YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

アジアからの船便が来ない

2020-11-10 05:19:56 | アメリカ経済
9月ころから兆しはあったのだが、混乱状況になっている。通常より2-3週間も余分に掛かるので、ラインを止める訳に行かない自動車部品会社は綱渡り状態。(私も同類)

先ず、コンテナ船の大型化でキャパが増えたところで米中貿易戦争勃発。コンテナ運賃が安値に張り付いてしまったところにコロナ勃発で荷動きが止まり船会社はスケジュールを間引き。荷動きは意外と早くに回復しアメリカのクリスマス商戦用の荷動きも8月ごろより活発に。運賃が上昇してきたので値下がりを嫌った船会社がスケジュールを戻さなかった。8-9月に掛けて大型台風が毎週の様に中国、韓国、日本を襲い遅れが顕著化。

西海岸はコロナの影響で人手不足。船が沖待ち、着岸したらコンテナ船大型化に伴ったクレーンの大型化でコンテナが山積みとなりコンテナヤードから引っ張り出すのに一苦労。鉄道、シカゴ等での路線切替は比較的順調であるが、着地でのシャーシ不足で最後の数マイルが数日の遅れ。

船便を使って在庫商売(私もズッポシ)をしていると適正在庫レベルは3週間という感じ。大体2年に一度港湾ストなどで遅れが出るので、ちょっと重いけど一ヶ月程度が安心出来る在庫レベル。但し、現在入庫中のものは7月頃に発注掛けたもの。コロナで自動車生産が停止して在庫が積み上がり、コロナの回復が不透明でおっかなびっくりの及び腰での数量なので元々在庫が薄くなっている所に直撃状態。

西海岸からの輸送を鉄道からトラックに変更したり、挙句の果ては航空便を使ったり(私もやりました)。航空便もコロナの影響でキャパが限られており、スペース確保に苦労した上に料金は通常の倍以上。

と足掻いている所にアメリカからアジアへの戻りの船便も大混乱で、中国、日本では空コンテナ不足が発生。その上、北米行きはスペースもよりタイトになっており出荷もままならない状態。この状態が最低でも来年2月まで続くらしい。

毎日荷動き追っかけるストレスは大変なのだが、不思議なもので2週間もやると慣れてくる。そのうち何となく解消するのだが、今回ばかりはコロナの影響で読めない。

一縷の望みは、厳しい状況を理解しつつある自動車会社が Thanksgiving, Christmas のシャットダウンを延長するなりして生産調整をする事位。自社分として船便輸送をしているので、苦しいのには変わりないはず。(トヨタの様にバンバン、チャーター便を飛ばす所も有るけど)

私も次の山場は Thanksgiving Week。何せ船便なのでスローモーションの危機を何とか凌いでる感じ。でも、何だか活き活きしてしまう。(この感覚、分かる人には分かると思う)

インフレ

2020-08-24 22:35:05 | アメリカ経済
アメリカは、コロナの影響で供給サイドの制約が生産や物価に及ぼす影響の方が差し迫っっている。未だにペーパータオルは品薄だし、食料品は確実に値上がりしている。

アメリカは国土が広いので流通在庫が数カ月分あるが、現在はスカスカらしい。通常に戻るのに18-24カ月掛かると言われており、その間インフレ傾向が続くのと予想以上に力強い経済活動となる可能性が高い。

アメリカ エネルギー「純輸出国」

2020-01-12 06:36:12 | アメリカ経済
2010年1月エントリーの「アメリカの原油輸入先」へのアクセスが根強くあるので簡単なアップデート。

過去十年の大きな変化はシェール革命のお陰で、アメリカが原油などのエネルギーの輸出が輸入を上回る「純輸出国」になった事だ。(米エネルギー情報局(EIA)による)

現在、アメリカはサウジ、ロシアに次ぐ第3位の産油国であり、最大の輸入国ではあるもののカナダからが圧倒的だ。(EIA data)

