YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Kindle(キンドル)使用レポート

2011-06-30 12:32:22 | 雑記
取り敢えず、Kindle(キンドル)を買ってみるか」という事で、届いた日に、最近出版されたばかりのリベラル批判の本を2冊買って、何とか一冊は読み終わったので、簡単な使用レポート。

読み終わった本は、"The Secret Knowledge: On the Dismantling of American Culture" 、これから読むのは、"Demonic: How the Liberal Mob Is Endangering America"。どちらもリベラル批判なので、評価が、星一つと星5つにきっぱり分かれているところが、微笑ましい。

"The Secret Knowledge: On the Dismantling of American Culture" は、元々リベラルだった脚本家が、保守に目覚めて、リベラルの偽善を暴いている。内容的には、去年からよく読んだオバマ批判本とダブっているので、流し読んだ感じである。特に、これといって真新しい見解があるわけでは無い。

肝心のキンドルであるが、期間限定のスペシャル価格と思い込んでいたら、オフの時に、広告がスクリーンセーバー(?)として出てくるスペシャルなので安くなっていた。オンのときは、関係ないので気にならないが、化粧品の広告の時などは、空港などではちょっと恥ずかしい。

英英辞書を購入しようかと考えていたが、Oxford の辞書がふたつ入っており、改めて購入の必要はなかった。分からない単語が出てきたときにカーソルをその単語の頭に持っていくと、出てくるので、便利である。勿論、単独の辞書としても使える。

初めて触った時は、大きくて、重い印象だったが、使ってみると程よいサイズである。ページをめくるボタンも両脇にあり、便利だ。ページをめくる行為が、片手でも簡単に出来る。普通に読んでいるときはもとより、空港のセキュリティーで並んでいる片手の時などには、重宝する。iPad だと電子書籍ディバイスとしては、大きすぎて重過ぎるだろう。本を読むという行為は、物理的な本であれ、電子書籍であれ、別格な行為なのだろう。(コンピューターも許し難い)

ページをめくる億劫さがなくなり、速読にも適している。本体サイズがペーパーバックと同じで、画面が少し小さいなるので、一目でページ全体を即座に見渡せるので、次々とページをめくる事が出来る。

Menu ボタンで、目次や各章の始めに飛んでいけるのも良い。ブックマークをしなくても、オフにした時の読み掛けのページに自動的に戻るのも便利。

Note, Highlight, Mark 等の機能を使うかは、不明。慣れないせいもあるが、今一な感じがある。単なる書評ではなく、リサーチなどに使うようになると、必然的に使わざるを得ない可能性も出てくるだろう。元々、本に書き込みとかしないたちなので、その影響もある。でも、不思議とどこに何が書いてあったかは、ほとんど覚えている。

ダウンロードはあっという間だったし、セッティングもそのままなのだが、E Ink Pearl technology の画面は素晴らしく、非常に読み易い。充電も未だ最初の一回だけで、4分の1くらいしか消費していない。

何冊もの本を並行して、バラバラに読んだりする読書癖があるので、今後本が増えるに付け便利さを飛躍的に感じられるような予感がある。英語版でもこれだけ重宝するので、日本語版が出た日には止まらなくなりそうだ。

久しぶりに良い買い物をした気がする。

Dinner with Barack Just Got More Interesting

2011-06-29 12:24:21 | アメリカ政治
Barack Obama からの Email」で、$5を寄付するとオバマ大統領との夕食に招待されるかも知れない事をお伝えしたが、新たに下の映像付きのメールが届いた。

なんと、バイデン副大統領も一緒だということで、益々、興味深い夕食になるだろうと、オバマがつまらなさそうな顔して、アナウンスをしている。



で、このビデオは、ホワイトハウスの大統領の住居している場所で撮影されており、選挙活動の為に政府の財産を利用する事は違法なので、ちょっとした物議を醸し出している。オバマ本人が言っている様に、"Dinner with Barack Just Got More Interesting" 状態になって来た。

選挙法違反で、被選挙権剥奪にでもなれば、もっともっと興味深い事になるのは、請け合いだ。それこそ "Big Deal" だ。

気になる判決

2011-06-28 04:33:59 | 新聞、雑誌から
小学生が校庭で蹴ったボールが外に出て、オートバイを運転したいた老人が避けようとして転倒、骨折、入院中に認知症を発病し死亡。ボールを蹴った行為と死亡に因果関係を認め、小学生の親に賠償命令という判決の記事を読んだ。(『サッカーボール避け転倒死亡 蹴った少年の親に賠償命令』(朝日新聞の記事))

愛媛県(別の記事では今治市と出ていた)という事と、小学生が当時5年生(上の娘と同い年)という事で、思わず、引き込まれるように読んだのだが、記事内容からだけで判断すると、トンでもない判決だと思う。こんな判例で残ると、誰も何も出来なくなるし、親なんてやってられない。

この親は、絶対に控訴すべきである。もし、親が日本的に我慢しそうだったら、小学生の通っていた小学校、もしくは、愛媛県の教育委員会なり、何らかの団体なりが乗り出してでも説得し、控訴の協力をすべきだ。

(多分その時一緒にいない)親の責任を問いながら、学校の責任については、言及がないので、学校を訴えていないのだろう。原告は、取りやすいと判断して、親を訴えた可能性が高い。(学校を訴えたら、教育委員会などがバックアップして、勝てたとしても長引く可能性を考えたのでないか?)

