YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Restoring Honor 8/28

2010-08-30 10:16:27 | アメリカ政治
Glenn Beck が主催した Restoring Honor 8/28 イベントは、ワシントンDCに推定で30万-50万人の人を集め、戦争で亡くなった兵士の子どもたちの奨学金基金への寄付は、目標の$5.5M(約4億7千万円)を上回り、大成功であった。

Glenn Beck が当初から言っている様に、政治的な色合いは薄く、宗教的でありジュデオークリスチャニティー(judeo-christian)に基づいた建国精神を取り戻そうという、非常に崇高なイベントであった。ほとんどのマスコミは、彼を非常に保守色の強い Tea Party Movement のリーダーの一人と考えており、彼の意図とかけ離れた悪意に満ちた報道をしている。

イベントの大成功が、短期的には今年の中間選挙へ何らかの影響があるとか、長期的には保守回帰の大きな一里塚として記憶されとか、という事はないと思う。現在のムードの反映が成功に結びついているだけで、歴史的な意味合いは皆無だろう。しかし、Glenn Beck を始め、多彩な保守系の人々が、憲法の精神やアメリカ政府の仕組みについて、多くの人々を啓蒙してきた事は軽視出来ない。

Glenn Beck の真摯な国を思う気持を、単純な図式(保守対革新、白人対黒人)等で理解しようとする事自体が間違っているのだ。彼はエキセントリックな雰囲気があるので誤解される事が多いが、メッセージ自体は非常にシンプルである。

一方で、8月28日がキング牧師の"I have a Dream"の47周年にあたるので、黒人人権活動家は、全く的外れな批判を行っており、Al Sharpton は取ってつけた様に、このイベントに対抗する集会を開催し、黒人ばっかり3千人を集めると言う恥の上塗りまでしている。黒人人権活動家は、キング牧師の功績のおかげで存在していると言っても過言ではないのに、彼のメッセージを矮小化し、自分の為に利用しているだけである。歴史的に意固地になるのは理解出来るが、もし、人種の壁を乗り越え、政治理念の壁を乗り越え、キング牧師が "I have a Dream" をしたその日、その場所のこのイベントにジョイントすれば、究極的には政治的にも彼等に取って有利な展開があるという可能性は考えれない様だ。

Al Sharpton や Jesse Jackson 等の、人種差別をネタに好き放題やっているインチキ黒人人権活動家については、どこかで書こうと思っている。

Swamp People

2010-08-29 22:07:06 | アメリカのテレビ番組
何百チャンネルも有るケーブルテレビであるが、チャンネルサーフィングをする時のローテーションは決まっていて、ニュース番組(複数)、ゴルフチャンネル、Discovery、History、そして5つ位の映画チャンネルである。映画は新しいのより、既に観ている映画や、話題作だったりして予備知識の有る映画を観る事の方が多い。最近なぜか007を一杯やっている。他の番組のコマーシャルの間だけ観るとか、好きな場面だけ観るとか、変質的な事をしている)

シリーズ物で面白いのは、Discovery、History での、系統としては Reality Show ものである。

今、嵌まりそうなのは、Swamp People 。ルイジアナ州の Swamp と呼ばれる湿原地帯で、ワニ漁(猟?)をする人々の生活を紹介する番組である。

ルイジアナ州が一年のうち、30日だけワニ漁を解禁し、一人当たり(一隻当り?)200匹の捕獲を許可している。ワニの増殖を減らす意味合いがあるとの事だが、登場する家族は何世代にも渡ってワニを捕ってきているので、許可制は後付けであろう。

ルイジアナ州、特にニューオリンズはケイジャン料理で有名であるが、ケイジャン(Cajan)とは、元々カナダのアカディア植民地(カナダ南東)からこの地方に着た人の呼称である事を初めて知った。第一話で簡単に紹介してあったが、入植したというより、アカディア植民地から追放された人々との事だ。(オーストラリアにしても、ケイジャンにしても、追放された人々の子孫はワイルドだ)

ウェブサイトで紹介映像だけでなく番組そのものも観れるので、興味ある方はどうぞ。

日本だと漁や狩りをやる人々は、ストイックな感じで紹介される事が多いが、ここに登場する人々は、バリバリの南部訛りで放送禁止用語連発しながら、トラックやモーターボートを駆使し、一方で昔ながらの巨大な釣り針でワニを獲り、現代アメリカ風の家に住み、1つ間違えば大怪我や死ぬ事もあるのに、アッケラカンとしている。

