YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Elena Kagan 最高裁判所判事候補 公聴会

2010-06-30 23:16:24 | アメリカ政治
まさか、アメリカ最高裁判所判事候補の議会公聴会に、こんなに注目する事になるとは思ってもみなかった。

アメリカにおいて、リベラル勢力は、もう何十年も革命は物理的な闘争では無く法廷闘争で成し遂げようする戦略を展開しており、オバマ政権のやり方にもその傾向が見られる。例としては、テロリストの人権保護、移民法でのアリゾナ州への提訴の動き等などが挙げられる。健康保険改革法で医療ミスの慰謝料への上限設定をしない事は、民主党を支援している弁護士団体へ気遣いだったりする。(PL 訴訟などにも通ずる)

極端な例としては、環境問題関係で、例えば沖縄の基地移転問題でも、沖縄のジュゴンが原告のとなって辺野古埋め立てに反対するなんて裁判ががカリフォルニア州でおきている。(ばかばかしい Court Documentは、こちら

法廷闘争の究極とも言えるのは、裁判官それも最高裁判所判事にリベラルな考えを持った人を送り込もうという物である。これらの裁判官は、憲法や法律を根拠に裁判をするのではなく、自分たちの理性に従って判断をしようとする傾向があので、裁判しながら憲法、法律をおかまいなしに歪めていく。その上、最高裁判事は生涯職なので、一度任命されると何十年も居座る事になる。

一方で、保守の方も憲法を錦の御旗に、法廷闘争を挑もうとしている。特に、今年成立した健康保険改革法案を憲法違反で提訴しようとしており、判事がどのような法理念を持っているのかが、非常に重要になってくる。

オバマ大統領は、現在就任以来二人目の最高裁判事を送り込もうとしている。大統領の任期中に二人も自分の信念に沿う判事を送り込める事は非常にラッキーであろう。一人目は議会承認もスムーズに進み、最高裁判事になっている。で、二人目の Elena Kagan 最高裁判所判事候補の公聴会が、今週から始まった。

彼女は、裁判官の経験が無いまま候補になった珍しいケースである。ハーバード大学法学部の学部長を務めた事があり、その前は、クリントン政権で働き、シカゴ大学でオバマの同僚でもあり、気心もしれているのだろう。昨日の公聴会での質疑応答を聞いていると、オバマがなぜ彼女を選んだのかよく分かる。

健康保険改革法の法廷闘争は、早晩にでも最高裁判所の判断を仰ぐ事になると考えられているが、彼女が判事になった場合、どのような判断をするか、下の映像を見れば誰にでも分かる。

問題なのは、それだけに止まらない。彼女は、個人の自由を制限する法律が出来た場合でも、その内容が自分の信念に沿えば、憲法のCommerce Clauseを曲解してでも支持すると言っているのである。

野菜と果物を三種類づつとらなければならないという法律が成立したとすれば、それはバカらしい法律であると言いながら、野菜と果物を三種類づつとらなければならないという事自体が憲法違反になるとは、どうしても口に出せないらしい。これは、まさに健康保険改革法の核心をつく質問である。比喩的にではあるが、政府が個人に対し健康保険を購入する義務を負わせられるかと聞いているのである。Elena Kagan もその事を理解しているので、困惑しているのである。

彼女の様に頭の良い人は、憲法や法律など、どうでも良いらしい。自分が正しいと思えば、どうにでも解釈出来ると思っているのであろう。

最高裁判所判事は9人で、現在、保守とリベラルは4対4、中道と見られる人が一人いる。彼女は、高齢で引退するリベラル派の後任になるのでバランス自体は変わらないのだが、もし、共和党が健康保険改革法の廃案を真剣に考えているのなら、上院の Filibuster を使ってでも阻止するべきであろう。


オバマ政権 重要案件

2010-06-30 09:54:38 | アメリカ政治
不支持率が支持率を上回ったオバマ大統領だが、現時点での重要案件を4つ挙げておこう。早急に善処しなければならないのだが、大統領として危機に対応する能力もない上に、元々やる気もないので無理であろう。支持率は回復する事は無いであろう。

1)景気、雇用
何をおいても、景気と雇用が目に見える形で回復してこなければどうにもならないであろう。(It's the economy, stupid.)
$780B(約70兆円)の景気刺激策もコストの割に効き目が悪く、財政赤字による累積債務が急激に増加している事から、将来増税の不安から、なかなか個人消費が伸びてこない。成立した健康保険改革法案、大詰めを迎えている金融改革法案など、企業も将来の見通しが悪いために積極的な投資が出来ない環境になっている。

