YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

終わりの始まり

2016-01-28 01:20:59 | アメリカ政治
大方の予想に反して出馬以来高人気をキープしていたトランプが、共和党予備選を直前に控えた候補者討論会をボイコットする暴挙に出た。

今回の討論会を主催する Fox News の司会進行の一人である女性キャスターが、以前の討論会の時に公正を欠く質問をしたと言うのが理由である。(女性全般に対するトランプの過去の発言(トランプにありがちな暴言)に関する質問)  

マスコミへの露出度を更に増やすための計算されたボイコットという見方もあるが、人々に大きな懐疑心を抱かせる決定的な大失策であろう。

大統領になりたいという真摯な気持ちの無さが発現し始めたと、思わざるを得ない。

トランプはずっと大統領選から下りるタイミングを探っていたのだと思う。予備選皮切りであるアイオワ州、その後のニューハンプシャーシー州でトップにならなければ、早めの店仕舞いがあるかもしれない。

予備選まであと5日、やっと本格的な共和党の候補者選びが始まった。

原油相場

2016-01-25 12:34:34 | 化石燃料、エネルギー関連
こんな時期なので、原油相場の方向性を考察しておこう。

大原則として、石油も商品なので需要と供給で決定する。石油はいろんな特殊要素がある製品(コモディティー)ではあるが、その原則から逃れる事は出来ない。

まず、需要。

2000年中頃から続いた上げ相場が崩れたのは、需要(及び需要の伸び)が弱った事が原因であろう。中国を始めとする新興国の停滞、先進国の頭打ちのダブルパンチであろう。

そして、供給。

シェール、オイルサンド等の開発、産油制限しないOPECのお蔭で、この2年で10%増加している。

保管キャパが一杯になってきているので、これ以上の供給は出来なくなる可能性が高い。よって、石油相場は底を迎えていると思う。

今後の需要であるが、2035年には現在の1.3倍位になると予想されているが、このくらいの増加なら供給側は軽くこなしていけるので、この先20年位は程よい相場が続くのではないだろうか? (1980年にバレル$100を付けたが、この高値を更新したのは2008年のリーマンショックの直前)

第一次石油ショック後の供給には大規模な投資が必要であった。しかし、シェールで手軽に供給が増やせるようななったし、現存の油田が干上がる事もなさそうである。よって、需給のバランスは暫く崩れそうにない。よって、比較的狭いレンジでの推移になるだろう。

第一次石油ショック以後ずっと石油は枯渇すると脅されているが、私の生きている間は大丈夫そうだ。心配なのは、大幅に値下がりした手持ちのエネルギー関連ファンドの方だ。

株相場との関連が言われているが、弱含みの石油需要からすると景気が後退しているので、株価は下がって当たり前だと思う。但し、長期的には安め安定の石油は景気の大きな下支えになるだろう。