皮肉な事に、アメリカでサウジ、イラクの中東に頼っているのは環境問題に一番熱心なカリフォルニア州(西海岸)。

輸入国としては、中国、インド、日本、韓国の順で並んでおり、その後にヨーロッパ各国がダンゴで続いている。

中東(もう少し拡げるとアフリカ)の石油に頼らなくて良くなったアメリカの立ち位置が、今後の世界情勢を決めていくであろう。

トランプ政権のアメリカ第一主義はヨーロッパに不安感を与えたことで、逆にアメリカの影響力が増しているのではないかと思う。ヨーロッパとしては、究極的には中国、インドを所詮マーケットととしか見て無く、グローバルパートナーと認めて無いと思う。

アメリカが孤立主義に大きく傾くと、エネルギー資源確保の意味でヨーロッパ諸国は中国、インドを上手く利用しようとすると思う。グリーン政策で先頭を走っているが、背に腹は代えられない。

トランプが再選すれば、この辺の動きが早くなると思う。(敗れれば、方向性は同じでもグシャグシャ、ダラダラでのんびりした展開)

アメリカがアジア、中東、アフリカでの影響力をどのように保持したいかどうかがカギとなるであろう。

アメリカがエネルギー「純輸出国」になった事で、軍事等を含めた大きな分析、判断材料のベースになっていくであろう。日本はこの同じ10年で特異点である不幸な福島原発事故の影響で、エネルギー関連ではバイアスが掛かる傾向が強く、外交に悪い影響を及ぼし続けると思われる。

ディズニーワールド

2019-05-22 23:22:27 | アメリカ経済
GW 終盤の週末、下の娘のチアーリーディングの全国大会 (Summit) でディズニーワールドに行ってきた。(会場は ESPN)金曜日のワイルドカードを突破し日曜日のファイナルに出場したので、3 day Pass を購入したのにテーマパークへはほんの数時間過ごしただけ。

マジックキングダム、エプコット、ハリウッドスタジオ(アニマルキングダムは行けず仕舞い)、どこに行っても工事だらけで、休止しているアトラクションが多く、全体的にくたびれた感じがありガッカリ。アメリカの5月はシーズンオフという事を差し引いても、なんだかうらびれていた。

ディズニーの業績は悪くない。映画は今年のヒット作品の上位を占めているし、動画配信も Hulu を買収しそういう方向に驀進している。

買収に大枚をはたいて、テーマパークへの投資が後手に回っている様な気がした。新作映画をモチーフにした新アトラクションのために工事は仕方がないと思うが、休みなく稼働する施設は根本的な改善が出来なくて限界にきているのかもしれない。

テーマパークの魅力が落ちれば、ディズニー本体が怪しくなるような気がする。

東京ディズニーはオーランドに比べれば新しいのだが、くたびれて無いのだろうか?

アメリカ西海岸、港湾業務大混乱

2015-02-08 18:40:38 | アメリカ経済
昨年7月に港湾労働社組合との契約が切れて以来、紳士協約で引き続き業務は行われてきたが、いよいよやばくなってきている。

通常、アジアからの中西部までの船便はアメリカ国内の輸送を含めても30日弱であるが、既に40日を超えており、コンテナによっては60日に迫りそうな状況である。

自動車業界も大混乱で、自動車会社の工場を止めないために、サプライヤーは部品をエアーでバンバン飛ばしている。

自動車会社も自分で輸入している分をエアーで飛ばしていると聞いていたが、なんと某 H 社は今週だけでジャンボ貨物機を50機チャーターで飛ばす予定だそうだ。ジャンボ貨物機のチャーター代は通常40万ドル(約4700万円)らしいのだが、現在は70万ドル(約8300万円)に跳ね上がっているとの事。

早く誰かがギブアップしないと自動車会社とサプライヤーの我慢比べが延々と続きそうだ。

自分にも影響があるので、早期の解決を望んで止まない。


さて、下の映像は、港湾業務の雇用主側の先週のアップデートである。自分たちの提案は十分に受け入れられるもので、この状態が続くとお客がパナマ運河を利用して東海岸に逃げるし、アメリカ経済が混乱したら労働者組合の責任だと、脅しを掛けている。現在の平均給料が、ベネフィット込の14万7千ドルで、健康保険代の負担もゼロで、年金が8万ドルであり、10%以上の賃上げと引き続き健康保険代の負担無しを提案しているそうだ。