G20 でもただ一国、景気刺激策の続行を訴えたりしてオバマ大統領は、経済音痴ぶりをさらしている。唯一の望みは、逆説的ではあるが、今年秋の中間選挙で共和党が下院の過半数を獲得して、財政再建を目指す予算を組む事である。(アメリカ予算は下院が組む所から始まる。クリントン政権の最後の2年は、同様な状況で好景気を迎えた)

2)メキシコ湾原油流出事故
全力を尽くして噴出する原油を止める事、海上の原油回収、沿岸のクリーンアッップとご立派なテレビ演説であったが、その後は一度も被害の広がるメキシコ湾岸の州を訪問さえしていない。被害を受けている州が全て共和党の州知事である事から、オバマ政権が作為的にサボタージュをしているのではないかという話が出る位、対応が遅い。今日になってやっと諸外国からの原油回収船の提供を受け入れると言う間抜けぶりである。これからハリケーンシーズンでもあり、海上の作業の中断やハリケーンによる沿岸影響拡大心配されているだけに、ここまでの遅れを取り返す様な活動が必要であるが、オバマ大統領は、問題が解決し被害を受けた沿岸が以前より良くなるまで、休み無く活動すると言っていたが、先のテレビ演説で一段落と思っている可能性が高い。

3)国境警備
連邦政府は、今週にもアリゾナ州を提訴するそうだ。オバマ政権だけの責任ではないのであるが、アリゾナ州などの現状を見ると国境の安全保障が、連邦政府としての急務であり、連邦移民法を補強遂行する形での州法を提訴する事など気違い沙汰である。

4)アフガン戦争
駐留米軍トップであったマクリスタル司令官をすげ替えたのだが、表立っては命令系列を乱した事になっているが、昨年暮れに発表したアフガン戦略の進捗具合に不満があるのが、真の理由だと思われる。戦略発表時には、来年の7月に撤退を始める事を言っていたが、一方でペンタゴンは撤退の時期については、状況次第と発表していたりするので、アメリカ軍事史上、一番考え抜かれたという事であったが、基本的に欠陥の有る戦略であった事が伺える。(より良い戦略はあったと思うが、正解は無いとも思う)

オバマ大統領は、行政より健康保険改革法案、金融改革法案の立法の方に興味があるみたいだし、生涯職で大統領任期よりずっと長く影響力を持つ最高裁判所判事の任命に熱心なようである。

目の前にこれだけ重要な危機があるのに、オバマは基本的にどうでも良いのであろう。彼は、アメリカを社会主義的な社会に再構築する事にだけにしか興味が無いので、拙い実務能力の過大自己評価と言い訳で乗り切ろうとしているだけである。ここまで、言う事とやる事の差がハッキリしてくると、盛り返す方法はないと思われる。まあ、最近は本人も割り切っていて、そんな事気にもしてないなだろうけど。

こんなオバマ政権に対して、州と議会(共和党が過半数をとった後になるが)が激しく挑んでいく事になると思う。首脳部がコテコテのリベラルになっている民主党が、下院の過半数、上院のス-パーマジョリティ(今は無い)、そしてホワイトハウスを占めていたので、結構ダメージが大きいのであるが、彼等が押し進めた政策の矛盾や嘘が段々明らかになっているので、アメリカ国民はしばらくその事を忘れないだろうと思う。

問題がこれだけハッキリしているのに、喋る以外何も有効な手を打てないオバマ政権って、情けないとしか言いようが無い。

はやみおっちゃん

2010-06-29 20:22:48 | 非常に個人的な昔話
はやみおっちゃんは同じ明間出身の人なのだが、鳶職として全国を渡り歩いていたようで、小さい頃はほとんど見た事がなかった。帰省したときに、近所の友達と話を聞いたりした記憶があるだけであった。肉体労働者だけあって筋肉隆々としており、厳つい顔付きでもあったので、子供心に畏怖感を持った物である。

その後、同じ町内だが引越したりして明間の人々とは縁遠くなっていたのだが、はやみおっちゃんと一緒に働く事になったのである。

実家は農家だったのだが、田んぼは稲作だけで一町二反しかないので、田植えと稲刈りを除けば、後は水の管理と農薬散布位で、基本的に暇な仕事である。農閑期など近所に人々は出稼ぎにいったりしていたが、父は器用な人で、タクシーの運転手、みかんの選別工場に働きにいく人の送迎バスの運転手、小規模な土木工事の請け負い等をやっており、出稼ぎにいく事も無く、現金収入の術を持っていた。(免許があるか怪しいが、ユンボやブルドーザーも運転していた)

大学二年になる春休みに、免許を取る為に帰省した時に、父は近所のお寺の墓地の石垣工事を請け負っており、否応無く何日か手伝いをさせられた。父は手伝いとして、何と、はやみおっちゃんを雇っていたのである。そして、はやみおっちゃんの片足は義足であった。

