YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Danger Zone

2011-02-28 08:18:52 | 音楽関連
この歌自体が特に好きという訳ではないのだが、映画 "Top Gun" それも冒頭の部分を喚起させるので、好きなのだ。(歌が悪い訳でもないのだが)特に好きなのは、空母の甲板で働く人の手信号や、思わず飛び出すアクションである。(貼付けた YouTube の、27秒の両手アクションと33秒の左足キック、44秒のしゃがみ込むポーズ)当時、アメリカ海軍が撮影に全面協力しているので、この部分は絶対に本物のであろう。それにしても、なんでアメリカ人の仕種って、なんであんなにかっこ良いのだろう。私も、日々努力しているが、一向にバタ臭くならない

ストーリー的には平凡で、ありがちな話だが、その後有名になる俳優が出てり、サントラや挿入歌が良かったり、いろんな意味で質の高い映画だ。

ヴァル・キルマー、メグ・ライアン、ティム・ロビンス等も出演しているのだが、私の好きな女優さんは、Kelly McGillis。観た順番は前後するのだが、”Witness” のアーミッシュの未亡人役が抜群だと思う。この映画ももちろん良くて、今でも、アーミッシュの話題になると、必ずこの映画を推薦している。彼女は、私生活でレイプされた事があり、"The Accused" で、レイプされたジョディ・フォスターの弁護士役をやっているのだが、宿命だと思って演じたと聞いて、ビックリした事がある。(2回も結婚(離婚も)しいて子供も2人いるのに、最近レズビアンである事をカミングアウトしたらしい)

中国軍にも "Top Gun" のファンがいるらしく、ちょっと前に中国空軍の公式映像が、この映画の一部を無断拝借したものだった報道されていた。中国海軍が空母を持った時、甲板で働く人々の手信号とか、思わず飛び出す(なさそうだけど)アクションとかを、ぜひ見たいものである。


当て逃げ論争からの卒業

2011-02-27 00:48:16 | 新聞、雑誌から
WSJ の週末版に掲載される Peggy Noonan のコラムは毎週楽しみにしておる。保守系と目されているが、バランスが取れていると思う。

さて、今朝は、"The Internet Helps Us Get Serious"というタイトルで、なぜ未だに連邦議員でさえ、財政危機という認識が出来ない人がいる事を解説した上で、もう何十年に渡りキャッチーな発言を取り上げる事の多かったマスコミを批判し、インターネットの普及で、これまで取り上げられる事が少なかったシリアスで内容のあるニュース解説やスピーチ等に、真剣に考える人々が容易にアクセス出来る様になり、キャッチフレーズ等のメッセージの手法ではなく、コンテンツで勝負する時代が来ているとしている。

彼女の体験談として、連邦議員でさえ、財政への危機感が無いというのは驚きであるが、大統領の予算教書や、民主党がやっている事を見ると、さもありなんである。「オオカミ少年」(危機が来る来ると言われているのに、未だに来ない)、「青い鳥」(明日は景気が良くなって税収アップで大丈夫)、「人としての本来の怠慢」(危機が無いと思えば、何もしなくて良し)、そして「楽観主義」で括っている。

ここ20-30年、テレビやラジオではショッキングなコメントや当意即妙な解説だけがもてはやされ、真面目な政治討議は、死に絶えてきている。しかし、編集されたものでは無く、内容全体をインターネットでじっくりと読めたり、観たり、聞けたり出来る様になってきている。政治分野でインターネットの活用と言うと、ファイスブックやツイッターを思い浮かべる人も多いと思うが、細切れでは無く、内容そのものを得れる様になってきている。政治家の考え方、議論の為の情報等、じっくり考える為の材料が提供されているとしている。

この例の1つとして、昨年の中間選挙で、ウインスコンシン州の民主党現職の連邦上院議員を破って当選した Ron Johnson をあげている。彼は成功した実業家であり、立候補する事については考えていたようであるが、2月のリンカーンメモリアルの夕食会(多分、ローカルなイベントだと思われる)で行った、自分の体験に基づくアメリカの現状への危機を訴えるスピーチが、ローカルラジオの政治トークショーで紹介(スピーチ内容全部をホストが朗読した)され、その反応が大きかった為に、立候補を決意して、結果的に当選した。

ラジオ放送は、4月30日。僅か6ヶ月で、期連続当選の現職議員を破っている。

ラジオの紹介記事(音源はこちら

このラジオでの放送を使った中間選挙用のビデオ



ローカルの政治トークショーが発信源である事が素晴らしい。(日本でもラジオ政治トークショーが出来ないものだろうか)

バラマキ予算、薄っぺらな人権問題、いい加減な環境問題の話ではなく、特に財政危機について、普通に暮らしている人々は、自分の子供や孫の世代の事を真剣に考えているのである。シリアスな内容の議論に聞く耳を持っているのである。アメリカでは、昨年の中間選挙の結果、共和党の大勝利が、それを証明している。

日本でも同じ様な事が起きてもよいと思うは、私の高望みなのであろうか?