The American Way of Debt

2013-03-03 20:21:35 | アメリカ経済

WSJ 2月25日の記事のグラフである。アメリカの借金事情を俯瞰するのに便利なので貼付けておく。

アメリカの一般的な家庭は本当に借金だらけだ。住宅ローン、学費ローン、自動車ローン、クレジットカードと返済に大忙しである。うちだって、学費ローンが無く、クレジットは毎月残高無しになるよう支払っているので金利は掛からないものの、結構な残高が常にある。

一番気になるのは、学生ローンの不良率(支払い遅延90日以上)が急激に上がってきている事だろう。昨年6月には9%だったが現在は11%になっている。学費高騰でのローン額の増加と不景気による就職難が重なって大変な事になっている。

一方でクレジットカードは落ち着いて来ている。でも、不良率が10%以上というのは実感が湧かない。住宅ローンも落ち着いてきているものの、総額が桁違いに大きいので、2007年以前の水準に戻るにはまだまだ時間が掛かるであろう。

住宅ローン関しては、政府の補助金がいろんな形で入ってきていると思われる。別エントリーで紹介する予定であるが、自分のローンの変遷を見てもよく分かる。

学生ローンも事実上政府の管理下に置かれているので、今後何らかの救済措置がとられそうな気配である。

それにしても改めて思うのは、アメリカ市民の生活は借金まみれであるという事である。


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アメリカの学生ローン事情 (6-1-12)

アメリカ中西部は大旱魃(らしい)

2012-07-22 09:59:47 | アメリカ経済
6月下旬から7月上旬にかけて、ミシガンでも最高気温が 100°F (37.7 °F)を連日の様に超え、最低気温も 70°F (21.1 °F)を割らず、雨の降らない日が続いて、芝生がスッカリ黄色くなってしまった。(少し気温が下がったのと雷雨が何回かあり、今は青々としている)

しかし、ミシガンよりもう少し西そして南の地域では、旱魃が1956年以来のひどい事になっているらしい。コーンはうまく受精が出来ておらず、大豆も7月下旬から8月に掛けての実の成る時期に充分な水分がないと、大幅な減収となる。

アメリカ農務省長官は、「毎日、跪いて雨乞いをしている」とコメントを出している。

既にコーンも大豆も歴史的な高値になっている。2008年にもこれらの穀物価格が暴騰したが、その時はバブル要因が大きく、結局暴落した。今年は供給が本格的に少なくなる(8-15%減)予想が出ている。

急騰している穀物価格が食品市場に影響しだすのは3ヶ月位のラグがあるらしいが、コーンはいろんな食品に使われているので、インフレが来そうだ。アメリカはコーン、大豆の輸出国でもあるので、中東やアフリカなどの政情不安が更に落ち着かなくなる要因のひとつになるだろう。

日本でも豆腐の値上がりか?


10-year Treasury これ以上金利は下がらない様な気がする

2012-06-05 04:45:30 | アメリカ経済
先週、10 Year Treasuryが 1.5% を切った。(昨日4日の終値は 1.53%)

いろいろ迷ったのだが、先週末の時点で1.47%だったので、これ以上金利が落ちる事(つまり値上がりする事)は無いと思って、IRA(個人年金口座)のボンドファンドを Money Market Fund(基本的には現金)に移し変えた。

今年のここまでの利回りは2.5%(年換算で6.0%)。株価がマイナスになっており、定期預金も 0.4% とかなので、悪くは無い。

アメリカ景気の先行きが一層怪しくなった事で、FEDによる量的緩和の第三弾(QEIII)の噂がある。よって、金利はもっと下がる可能性があるのだが、国債としては日本並み(0.9%)まで下落しない気がする。 (根拠薄弱)

インデックスファンド位しか選択肢のない超小口投資家として考えられるのは、株価が反発するタイミングを狙うしかなさそうだ。



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10-year Treasury (12-18-11)

アメリカの学生ローン事情

2012-06-01 21:13:10 | アメリカ経済


学生ローンの債務残高がクレジット債務残高を超えているといいニュースを聞いてから暫く経つが、未だに感覚的に混乱している。

アメリカはクレジットカード天国(地獄?)で、世帯当りの平均残高が $8,000 (約64万円)とか言われていたとの記憶がある。結婚当初いろいろと物入りが重なり、残高が $10,000 を超えた経験があるので、払っても払っても減らない残高のトラウマがある。

