のだと思う)プロローグで、Meredith Whitney、続いて John Paulson、そして今回初めて知った Meredith Whitney の Oppenheimer 時代の上司で、彼女が尊敬しているとしている Steve Eisman の名前が挙がっているので、期待に違わず、面白そうである。

うーむ、でもこれじゃあ、イソップ物語「すっぱい葡萄」の裏返し的言い訳だなー。

東電 OL 殺人事件:佐野眞一

2011-07-22 05:53:45 | 書評
「東電 OL 殺人事件」は、佐野眞一だけでなく、私も激しく「発情」したのである。(在外日本人としては、当時の日本での雰囲気分からず)その証拠に、この本をわざわざ日本で購入しており、挙げ句の果てに、桐野夏生の『グロテスク』まで買っている。

今回、DNA 鑑定の不備で冤罪の可能性が高く、再審になりそうだと言う事で話題になっているが、時期も時期だけに、東電に勤務していた事に「発情」している可能性が高いと思われる。

ネパール人が有罪か無罪かと言う事には、最初から全く興味が無い。この本は、一審での無罪判決時点で書かれたと言う事あり、裁判傍聴の部分を読んでも、有罪を立証する事は難しいと思っていた。状況証拠だけで有罪とした高裁は、司法の自殺行為だ。疑わしきは罰するという、全くの素人判決であろう。90年代はイラン人や外国人が急激に増えており、漠然とした不安感が、司法にも出たのではかと(そう言う意味では、検察も)思ったりもする。

佐野眞一は、ジャーナリストと呼ぶには情緒的すぎて、私の好みでは無いが、思い入れの激しい所が、時々ツボにズッポシ嵌まってしまう事がある。戦後経済成長のしわ寄せを引き受けている翻弄される田舎の心理風景を、日本の悲劇全ての土壌と考えているようで、思わず引き込まれてしまう。(最新の『津波と原発』もそんな感じがする)「御母衣ダムー電力ー東京電力」。「御母衣ダムー水没ー円山ラブホテル街」など、全く事件とは関係無いのだが、思わず引き込まれてしまう。個人的な経験から「ダムー水没」などは、思わずグッときてしまう。

そんな事より、被害者の女性が、東京電力での総合職エリート(挫折していたという話もあった)でありながら、夜鷹(職業的と言う意味でピッタリの表現だと思う)を両立させていた凄みを、誰も理解出来ない所に、「発情」があるのだ。

世代が近いのだが、当時残念ながら、女性で総合職を目指す人に出会った事が無い。(落ちこぼれていた私は、そんな男とも縁遠いのだが)本を読みながら、もの凄く近くにいたはずなのに、自分にとって幻の様な存在で、その上、凄まじい精神力で売春を続けるこの女性に圧倒されっ放しであった。

日本に出稼ぎに来て冤罪で無期懲役で服役中のネパール人より、路上で客引きする女とアパートの一室で事に及んだ後絞め殺した真犯人がいる事より、永遠に解明されないであろう彼女の心の方にばかり心が奪われる。

冤罪、再審の可能性、そして東電と言う事で、不思議な再登場となった事件であるが、彼女の心の闇の強烈さを改めて思う。

Borders 清算へ

2011-07-21 04:01:22 | アメリカ経済
今年2月に Chapter 11 (倒産)となり、再建を目指していたアメリカ最大の書店チャーンの Borders だが、スポンサーが見つからず、清算される事になりそうだ。

40年前に、ミシガン大学のあるアナーバーでの創業、初めて行った時に店の開放感に驚いた事、それなりに利用していたという馴染みもあり、本好き、そして本屋好きの自分としては、非常に残念である。

でも、考えてみるに、こんな私でも、最近 Kindle(キンドル)を購入しているし、本、CD、DVD などは、全て Amazon で買っている。自分の購入行動からも、本屋ビジネスが成り立たないという疑問が常にあったので、やっぱりという感じはある。(そう言えば、最近あまり本を読んでないなー)

なぜなら、Amazon の方が安いのだ。その上、Amazon のクレジットカードを所有しており、ポイントを金額換算すると更に3%安く計算となる。$25 以上購入すると時間が掛かるとはいえ(クリスマスシーズンは2週間、普通は1週間程度)送料も無料になるので、わざわざ本屋で買う気にはならない。