はやみおっちゃんの様な雰囲気を持った人がアメリカにいて、いまだに現役でワニと格闘し、20歳位の息子や、年端も行かない孫にワニ漁を教えている事が愉快で仕方がない。1つ間違えば、死んでしまうという危険な仕事を、注意深く何十年もやっている人が持つ独特の雰囲気が、たまらなく好きだ。

因に、ワニは食用として売るのだが、儲けはワニ皮の方で、世界中に輸出されている。大きくなればなるほど倍数的に値段が高くなるとの事。30日で一年の半分を稼ぐそうだ。(シーズンオフは何をやっているのだろう?)

ワニ肉は、もう二十年前にマイアミのホテル(マイアミバイスに出てくる)で食べた事があるが、固い豚肉といった感じであった。

Personalized Notecards

2010-08-29 12:52:26 | 雑記
"Never miss an opportunity to be fabulous" というやや幼稚であるが、とても大切な言葉を知る事となった "What I Wish I Knew When I Was 20" であるが、哲学的ではなく、実用的に役立つ事も書いてあった。

母親からの10歳の誕生日プレゼント、Notecards が、生涯を通してもっとも価値のあるものの1つであったという記述である。それは、青地に作者の名前がブロック体で印刷された Personalized Notecards であり、母親は Thank-you note の書き方と重要性を教えてくれたとの事である。

で、今日が上の娘の10歳の誕生日、ミーハーな私は作者の母親を真似して、娘に名前入りの Personalized Notecards を、それも色合いが同じの封筒付きでプレゼントした。娘の一番好きな色はピンクと知っていたので、薄いピンク地にフクシア色(植物の名前で、花が赤みがかった濃いビンク)のロゴで決めてみた。

自分自身は、典型的な Spoiled Kid で、大人になってからはシニカルな所があり、どちらかというと無頓着な方である。人に何かをしてあげようと気持も薄くなってきている様な気もする。(但し、ゴルフの事を教えてあげたい気持は強い)感謝する心は、年のせいか、段々強くなってきている様な気はする。

娘に感謝の気持を伝える事を教えながら、自分も学ぼうと言う思いの表れが、このような形になったのかもしれない。「子供を育てる事は、自分が学ぶ事」と古典的な教訓を思い出しながら、完全に手遅れな自分の馬鹿さ加減を素直に受け入れる私なのであった。

罰金

2010-08-28 03:06:58 | 雑記
シカゴ郊外の高速道路は、フリーウェイでは無く、有料道路の所が多い。10年前に住んでいた時に既に I-PASS と呼ばれる ETC システムの導入が進んでいたが、最近はキャッシュで払う人はお上りさんだけという感じである。

お上りさんの私は、料金所の度に、CASH のブースで、たった$0.80でも律儀に払う事になる。その上、仕事のときは領収書が必要なので、たった$0.80で、大変な手間を掛けている。特に郊外西を南北に走る I-294号は、料金所が多く、大忙しである。古い料金所では、昔ながらコインを投げ入れる所もあり、仕事でも涙を飲んで自腹になる事もある。

ミシガンからのシガゴ出張は、ほとんどが車で行くのですが、4月に出張したときは、南部の州への出張の流れだったので飛行機を使い、レンタカーを借りた。

オヘア空港に入る所に料金所があるのだが、なぜかここの料金所は昔ながらのコイン投げ入れ式ばかりで、係員のいるブースもない。自分の車だとコインがいつもじゃらじゃらあるのだが、レンタカーだし、あいにく手持ちも無く、致し方なく未払いで通過してしまった。

監視カメラがあるので、その後もシカゴ出張の度に未払いの事を思い出し、ひょっとすると後で請求が来るかもと思っていたが、随分時間が立ったので大丈夫だと確信していた。

昨夜、ドライブでのシカゴ出張から帰ってくると、エイビスレンタカーから「未払い料金」のお知らせという手紙が届いており、タイミングの良さ(悪さ)にビックリ。開封して内容を読んで、今度は怒りが込み上げてきた。