平均的な所帯は、このクレジットの支払いがある上に、それ以上の学生ローンの返済を背負い込んでいるのだ。

学生ローンの 9% が支払いが90日以上遅れているそうだ。2008年以降、アメリカは "Great Recession" からなかなか抜け出せないので、学生ローンを抱えて大学を出ても就職難が待ち受けている。失業率が高いので、順調に返済していても急に払えなくなる人もいるであろう。

住宅の価値が上がっていた時は親が家を担保にローンを組んでたりしたが、全米の住宅の半分が価値より住宅ローン残高の方が多いと言う現状では、学生ローンにならざるを得ない。大学生の 90% が学生ローンを抱えている。一番辛いのは学生ローンを抱えたまま卒業出来なくなった人々であろう。

学生ローンが拡大した大きな要因として学費の値上がりがある。それもインフレ率などものともしない高騰が十数年続いていた。

補助金削減で苦しくなった大学、特に財政基盤の弱い学校は、学費を値上げせざるを得ない。それが原因で学生が減って閉校になる所もこれから増えそうだ。

学生ローンの不良率アップで金利上昇も予想されており、学生ローン自体が縮小する可能性が高い。大学進学率も落ちるだろう。

オバマ政権は事実上、学生ローンを政府管理下に置いてしまっている。若者へ媚びて補助金で低金利を画策したりしている。又、政府機関への就職すると学生ローンを免除する制度を拡大しようする法案もある。(政府依存する人を増やす方向だ)

アメリカの場合信用経済の規模が非常に大きいので、経済が上向かないと何もかも上手く回らないという事だろう。

今日もアメリカ株価は下落し、5月の失業率は 0.1% 上がって 8.2% 。オバマ大統領とホワイトハウスは、"Great Recession" を引き継いだので、3年半経った今でも、景気回復には時間が掛かるといつもの声明を出していた。


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アメリカの学生ローン (10-31-11)
日本育英会奨学金 (1-15-11)

アメリカ4月失業率 8.1% に改善、でも何だかどんより

2012-05-04 21:45:37 | アメリカ経済
オバマ大統領就任以来最低の失業率となったが、オバマ政権からも民主党からも威勢の良いセリフが出て来ない。マーケットも下落した。

失業者が減った訳ではなく、失業保険の期限切れで統計から外れるので失業率としては低下する。統計データを掘り下げると実質の失業率は 14% となるらしい。パートタイムや資格、経験に比べて落ちる仕事に就いている人も多い。

暖冬の影響で、2月、3月の新規雇用が例年より良く、先食いの影響も出てきているらしい。

自動車販売は相変わらず好調を維持している。しかし、Big 3 はやや息切れ気味で、日本車が息を吹き返してきている。トラックの売れ行きは好調だが、小型乗用車に関しては、日本車、韓国車、そして VW が元気がよい。

原油価格はバレル $100 をなかなか切らないが、ガソリン価格は(高値で)安定してきた。イラン情勢が小康状態なので原油供給不安が緩んできているとの解説があったが、取って付けたようで怪しい。夏場を迎えるとガソリン価格は上がる傾向なのだが、需要が減っているのではないかと思う。結局は需給関係で上がらなくなっているのだ。

やはり、アメリカでは車しか移動手段がないので、ガロン $3 が続いている事に心理的なショックは薄らいでいるが、ボディブローの様に消費に響いて来ているのではないかと思う。

車とガソリンだけでアメリカ経済が成り立っている訳ではないが、身近なだけに過敏になる。

株価は昨年のボラが収まってきてどちらかに弾けるのではないかと思っていたが、世界中に不安要素が一杯あるので、このまま暫くダラダラしそうだ。

アメリカは政府の景気対策に期待する雰囲気はない。オバマもさすがに新たに景気刺激策を出すと言う計画は無く、富裕層への増税で福祉充実と赤字削減を訴えている。

逆に、福祉制度の大改革、財政赤字の対策、ObamaCare 廃止を掲げる実質共和党大統領候補 Romney の人気がジワジワ上がってきているのは、いつまでも景気に対して有効な手を打てない事と、既に政権運営より本格的な選挙キャンペーンに突入したオバマに辟易し始めている現れのような気がする。