聞いた所によると、鳶の仕事のはざまで帰省していたおりに、木材の搬出の仕事で足を飛ばしたとの事であった。うちの田舎の山林は険しい斜面ばかりで、林道の開発も進んでいなかったその頃は、切り出した木材をロープウェイの様な物を仮設して、トラックが入れる所まで運び出していた。事故の詳細までは聞かなかったが、ワイヤーロープに挟まったらしい。

片足義足で土方をやっていたのである。要領はもちろんの事、力でも全然かなわず、午後の一休みした時に酒を勧められて飲んだ後など、私の方は仕事にすらならなかった。

父といきさつなどは知る由もないが、父は土木工事では必ず雇っていたらしい。さすがに義足は土方仕事に堪えられる様には出来ておらず、時々ねじが飛んだりして壊れる事があったりしたそうだ。その度、父がその当時(高速が無く、国道56号線)車で2時間くらい掛かっていた松山の義足屋まで、修理に連れて行ってたとの事だった。

そんな経緯で、はやみおっちゃんは父の事を尊敬しており、私もおこぼれに預かり、優しく接してくれた。私が免許を取りに帰省している事を知ると、自分も免許を取りたいので一緒に勉強したいと言う。車は運転出来るが、筆記試験が問題なのだと言う。聞いてみるとはやみおっちゃんは、漢字が読めないと言うではないか。

もうビックリである。はやみおっちゃんが、いつ田舎を飛び出し鳶になったのかは知らないが、そんな人が居るなんて事は全くの想像外であった。日本の識字率は99.8%、これからもこんな出会いはないと思う。

結局、はやみおっちゃんに筆記試験を教える事も無く、運転免許を取得した私はとっとと大学に戻ったのであるが、その後、はやみおっちゃんは苦労して何回も筆記試験を受けて、晴れて運転免許を取得したとの事であった。

仕事の後、うちで夕食をした時に腕相撲をしたのであるが、只でさえ弱い私は相手にもなかった。足を飛ばしたときに入院中が半年にも渡ったのだが床擦れが出来なかった話や、鳶をやっていた時に出来た首の所に有る背負い瘤(?)を見せてもらったりした覚えがある。

G20 閉幕 2013年までに財政赤字半減目標を合意

2010-06-28 08:47:22 | 経済の話題
昨日は、G20 での暴動の事を書いたが、今日は合意内容について考えてみよう。

先進国が2013年までに財政赤字を半減させる目標、2016年までに公的債務を GDP 比率を安定を目指す事で合意して閉幕した。(日本の報道では、日本は例外扱いとのことだが、ブルーンバーグ等の記事では触れられていない。)

オバマ大統領がただ一人、現時点での財政規律重視が景気後退を招く事を懸念し、景気刺激策の継続を訴えた。ガイトナー財務長官も同じ考えで、ヨーロッバ、日本に財政赤字の削減より内需拡大を求める発言をしている。

ヨーロッパは、ギリシャに端を発したデフォルト懸念を払拭する為にも、景気刺激よりも財政再建を目指したいので、イギリスなどは増税をしてでも財政規律の回復を目指している。

就任早々、民主党主導で$780B(約70兆円)の景気刺激策を通して失業率が8%を超えないと大見得を切ったオバマであったが、その後失業率は10%を超え(現在は9.7%)一年半も経ったのに2番底が見え隠れしており、景気刺激策の第二弾的な失業手当の給付延長等を行っても効き目もなく、懲りずに第三弾を画策している身とすれば、G20 の合意として、アメリカ世論への波及を企ていたのだろう。

ここで景気刺激を止め、財政再建に向かうと経済が萎縮するとどこかで聞いた事の有る脅し文句で、夜郎自大的にアメリカ国内向けの政策に世界を無理やり付き合わせようとした幼稚な策略は失敗に終わった。

ヨーロッパ各国は、オバマ政権の事は読み切っていると考えられ、本人がカッコつけているのは茶番に過ぎない。日本は管首相の国際舞台デビューの方への関心が高いようだが、オバマ大統領の発言のアメリカ国内裏事情(といっても、普通にアメリカ政治を見ている人は分かると思うのだが)を把握して、アメリカ対応と G20 G8 での立ち位置を考える方向での報道や主張があっても良いのではないかと思う。

G20 次回は今年11月に韓国で開催らいしが、ギリシャの様な騒ぎや北朝鮮の発作がそれまでに起きない事を祈るばかりである。

G20 グローバル経済サミット 暴動

2010-06-27 11:16:11 | 経済の話題
カナダ、トロントでG20 グローバル経済サミットが開催されているが、相変わらず、WTO 等のグローバルサミットとなると暴動が付き物である。反グローバリスムの活動であると言われているが、真相はどうなのだろう。