合計で$45.80払えというのである。未払い分$0.80、有料道路の未払いの罰金$20、エイビスの手数料$25。9月8日までに払わなければ、エイビスは更に$10の追徴をするとあった。エイビスの会員(会員だと窓口手続き無しなので便利)なので、クレジットカード番号を知られている弱みに付け込まれている。そんな訳で、先程、クレジットカードへのチャージを承諾する旨、連絡をした。

皆様、シカゴへお出掛けの折、最後にオヘア空港へレンタカーを返す場合は、$0.80分のコインの確保をお忘れなく。

大きなお世話、おおらかで善良だが問題のあるお節介

2010-08-26 18:16:09 | アメリカ政治
オバマ大統領と司法省は、国連人権委員会に対し、アメリカ合衆国の人権の現状についてのレポートを先週提出した。

アメリカは人権に関してまだまだであるが、オバマ政権による社会正義の修復により、良い方向に進んでいる。まずは、Obamacare で、やっとアメリカ国民全員が医療サービスを受ける道が拓け、金融改革法で差別的であった貸し出しが是正され、軍隊のゲイに対するポリシーの改善されたとしている。(Obamacare と金融改革法は、法案が通っただけだし、軍隊のゲイ問題は、大統領命令が出たものの具体的な進展のニュースは未だ無い)

改善の余地として、人種別の失業率の違い(黒人15.8%、ヒスパニック12.4%、白人8.8%)を挙げている。

世界的な人権問題って、こんな甘っちょろい話ではないであろう。多数のアメリカ人にとって大きなお世話と言った感じであろう。まあ、イランだって人権が改善しているとの報告書を出すくらいだから、この国連の人権委員会へのレポートは、施政者の馬鹿さ加減を競う類のものであろう。

オバマは、ノーベル平和賞も持っている事だし、アメリカ大統領では飽き足らず、余生は国連の独裁総長として世界の平和と人権問題を解決する気がある様だ。

多くの人の人権を救ったと言う視点で見ると、アメリカのイラク、アフガン戦争は、大いに賞賛に値されるべきであろう。イラクの500万とも言われるクルド人をフセインから救い、アフガンではタリバンの圧制から全国民を救っているのである。ブッシュに、おおらかで善良な意識があったという事を否定する事は難しいと思う。

Atheist

2010-08-25 07:31:22 | アメリカ政治
オバマ大統領の信仰する宗教については、グラウンド・ゼローモスクに対する発言のブレ、オバマ自身が休暇中でネタ切れ気味でもあるので、それなりに燻り続けている。

父親がイスラム教だと、本人の意思にかかわらず子供もイスラム教と言う珍説(?)があったり、インドネシア出身の義理の父親もイスラム教で、オバマは少年時代の5年をインドネシアで過ごしていた事があり、この時通っていた学校はカソリック系の学校であったが、願書にはイスラム教と記してあったとか、灰神楽が舞っている。

オバマ自身は、著作の中で、実の父についてはイスラム教であったが熱心ではなかったとしている。(5歳くらいでそんな記憶あるのか?)一方、母についてはクリスチャンであり、オバマ自身もクリスチャンであるとハッキリ言っている。但し、母親は強い宗教心は持っていたが、宗教のありかたについては批判精神を持っていたとしている。

で、母親の Stanley Ann Dunham なのであるが、無神論者 (atheist) だったのではないかと言う学生時代の友人のコメントがあったり、オバマの異父兄弟の妹が、(キリスト教の否定もしない)不可知論者 (agnostist) と結論付けたりしている。

オバマ本人は、躍起になってクリスチャンである事を強調しているが、どう考えても典型的なクリスチャンとは言えない。リベラルは、基本的にキリスト教から逸脱しているので、似非であってもクリスチャンと名乗る事は大した問題ではないのだが、本格的な非クリスチャンだと決め付けられると、人気が落ちると言う恐怖感があるのだろう。

母親の考え方と結婚相手の宗教、複雑な環境におかれたオバマの成長期などを考えるに、オバマは間違いなく無神論者 (atheist) であろう。

だからこそ Black Liberation Theology に傾倒していくという流れになるのだろう。

米の力

2010-08-25 01:46:49 | 雑記
ここで言う米は、あくまでもコメであり、アメリカではない。

中国の経済規模が GDP ベースで日本を抜いた事については、私にとっては大きなインパクトだったが、ここ数年の動向を見ていると当然という人や(そう言われてみると、当然なのだが)、経済規模だけで豊かさは計れない等と、往生際の悪い日本人も結構いたりして、物の見方には色々ある事を改めて認識させてくれた。