政治的には大統領選が終わるまでは停滞するので、様子見が始まったのかもしれない。


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3月と 第一四半期(1Q)のアメリカ自動車販売数と Honda Supplier Conference (4-13-12)
アメリカの景気、オバマ落選までは回復の見込み無し (7-4-11)

不況からガソリン高騰へシフト

2012-02-21 23:46:21 | アメリカ経済
なんとなくぼんやりと景気回復しているような雰囲気が出てきている。相変わらず失業率は高いし、運転していると店舗の空き家も目立つのだが、数字的にも最悪期は脱している。

原油価格が高値安定していたが、またジリジリ上がってきている。そう、ガソリン価格も上がってきた。

アメリカの年間ガソリン使用量は、125,871,000,000 ガロン。ガロン当り $0.01 値上がりすると、単純に $1.25B(約1千億円)の可処分所得が消える事になる。もし $1.00/G 値上がりすると $125B(約10兆円)が吹っ飛ぶ。

景気復活傾向で再選可能性が上がってきたオバマ大統領に対し、きっちりと論議を挑みそうに無い共和党は情けない。目立ってきたガソリン価格の高騰で、グリーンエネルギー政策、中東外交、そして景気回復、雇用対策の失敗を非難しようという味噌糞一緒の感情的な攻撃になっていくであろう。

2008年の原油、ガソリン高騰の時は、共和党がブッシュ政権を叩きまくったので、おあいこなのだが、ちょっとしょぼすぎる。

ガソリン高騰で景気が腰折れする可能性も高いので、あながち間違いでもないのだが、共和党、保守系のガソリン高騰を根拠にした食傷気味のオバマ政権批判が続くだろう。

10-year Treasury

2011-12-18 17:42:54 | アメリカ経済
一般人にとって、株価は天気予報みたいなもので、毎日何と無く気にしているが、自分の生活や仕事に直接関係がある訳ではない。

国債の利率に至っては、全く関心の無い人が多いだろう。私も気にしていなかったのだが、今は株価よりも気になる。

これまで何回か転職しているので、辞める度に会社の 401K から自分の IRA (Individual retirement account) に移しているのだが、ここ数年は、一番安全なマネーマーケットファンドで運用していた。リスクがほぼゼロなのは良いのだが、今年に入ってから利率が余りに低い。去年までは 1% を超えていたが、今年に入っては、ほぼ 0% 。

このような経済状態なので、仕方が無いかとも思えるが、やはり、寂し過ぎる。と言っても、アブレッシブなファンドに切り替えるどうかと、考え倦ねていた。

ふと気付くと、アメリカの10年国債の利率が 3% もある。中期の国債の比率が高いくて手数料の安いのファンドを選んで、切り替えてみたら、あれよあれよという間に、金利が下がるではないか。(ファンドは値上がり)結局、今年は、8% を超えるリターンとなった。もし、年初から純粋に10年ものの国債ファンドにしていれば、9% を軽く超えていた。

来年は、前半に 1.5-1.6% 位になり年末に掛けて 2.4% に上がって行くというのが大方の予想らしい。

この予想を信じて、1.6% になるまでは、今のファンドを取り敢えず持っておこうと考えている。

先週、結構下がって現在は、1.85% 。金利が上がる時に、キチンと株価は上がるなら、株のインデックスファンドに切り替える手もある。でも、アメリカの株価はボラティリィティが高い割りに、レンジが狭まっており、テクニカルには、どちらかに大振れする可能性が高いらしい。

今年のラッキーを確定しようかとも思うし、悩ましい。

今年のミシガンの冬は(ここまでは)温暖なので、天気予報より 10-year Treasury の金利の方が、気になる今日この頃である。

過去一年のチャート (As of 12-16-11)


Jefferson County, Alabama

2011-12-05 03:41:21 | アメリカ経済


この写真、WSJ にも The Economist にも使われていた。

アメリカ地方自治体としては最大の破産申請である Jefferson County の、下水施設建設に発行した債券の扱いを一般債権と分けて処理するかどうかが、一番注目されているので、象徴としては格好である。(County は、郡と呼ばれる行政単位。昔は、市や町が小さかったので、それらをまとめていたのだと思う)