自分でブログを書く様になって、他のブログをよく読む様になったのだが、野次馬的にわあわあ言っているだけである。(こちらあちらで、いい加減な事を書いてあるのに噛み付く自分も恥ずかしい)勿論、自分自身も同類な訳なで、お恥ずかしい次第であるが、折角、政治の事も書くのであるから、もう少し建設的になろうと思う。少しづつそのような構想を練っていたのだが、このコラムで後押しされた気がする。

誇大妄想の気があるだけに、Unrealistic ではあるのだが、これこそが今年、そして人生の目標である事を再認識した次第である。

500円玉一枚の香典

2011-02-26 11:52:19 | 非常に個人的な昔話
実家を飛び出した形になっていたのだが、父親の葬式(もう18年前)では、長男という事で喪主を務めさせていただいた。親戚や近所の人が、全ての手筈を整えて貰っており、自分でやる事は殆ど無いのだが、叔父さんに香典のまとめは喪主の仕事だと言われ、頂いた香典の会計を行った。(年の離れた従兄弟は、香典は預かりものだと言っていたのが印象に残っている。自分の手でお返し出来そうないのが、心苦しく)

その中に、名古屋から郵送されたものがあり、500円玉が一枚入っていた。名前に見覚えが無く、母親に尋ねた所、昔、近所に住んでいて、野村ダム建設で立ち退きさせられた中の一人で、こどもの所に身を寄せている人だと聞いた。お札ではない香典にちょっとビックリしたのだが、父の死を悼む気持がうれしかった。

父親とはキチンと話をした記憶が無い。反りが合わないと勝手思い込んでいた。戦後の混乱で地元の農業学校を中退だったし、本を読んでいる姿をみた事も無い。田舎者だと馬鹿にさえしていた。

死んだからと言って急に尊敬するとかという殊勝な気持はないのだが、百姓の長男として生まれた事をキチンと受け入れて、淡々と生きた父の人生を思うと、いつもわがままし放題であった自分の幸運が奇跡の様に思えてくる。又、それを許してくれた父を思うと何とも言えない複雑な心境となる。軍国主義の最中に育ちながら年が足りなく軍人になれず、農地改革で生まれた土地を離れ、野村ダムの建設で再び慣れた土地を離れなくてはならなかった事を思うと、本当に昭和という時代に翻弄された感じがある。

喧嘩どころか、怒られた記憶すら無いのに、とにかく怖かった。死ぬまで怖かった。どこへ行っても、誰に対しても、結構物怖じしない方なのだが、父の前に出ると、兎に角、怖がっている感じがありありと出てしまう私が、家内は可笑しくて仕方なかったらしい。

今でも、田舎に帰ると親戚や近所の人が優しくしてくれるのは、親父の遺産だと思っている。本当に感謝している。私が小さい頃に一緒に写っている写真には、男前で、素敵な笑顔の親父がいるのだが、そんな笑顔が記憶に無い。私は、つくづく親不孝ものである。

Lawlessness

2011-02-25 10:31:33 | アメリカ政治
昨日、ホワイトハウスと司法長官が、現在連邦控訴審で審議中の、同性愛者間の結婚を認めないという連邦法の違憲性を問う裁判で、「同性愛者間の結婚を認めない」という法が違憲であると言う見解を示し、合憲であると言うこれまでの政府の立場を弁護しないという、全く理解不可能なコメントを発表した。(DOJ の Statement は、こちら

The Defense of Marriage Act (DOMA)(結婚法?)は、1996年のクリントン大統領の時に成立し、連邦政府として、結婚は男と女の間と定義している。現在、いくつかの州で同性愛者間の結婚が認められているが、連邦法の及ぶ範囲で同性パートナーは配偶者と認められないので、相続や未亡配偶者への年金等の優遇が受けれない。

連邦政府として、この法律が違憲であると言う見解なので、この法を弁護しないと言っているのである。行政府がこのような無法な事を言う事が出来るのだろうか?議会で立法され、成立した法律に基づいて裁判が行われているのに、その方を施行する行政府が勝手な判断で、法律を骨抜きにすると宣言したのである。

アメリカ軍のゲイポリシーであった ”Don't ask, don't tell” については、昨年暮れに廃案が決定した。(オバマ大統領の唯一の成果といっても良い)この流れに沿っての政府見解だと思われるが、ゲイ差別をしない事とゲイ同士の結婚を認める事は、次元が違うと思う。

大統領選挙中に、オバマ自身は、結婚は男女間でするもと発言をしていた。(今考えると、これは一般受けのための方便(ハッキリ言って嘘)だったかもしれない)今回の発表は、自分の支持基盤を固める意図があるのではないかとの憶測がある。

議会で成立した法律を実行する機関が連邦政府なので、そこが自分の判断で法律の善し悪しを問う事は出来ない。もし、こんな事が許されるのなら、議会も裁判所も必要無い。素人が考えても思いっきり反感を買う発表をわざわざする必要があったのかが、理解不能である。これまでのオバマのやり口だと、こっそりやっていたはずだ。

もう1つ解せないのは、何でこのタイミングでという事である。リビア、ウインスコンシン州の事、インフレ懸念、もっと重要で優先順位の高い案件が山ほどある。

何らかの策略に沿って、淡々とやっている感じがしないでも無いが、単に、策士、策に溺れるという感じもする。(どんな策があるのか思いも付かず)