まず、故意で狙っていないし、ボールが直接当たっていないので、訴えが成立していることが不思議である。次に、直接の被害は、骨折だけである。その後の認知症の発病を誘発した事、結果的に死亡したことは、影響を考慮し過ぎであろう。

その上で、ボールを蹴る行為が、こういう事態を予測出来るので、子供にそのような行為をさせた親の責任を問うと言う論法は、屁理屈以外の何者でもない。

裁判所は、政府の中で、厳粛で公正な機関だと言うイメージが強いのだが、こういう判例を見ると、変な裁判官があちこちに密かに生息している可能性が高いことを窺わせる。

良い例は、最高裁判所の一票の格差問題にしろ、違憲状態だが、選挙結果は有効などと、とぼけた事をずっといっている。

例が古くて申し訳ないが、三浦事件にしても、一審では、殺人実行者不定、凶器の発見無しで、殺人教唆の判決が出てたりした。(確か、その後さすがに無罪になったと記憶している)

アメリカでも、リベラルが裁判を重要な闘争戦略の一部としており、裁判官にもリベラルがいるので、植物にまで人権が与えられる可能性が、冗談ではなく論じられたりした事もある。

その国の政治は、その国の国民を映し出す鏡だとすると、日本で司法制度だけがまともでいられるわけが無い。サッカーボール判決が写し出す風景は、日本に馴染まない様な気がするが、そんな風景ばかりになっているのだろうか。

「極東ブログ」

2011-06-27 18:47:54 | ブログ探索
過去のエントリー『エジプト暴動で分かる日本のインテリジェンス風景』、『使用済み燃料プール』、そして『季節外れ、スパゲティのエアイプリルフールジョークの元ネタを発見』の中で、紹介している「極東ブログ」であるが、改めてキチンと言及しておこう。

自分の知っている事への分析が正確なので、自分が知らない事についても信用出来る可能性が高い。その上、幅も広い。池田信夫といい、私は、博学強記系の人が好きな様だ。但し、finalvent さんは、枯れた感じがするので、透明性が高い。


今日のエントリー『石油備蓄放出ということだが、これはちょっとひどい話』で、最後の方にオバマ大統領を非難するコメントをしている。

弄ぶものは、弄ばされる事になるだろう。

Asayake - Casiopea

2011-06-27 09:41:05 | 音楽関連
早いティータイムで遠いコースだったので、早起きしてサブディビジョンから東に向かって走り出したら、綺麗な朝焼けが広がっていた。

安直な理由で、カシオペアの『朝焼け』を思い出した訳だが、一応、売れ始めた(売れてた?)82年の大晦日に、友人に連れていかれた新宿コマでのジョイントジャズコンサート(秋吉敏子も出てた記憶がある)で生の演奏を聞いた事がある。

いろいろ、メンバーは変わっている様だが、私にとってのカシオペアは、このメンバー。なぜか、ベースの櫻井が好きだった。

ベースで櫻井とくれば、思い出すのは、アルフィーの桜井。アルフィー自体は好きでもないのだが、ベースを弾きながら歌うスタイルがかっこ良いと思ったものだ。あの頃は、未だ売れてなくて、ラフォーレ原宿前の歩道(!)でのイベントで、ビジーフォーと一緒に出演して、その場で演奏したりしていた。



肝心のゴルフの方は、アドレス、グリップを変え始めたばかりで、右に左に大忙し。最終ホールでバーディーを取った事だけご報告。

2011 Toyota Highlander SE 4X4

2011-06-26 12:55:39 | 雑記
家内の車は、2008 Ford Explorer Eddie Bauer の赤で、走行距離は 37,000 マイル(約6万キロ)を超えた。2年前半前に、デモ車を購入したので、保証等は新車扱いであったが、既に 12,000 マイル走っていた。下取りもあったのだが、毎月 $486.45 の48回ローンになった。(金利は 6.19%)

ボチボチ、タイヤのスリップサインが登場寸前で、交換をしなければならないなっており、走行距離的にもブレーキも交換時期という感じであった。(最近少し落ち着いてきたが、天然ゴムが高騰しており、タイヤも高くなってきていた。なにせ SUV なのでタイヤが大きくて高い)

日本の震災の影響もあり、中古車市場が全般的に高くなっている記事をいくつか読んだりしていたので、甘く出過ぎると言われているKelley Blue Bookでの下取り価格を調べえ見ると、ローンの残高を引いても一万ドルくらいは残りそうなので、2年から3年くらいの一括払いリースで、追い金、毎月の支払い無しで、次の車を探す事にした。

2011 モデルの生産が既に終わっており、2012 モデルの入荷を前に、例年恒例のディーラー在庫処分セールのメールがぼちぼち届き始めた。(Ford を所有しているので、Ford からが多かった)先日、オイル交換に Ford ディーラーに行った折りに、 Explorer の査定をしてもらって、そこそこ納得する数字も出てきたので、2008 とは全く別物になったフルモデルチェンジ後の 2011 Explorer を検討してみた。家内がやっぱり赤が良いというので探したが、他のディラーを当たっても在庫が無く、2012 モデルを待つしかないとの事であった。既に発注を受け付けており、自分の好みのオプションでオーダーをして納期は6週間との事だった。