まず、開催国の労働組合が、平和的にグローバリスムの反対を唱えるのは理解出来る。先進国で開催される事が多いので、製造業は安い労働力を求めて途上国に移行する流れが一貫してあるので、労働組合としては反対を唱えない訳にはいかないであろう。しかし、彼等は基本的に平和な抗議行動を行っており、今回のトロントでは、目標動員数に達せず、組合幹部の沽券は別として、組合員は、とっくの昔にグローバル化の流れを理解しており、意味の無い抗議活動に嫌気がさしていると思う。

では、暴徒化するのはどうんな人達なのであろうか?私は、プロの暴徒集団であると思っている。それも活動資金は、先進国の税金や寄付で賄われていると思う。どういう事かと言うと、非営利団体や政府外郭機関に所属する人々が、ブローバルサミットがある度に、そこへ出掛けていって一暴れしてくるのである。

彼等は、反グローバルなど真剣に訴えている訳でなく、只々暴れるだけである。多分、表向きは環境保護、動物保護、人権保護等の仮面を被った団体のメンバーであると考えている。政府の金や金持ちの寄付を当たり前の様に貰い、自分たちで何の生産もしないくせに、開催都市で破壊活動をするのである。グリーンピース、シーシェパード等と同類のならずもの集団であろう。

グローバル化で直接影響を受ける人々や、グローバル化の前線で異国で苦労をしている人達が、暴動行為で抗議する訳が無い。そして、この人達は、インチキ団体の主張などバカらしくて聞いてられないと思う。

トロントで暴動を主導している輩を逮捕出来たインターポールでも何でも使ってトコトン調べた方が良い。幸い日本は、この手のサミットがあっても警護が厳しい事もあり、暴動にならない。考えられるのは、インチキ団体が少なく、海外からのイカサマ活動家を呼び込む事も出来ないのではないかと思っている。良識のある人々が大多数でバカを増やさないという意味では、バランスの取れた社会通念があるのだと思う。

ある意味遅れているともいえるが、進んでいるからといって、正しいとは限らないのだ。

Toy Story 3 3D

2010-06-26 07:58:15 | 映画
娘たちも夏休みに入り、私は今日予定していたゴルフが流れたので、家族で Toy Story 3 を観てきた。辛うじて、オリジナルは観ているのだがストーリーは覚えていないし、2 は観てもいない。

いろんな所で紹介されているので、ストーリーご存知の方も多いと思う。トイ達の持ち主のあるアンディが大学生となり、家を出て行くので、母親に処理を迫られる所から話が始まる。手違いで屋根裏に保存されるはずが、結局ウッディ以外のおもちゃ達は、Sunnyside Daycare(託児所)に行く事となる。ウッディだけはアンディと一緒に大学に行く予定であったが、託児所で、おもちゃを乱暴に扱われる事、又、託児所のトイ達の主ロッツォ・ハグベアが過去の出来事で人間不信となり、他のトイ達を支配する怖い所である事を知り、救出に向かう。

最終的には、無事託児所から脱出したトイ全員が、アンディの近所のおもちゃ好きの女の子ボニーのうちに引き取られる事になる。

小さい時からアニメにもオモチャにものめり込んだ事の無い私でさえ面白い。アニメ好きでオモチャ、それもフィギュアやキャラクターが好きな人には、たまらない映画だと思う。今回は、バービーも登場し女性陣への気配りも充分である。

ストーリーは、単純なのだが力強さが無い。トイ達が託児所に行くという大きな筋があり、後はアドホックなアイデアを重ねていった感じである。アンディが大学で家を出て行く設定の二重構造はちょっとあざといが上手い。バービーとボーイフレンド、ケンとの絡み、バズがリセットされロッツォ・ハグベアの手先になる所、バズを元に戻そうとしてスパニッシュ版になってしまう所など、シーン毎の細部では、とてつもなく面白い所が数々有る。特にスパニッシュ版のバズは、身のこなしもしゃべりも情熱的になって、従来キャラとのギャップが笑える。

気になったのは、トイ達の持ち主アンディの母親はシングルマザーという設定の所である。これって、1、2を観ていると自然な流れとして理解されるのだろうか?