三権分立への侮辱に対する激しい怒りと、余りにもお粗末な内容及びタイミングの悪さへの哀れみを同時に喚起させる、何とも不思議なコメントの発表であった。

Moon - Rebecca

2011-02-24 08:57:03 | 音楽関連
ノッコを知ったのは、日曜日の午前中という変な時間帯のテレビ東京で、大貫憲章がやっていた音楽番組でのアシスタントとしてだった。大貫憲章に、埼玉の電器屋の娘という事をからかわれていたのを妙に覚えている。

番組終了だか、ノッコの番組からの卒業だかの記念に、『ラヴ・イズ・Cash 』のプロモーションビデオが流された。マドンナとシンディ・ローパーを足したが割らずにちょっと引いた様な、不思議な雰囲気に魅入られてしまった。その後フレンズで売れる訳だが、やっぱり、レベッカと言えば、"Moon" しかないと思う。

華やかなのに、なぜか切ない、ノッコの魅力が全て埋まっていると思う。(やっぱり踊れる女性ボーカルって、カッコ良いなー)


羽柴秀吉当確

2011-02-23 09:43:48 | 新聞、雑誌から
先日、虚構新聞を紹介したのだが、事実は小説より奇なり(本当のニュースは、虚構ニュースより奇なりか?)で、4月に行われる北海道夕張市の市長選で、『羽柴秀吉当確』だそうだ。

政策的には、天然ガス開発や砂金採掘、そして究極の政策は「石炭の露天掘り」、市が抱える300億円以上の借金も「早ければ4年、遅くても7年で財政破綻から脱出してみせる」と自信満々との事。

結果はどうなるか分からないが、借金が倍になる可能性があっても、やってみる価値はあると思う。もし、真面目にこの政策を批判するのであれば、返す刀で真面目に今話題になっている日本の予算も批判してもらいたいものである。

でも、この人、何だかインチキ臭い。経営する旅館が古くなると火事になるという噂も有るらしい。夕張も石炭の上にあるので、いざとなったら丸焼け、保険金で復活と言うシナリオもありそうだ。

日本のパンダ騒動

2011-02-22 00:10:53 | 雑記
去年暮れ愛媛に帰省して、友人宅で夕食をご馳走になった時にパンダの話題となった。2年前に行ったアトランタ動物園のパンダの話を自慢げにした所、友人家族全員から、日本にパンダが「うじゃうじゃ」いるとの反撃をくらって、たじたじになってしまった。

年末年始の忙しさでそのままになっていたのだが、上野動物園へパンダが来る大騒ぎで、パンダ「うじゃうじゃ」話を思い出した。

何と、和歌山アドベンチャーワールドに「うじゃうじゃ」8頭もいるではないか!(中国を除き世界一の大家族世帯だそうだ)アトランタ動物園は3頭なので完敗だ。(こちらに詳しい)

今回の件では、石原知事の今更パンダでもなかろう発言に賛成。貸し出し金額が年間8000万円で10年契約らしい。「パンダがみたければ和歌山へ行け」と叫んで欲しかったなー。

関西の人々にとっては、今回の大騒ぎは完全に???らしい。

パンダが中国最大の輸出品(中国の外交もパンダ外交)と言われていたのは昔の事で、アトランタ動物園でお土産に買ったパンダのぬいぐるみは、なんと、Made in Indonesia。中国産業界の変遷、人件費の上昇を伺わせて興味深いのだが、やっぱり納得のいかないタグの文字であった。

月刊誌「文芸春秋」3月号

2011-02-21 02:19:39 | 新聞、雑誌から
芥川賞を受賞した朝吹真理子の小説『きことわ』と西村賢太の『苦役列車』が転載された事で、5万部の増刷となり、80万部に達したらしい。芥川賞には元々余り興味が無く、1998年の受賞作、花村萬月の『ゲルマニウムの夜』をわざわざ購入して、益々、芥川賞に縁遠くなった。(今回も読んでいない)

まだ読み切っていないのだが、興味を引く記事は2つで、海部俊樹の「政治家 小沢一郎に生前葬を」と新連載「時代を創った女」。

先ずは、海部俊樹の「政治家 小沢一郎に生前葬を」。海部や前任の宇野あたりから日本の総理大臣の劣化が著しくなった事を改めて思う。海部も、金まみれの自分の経験をちょっとだけ正直に語ったりして、小沢に退陣を勧めているが、もし、呼び掛けるとしたら、「政治家を引退し、田中角栄時代から知っている事を全部喋って、金権政治の生き証人、語り部となれ」が、正しいアドバイスだろう。

小沢の年を考えると、今更首相になって何かやるより、知っている事を洗いざらい全部喋った方が、よっぽど日本の将来のためになるのは間違いない。黙って死なれては困るのである。

最近「文芸春秋」は、時代遅れと言われているらしい。いまどき、昭和天皇、戦後、田中角栄、小沢じゃないだろうという批判は的確である。新連載「時代を創った女」で、やっと昭和後半、平成に突入という事だろうか。それでも尚、政治ではなく芸能、懐古的趣味的という所が、日本を映し出す鏡である代表的な月刊誌として面目躍如であろう。