ちょっと気が抜けて、考え直そうかと思っていたのだが、その数日後に、運転中に目のゴミが気になって、停車中にサンバイザーの鏡を使ったのだが、鏡のプラスチック製のカバーに二つあるヒンジの一方が、開けた拍子に何の前触れも無く欠けて、小さなピースとなって落ちてきた。(もう一方があるので、問題は無し)そう言えば、運転席のドアの開閉時の擦れる音も気になる。

という事で、心の中で結実する物が有り、緊急家族会議を開いた。

家内は 2008 Explorer をなぜか大変気に入っており、乗り潰しても良いとまで言っていたのだが、近々タイヤ交換や整備の出費が必要になる事と中古車価格がピークである事を説明して無理矢理納得させて、あとは車選びとなった。

条件は、SUV で 四駆(ミシガンなので)そして内装革張り。前々から日本車に乗りたがっており、それもトヨタ車(本当はレクサスなのだが)が良いというので、Highlander を検討する事となった。そもそも、私が 2011 Explorer に興味を持ったのは、フルモデルテェンジで、性能だけでなく、カッコも格段に良くなったのが理由で、元々、日本車の SUV のデザインは、どのメーカーもダメで、その上、高いというイメージがあるので、乗り気はしなかったのだが、挑戦してみる事にした。(トヨタ車を所有した事が無かったので、その点では、大いに興味はあった)娘達はデザインだけで、 Explorer を気に入っていたのだが、母は強し。

インターネットで近所のトヨタディーラーに、希望の Highlander がある事を確認した上で、先週金曜日の昼前に訪問。簡単な試乗をしたあとで、早速、値段交渉。(めぼしいオプションは、有っても全く使わないサンルーフ位)(アメリカに来た当初はビックリしたが、アメリカの新車購入は、ディーラーの在庫から選ぶのが主流で、その日の即決が圧倒的に多い)

車の Sticker Price (定価)は $36,095、メーカー値引きは $500 のみ。当方の希望条件は、24ヶ月リース(12,000 マイル/年)で、下取りだけで自己負担無し。

まず、最初のオファーが、24ヶ月一括払いリースが $13,061.68, 下取りのネット $8,103.26(16,000-7896.74) で自己負担が $4,958.42。お話しにならないので、帰ろうとすると、唐突に自己負担が $2,200 に下がった。(この辺が、自動車販売が今一信用されない所であるのだが)少しグダグダ話していたが、自己負担無しには程遠いので、本格的に帰ろうとすると $1,600 に。(益々、怪しい)

即答は出来ないが今日中に結論を出すと言って、一旦帰宅。2008 Explorer を乗り潰すと言っていた家内も、どうせタイヤや修理でそくらいの出費になるのでしょと、念願のトヨタ車に乗れる事に心が動いたのか既定路線のような反応。

夕方、ディーラーからのフォローアップ電話が掛かって来て、もう一声と言ってはみたものの、既に心は決まっていたので、その晩、契約にいくことに決定。ディーラーに初めて足を踏み入れてから、8時間後(実質2時間位)で、2011 Toyota Highlander SE 4X4 に乗って帰って来た。(契約時に分かったのだが、トヨタの24ヶ月リースは、15,000 マイル/年しかないそうで、12,000 マイル/年を考えていたので、ちょっと得した気分。過去の実績から言って、家内は 12,000 マイル/年も運転した事は無いのであるが)

直感で、かなり良いディールだと思ったが、果たして私の勘は当たっていたのか、究極の後の祭り検分をしてみよう。

1)リース価格自体
何回契約しても、サッパリ理解出来ないリース書類を見てみよう。本体価格設定が $34,619 で、24ヶ月後の残価値設定が $24,673 (71.27%)、Renting Charge と言う謎の費用が $14.16 で、車体自体のリースが $9,960.16。税金や諸経費が $1,536.45 がプラスされ、計 $11,496.61。

一括払いリースなので、$11,496.61を Present Value と考えて、金利を 6% とし、24回払いにすると毎月の支払いは $507.00。トヨタのリースは、36回で、4X2 や4シリンダーが主流なので、比較し難いが、悪くない。

2)下取り
結局、現金を $1,600 払ったので、ネットで $9,896.61 ということになり、ローンの残高 $7,891.40 (上と微妙に違う)を足すと、$17,788.01 という事になる。大甘のKelley Blue Book で、Good Condition の上限が $19,525 で有る事を考えると、上出来であろう。私は間違っても自分の乗っていた 2008 Explorer を $18,000 も出して買う気にはならない。

1)、2)を総合的に分析しみると、まあまあだったという感想である。(もうちょっと頑張れた気もする。自己負担は絶対嫌だと譲らなかったら、どうなっていただろうか?)