アメリカでは既に、独立系の所謂普通の本屋は殆ど無くなっており、Barnes & Noble が、辛うじて生き残っているくらいである。Nook という独自の e-reader デバイスもあり、店舗を電子書籍の導入場所、又、近所の集会所的に使うビジネスモデルでやっている。(本より、間借りで入っているスターバックスの方が売れているのではないかと思えるときもある。テーブルを囲んで、おばちゃんたちがカードゲームをしているのを見た時はさすがにのけ反った)勿論、ネット販売もしている。

既に2月に200店舗を閉鎖しているのだが、残りの399店舗も全て閉鎖になる。現在の経済状況であり、大型店舗ということもあり、大家(不動産投資会社)も次のテナントを見つけるのに苦労するだろうという記事もあった。

娘たちの担任の先生方に、学年の終わりに、少額ではあるが、Borders のギフトカードをお礼として渡していたのだが(買っているものがあった!)、来年からは、Barnes & Noble にするか。でも、近くにお店が無いので、双方とも不便になりそう。Amazon のギフトカードとかという結末になりそうだ。

Cut, Cap and Blance

2011-07-20 05:43:03 | アメリカ政治
結構,熱心に Debt Ceiling の交渉を追っかけているつもりであるが、8月2日の Doomsday を間近に控えて、何が何だかわからなくなって来ている。(当初は、関連法案の作成に2週間掛かるので、昨日くらいまでに妥協が成立していないと終わっているはずなのだが、そんな心配の声は今のところどこからも挙がっていない)

昨夜、連邦下院で、最終的には憲法改正が必要な "Cut, Cap and Blance" が、可決された。Debt Ceiling の上限を $2.5T(現在は、$14.3T)引き上げるが、以下が条件。(どんなカットを行うにしても、現状では借金を重ねる必要がある。$2.5T は、後1年半(つまりオバマの任期中)を賄える額)

Cut: 来年度予算で$111B の歳出削減
Cap: 10年以内に連邦予算を GDP の 18.5% 以内とする(現状のままだと、向こう5年の予想は 22-25%)
Balance: 国債発行をせず、単年の予算をバランスさせると憲法改正を行う事

憲法改正には、両院とも3分の2の賛成が必要な上に、州の承認も必要である。民主党は、反対しており、上院で審議されるかどうかさえ危ぶまれている。

民主党とオバマ大統領は、こんな切羽詰まっている時に、共和党は非現実的な事をしていると批判をしている。(確かに、民主党の言い分も一理ある)

現実的な動きとしては、上院の超党のグループ6人(Gang of Six)が歳出カットと増税を組み合わせた案を作成中だが、複雑すぎて、8月2日には、間に合いそうにない。

上院の共和党リーダーである Mitch McConnell は、取り敢えず、Doomsday を避ける為に、相当額の歳出カットとセットを条件に、議会の承認無しに大統領に段階的に $2.5T の上限枠を与える案を提案している。(議会の3分の2で、大統領の提案を否認出来る条件付き)

アメリカ政局は、もう何週間もこの話題ばかりであるが、この先も延々と続きそうだ。奇想天外なアイデアも飛び出てきそうである。


過去のエントリー

"Cry Baby President" (7-15-11)
"Debt Limit Summit!?" (7-7-11)
“I thought he was a kind of a dick yesterday” (7-1-11)
"Debt Ceiling の交渉、取り敢えず決裂" (6-25-11)
"Debt Ceiling" (5-11-11)

ホームラン、ソフトクリームが上にのっているかき氷

2011-07-19 07:30:40 | 非常に個人的な昔話
ミシガンも暑い日が続いているので、先週の土曜日、娘2人を連れて、DQ (Daily Queen)にソフトクリームを食べに行って来た。

私の記憶のでは、松山の映画館に DQ があったのだが、知らない間に日本から撤退してしまっていた。(想像としては、どこかの系列の映画館のテナントとして店舗展開をしていたのだと思う)子どもの頃の刷り込みは恐ろしいもので、松山(都会)、映画館(文化的)というコンビネーションで、食べた記憶も無いのに、DQ への憧れだけは根強く残っていた。元々アイスクリーム系が好きだという事もあり、チャンスがある毎にチョコレートディップのソフトクリームのラージを、今でも食べている。(最近は、Banana Split とか、今回は、Hawaiian Blizzard とか、守備範囲拡大中)