3D で観たのだが、らしくない作りであった。立体感というより奥行き感を出す様な趣向になっていた様な気がする。途中で 3D メガネをかけているにもかかわらず、忘れてしまっていた。これは逆に凄い事かもしれない。こけおどし的な 3D では無く既に普通に思えるくらいになってきているのかもしれない。

Toy Story 3 3D を3時からと早い時間だったので割引(?)があり大人子供均一で 3D メガネ込みで一人$7.50 で計 $30。ラージのポップコーンと 32oz (900ml) のドリンク2つのコンボ#2が、$13.25 をシェア。(子供が炭酸物を飲まないので、水を一本隠し持って行った)うちのが一緒だと、英語の醍醐味のポップコーンも思う様に食べれない。反動で、次回一人で行った時はバケツサイズのエキストララージを頼みそうだ。

9歳、5歳の娘達も充分面白かったようで大満足であった。

Rod Blagojevich (ブラゴ)

2010-06-25 11:44:35 | アメリカ政治
Rod Blagojevich は2年前に、オバマが大統領当選で空席になる連邦上院議員の席をイリノイ州知事が後任指名を出来る権利を、自分の利益になる様に画策した疑惑で、罷免された前イリノイ州知事である。(何とも発音し難い名前なのでの、通称になっているブラゴを使う)

キナ臭くなってきたオバマ政権の周辺でも少し触れているが、今週裁判が始まった。FBI の証拠のなかにブラゴの電話記録(裁判所の許可のもと盗聴されたもの)があり、早速オバマ絡みの会話が暴露されつつある。

ブラゴとしては、オバマが意中の人物と考えていた Valerie Jarrett を指名する事で、オバマ政権の閣僚になる事を画策しており、ブラゴの意図はオバマも知っていたのではないかと言う状況証拠が揃いつつある。(オバマが支持団体の労働組合幹部を使ってブラゴに Valerie Jarrett を売り込みにいかせたのが内定の始まりだったといわれている。)現に、オバマも大統領就任前に FBI から事情聴取をされている。結局、ブラゴが指名する前に逮捕されたので、Valerie Jarrett は指名されず、保釈後、罷免までに別の候補者をやけのヤンパチで指名している。Valerie Jarrett は、現在、オバマ大統領のシニアアドバイザー兼広報アシスタントをしている。

ブラゴの弁護士は、一貫してオバマ大統領の証人喚問を要求している。作戦的には、オバマ大統領を巻き込む事で、オバマも関与したの有罪ではなく、オバマは何も悪い事をしていないので、よってブラゴも無罪という方向を狙っているのではないかと思う。

Valerie Jarrett は、ミッシェル・オバマの上司であり、オバマとも20年来の付き合いの有る人物で、夫婦とも一番信頼をしている家族の一員ともよべる間柄だそうだ。

裁判はまだまだ始まったばかりで、今後、色々と面白い盗聴テープが出てきそうだ。既に、ブラゴが自分の奥さんとの会話のなかで、オバマは自分以上に奥さんの尻に敷かれているとか、悪趣味に近い暴露もされている。検察も立証する為に、全体構図を見せる必要があるので、オバマ夫妻だけでなく、イリノイ州の連邦下院議員であった首席補佐官である Rahm Emanuel(ラーム・エマニュエル)とか、労働組合幹部とか、シカゴスタイルと呼ばれるギャンクの様な権力闘争が白日の下に曝される事になりそうだ。

残念なのは、オバマ大統領の関連が取りざたされながらも全国的な話題になっていない事だ。昨日今日とシカゴ出張で、ローカルラジオでここまでの詳細を知る事が出来た。シカゴのローカル新聞もさすがに詳しい。(こんな時にインターネットの便利さが、実感出来る)野次馬的ではあるが成り行きが楽しみだ。

アフガニスタン駐留米軍トップのマクリスタル司令官の辞任

2010-06-24 11:55:12 | アメリカ政治
アフガニスタン駐留米軍トップのマクリスタル司令官(Stanley McChrystal)が辞任した。実質的には更迭である。直接の原因は、Rolling Stone 誌(そうです、ローリングストーンです)のインタビューで、司令官とアシスタントが大統領を始め、対アフガンの戦略を決めるメンバーを批判した事だ。軍は上下関係がハッキリしており、最高司令官の大統領を批判する事は許されない。

今回で、オバマ大統領はアフガニスタン駐留米軍の司令官を2回もクビにしたことになる。後任は、イラン駐在米軍の司令官であったパトレイアス(David Petraeus)がなる。

最初の司令官を更迭したときに、マクリスタル司令官にアフガン戦略を作成させたのだが、オバマ大統領が決定するまでに3ヶ月も費やし、結果的に中途半端な採用となっている。現在、増兵で一気に戦線を改善するという戦略の実行が始まっている。アフガンでは先頭が激しくなってきており、先月の連合軍の死者がここ2年で一番多くなっている。