そんな事は基本的にどうでも良い。個人的に昭和史が好きなので、文芸春秋の立ち位置は心地良いし、ユーミンという題材は、興味津々である。ユーミンの時代性と普遍性については、ここで自分なりの考察しているのだが、ライターである柳澤 健も、同世代だけによく分かっているとお見受けした。(この人の本一冊も読んだ事ないが、ちょっと気になる)

作曲家としてのユーミンのターニングポイントは、やはり「赤いスイトピー」を松田聖子に呉田軽穂として提供した事であろう。寅年早生まれの松田聖子は、丑年の私と同級であり、「裸足の季節」でのデビュー前に、深夜放送「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」でパンチガールの1人としてやっていた事から気になっていたので、アイドルからの脱皮となったこの曲にはビックリして、ファンになった。

『名曲「赤いスイトピー」は、松田聖子の客層をガラリと変えてしまった。ハイトーン・ヴォイスの快感を求める若い男性ファンは去った。代わりにやってきたのは、かつて松田聖子を「(可愛い)ぶりっ子」と嫌っていた女性ファンだ。』とあるのだが、私も代わりにやってきた男性ファンの1人であった。但し、武道館の「ロックンルージュ」コンサートを観に行ったものとしては、ハイトーン・ヴォイスの快感を求める若い男性ファン(というかチバラギ暴走族風のお兄さん達)は3階席に一杯いた。(後に知るのだが、作詞が松本隆で、彼がユーミンを指名している所が、凄い。やはり、日本のポップスは、「はっぴいえんど」抜きでは語れない様だ)

で、ユーミンに戻ると、立川基地でたっぷりとアメリカンポップの洗礼を受け、クラシック、教会音楽のベースがあるのが凄い。呉服屋のお嬢でもあり、「ひこうき雲」から既に貧乏くささが全くなかった。(四畳半フォークの名付け親は、ユーミンというのにも作詞家としての才能を感じる)元々、作曲家指向で、歌が下手だと分かっていたのも素晴らしい。自分のコンサートを学芸会の様にしたいと考えて、際限なくなっていた様だ。

私の一番好きな曲は「Destiny」なのだが、コンサートで最も人気の高い曲だとの事。松本隆が、「ヤバい」と感じる「平安時代から百年後にも存在する普遍的」な間の悪さを掬い上げている事を絶賛している。

今後、「時代を創った女」で誰が取り上げられるのだろうか?私にとって、ユーミン以外では、松田聖子くらいしか思い浮かばないのであるが、楽しみなシリーズである。(隔月掲載との事)

Make or Break Time for Obama

2011-02-20 02:05:11 | アメリカ政治
今年に入って、2年に渡るオバマ政権のインチキ、欺瞞、そしてオバマ自身の本性が露呈する出来事が、次々に起こっている。オバマはこれらを2012年の再選に利用しようと画策しているようであるが、問題自体が本質的なだけに、政治的に利用しようする意図が丸見えで、逆噴射のする可能性が高く、共和党の候補者が決定する前に、オバマの落選だけが決定しそうな予感がする。

先ず、2012会計年度(11年10月~12年9月)の予算教書だが、こことか、こっちで書いてのだが、1つだけ付け加えておく。オバマは、自分が就任する前までの負債の利子支払いを、歳出と考えていない様だ。本気で信じているなら財務音痴と呼ぶのも憚られるくらい救い様が無いし、知ってて言っているのなら人を馬鹿にするのにもほどがある。

ObamaCare については、違憲判決を完全に無視して、導入を急いでいる。重要なので控訴審を飛ばして、直ぐに最高裁裁判所での審理リクエストも無視して、時間稼ぎをしている。これもアメリカ市民に取って非常に需要な事を、政治ゲーム化している。

で、オバマの本性という意味で、興味深い騒動が、ウィスコンシン州で起きている。

昨年の中間選挙で同時に行われた州知事、州議会選挙で共和党が勝利して、公約に掲げていた財政再生に取り組み始めている。手始めに、年金、健康保険を含む公務員の待遇に関する改革法案を審議しているのであるが、公務員、特に教員組合が反対して、ストライキ(公式には、病欠で休んでのデモ)を行っている。法案内容は、本人の年金の掛け金と健康保険代の負担を少しだけ増やすと言う、非常にリーズナブルな内容なのだが、ビタ一文も自己負担を増やす気がない公務員が、職務放棄をしてデモを行っている。民主党の州上院議員に至っては、採決放棄するだけではなく、お隣のイリノイ州に逃げ、こちらも職務放棄をしている。(WI 2011 SB-13)

基本的に、地方自治体の問題なので、連邦政府が口出す類いの話ではないのであるが、社会運動家オバマとしては、ストライキ、デモは、ご専門でもあるので、法案内容を理解せずに、組合を支持するコメント出している。早速、ウィスコンシン州知事に、地方は地方に任せて、連邦政府の財政再建に集中したらどうかと、釘を刺されていた。