学校が夏休みに入っているので、朝の交渉に上の娘(10歳)を連れて行った。(というか、付いて来た)私がコーヒーを2杯飲む間に、自己負担が $3,300 も下がったのにビックリしていた。良い社会勉強だったかも。

買い物、特に車を買う(リースだけど)のは楽しい。、本当に偶然なのだが、もう何年(もしかしたら10年以上)も出した事の無い鼻血がディーラーでちょっとだけでたのを娘に見つけられて、妙に恥ずかしい気分になった。

あの時、サンバイザーの鏡のカバーのプラスチック部品が欠けて落ちてこなかったらこんな急展開にはならなかったと思うし、時間を掛けて家内に 2012 Explorer を説得し続けていたと思う。タイミングなんてそんな物なのかもしれない。(そう言えば Explorer を買った時も、その時乗っていた Mazda MPV のトランスミッションから微妙なオイル漏れの兆候が有り、もし本格的に漏れだしたら困ると思ったのがきっかけであった)

そのうち、使用レポートでも。

Debt Ceiling の交渉、取り敢えず決裂

2011-06-25 12:23:01 | アメリカ政治
Debt Ceiling の引き上げを巡って、ホワイトハウスから副大統領、共和党側からは上院、下院のリーダーが交渉に当たっていたのだが、取り敢えず今週、共和党がこれ以上の交渉を打ち切る事を宣言し、決裂した。

食い違っているのは、共和党が、歳入は充分にあるので、増税無しで福祉政策まで踏み込んで歳出の大幅削減を主張して譲らず、ホワイトハウスは、増税だけで賄うという考え。(歳出カットは取って付けただけのお為ごかし)

決裂の要因は大きく2つで、増税をするか、しないかという点と、交渉にオバマ大統領が参加する気が無い点、である。

ObamaCare 以外の殆どについて、バイデン副大統領に投げっ放しが続いている。副大統領も、史上最悪で最もバカであると言う評判にたがわず、ものになったものは一つも無い。今回の決裂後にも、オバマ大統領と共和党の下院議員議長にリーダーシップを発揮してもらって、2人で決めてもらうしかないと、責任放棄ともとれるコメントを出している。

歳出カットについて、今後オバマ大統領を始め、民主党がどのような嘘をついて反対をしていくのかに、やや興味はあるのだが、共和党がどのようにオバマの財政に対する無定見ぶりを攻めて行くのかが、来年の大統領選の最大争点であるだけに、行く先を占う上でも、楽しみである。(共和党が、思いっきり転ける可能性も否定出来ない)

オバマ大統領、アフガスタンからの撤退についての演説

2011-06-24 13:12:22 | アメリカ政治
昨日、車を運転しながらラジオで聞いたのだが、第一印象は、随分早口で澱みが無いなという印象だった。最近にしては珍しく、事前に練習したのだと思う。演説映像をみると、ラジオで聞いた印象とは違い、普通の速さに近いのだが、中盤のパキスタン絡みの所は、明らかに早口になっている。キナ臭い。(演説原稿

内容としては、2009年12月に発表した内容を予定通り実行するとの宣言である。(過去のエントリー、『
オバマ大統領 アフガン増兵来週発表 フォトオプ
』、『オバマ大統領 アフガン戦略 発表』)オサマ・ビンラディンを殺害した直後というタイミングの良さがあるので、予定通りにこの7月から撤退を自慢げに発表という運びになったのだと思われる。

但し、今思い起こせば、そもそもアフガン増兵の戦略的なゴールは何だったのだろうと思う。イラクの場合、紛いなりにも反政府勢力を鎮圧して政権がそれなりに安定させる目的がハッキリしており、それを達成したので撤退を始めたのだが、アフガンの場合、政権の安定には程遠く、オサマ・ビンラディン殺害で終わりという事でもなかった。逆に、オサマ・ビンラディンがパキスタンに潜伏してたことで、尚更ややこしくなってきている。

今後のアフガン政府へのサポートとパキスタンへの牽制については言及しているが、状況が怪しくなる可能性は大いにある。アメリカ国内では、共和党と交渉もしないのに、アフガンを安定させる為には、タリバンとも交渉するとのコメントがあり、少しビックリ。これじゃダタの内弁慶ではないか。

演説の最後は、アフガン問題とは全く関係無い事を言ってしまうのもオバマらしい。これは、大統領選挙の為の演説であろう。

イラク、アフガンでの戦争にかまけたので、借金が拡大、アメリカ経済も不調であるので、今こそ戦費に費やしたお金をアメリカ国民の為に投資する。インフラの再整備、クリーンエネルギーの開発を進めると、とぼけた事をいっている。(就任直後の景気刺激策の規模($780B(約70兆円))は、ほぼ、イラク、アフガン戦争の戦費( $1T(約80兆円))に匹敵し、大失敗となっている)

つい最近大統領に就任したような口調で、
"America, it is time to focus on nation building here at home."
は、有り得ないだろう。もう2年半もやっているのに、国内問題に気が付かなかったのだろうか?