オバマ大統領は、辞任受理の会見で、戦略は変えないとコメントしているが、アフガンはイラクよりも厄介であるという認識が一般的であり、来年の夏にはアフガニスタン駐留米軍の引き上げを始めると発表しているので、現時点での司令官を代えることの影響は大きいであろう。

それにしても、アフガン戦争の行方が、一番関係の無いと思われる Rolling Stone 誌のインタビューで大きな変化が起こる事になろうとは。このインタビューの載った Rolling Stone は今週金曜日の発売との事なので、生まれて初めて購入してみようと思っている。

メキシコ湾原油流出事故、こぼれ話

2010-06-23 10:50:57 | アメリカ政治
日に日に事態が深刻化しているのに、駄洒落タイトルをつけている場合ではないのであるが、ホワイトハウスが冗談としか思えないコメントを出したので紹介しておく。

議会公聴会で先週吊るし上げをくらった翌日に降格されたBPの前 Chief Executive Tony Haywardが、先週末にイギリスのヨットレース見学のために帰英していた事がマスコミに暴露され、首席補佐官やホワイトハウスのスポークスマンから名指しで批判されていた。(彼は、ヨットの共同オーナーの1人)一方で、オバマ大統領の週末のゴルフについてスポークスマンは、父の日でもあり、気分転換するためにも必要であると強調した。

オバマの大統領としての実務能力や政治信念について文句は山ほどあるしいろいろ書いてきたが、ゴルフの件では、俺たちは特別なので何をしても許されるという鼻持ちならないエリート意識が剥き出しになっている。ホワイトハウスの対応を見ているとオバマ政権自体がいかに偽善的が分かる。オバマは、政治家や大統領という前に一般社会では人間として信用出来ないタイプであるのに間違いない。取り巻きも同じ穴の狢だ。

オバマ政権は、BP に$20B(約1兆8000億円)を基金に供出させたときに、併せて、オフショアでの採掘の六ヶ月モラトリアムで失業もしくは休業の採掘関係者の対策費用として$100M(約90億円)の支払いも約束させたのだが、既にモラトリアムでの休業コストは毎月$330M(約300億円)との概算が出てきている。この$100Mはオバマ政権の根拠の無い要求に、BP が世論対策の一環として認めたものである。よって、BP としては元々法的根拠も無いし、関係無いのだが、モラトリアムの経済影響の大きさが分かる。

モラトリアムについては、採掘関連の企業が停止を求めて連邦裁判所に訴えていたが、本日、モラトリアム停止の判決が出た。判決文で、今回の事故とモラトリアムの関連性が無い事が指摘されている。(専門家の意見を偽造しているので、もっともである。)驚くなかれ、オバマ政権は直ぐに控訴するとコメントしているし、私文書偽装の疑いの有るのケン・サラザール内務長官は、直ぐに新たなモラトリアムを発行すると発表している。法廷闘争の行方も目が離せない。

$20Bの基金については、911でも遺族関係者の補償に当たった弁護士が扱う事になっているので、ここまでのBPのそれなりの補償活動もあり、$20Bの正当性は別として補償作業は比較的順調に行くと考えられ始めている。

今後、どこまで補償するかという問題があるが、湾岸の漁師町のストリップクラブが休業補償を申請しているらしい。一方では、補償の対象なのに補償外だと決め込んで申請しない人もいるらしい。アメリカの「言ったもの勝ち社会」が垣間見れる。

Heavy Putter 返品

2010-06-23 10:47:17 | ゴルフ
「花の命は短くて、苦しき事のみ多かりき」という表現がピッタリの Heavy Putter をめぐる冒険は、今日無事返品して幕を閉じた。

Ypsilanti に有るゴルフショップ Miles of Golf の対応はとても良心的で、最初にフィッティングをしてくれた店員がカスタムメイドにもかかわらず、返品を受け入れてくれた。$105.99 をストアークレジット(このショップでの買い物に使える)として返金してくれた。

フィッティングから割引もいれて、$112.19 だったので、状況を考えると思った以上の返金額であった。(トレードイン(下取り扱いで)70%位が最高と思っていた。)

ウエッジでも買おうかと思ったが、しばらく考えてみる事にする。(発作で、ドライバーとか買いそうで怖くはあるのだが)

パターは、今回の失敗でついに解明出来た自分のパッティングにピッタリきそうな Tall Face Putter を試してみようかと考えている。その時(早く来そうで、これも怖いのだが)が来たら、報告します。