アリゾナ銃撃被害者のメモリアルサービスでは、過激で対立を煽る表現を戒めるスピーチをしたオバマだが、今回、ウィスコンシン州の教員が、州知事をヒットラーやムバラクに例えたり、州議会に乱入した事には一言も触れず、盲目的に擁護に回っている。

口を出すだけなら良いのであるが、民主党の全国組織である DNC と、驚くなかれ、オバマの個人的政治団体 Organaizing for America は、組織ぐるみで、このデモを煽っている。オバマ本人も、大統領の仕事などほっぽりだして、ウィスコンシン州の州都マジソンで、デモをする人にアジ演説をしたいと思っているに違いない。(Organaizing for America は、当初煽っていたが、察したのか昨日位からトーンダウンしているのも、あざとい)

ウィスコンシン州は、リベラル色が強く、この数十年民主党支配が続いていた。2008年の大統領選でもオバマが勝利している。しかし、$3.6B(約3000億円)の財政赤字があり、昨年の選挙で財政再建を公約した共和党が勝利している。この傾向は、ウィスコンシン州だけで無く、リベラル色の強かった州(ミシガン州もその1つ)で見られ、民主党、オバマとしては、ここで押し切られれば、一気に再選どころか民主党が崩壊する危機感があるのだろう。各州での共和党の財政再建への真剣な取り組みが、直ぐに連邦議会、政府へ押し寄せてくるのだ。

一刻の猶予も許されぬ財政再建を真剣にやろうとしている地方自治体に、自分の選挙と党の事ばっかりを考えてチャチャを入れるオバマと民主党。この欺瞞は暴かれて行く事であろう。自分の播いた種とは言い、次々と押し寄せる危機に、オバマは対処し切れなくなる可能性がある。近い将来、化けの皮が剥がれ、見難い本性が晒される気がする。オバマの総決算の時期に来たとの認識はあったのだが、エジプトとかウィスコンシン州とか、全く関係の無い様な所から、不思議の糸に手繰られる様に、オバマは正念場に立っている。


余談ではあるが、地方自治体が大きな権限を持つアメリカの出来事なのだが、市民としてまだ実感を持てる地方自治体の運営で、真剣な財政再建の取り組みが矢継ぎ早やに行われ、大きなうねりになっている事は、日本の将来を考える上で参考になるであろう。

ついに言ってしまった

2011-02-18 12:51:12 | アメリカ政治
今週火曜日に、オバマ大統領が2012会計年度(11年10月~12年9月)の予算教書を発表を ”Obama ducks and punts” で紹介した。

今日、早速、ガイトナー財務長官が上院議会で、この予算教書通りだと "Unsustainable"(財政を維持して行く事が出来ない)だと、ハッキリと正直に回答してしまった。(アメリカの国債発行額は、それでも GDP の 100% である。因に日本は、200%)

これって、ハッキリ言って、大統領以下、総辞職しなければならない内容である。どうなる事やら。(もし、アメリカのマスコミが話題にしなければ、アメリカのマスコミ報道のレベルの低さが露呈する)

国が破産すると財務長官がハッキリ認識している予算教書を、議会に提出する大バカものがアメリカ大統領である事実は、悲劇を通り越している。

Geithner Admits: Obligations in President's Budget "Unsustainable"



追加:ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)米大統領報道官辞任に伴い、今週から、Jay Carney になったのだが、2月17日の第2回目のプレスブリーフィングで、予算教書を "quite an extraordinary document" と形容していた。多分、"extraordinary" と "document" の間にある、
"Stupid" を言い忘れたのだろうが、ルーキーミステイクという事で、大目に見てあげよう。

フロリダ州知事、高速鉄道の建設拒否

2011-02-18 06:26:16 | アメリカ経済
JR東海を筆頭とする日本企業体は、本心でアメリカの高速鉄道建設に期待していのたであろうか?(ヨーロッパ等の競合相手も、どのくらい真剣かも知りたいものだ)(フロリダ州の高速鉄道計画中止 新幹線輸出に打撃の記事

鉄道ド素人の私でも、いくら連邦政府の補助金(2009年の景気刺激策)がついていても、昨年からの政治状況と採算を考えれば、アメリカで高速鉄道が建設される可能性は、非常に低い事は分かっていた。(以前のエントリー

フロリダの場合、事業費は33億ドル(約2700億円)。うち連邦政府から約20億ドル(約1600億円)の補助金が出る予定であったらしいが、年間の運用費だけで300億ドル(約250億円)も掛かるし、採算の見通しが立たなかったようだ。連邦政府からの補助金も条件付きで、建設、運営の中止をした場合、返還義務が発生する事も見逃せない。フロリダ州知事としては、いくら連邦政府から補助金を貰っても、採算見通しは暗いし、州の負担分でもっと有効な事が出来るとの判断のようだ。

日本的に考えて、連邦政府から補助金が出ることが決定しているので、建設されることについては全く疑っていなかったとも可能性が高い。前原外相も売り込みに行っているらしいので、大きな期待をしていたのだろうが、明らかにマーケティングのミスであろう。