オバマは、アメリカがアフガンと同じで、国家建設をする必要があると思っている様だ。

どんな内容の演説をしても、アメリカ経済の問題は未だにブッシュのせい(今回は名前こそだしていないが)と言わずにはいられないし、クリーンエネルギーとかも、やっぱり言っちゃうんだなー、これが。ここまで来ると救い様が無くて、同情したくなる。

マムシ

2011-06-23 10:23:08 | 非常に個人的な昔話
ブックマークにも入れてある、郷里、明間在住のゴミ箱観光さんのブログで、『外貨をどういう手段で得ていくべきなんやろか』(外貨と言っても、明間の外からのお金)というエントリーがあり、僭越ながら、アイデアを2つコメントしてみた。

まずは、観音水の水を売るアイデア。利権などが絡んでいて敢え無く没。次に、マムシの養殖を提案したが、ゴミ箱観光さんが個人的に苦手だという事で、あっさりと却下。外貨獲得への道のりは険しそうだ。


さて、マムシ養殖のアイデアは、明間周辺の山には、結構、マムシがいると思い出したからだ。小さい頃は、マムシではなく、方言で、ハメと呼んでいたような気がするが、インテリで都会指向の私は、山に行く事もあまり無く、接近遭遇した事も無いのだが、実家は農業だけでなく林業もやっていたので、親父はなんだかんだと山に頻繁に行っていた。

今にして思えば、親父は田んぼよりも山の方が好きだった気がする。いろんな状況があり、自分一人で対応する仕事というのが性に合っていたのだろう。(稲作は基本的に単純作業だ)人恋しい割には、孤独に強く、一人で何でもする事が圧倒的に好きな性格だったのだ。私が、アメリカで比較的気楽にやっていられるのは、親父に似て、孤独に強く、一人上手(ちょっと妙な表現だが)だからである。アメリカは基本的に孤独な国だ。(その反動で、家族愛などが強くなるのではないかと思う)

で、マムシ見つけると、将来の安全の為に必ず殺すと言っていた。(夜の運転でイタチの目が光ると、これも必ず轢き殺そうとしていた。池の鯉を穫ったり、家畜にちょっかいを出したりするからだ)たまにマムシを捕まえて帰ってきたりもした。右手で雁首を掴み、左手一本でトラック(勿論、マニュアルでコラムシフト)を運転して。そのマムシは、一升瓶に水を少し入れて空気穴を開けたふたをし、床下の芋部屋(?)に置いておき、何週間か糞抜き(?)していた。(その後は知人にあげたりして、どのように料理(始末?)するのかは知らない)

マムシは雁首を掴まれると、大人しくダランとしているそうだ。青大将などは、腕に絡んでくるらしい。(蛇嫌いの私にとっては、どちらにしろ想像を絶する)

マムシを掴めて帰ってくるのは普通の事(?)らしく、親父の知人は、捕まえたマムシを空になったアルミの弁当箱に入れたことを忘れて、そのまま奥さんに渡して、大騒ぎになったと聞いた事もある。

中学校の時には、ワイルドな同級生がおり、マムシを町の市場に持って行くと5千円になると言っていた。(今もこんな所が相場だそうで、赤マムシはその3倍するそうだ)

では、親父がどうやってマムシを見つけていたかというと、マムシは鳴くのだそうだ。(マムシの匂いがするとも言っていた)

6月22日、東京電力管内でのピーク電力

2011-06-22 10:09:48 | 雑記
東京が、この夏初めての真夏日の天気予報だったので、気になっていた。



グラクの説明が外だしになっているので不親切だが、何とか理解は可能。棒グラフが実績、赤線が前日、青線が前年相当日(意味がないような気がするが)短い黒の横棒が、ピーク供給力。(毎日更新される電力使用状況グラフが載っている東電のサイトは、こちら

昨年相当日の気温が不明であるが、夜間消費電力をみると基本的に約10%の節電がされているのが分かる。(さすが日本人、と思ったら22日が暑かったせいか、23日の夜中から早朝に掛けては、22日より多くて、ほぼ前年並みになっていた)

東電の想定 3990 万キロワットを超す 4129万キロワット(ここでも、想定外!)となっている。

気温が1度上がると170万キロワット増えるとの予想なので、あと3.5 度((4730-4129)/170 万キロワット)、微妙な感じである。安定供給の為には予備率が8~10%の確保が必要との事なので、実質的にあと 1.4 度?、際どい。

あまり大きなニュースになっていない気がするのは、アメリカにいるから?(この記事位しか見当たらず)向こう一週間はちょっとだけ涼しそうだが、7月の平均気温をみると、毎日が綱渡りになりそうである。ブラックアウトって、身近な危機だと、関係者でもない私が心配しているのは、余計なお世話?

放射線の影響より熱中症で、年寄りがバタバタという事態が、本当に現実になりそうだ。

昨日21日のデトロイトの最高気温は、89°F(31.6 度)、冷房無しだと厳しい。

左手のグリップ

2011-06-22 09:31:32 | ゴルフ
The Golf Channel で新しい番組 "Feherty" が、始まった。David Feherty はアイルランド出身のゴルファーで、現在テレビのコメンテーター/レポーターをしている。所謂、面白い事を言うポジションであるが、好みではないので観る気はなかったのだが、初回が Lee Trevino のインタビューなので、見逃す訳にはいかない。(一時間もののインタビュー番組である事もその時に気付いた)

語る(というより只のおしゃべりなのだが)ゴルファーとしては、Lee Trevino が一番好きである。いつまで観られるか分からないが、映像はこちら。番組ではカットされている所もあるので、このサイトの映像の方が断然良い。やっぱり、Trevino は、味がある。

タイガーの話の続きで、スイング改造の話になって、ゴルフコーチは、瓦一枚が割れて雨漏りしているのに家全体を立て直す様なものだ、と言っていた。実は昨日、ゴルフレッスンに行って、全体を改造する方向になってきたので、気になる一言であった。