DQ のソフトクリームは、コクがあって美味しいのだが、コクのあるソフトクリームで思い出すのは、卯之町にあった「ホームラン」のソフトクリームである。それも、ソフトクリームとしてでは無く、かき氷の上に、たっぷりのっかったソフトクリームかき氷(?)としてである。かき氷に練乳を掛けるのは普通だが、ソフトクリームというのは、絶妙のアイデアであった。全国のソフトクリーム、かき氷を食べ歩いたわけでは無いが、他ではお目に掛かった事が無い。

中学校夏休み、部活帰りに食べるのが最高であった。

当時のホームランは、チャンポンとか簡単な食事を出す、簡易食堂と言う趣の店であった。ネットで調べるとは今でもやっている様だ。このメニューも残っている事を願わずにはいられない。

なでしこジャパン優勝、何だか複雑な心境

2011-07-18 06:04:12 | スポーツ
後半から優勝の瞬間まで、ミシガン会ゴルフ月例会の閉会式と平行して、アメリカのゴルフ場のクラブハウスで、日本人50名余りと一緒に観ていた。なでしこジャパン優勝と言う事で、大いに盛り上がったのであるが、何だか複雑な心境であった。

サッカーは学生時代少しだけやった事があるのだが、最近は全然興味が無く、今回のサッカーの女子ワールドカップも、観たのはこれだけなので、感想を書くのもおこがましいが、実力はアメリカが上だった。(どうやって優勝候補のドイツに勝ったのかも知らない)特に、日本の1点目はラッキー以外の何物でもなかった。(延長でのコーナーキックからの2点目は素晴らしかった)そんな中で日本が勝つのだからスポーツは面白い。応援している方としては、格別だろう。

基本的に、サッカーそして女子なので、何の思い入れもないのだが、いきなり目の前に日本対アメリカを突きつけられると、アメリカを応援している自分がいて、ちょっとビックリ。実力的にアメリカが上という冷静な判断(ちょっと怪しいけど)もあり、悔しさはあまり無いが、アメリカが負けたと言う事の感情(我流での実力分析とは違う結果、そして心理的に応援していたという自分でもちょっとビックリした気持)の方が圧倒的に大きかった。

PK戦は、アメリカの準備不足が露呈していた。非常に大雑把な文化比較として、アメリカと日本の違いが現れている様な気がする。多分10回試合をすれが、アメリカの9勝1敗という実力ながら、ラッキーとか特殊な事情(ここではPK戦)で、勝つ事があるのだ。勝利、それはそれで事実であるが、誤解を招く要因にも繋がって行く。まあ、アメリカ対日本の構図の意味合いが無くなりつつあるので、あまり、気にしなくても良いのかもしれない。

取りも直さず、おめでとう、なでしこジャパン。(と言いつつ、なんで「なでしこ」なのかも知らない)

Angela (Theme From 'Taxi') - Bob James

2011-07-16 10:49:17 | 音楽関連


"Angela" は、Bob James のアルバム "TOUCHDOWN" の一曲目に入っている優しいメロディーの曲である。

このアルバムは、文字通り、LP アルバムとして聞いたのが最初だ。70年代後半のフージョンのハシリだったので、田舎の高校でも、リトナーとかカールトンとかを聞かせてくれたシャレた友だちはいたが、この Bob James は、大学の時に居候させてもらった同級生の家で聞いたのが初めてだった。

大学生の頃は、アメリカンフットボールのルールを知っている人は皆無で、私のほかにはもう一人、真剣にアメフト雑誌『タッチダウン』に就職する事を考えているような奴しかいなかった。(当時の日曜の夜、古舘伊知郎がスポーツ新聞の記者(名前失念)とやっていた『スポーツ USA』というマイナーな番組をこの友人と一緒に見るのが楽しみであった)

そんな私の目の前に、アメフトのボールがでっかく出ているアルバムが登場しては、聞かない訳にいかないだろう。当時は、何と言ってもタイトル曲の "TOUCHDOWN" (アタッチした YouTube 音源はレコードとの事)が一番好きであったが、アルバム自体も気に入っていた。

アメリカで CD を購入して、時々聞いていた。一緒に働いていたアメリカ人と車での出張で、偶然この CD を流していたら、 "Angela" が昔の人気テレビシリーズ "Taxi" のデーマ曲である事を教えてくれた。番組は、ニューヨークのタクシー会社を舞台にしたコメディーだったと思う。後で人気の出るコメディアンや役者が出演していた。有名な所では、"Back to the future" のドックが出ていた。

ケーブルで再放送をしていたが、一話さえもキチンとみた事がない。でも、流れてくるこの曲は、非常に番組にマッチしていた様な気がする。