通常、地方自治体の債権の担保は徴税権であるが、 Jefferson County の負債額 $4.2B (約 3,300 億円)のうち $3.0B (約 2,300 億円)が、下水処理施設の建設費であり、施設利用費、つまり限定された歳入が担保となっている。

投資家の間では、特定された歳入を担保として発行された地方自治債は、一般的な債券と区別されていると認識されているらしいが、もし、裁判所の破産手続きで、区別されないとの判決が出ると、地方自治債マーケットにパニックが起こる可能性がある。担保と考えていた特定の歳入を、一般歳入とごちゃ混ぜにされるのだ。

Harrisburg は、ゴミ処理場への投資失敗が響いているし、地方自治体がこのような大きなプロジェクトを仕切る事自体が間違っている様な気もする。

もし、債権が区別されないとなると、行政サービスの概念自体が変わる可能性がある。下水処理の様なプロジェックトは、行政サービスではない流れになるだろう。

どちらにしても効率は悪そうだが、地方自治体が運営するより、民間運営に地方自治体が口を挟む方がマシであろう。


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Harrisburg 債務支払い不履行:続報 (9-15-10)
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Solyndra Bankruptcy

2011-09-15 12:20:41 | アメリカ経済
ソーラーパネル製造会社の Solyndra が倒産した。

オバマ大統領が就任直後に実施した超大型の景気刺激政策から $535M (約412億円)の税金が投入(正確にはローンを政府が保証している)されており、雇用促進、クリーンエネルギー政策の象徴的な存在として、オバマ自身も何回も訪問している。

この会社へのローン保証の検討は、ブッシュ政権の時に始まっているが、ビジネスプランが甘くて審査を通っていなかった。ところが、オバマ政権になり、景気刺激策が成立した途端、審査を通ってしまった。

$535M (約412億円)を突っ込んだうえに、たったの2年で倒産した事で、大問題になりつつある。まず、FBI の家宅捜索があり、議会の委員会でも追求が始まった。ローン保証の審査通過には、ホワイトハウス、エネルギー省の関与を示す書類等も出てきている。

オバマ政権にとっての重要事項である景気刺激策、エネルギー政策関連で、全くお粗末な決断をしている事は間違いない。悪意が全くなかったとしても、恣意的なうえに、不能であったと言う事は間違いない。

アメリカ政府機関( FHFA )、住宅ローン会社を提訴

2011-09-04 06:47:30 | アメリカ経済
サブプライムローンでの経済危機を受けて、住宅ローンや持ち家促進などを行っていた政府機関を統合する形で設立された Federal Housing Finance Agency が、住宅ローン会社に対し提訴した。理由は、サブプライムローンのリスクを正しく開示しないまま、Fannie Mae と Freddie Mac に販売した事となっている。

Fannie MaeFreddie Mac は、持ち家比率を上げる為に、住宅ローンの引き付け手として設立された政府機関で、サブプライム危機を受け、現在、FHFA の保護観察下に置かれている。

訴えられたのは、Bank of America, J.P. Morgan, RBS Securities, Goldman Sachs, Deutsche Bank AG, Credit Suisse AG, Mogan Stanley で、賠償請求額では、Bank of America の $57.4B(約4兆3千億円)が筆頭で、J.P. Morgan $33B(約2兆5千億円)、RBS Securities $30.4B(約2兆3千億円)等となっている。

訴えられた方は、Fannie Mae と Freddie Mac は、住宅ローンの専門金融機関であり、リスクについては理解していた、とのコメントが出ていたりする。(住宅ローンを買うのが専門なのだから、私もそう思う)

元々、Fannie Mae と Freddie Mac は、政府機関なのに上場している変な会社で、"Their profit is privatized but their risk is socialized." 民間企業として儲けるくせに、リスクは棚上げ(最終的に政府が(税金を使って)補填する)と言われていた。

今回の訴訟は、金融機関を救済した事への反動、もしくは、現時点である程度搾り取っても大丈夫という政治判断だと思うが、既に悪影響が出ている様な気がする。この訴訟が直接影響しているかどうか不明だが、先週の金融株、特に Bank of America は冴えず、あげくの果てにウォーレン・バフェットが優先株を引き受けたりしていた。

サブプライムローンの決着までには、まだまだ波乱がありそうだ。政府が変な介入をする度に、景気浮揚や雇用促進を邪魔する事になりそうだ。