で、安い労働力を原動力に伸びてきた中国であるが、人件費(工場労働者)だけとって見るとベトナムやインドネシアの3倍近くになっている。3年前に中国の人件費がインドネシアより高い事に驚いたのだが、3倍になっているとは。(月額で中国$413、ベトナム$136、インドネシア$129)

中国は、インフラ整備が、ベトナム、インドネシア、などより進んでいる事、サプライヤー網、熟練労働力などもあり、急に先細りにはならないようだ。

インドネシアは2億2千万、ベトナムが8千3百万、(バングラデシュの1億5千万、忘れちゃ行けないフィリピン8千2百万)など、この地域には人がうじゃうじゃいる感じである。

偏にヒマラヤ山脈と稲作(お米)のおかげだ。

先ずヒマラヤ山脈であるが、基本的に海で発生した水蒸気は両極へ移動するそうだが、ヒマラヤ山脈のおかげで東南アジアに雨が降る様になっている。(日本も周囲が海という事もあるが、ヒマラヤの影響を受けているそうだ。)その他大陸の中緯度は基本的に砂漠地帯だ。(この辺は、山根 一眞の『メタルカラーの時代』の坂田俊文(衛星写真の分析が専門(?)の情報工学者)へのインタビューが詳しい)

雨の多い事で稲作が出来、米が主食とする事が出来る。単位面積当たりの収穫高が麦に比べて高く、多くの人が暮らして行く事が出来る。(芋の収穫には圧倒的に負けるが、米は長期保存性が良い)

人口密度が高くなり、コミュニケーション能力や教育程度も向上し(ちょっと飛躍しすぎか?)、非常に優秀な労働力の供給地となる。このような便利の良い労働力が供給出来る地域は、東南アジアの後はないのである。

お米のありがたさは、腹持ちが良いだけでなく、経済学、地理学、気象学、植物学、自然人類学、文化人類学等を融合した上で、語られるべきものである。血糖値を気にしながら、食べる物では決してない。

Sean Foley

2010-08-24 02:00:22 | ゴルフ
まだ、検討中らしいのだが、タイガーの新しいコーチとして Sean Foley が有力視されている様だ。先日の PGA Championship の練習場で指導していた。

ググってみたらゴルフチャンネルの指導ビデオを発見。どうやら "Stack and Tilt" 系だ。

ブッチ・ハーモン以外にタイガーを立ち直せるコーチはいないと思っているが、もし、"Stack and Tilt" で復活し、メジャーも勝つ様になれば、自分の予想は外れるものの、それはそれで良しとしよう。

このビジネスプランが日の目を見るかも。でもまだ、自分の身に奇跡が起きてない事が問題で、同じ系列の理論だがタイガーに先を越されそうだ。

どっちにしても『タイガー復活のゴルフ理論ースキャンダルを乗り越えて』とか言う指導ビデオの方が、売れるだろうなー。(そう言えば、今日公式に離婚発表があった)

中国恐るべし

2010-08-23 21:27:01 | 雑記
中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国になり、風力発電でも世界中を吹き飛ばし、中国恐るべしとの感覚をあらたにしたのだが、やっぱり、中国のお人は、世界の誰も知らない事を知っているのかもしれない。

宇宙人の飛行船は地球に飛来できる」!!

中国恐るべし。

そう言えば、ゴルフもスコットランドが発祥の地ではなく、中国で始まったらしい、ゴルフの原型の競技をしている屏風絵(?)があるらしい。一方で、スコットランドに流れ着いたオランダ人がゴルフを広めたと言う話もあり、オランダ発祥説もあるらしい。

渡辺美智雄「あっけらかんのかー」

2010-08-23 10:13:05 | 雑記
国の財政赤字、個人レベルでは失業率の高さなど、アメリカ経済は重苦しい感じがどうしても拭い切れないのであるが、なぜか、アメリカ的な明るさが残っている事を思う度に、渡辺美智雄「あっけらかんのかー」失言を思い出す。

