YS Journal アメリカからの雑感

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GOP strikes back

2016-11-13 18:43:09 | アメリカ政治
トランプ当選が最大の関心事であるが、共和党が連邦上院、下院の過半数を守った事が今後のアメリカの行方を考える上で重要であろう。

オバマ2年目の2010年にから下院は共和党が過半数を占めていたのだが、上院は絶対過半数(60議席)には達しない上に、民主党の大統領だったため、政局的には6年間膠着状態が続いていた。

選挙日までヒラリー優勢と思われていたので、議会、特に上院も民主党が過半数を取り戻す可能性が議論されていた。しかし、蓋を開けてみると、共和党がホワイトハウス、両院を取り戻し、歴史的にも稀な状況となった。

2010年以降、オバマは大統領命令を駆使して様々な政策を実施してきたが、法令ではないのでトランプが簡単にオバマが出した大統領命令を無効に出来る。又、それを公約の一つに掲げていたので、就任早々ひっくり返るだろう。

オバマ就任時から民主党が両議会の過半数(上院は、テッドケネディの逝去で共和党が補選で勝つまでは絶対過半数)を失うまでに議会を通した主な法令は、超大型の景気刺激策、オバマケアー、ドッドフランク金融再生法である。又、真面な予算案も2010年以降成立してなくて、最後の予算の延長でつないできている。

上院は共和党の単純過半数なのでそれなりの難しさもあると思われるが、何もできなかった共和党が本格的にオバマが署名した法律の改訂、廃止を含め、税法改革、社会保障改革等、長期間に渡りアメリカ社会、経済を安定させ得る重要な法案が提出されるであろう。

トランプ個人にばかり関心が集まっているが、アメリカ政局を俯瞰すれば、狂っている民主党ではなく、比較的まともな共和党の反撃のチャンスが到来したのだ。