前回のレッスンで、インストラクターに左手のグリップを直すのか、そのままにするのか、決めてこいと言われたが、いろいろ試した結果、少しづつ直していこうという、どっち付かずで非常に中途半端な結論にしていた。

昨日は、スイングのチェックをしてもらう事が主目的だったので、まずは、6番アイアンでビデオ撮影と分析。納得のいく球が打てていたので、自信があったのだが、ビデオを観てガッカリ、前回より悪くなっている。ダウンでシャフトがプレーンから外れている。右手グリップがフィンガー気味に戻り、右手で煽るようなインパクトに逆戻り。(インパクトポジションは、相変わらず問題無し)アドレスも前屈みがそのまま、シーズンもそろそろ全開で、それなりに上手く打てる様になったので、段々と本来の自分のスイングに戻ってしまった様だ。

一番目についたのは、完全に左肘を曲げてのテイクバック。下半身の動きが少ないのに深いトップをとりたい為に、腕だけを上げている。結果的に、スイングの弧が縮じまり、インパクトで煽るという一連の動きになっている様だ。(それなりの距離が出ているので、大丈夫だと思っていた)

アドレスを矯正する事から始まり、レーザーポインターのついたクラブで、テイクバックをオンプレーンにする事を反復練習。少し球を打って、一時間のレッスンが終了となった。アドレスを直す過程で、結局、左手のグリップを直されたので、結局そう言う事ね、と確認したら、ニヤッと笑って頷いていた。

習った感覚を忘れない様に、そのままドライビングレンジに居残り100球程打ってみた。意外だったのは、思ったほど違和感が無い。左手がウイークになった事で、時々プッシュやスライスは出るのだが、一発もフックが出ない。暫く、このスイングで挑戦してみるつもりだ。

もう一回レッスンをとったら、その次は、クラブフィティングをするつもり。8月には、念願のクラブ総取っ替えの予定だ。

私のスイングは、じゃーじゃー漏れで、結局は建て直すしか無い様だ。

オバマ政権のへ理屈戦争

2011-06-21 20:14:45 | アメリカ政治
アメリカには、政治家や有名人の演説や論文などか、何年生レベルかを判定する面白い事を研究している人がいる。

一時期の爆発的な人気はないが、共和党大統領候補選に出馬する憶測が絶えない、前回副大統領候補だった Sarah Palin のアラスカ州知事時代の メールが公開された。スキャンダラスや、おバカと認定出来るような内容を期待したマスコミが、血眼で調べたのだが、結局、何も出てこず、悔し紛れに、彼女の作文能力は8年生(中学2年生)程度である、との総括になった。

アメリカ歴代大統領で、一番知能指数が高いと言われた事もある(さすがに最近は言われなくなった)オバマの平均的な演説内容は、7年生(中学1年生)レベルで、ブッシュ以下であるとの事。(比較対象のリンカーンやキング牧師の有名な演説は、中学校3年生レベル)

最近報道も少なくなったし、最初から私には理解不能の中東の情勢であるが、リビアに関して、アメリカ国内で、 NATO 軍の一員として行っている空爆が戦争行為に当たるかどうかが、問題になってきている。

War Powers Act of 1973 という法律があり、大統領は、戦闘行為を始める権限はあるものの、48時間以内に宣戦を議会に報告する義務があり、60日(プラス30日)を超える場合については、議会の承認を得なければならない事になっている。(既にこれらの期間を過ぎている)

オバマ政権は、NATO 軍のサポートとしての空爆、後方支援しかしていないので、戦争行為に当たらず、議会に報告する義務も承認を得る必要が無いとしている。根拠としては、これらの行為が War Powers Act of 1973 の戦争の要件を満たしていないからというものである。

一方でこの法律の合憲性については、成立以来議論が続いてもいる。但し、これまでの全ての政権は、議会との摩擦を避ける為に手順を踏んできている。

ことリビアに関しては議会も、元々戦争が嫌いな民主党には反対する議員も多いし、共和党は、リビアがアメリカに直接的な危機をもたらさないという理由で反対する議員もおり、珍しく超党状態になっており、オバマ大統領の見解を求めている。(議会は、War Powers Act of 1973 に該当すると言う立場)

オバマ自身も、この期に及んで、なんでリビアを攻撃したのか、確信が無くなってきているのではないだろうか。(中東の民主化は、段々妙な変な方向に行っているし)一方で、自分の判断を間違っていたなどと今更言えないし、自業自得の苦しい展開になっている。(ヨーロッパとしては、カダフィが地中海で暴れてもらっては困るので、アメリカを上手に引き摺り込んだという所であろう。オバマは、ヨーロッパ(特にフランス)にあしらわれている感じがする)

今後オバマ政権は、リビア情勢より自分の立場を正当化する事の方に、力を入れる事になりそうだ。

戦闘(というか事態の展開)も、40年独裁を続けている年季の入ったカダフィはしぶとく、未だに頑張っている。独裁者気質があるオバマは、自分の目論み通りの展開にならず、大統領権限で好き勝手な事を始めたがつかず、中学校1年生レベルの言い訳を一所懸命考えているという滑稽な展開になりそうだ。

Rory McIlroy U. S. Open 優勝

2011-06-20 12:38:41 | ゴルフ
記録尽くめの U. S. Open になったが、なにより、Rory McIlroy が今年の Masters 最終日の悲劇を乗り越えて、メジャー初優勝した事が喜ばしい。