渡辺美智雄は、前回の選挙で躍進したみんなの党党首、渡辺よしみの父親である。

「あっけらかんのかー」と並んで「毛針」の失言もある。でもどっちも失言というより、本質的な鋭い発言であると思うけどなー。渡辺よしみが、『ミッチー語録の教え』として、失言についてコメントしているので、読んでみて下さい。

政治は、漫談ではないので笑わせれば良いというものでは無いが、一発で分かる明快さとユーモアが無ければ、つまらない。考え方も発言も単純に越した事はない。放っておいても、どうせ状況は複雑になるのだから。

Rasmussen Reports

2010-08-22 13:13:16 | アメリカ政治
中間選挙が近づいてきたアメリカでは、アンケート調査の結果を新聞やテレビで目にする事が増えてきた。各社独自の調査をするケースも多いのだが、独立系の調査会社として有名なのは、Gallup であろう。

選挙予想が的確という事で、Rasmussen Reports の名前を聞く事が多い。今年一月にマサチューセッツ州で、昨年死去したテッド・ケネディー上院議員席の特別選挙が行われ、2週間前まで地元の新聞社ボストングローブが民主党候補の圧倒的リードと当確ムードを伝えていたが、Rasmussen Reports は同じ時に共和党候補の Scott Brown の猛追で、レースは予断を許さない事ををキチンとレポートしており、結果的に Scott Brown が当選した事で、評判が一段と高くなった。

秘訣は、Gallup が一般大衆のデータを元に分析するが、Rasmussen Reports は選挙に行く可能性が高い人のデータに絞り込んで分析している事の様だ。

で、これだけなら、今後選挙予想では Rasmussen Reports 調査結果に注目しましょうで終わるのだが、興味を引くのは、創立者の Scott Rasmussen である。

最近、めっきりスポーツへの関心が薄すれきて、ESPN (Entertainment Sports Programming Network)を見る事が少なくなっているのだが、彼こそが1979年22歳の時に、スポーツアナウンサーであった父親と共同で ESPN という、それまでに無かった24時間スポール番組だけを放送する局を創立したのである。(ABC が買収したので、ESPN も現在は Disney の傘下である)

なぜ、スポーツ放送局からアンケート調査会社というのが今一調べ切れないのだが、やる人はやるもんだというアメリカ的なストーリーは、私の琴線をかき鳴らす。まあ、勝者がいて、敗者がいて、ドラマがあってと、スポーツと選挙は似ているので、そんな所かもしれない。

彼は、保守系と言われているが、実際の選挙では、自分の会社の調査結果で当確と出た人を応援するそうだ。

I have a Dream

2010-08-21 11:50:42 | 政治の話題
昨日のエントリーを書きながら、Glenn Beckが8月28日にワシントンDCのリンカーンメモリアルで行うイベントが、1963年8月28日に同じ場所で行われた、キング牧師の "I have a dream" 演説が有名な、ワシントン大行進のトリビュートとして行われる事に気が付いた。



演説が行われたのはリンカーンメモリアルの階段である。リンカーンメモリアルからワシントンモニュメントを見た事がある人は分かると思うが、アメリカの聖地があるとすればここしか無いであろうという場所である。

非暴力主義のキング牧師は暗殺され、暴力も辞さないと考えたマルコムXも暗殺され、黒人暴動があり、黒人大統領まで誕生したが、キング牧師の夢は、実現されていない。黒人公民権活動の指導者の中には(白人の公民権活動家というのは聞いた事が無い)、白人である Glenn Beck が8月28日にこの場所でエベントを行う事に対して、黒人に対する冒涜と憤るという的外れな批判をする人までいる。

"Restoring Honor"のタイトルで、宗教的でも政治的でもないととのことだ。個人的には、歴史的にインパクトのある希望と勇気の溢れるイベントになってほしいと勝手に思っている。

オバマ大統領の信仰する宗教は?