これって、外務省の恥と言う事にはならないのであろうか?外務大臣による営業をトップセールスと言えるか微妙だが、一般企業だったら今頃トップを担ぎ出した営業は冷や飯を食う羽目になっているだろう。

元外交官が怪しい外交の専門家として活躍する日本であるが、現役も怪しいもんだ。前原外相だって、もっと他にやる事もあるだろうに。(これより大事な事は、アメリカの誰ともどことも話さえ出来ない可能性もあるが、それはそれで、もっと問題である)

Obama ducks and punts (オバマ大統領の記者会見映像を追加)

2011-02-17 04:48:20 | アメリカ政治
昨日、オバマ政権は2012会計年度(11年10月~12年9月)の予算教書を発表した。歳出が $3.729T (約310兆円)、歳入が$2.627T (約218兆円)、よって赤字が $1.102T (約92兆円)。歳出は、GDP の 23.6% になると予想されている。

単純に言うと、オバマはタフな選択を避け(duck)、問題を先送りどころか、遠い未来に蹴飛ばした。(punt: 先送りの表現 kick the can down the road に引っ掛けて、もっと遠くに蹴飛ばす意味で使っている)

オバマ大統領は、先月の一般教書演説でも財政の建て直しをすると言っているだけに、悪い冗談のような予算教書となっている。

本格審議は、4月には共和党案が出てからなのだが、オバマは何を考えているのか、本当に疑いたくなる内容である。(詳細は、審議でフォロー予定)

しかし、予算関係で2012会計年度の前に重要な事とが二つある。一つは、2011年会計年度の予算が確定しておらず、現在、暫定予算の延長で凌いでいる事と、国債の発行上限に再び迫りつつある事である。

まず、現在の暫定予算は3月4日で期限切れ、又、3月末に国債の発行上限に達すると予想されており、両方とも可決しなければ、連邦政府がシャットダウンすることになる。

このような中途半端で不安定な状態になった最大の要因は、昨年11月の中間選挙での不利を予想した民主党が、より不利になることを恐れて予算関係の審議を放棄した事にある。ObamaCare 成立後、オバマ政権及び民主党の弛み切った財政運営への風当たりが強く、ブッシュ減税延長を含む全ての予算審議を放棄したのである。

さて、共和党はこの冗談のような2012会計年度予算教書を受けて、態度を硬化させている。以前から、2011会計年度でも歳出削減が出来る事を強調しており、本格的な財政再建の道を探っている。

オバマ政権と民主党は、1995年のクリントン政権と共和党議会の対立で連邦政府がシャットダウンした時は、結果的にクリントン政権に有利に働き、クリントン大統領の再選と民主党の議席拡大となった。オバマ大統領も、連邦政府のシャットダウンの責任を共和党に押し付けて、政治的に利用しようと考えているようだ。(これもマネッ子)予算教書提出に伴い、オバマ大統領は昨日緊急の記者会見を行ったが、連邦政府のシャットダウンの可能性にも触れ、しきりに共和党を牽制していた。

2012会計年度どころか、向こう10年一回も単年の予算がバランスすらしないのに、オバマは、この予算教書は今後負債を増やさないと言う発言をし、記者に突っ込まれていた。(追加オバマ大統領の記者会見映像、17分25秒からの質問と回答の所)それでも、言い訳をしていたのには笑ってしまった。(冗談抜きで、オバマは、自分が嘘つきである事も分からない、人格障害を患っていると思う)

しかし、今回は世間の関心度合いが1995年とは違っており、もし、連邦政府がシャットダウンしたら、オバマ政権に不利に働くとの予想が多い。オバマも民主党も完全に世論を読み間違えている。

一方、共和党は、シャットダウンを人質にしているわけではなく、危機的な財政状態を真剣に何とかしようとしている。オバマ大統領も口先では同じ事を言っているのだが、この予算教書を見る限り、この期に及んでも予算までも、政治的に利用しようとしている。(予算カットは当然福祉の削減を伴うので、共和党案を非難するだろう。既に、民主党の幹部は、その旨の発言を始めている)

オバマは、間違いなく、間違っているので、絶対にリーダーではない。これまでの大統領で、国の危機を政治的に利用しようと考えた上で、取り組んだ大統領は1人もいないだろう。と言うより、取り組む気が最初から無いのであろう。


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リーダーは正しくなくてはならない

2011-02-16 00:17:25 | 雑記
MBA の授業のなかで、本質的に一番苦労したのは、組織論におけるリーダーシップであろう。リーダーをビジネス社会の中で狭義に捉える事に違和感があり、非常に矮小された特殊な形で理解される事を強いられるのを、本能的(?)な拒絶反応があった。

特にビジネスの社会では割と気軽に理解されていて、例えば、南カルフォルニア大学リーダーシップ研究所ウォーレン・ベニス所長は、マネージャーとの対比としてリーダーを定義しようとしている。(ネットで調べてたら、分かり易いのが見つかった)