彼の時代の幕開けだと、ゴルフ解説者は一様にベタ褒めであった。体格の割に飛距離が出るし、唯一弱点とされていたパットも、Masters の後、パットの名手で有名な Dave Stockton をパッティングのコーチにしていたとの事で、もの凄く安定していた。(Dave Stockton は Phil Mickelson のパッティングコーチでもある)

肝心のスイングの方だが、昨年からメジャーでは必ず絡んでいる様に、非常に良い。若さにまかせたスイングのような気がするが、体が柔らかそうなので、このまま40歳位まで突っ走るとなると、タイガーの記録を脅かす可能性も出て来ると思う。なにせ未だ、22歳になったばかりだ。(唯一の欠点は、左腕、左手を柔らかく使っているので、何かのきっかけでフックが出るだろう。Masters の最終日10番は、これが出た。今回も二日目18番の2打目もラフからという事もあり、フックして池に入れていた。但し、最終日は、同じ位置からキッチリ、グリーン右につけていたのはさすが)

パッティングよりスイングより、なにより良いのは、頭であろう。Masters の最終日からキッチリ学んで、次のメジャーで勝つこと自体が素晴らしい。もう1つ、記者会見がリラックスしていて、正直で、ウイットがあり、ユーモアもある。

ヨーロッパの選手、特に英語の喋れる英国、アイルランド系のゴルファーで、アメリカに本拠地を移さないプロゴルファーは、キャラが立った人が多いのだが、Rory McIlroy は、自然体の上に、そう言う要素をキッチリ持っているので、今後のインタビューも楽しませてくれるであろう。

アメリカのプロゴルファーは、エージェントなどがしっかりついており、指導が厳しいのか、皆一様で、面白くない。人種問題などでも常に政治的に正しい事を言わなくてはならないので、尚更つまらなくなっている。タイガーにしても、いつも内容的には全く何も喋っていなかった。(ゴルフについてはそれなりだったが)

これで、メジャーは5大会連続で、アメリカ人以外が優勝している。タイガーの復活が絶望的(個人的な見解だが)で、フィルも年齢的に厳しくなっているので、早く20代のメジャー優勝者が出てこないと、暫く、ヨーロッパ、南アメリカ、オーストラリア勢にやられっ放しになりそうだ。

日本勢は、石川遼が最終日は追い上げたが、何と無く話題性も乏しかった気がする。まあ、ファッションからして、あのヨネックスの帽子は、Rickie Fowler(4分の1日本人の血が入っているとの事) の Puma のモロ真似だったので、ちょっと興ざめした。本当にメジャーに勝ちたいのなら、アメリカに主戦場を移すべきであろう。運転免許もある事だし。


追記:最終日を生放送で観られなかったので、夜中に再放送を観ていたら、青木功が最終組に付いていた。Rory McIlroy について、どんな事を言っていたのか聞いてみたかったなー。

ジャーナリスト 木下黄太のブログ  「福島第一原発を考えます」

2011-06-19 21:26:54 | ブログ探索
このブログを読んでいると、東京ですら、放射能にによる健康被害が多発している感覚にとらわれるが、その割に、福島辺りの情報が少なくて、バランスが悪い。(ある種、都市伝説系のデマ(?))

安全基準とか、数字を上げての判定が不可能なのが、このような状況を作り出しているのだろう。国が、この期に及んで意図的な嘘の情報を流すとは思えないが、未曾有の事態なので、だけもハッキリした事は言えないのだろう。まあ、今回の事故前に書かれている放射能の本が、数値とか偏見なく検証していると思われるので、丹念に調べて、自分なりの結論をだすしか無いだろう。

首都圏、北関東圏の人々の心配は、WSJ の記事にもなっていた。("Moms Turn Activists in Japanese Crisis") 妊娠中や小さな子どもをもつ母親の心配は、(非科学的であっても)理解は出来る。

そう言えば、平井憲夫の話題が最近登場しないがどうした事だろう。柏原発の隣町で、24時間被曝しているので「結婚も出来ない、出産も出来ない」という中学二年の女の子が涙で訴えた以上の被曝を、関東や東北の人は、既にしているのである。(木下黄太によると、既に関西も危ないらしい)

事故発生当時は、大騒ぎであったが、結局平井憲夫は怪しいという結論が出たのだろう。(本人が怪しいのではなく、彼の名前を利用した人々して、反原発の情報を流した人々)

まったく関係無いが、昨年、上昇のみられた出生率は、再び大幅に悪化しそうだ。(出生率改善には、高齢出産(35~49歳)が増えた事が上げられていたが、もし、放射能の影響で障害児が増えるのが本当なら、そっちの心配もある)節電ムードで、出掛けなくて、出生率上昇とはいかないだろう。

MAZDA アメリカ(北中南米)戦略ってあるんだよね?