2010-08-20 01:57:31 | アメリカ政治
と聞かれて、なんとアメリカ人の18%がイスラム教と答えた。その上、43%の人がどの宗教を信仰しているのか分からないとしている。

一年前にオバマ大統領がイスラムと思っている人が10%しかいなかった事を考えると、フルネームが Barack Hussein Obama (バラク・フセイン・オバマ)で、ミドルネームがフセインなのとオバマ大統領の言動が、アメリカ人にとって普通のクリスチャンっぽくないと感じている連鎖的な決めつけと思われる。

ホワイトハウスも躍起になってクリスチャンで有る事を強調するのも変なのだが、オバマ大統領はクリスチャンである。但し、ミッシェルと伴に20年所属していたシカゴの教会(Trinity United Church of Christ)の黒人牧師(Jeremiah Wright)は、戦争、テロ、そして特に黒人関係の人種問題で、トンでもない発言をすることで有名であった。オバマは大統領選挙中に悪影響を恐れてこの牧師と決別して以来、教会に礼拝に行く事をしていない。クリントンやブッシュが日曜礼拝にホワイトハウスから行っていた映像が頻繁で放映されていたのとは対照的である。オバマ本人もワシントンに引っ越したら礼拝に行く教会を決めるとコメントしていたが、今のところウヤムヤになっている。

アメリカ人の18%(+43%)がトンでもない無知と考える事も強ち飛躍ではないのであるが、オバマが公式にクリスチャンと表明している事を知っているのに、イスラム教もしくは分からないと答えるのは、オバマを嘘つきと思っているのだろう。そんな訳で、オバマ大統領の支持率も、彼をイスラムと考えている人々の間で一番低くなっている。(信仰不明、クリスチャンの順に上がって行く)

では、オバマは自己申告通り本当にクリスチャンなのであろうか?

アメリカのリベラルは、なんちゃってクリスチャンになっているので、真剣に論ずる事自体がアホらしくもあるのだが、オバマのケースは特殊である。

オバマが20年通ったシカゴの教会(Trinity United Church of Christ)は、バチカンが異端と考えているLiberation Theology(救済神学と訳す様だが、日本語では英語版の様な適切な解説が無い)を更に黒人専用に特化したBlack Liberation Theologyの総本山的存在である。

では、Liberation Theology(救済神学)とは何ぞやという事になるが、簡単に言うと支配階級と非支配階級がいるので、非支配階級を救済してやらねばならぬ、という神学である。1950年代に、キリスト教信仰が厚い南米で、社会主義やマルキシズムといった理念では訴求力が無いので、神やキリストを持ち出し社会正義の実現のための理論として生まれ、実践されてきた。しかし、1980年代にローマ法王が、キリスト教本来の教えから乖離しており、マルキシズムの階級闘争に教会が加担する事になるという理由で、批判している。

オバマは、ある大学の卒業式で ”My individual salvation is not going to come about without a collective salvation for the country. ”と述べているのだが、意識的がどうかは別として、オバマは Social Justice (社会正義)という意味で "Collective Salvation" という表現を用いている。その前に ”My individual salvation" とあるので、間違いなくキリスト教の定義として "Salvation" を使っている。 "Collective Salvation" という考え方が、ローマ法王によって悪魔的だと断定されている事を考えると、オバマはキリスト教徒しては非常に異端な考えを、大統領として堂々と布教してる事になる。(前にも書いた映画「オーメン」が現実に起こっている様な感覚になる。)

最初にこのニュースを聞いた時は笑い話程度に考えてが、Glenn Beck のラジオを聞いたり、泥縄式で追っかけてみると、オバマが大統領就任以来やってきた事が、特にアメリカ国内の案件については Liberation Theology からブレていない事が分かる。さすがに大統領なので、Black だけを救済する Black Liberation Theology という訳にいかないが、所々で逆人種差別的なコメントが飛び出すのは、押さえ切れないものがあるのだろう。一貫性が無い様に見えたりする事もあるが、こんな危険な信念をカモフラージュしなければならないので、どうしてもチグハグになると考えると納得が出来る。

結論から言うと、オバマは異端のクリスチャンである。イスラムであると言う18%は短絡的過ぎて論外であるが、どのような信仰か分からないという43%は、普通のキリスト教の人々とは解釈や感覚が違うので、その違和感を表した数字と考えて良いだろう。


内容が重くなったので、おおらかなキリスト教的宗教観がある名曲をおひとつ。


僕のアメリカ青春3部作

2010-08-19 03:21:49 | 書評
何でも見てやろう小田 実

なぜ、アメリカに来たかったのか、これだという決定的なものは無いのだが、本からの影響という意味では、これが一番であろう。1950年代のフルブライトでのハーバード留学の事を書いた本である。高校三年生の時に読んで、大学の時に、そのうちアメリカ留学でもして物書きにでもなるかと、人生を踏み誤る将来設計を描く事になる原因となった。(その将来設計は狂い、人生も誤った。)