アメリカの自動車販売数増加の内容

2010-06-22 17:20:04 | アメリカ自動車業界
第一四半期のデータなので、ちょっと古いのだが、アメリカの自動車販売を一般消費者向けとフリートセールスと呼ばれる会社や政府向け、意外に大きいレンタカー向けの販売に分けた分析がでていたので紹介しておく。フリートセールスの利益は一般消費者向けより低く、その中でもレンタカー外車への販売は、バッドフリートと呼ばれるくらいで、更に低い。

前年比で16%の販売数がアップしているが、個人向けは6%増で、フリートセールスが61%増。比較の対象が2009年だけに、個人の向けの販売数は、驚く程低いレベルな事が分かる。フリートセールスは、販売数の約20%を占めている。

フリートセールスがこんなに増加した理由としては、大不況(それにしてもおかしな表現)による買い控えがあり、昨年暮れから今年の前半は景気が上向いている事で買い替えが進み、景気刺激策等で政府絡みの購入も増えている。

注目されるのは、ビッグ3(死語だが、馴染みがあるので)は、フリートセールスが昨年の倍以上となっている。日系で注目されるのは、本田が83%増となっている。元々フリートセールスには熱心で無かったのであるが、数の魅力には勝てないという事だろうか。今後、増収減益(割合という意味で)になるのだろうか?

面白いのは、Hyundai-Kia だけが、フリート販売を-18%と大きく減らしている。最近レンタカーで小型、中型だと Hyundai-Kia ばかりにあたっている様な気がしていたが、密かにポートフォリオをシフトさせているようだ。

生産能力が余っている日系は販売数が伸びないとフリートセールスに力を入れる可能性が高い。生産台数と利益率のバランスになるだろうが、もし本格的にのめり込むと麻薬の様に、切らす訳にはいかなくなると思う。韓国車メーカーの戦略とは対照的になる可能性が否定出来ない。

6月1日現在の在庫日数が、48日と歴史的にみても非常に低いレベルとなっている。5月の販売数が110万台と良かった事もあるが、むこう数ヶ月、生産数の落ち込みも心配しなくて良さそうである。2008年までに比べれば考えられない低いレベルであるが、販売、生産とも落ち着きを取り戻してきている。

そんななかで、スズキの在庫日数が117日と飛び抜けて多い。販売数の激減が原因ではあるのだが、カナダの GM との合弁工場でもスズキブランドでの生産はゼロである。GM と資本関係を解消した事が裏目に出ているのだろうか。もしかすると、北米マーケットより、インド、中国に集中する戦略なのかもしれない。(インドで生産拡大への積極投資の記事を最近読んだ)

6月ももうすぐ終わりで、半年の節目なので、改めてデータをみてみたい。

それにしても、アメリカの販売数のデータ分析は%でのものが多く、2008年以降の前年比などの数字のインパクト度合い等は、絶対数にも戻して考えないと勘違いしそうになる。

なぜかフック?

2010-06-21 18:05:03 | ゴルフ
今日は、ミシガン会の月例会で Heavy Putter のデビュー選。コースのグリーンも例年通り早くなっており、絶好の機会であった。

肝心のパット数は16+20=36で、3パットが5回。前半はパターの違和感に苦しみながら何とかなっていたものの、後半はショットの悪さも伴って酷いパッチングとなった。

31”から33”になった事でポスチャーが完全に変わった事、パターの感触が悪く、自分でストローク的に満足であっても気持悪くて仕方なかった。

結論、返品

家に帰って、自分のミジェットパターと、ついでに知人から預かっているオデッセイのホワイトホットを取り出し、何回も比較しながらパットしてみたが、やはり長年使っている自分のパターがしっくり来る。フェースで球を弾いたりしながら発見したのは、パターのスイートスポットの位置の違いである。

自分のパターはフェイスがやや厚く、その上スイートスポットが上の方にある。Heavy Putter は厚みは同じくらいなのだが、スイートスポットが3ミリくらい低く、私のヒットする高さでは、固くて変な振動を感じる。ホワイトホットはフェイスが薄く必然的にスイートスポットが低く、自分のヒットポイントでは、固い感触となる。

パターのフェイスの高さについて、同じ様な事を考えている人がいる。思わず、買いたくなる)

さて、折角カスタムメイドした Heavy Putter であったが、初戦でダメだしとなった。今までもパットに関してはいろいろ浮気したが、なぜ、Taylormade Rossa Monza Corza に戻ってくるのかやっと納得する理由が分かった。

カスタムメイドの返品ポリシーがどうなっているのだろう。理想はストアークレジットをもらう事であるが、どうなる事やら。(報告します)

肝心のスコアの方だが、何とボールを5個(ロスト4、OB1)も無くし、42+47=89。最後の最後で、バーディをねじ込みやっと90を切る体たらく。ミシガンも暖かくなり、この一ヶ月で急にブッシュが成長し、前月までは見つかっていた様なボール探索が不可能となった。