2011-06-18 10:48:34 | アメリカ自動車業界
マツダとは直接関係無のだが、私がデトロイトでアメリカ生活を始めた事、現在自動車業界の末端で働く様になったきっかけはマツダのミシガン州への工場進出なので、動向はいつも気になる。

マツダが、メキシコに工場を建設する事が数ヶ月前に発表された。その流れと言ってはちょっと変だが、ミシガン州フラットロック工場では次世代の MAZDA 6 は製造しないという発表が先週あった。

フラットロック工場は、フォード・プローブ(懐かしい)の製造から始まった。元々フォードの工場なので UAW が元々存在しており、マツダは他のメーカーが経験していない労組対応の苦労もしてきているので勿体ない気もするが、ずっと不調であったので決断としては遅いくらいであろう。

マツダ単独の工場から、マツダの財政難などがあり、フォードとの合弁になっている。現在の生産車種は、MAZDA 6 と Mustang、比率は1:2で、その上、キャパの半分も埋まっていないのだ。年間10万台程度しか生産していない。(北米マツダの赤字は、この工場によるものらしい)

ビッグ3との合弁型の日系自動車の工場は、トヨタの NUMMI、スズキの CAMI (どちらもGMとの合弁)に続いて、これでまったく無くなってしまった。それぞれの事情はあるが、20年の時を経てアメリカメーカーとの合弁での工場運営と言う手法は終わったという事であろう。(後処理もそれぞれ)

で、マツダに戻るが、メキシコ工場で何を生産するかまだ決まっていないらしい。ずっと生産してきた MAZDA 6 を続けるとも言っていない。この車、出来の割には売れない。トヨタブランドだったら間違いなく20万台売れる、とマツダの社長の奇妙な負け惜しみを聞いた事があるが、昨年の販売数はたったの3万5千台である。(トヨタのカムリは33万台、ホンダのアコードは31万台)

今のモデルは、北米マーケット専用車として設計され、大型になっただけに、今更日本でアテンザと同じラインで、生産する訳にもいかないだろう。だとすると、メキシコで引き続き生産すると、単独ラインで、たったの3-4万台という無駄な事になる。では、アメリカで比較的売れている CX-7, CX-9 (各3万台弱)の現地生産と組み合わせる事が考えられるが、それなら逆に、日本で、アテンザではなく、 CX-7, CX-9 と同じラインで生産する方が合理的だろう。(日本のニュースでは、次世代の MAZDA 6 は、防府工場になると発表してあった)

そうすると、メキシコはやっぱり小型車生産しかない。Mazda 3, Mazda 2, (Mazda 1 ってあるんだっけ?)という感じか?現在日本から輸入している Mazda 3 の10万台がメキシコに移ると、それはそれで大変そうだ。

ではなぜ、わざわざフラットロック工場から手を引いてメキシコなのかと考えると、やっぱり、南米を睨んでいるのだろう。トヨタ、ホンダもブラジルに工場を持っているが、メキシコを南米攻略の基地としようとしている様だ。リーマンショックで遅れ気味だが、2社とも小型車を生産するとの憶測がある。マツダも単純に戦略的に追随したとしか思えない。単独でやりたいはずだが、資金が足りないので住友商事と手を組むのが、ちょっと寂しい。

メキシコ市場は基本的に小型車が中心なので、当然メキシコ市場も睨んでいるのだろうが、虻蜂取らずの戦略に思えて仕方が無い。ここはいっその事、潔く、北米、中米、南米は、日本からの輸出で勝負の方が、合理的だろう。

日系メーカーも、一括りに出来ないのであるが、トヨタ、ニッサンは、北米での大型のトラック、SUV の事実上の失敗で、南米戦略を上手く立てられなくなっているような気がする。メキシコを含めて、市場の将来を勝手に小型車中心と決め打ちして、攻めようとしている風にしか思えない。

南米がダイナミックに発展すると仮定すると(仮定しているからこその進出戦略であるはずなのだが)、自動車市場はアメリカに近い感じになるのではないかと予想出来ないか?人口の割に土地が広く、資源も豊富にありそうなので、大きめな車の需要が増えるそうな予感がある。

いきなりブラジルで不得意な車種を生産する訳にもいかず、為替レートで南米に比べても人件費が安い事もあったりして、メキシコって器用な立ち位置であるが、もし、南米が期待通り経済的に大化けすると、中途半端なメキシコ進出と腰の引けた大型車への取り組みが、長期的に響きそうな気がする。

マツダは(そう言う意味ではホンダも)、大型車をラインナップしていないので、メキシコ工場は、尚更中途半端過ぎる。

北米進出で、ビッグ3との合弁を上手に利用したのはトヨタだけである。中南米進出戦略の一環として、メキシコ工場を上手く使いこなせる日系メーカーが出てくるのだろうか。答えは、20年後だ。(生きてないかも)


追記(6-23-11)6月18日付けの日経に、マツダが住友商事と共同で、メキシコ新工場の建設とブラジルでの販売協力をする記事が掲載されていた。メキシコでは「デミオ」と「アクセラ」(Mazda 2, Mazda 3)を年間14万台生産予定、販売先は、メキシコとブラジル、将来的には北米への供給も考えているらしい。来年から日本からの輸出でブラジルでの販売を開始するとの事だ。

何かチグハグな印象が拭えない。北米で工場を締めて輸出で対応するのに、ブラジル向けはメキシコ生産(メキシコ向け分もあるけど)というのは、納得が出来ない。昨年のアメリカでの販売実績が、Mazda 6 で約3万5千台、Mazda 3(アクセラ)で、10万台をちょっと超えるくらいなのに、メキシコとブラジルで14万台も売れると、どのような Feasibility study したのか気になる。