1、マネージャーは「管理」し、リーダーは「革新」する。
2、マネージャーは 前例の「模倣」で、リーダーは常に自らが「オリジナル」である。
3、マネージャーは「維持」し、リーダーは「発展」させる。
4、マネージャーは「秩序に準拠」し、リーダーは「秩序を創り出す」。
5、マネージャーは「短期的視点」を持ち、リーダーは「長期的な見通しを持つ」。
6、マネージャーは「いつ、どのように」を、リーダーは「何を、なぜを」問う。
7、マネージャーは「損得」に、リーダーは「可能性」に目を向ける。
8、マネージャーは 現状を「受け入れ」、リーダーは現状に「挑戦」する。
9、マネージャーは「規則や常識通り」に行動し、リーダーは最善の結果の為なら、「規則を破ることも辞さない」。
10、マネージャーは「能吏」であり、リーダーは「高潔な人格」が求められる。高潔な人格は、信頼の基礎。中身は「自己認識・誠実・成熟」。

追加で、こんなのも。
マネージャーは部下を「使い」、リーダーは部下を「育てる」。
平時のリーダーは「After you」と部下のマネージャーに任せ、有事には「Follow me」と自ら先頭に立ち部下を指揮する。


その他いろいろあると思うが、これらをみても、リーダーを定義するものは、心掛ける事は出来るが、スキルとしても後天的に得られ事は難しい類いの物ばかりである。

なぜ、リーダーシップの授業で苦労したかは、当時もぼんやり分かっていた。アメリカ人、それも女性の教官は、リーダーシップを教えているので同然であるが、リーダーシップとは理解が可能で、心掛ける事で、スキルとして取得出来、実践出来ると考えているおり、凡庸なちょっと古臭い日本人的(?)な私は、リーダーは生まれつきのもので、後天的には得られないものであると考えから抜け出せなかった。どうしても違和感がつきまとい、危うく落第するところであった。

真のリーダーシップは、真のリーダーからしか生まれないとの考えは、自分にとっては信仰に近いものがあり、リーダーシップ論は、マネジャーの役割の拡大解釈しかないと思ってしまうのだ。

人間の才能と努力については、非常に広く深い話題なので、いろんな考察があるのだが、今後自分なりに考えを深めていく一里塚になる様に、今の時点で
考えている事を書いておこうと思う。

リーダーシ(そしてリーダーシップも)は才能であり、その才能は生まれつきのものだと考えている。

才能が生まれつきであると言う事について、一番分かりやすいのは、才能が剥き出しになるアスリートとスポーツやゲームの関係を考える事であろう。

競技が単純になればなるほど、才能が輝く。100 メートルを10秒を切って走る事が出来る人は、世界に一握りしか存在せず、才能は誰がみてもハッキリ分かる。

競技が複雑になるに連れ、純粋な運動神経とは別の要素が大きくなる。野球は相手が居るので別の要素が入るが、投手を考えた場合でも、時速140キロ以上の速球が投げれ無ければ、先ず、日本でもプロの投手になるのは難しいであろう。速い球を投げれるのは、特殊な才能である。ただ、変化球を投げれると言う後天的なスキルがないと投手としては役立たずであり、才能だけでは勝負出来ない。

いろんなスキルが要求されるもっと複雑なゴルフでは、いろんな体型や幅広い年齢の人が一流となれるが、遠くに飛ばせるという希有な才能がある人が圧倒的に有利なのは明らかであるし、超一流の人のゴルファーは、例外無く飛距離がある。(ニクラウス、ウッズ、ジャンボ尾崎、青木、石川遼(?))

つまり、人間の究極の凌ぎ合いは、溢れるばかりの才能があるひとが、凄まじい努力をするという修羅場なのである。これらのアスリートの才能を疑う人は1人もいないであろし、平均的な運動能力の人をスーパースターに出来ると考える人は、先ずいないであろう。

ビジネスとか社会は、ゴルフを何倍も難しくした上に、対人関係(当たり前だが)のある複雑なスポーツに例えられるのではないか?複雑さの故に、後天的に獲得出来るスキルが多い方が、希望(?)があるのだが、やっぱり、才能の有無、大きさが決定的な意味を持つと思う。

スポーツでは当たり前の様に考慮される才能が、ビジネスや社会の中では、急にタブー視される様に思えてならない。リーダーを目指す人が皆スーパースターを目指す訳ではないだろうが、有る分野(スポーツだと野球と言う狭い分野)で第一人者になる事がどれだけ難しいか分かるだろう。

では、速く走る、速い球が投げれる、ボールを遠くまで飛ばせるに相当する、社会一般やビジネスにおけるリーダーの才能とはとは何ぞやという事になるのだが、一言で言うと、
「正しい事」だと思う。

「正しい事」とはと何ぞやと言われると、過去の理解、未来の見通し、現在やらなくてはならない事も、全てにおいて、自分の判断があり、それが全て正しいのである。人間は神様では無いので、全て正しい事は有り得ないのだが、間違っていても「正しく」なくてはならないのである。(これ言っている私本人も説明不可能気味なのですが、何と無くニュアンスを理解していただけれと幸いです)

「正しさ」を他の人に理解してもらうために、スキルや方法論などがあると思うのだが、これこそ雲を掴む様な事を、情報、知性、学問を導入して形にするのである。

ビジネスの話に戻ると、目標達成や今後の発展のために行う事は、正しく将来を見通す事に他ならないのだが、これが出来るのは、リーダーにしか出来ない事なのである。事象が複雑なが故に、情報、知性、学問と言った普通の人に分かるための高度な仕掛けが編み出されていたのであろう。