相変わらずドライバーのフォームをいじっているのだが、今日はそのせいかほぼ初体験の、チーピンまではいかないがドフックが3発でた。残りの2発はプッシュであり、同じ原因によるものだと思う。

スコアが悪い割に、なぜか気にならないのは、Heavy Putter をダメだしした事で自分のパターに戻れる事と、自分に合うパターを理解出来た事。スコアーを崩す原因になっているのだが、ドライバーのフックは調整の一段階という認識もあるからだ。

でも、結果を出さなくては。

U.S. Open 三日目

2010-06-20 12:50:27 | ゴルフ
タイガーのメジャー優勝は今後無いと言う私の予想が、覆されそうなくらいの猛チャージであった。16、17、18番の3連続パーディーは、往年のカリスマ性を彷彿とさせる物だった。66は素晴らしいスコアで3位につけている。

三日目終わってトップのダスティン・ジョンソンも同スコアで回っており、タイガーは5打差もあるのでちょっと厳しい感じである。

ダスティン・ジョンソンは、ベブルビーチで開かれるトーナメントで昨年、今年と優勝もしており、コースとの相性も良さそうだ。最近のプロとしては珍しく、ペブルビーチの時はローカルのキャディを使っているという有利さもあり、複雑なグリーンのスピードやブレイクもうまく対応している。

フィルは、タイガーから更に一打、昨日の66と打って変わって、崩れそうな所を何とか我慢のラウンドのようであった。U.S. Open には、2位が5回と縁がないだけに、勝たせてあげたい。

石川 遼は更に一打差の7位タイ、今日の放送では露出も高かった。解説のジョニー・ミラーもベタ褒めしていた。(テイクバックがアップライト過ぎるとの指摘もしていた)黒に白のテェックのパンツも結構いけており、スコアでも彼の憧れのイアン・ポルターを上回っている。

ダスティン・ジョンソンで決まりだと思うが、2位の GRAEME MCDOWELL (名前の発音いまいち聞き取れず)も今年のヨーロピアンツアーで一勝しており、GIR がトップとの事なので、可能性は残っている。

タイガーとフィルが、ジャンプスタートすると俄然面白い最終日になりそうだ。

司法省、アリゾナ州移民法を提訴予定

2010-06-19 12:31:51 | アメリカ政治
アメリカ国内の案件については、沈黙を守っていたヒラリー・クリントン国務長官であるが、訪問先のエクアドルのTVインタビューで、うっかりアリゾナ州で州法として成立した移民法について、連邦政府がアリゾナ州を訴えるとコメントした。当初、ホワイトハウスは黙りを決め込んでいたが、結局、司法省がアリゾナ州を訴える予定がある事を認めた。

司法長官は、最初この移民法を批判した時には、原文を読んでおらず、議会の公聴会で大顰蹙を買っていた。オバマ政権も的外れなコメントを出しており、こちらも読んでないと思われる。(16ページと短いので、興味のある方はどうぞ。アリゾナ州移民法 原文

まず、最初に連邦の移民法の運用強化のため法律である事が宣言されているので、司法省の訴えは全くお門違いであり、天に唾を吐くような物である。

アリゾナ州知事は怒り心頭にきており、一歩も引かないとコメントを出している。

まだ、本当に訴訟をするかは決まっていないのだが、オバマ政権は法律を調べもせずに批判をしたことで、人権保護団体や、ヒスパニックを煽った成り行き上、訴訟の形でフォローしておかないとカッコがつかないので、やるだけのようだ。単に政治的な対面を保つ為だけで、全く意味が無い。

ホワイトハウスはメキシコ大統領を煽ってみたり、アリゾナ州の移民法については、変な事ばかりしているので驚きはしないが、ヒラリーの意表をつく発言の直後にコンファームしていない所を見ると、もう少し慎重にやるつもりだったのかもしれない。

ヒラリー・クリントン国務長官、全く意外な所で、それもエクアドルから国内問題にちょっかいを出した事は不可解である。深慮遠謀か、只の思いつき発言か気になる所である。政権発足以来、上手くやってきていたオバマとヒラリーだが、ぼちぼち不協和音が聞こえる時期に来ているのかもしれない。

移民法の件でアリゾナ州、更に原油流出事故の件ではメキシコ湾岸沿いの州が問題に対し現実対応を必死にやっているのに、連邦政府の責任を果たさないばかりか、敵対する方向に走っている。。(因にこれらの州知事は、どちらも共和党)

オバマの正体が、この辺でも如実になっている。つまり、アメリカ国民のための大統領ではなく、民主党や自分のイデオロギーの推進しか興味が無いという事であろう。