付け入る隙が一杯あるので、参謀、側近、コンサルティング会社などの存在価値がある。松下幸之助などは、このようにして編み出された反対意見を、自分が正しいと思ってやる事の補強材料にしたりしており、才能あふれる天才なのだと思う。

但し、企業のトップ(企業におけるリーダー)を選ぶという事に関しては、トップが才能をある人を選ぶというシステムが、そこはかとなく確立している様に思う。才能ある人が才能あると思うという好循環だと良いが、トップに才能が無く、才能が無い人を選んでしまう悪循環もある。

社会やビジネスは、常に競技自体の本質やルールがころころ変わる複雑なゲームであり、体験的な成功の二番煎じや、有るゲームで才能を発揮した人が、次のゲームでの才能があるとは限らない。マイケル・ジョーダンが、ゴルフでは泡沫プロにさえなれない事を思い浮かべれば、納得出来るだろう。(ゴルフプロになろうとしているのは、彼だけではなく、テニスのイワン・レンドルや野球で殿堂入りしているジョニー・ベンチなどもいる)

与えられた状況で、才能、つまりリーダーを見極める事が出来るかというと、これ又難しいと思う。つまり、その人の才能とその上に気付き上げられた努力が、時とマッチしなければならないからである。よって、常に普通の人は、リーダーを渇望しながら、リーダーを見極める事が出来ず、リーダーの才能を持った人の殆どは、ミスマッチの中で埋もれてしまっているのである。

ゆえに、リーダーシップは、スキルや心がけといった矮小した形でしか、世間での理解が得れないのである。


いつも楽しみに読んでいる Lilac さんのブログ、My Life After MIT Sloan のエントリー『リーダーがチームの力を活かして育てるためにやるべき5つのこと』に刺激されて、考えていた事が少しまとまり、少し深くなりました。感謝!!

私が書いた事は、実用的に全く役に立ちそうに無いのが我ながら残念ではあるが、人の才能とかリーダーの資質とかを考えるヒントになればと思っている。(これも自惚れ過ぎか)

If you poke me, I will poke you back.

2011-02-15 02:56:50 | アメリカ政治
連邦政府がアリゾナ州の移民法を訴えた裁判は、現在控訴審を待っている状況だが、先週、アリゾナ州が連邦政府に対して、連邦移民法の執行義務を果たしていないと訴訟をおこした

不法移民により犯罪の増加、治安悪化を受けて、連邦移民法をはみ出ない範囲で移民の取り締まりを強化する事を目指したアリゾナ州の移民法が、連邦政府に憲法違反で訴えられ、法律のテクニカルな面(運用方法)での不備を指摘されて骨抜きにされている。

オバマ政権がアリゾナ州を訴える必然性は無く、民主党を支持の多いヒスパニックの人気取り以外の根拠が見当たらない。長期的には、不法移民の市民権獲得を推進して、民主党基盤への戦術とも考えられている。

連邦政府は、アリゾナ州やメキシコの国境があるその他の州が直面している不法移民、メキシコからのドラッグトラフィッキングの問題への対策をサボっていると言われても仕方が無い。(メキシコからの不法移民の中に、イスラム系のテロリストが混ざっているという情報も有る。不法移民の流入ルートでコーランが見つかったりしている)

今朝の WSJ に "Obama Isn’t Trying to ‘Weaken America’" との保守系コラムニストの寄稿があり、ホワイトハウスの主による悪い判断は数多くあるが、悪い人は1人もいなかったと弁護していたが、キューバのテロリスト収容所の閉鎖(未だにしまっていない)、景気刺激策、ObamaCare、アリゾナ州移民法への対応、悪い判断の連続であり、もし、心底アメリカの為にと思って、やっているのなら,オバマは基本的に間違っている人であろう。

この移民法を巡る裁判、司法省は当然業務の一環として、税金を使って裁判を行っているが、アリゾナ州は寄付金で裁判費用を捻出している。(州知事個人の政治資金団体への寄付という形)

今日、オバマ大統領が2012年予算教書を議会に提出するのだが、財政規律の確立を一般教書でも演説しながら、こんな細かい事(?)を含めて、浪費癖は直らない。アリゾナ州のやり方がベストだとは思わないが、先に手を出されたら、やり返さない訳には行かないだろう。

自分が捲いた種とは言え、オバマは、議会からの反発、法廷闘争などで、大忙しになりそうだ。ObamaCare にしても、就任後の2年間を費やして間違った事をやり、これからの2年で巻き返されて、元の木阿弥になりそうだ。元に戻ったとしても、4年間無駄な時が過ぎた事になる。

間違っているオバマは、足掻く事がアメリカの為にならないのではないかとは、思わないだろうなー。


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アリゾナ州移民法裁判の判決
(7-29-10)
司法省、アリゾナ州移民法を提訴(7-8-10)
司法省、アリゾナ州移民法を提訴予定(6-19-10)
アリゾナ州で州法として移民法成立(4-28-10)