浪人中に代々木ゼミで本人の英語講座も受講した事があるのであるが、有名人に弱い体質ながら、余り興奮した記憶が無い。その頃は時代遅れの活動家という感じであり、ただのむさ苦しい中年おやじと80年代初期の雰囲気が、既にマッチしなくなっていたのであろう。

今でも覚えているのは、帰国前に全米バス旅行するのであるが、アメリカ南部の片田舎のトイレでも熱いお湯が直ぐに出る事に感動した場面である。私はてっきり、アメリカという国は、お湯の水道網が上水道の様に張り巡らされているものだと勝手に思い込んでいた。ああ恥ずかしい。


シスコで語ろう高橋 三千綱

これも留学記であるが、内容は全く記憶にない。私が大学生の頃は売れっ子作家になっていたと思う。留学記でデビューしているのに、その事とは全く関係なく活動している所に潔さを感じた覚えがある。

著作が映画化されたりしたりして、ルックスが良い事もありカッコ良いと言う印象がある。最近(といっても10年位前だが)は、ゴルフ雑誌にエッセイを連載しているのを時々読んだりしたが、年寄りゴルファーの事を書いても甘ったるいので、そう言う作風だったのだと妙な納得をした。


ストロベリーロード石川 好

アメリカに来てから読んだので、自分の人生にインパクトは無かったのであるが、作品としては一番面白かった。確か映画にもなったと思うのだが、一読の価値あり。ずっと中西部に住んでいるので、カリフォーニ(確か作品の中ではこう発音していた)での生活はイメージ出来なかったが、ロス郊外に長く住んでいる知人は、絶賛していた。

その後、アメリカ専門(?)の評論家になり、それなりにユニークな活動(参議院に立候補したり)をしていたが、インパクトは乏しかった。


3作とも、60年代(小田実はに至っては50年代か?)のアメリカの話であり、当時でも時代遅れの情報を有り難く読んでいた事に、改めて唖然とする。留学記が出版される事など、今では考えられない。書く気のある人はブログでもやっているだろう。

アメリカ絡みの物書き商売としては、副島隆彦などが活躍する今日この頃なので、憧れの地アメリカのロマンの香りを放つ本は、絶滅した。僕が読んだ頃に本当は死滅していた事を、正しく認識しておくべきであった。

懐古趣味的、僕のアメリカ青春3部作でした。

中国、日本を抜いて世界第2位の経済大国に

2010-08-18 04:35:56 | 経済の話題
日本のニュースでは余り話題になっていない様だが、今週の WSJ では、月曜日に一面トップ、今日は社説で "Japan as Number Three" というやや刺激的なタイトルで、中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国になった事を大きく報道していた。(第二四半期のGDPベース)(8月17日の WSJ の社説はこちら

1990年からの GDP 成長率のグラフを眺めると、日本は0%を行ったり来たりしているに、中国は最低でも8%の成長率を20年も続けている。72の法則を使ってざっと計算しても、8X9=72なので9年で倍、18年では4倍なので、最低で8%という事は、20年で GDP が 6-7倍(ひょっとするとそれ以上)になった事になる。

先週、この GDP とは全く関係無い事で、大前研一の名著『企業参謀』大前研一著(初版1975年)を読み直していたのだが、その中に日本の成長パターンが1970年を境に高度経済成長から成熟期の低成長に入ったという推測を立ている所があった。但し、石油ショックからの立ち直りで1973以後の2年も高成長が続いたので、に本の経営者達は経済成長の大きな屈折点を見逃したのではないかと1975年の時点で推測している。驚異的なのはこの予想が今から振り返ってみるに、当たっている事だろう。

最近、日本の行く末に対しては諦観気味ではある大前研一は今でも鋭いのだが、その当時は若くてもっと冴えていた事は間違いない。

中国は日本の何十年遅れとか言われるが、ひょっとすると40年遅れという感じなのではないだろうか?現在の中国をみて、まだまだ未開の場所が多いので、高成長が暫く続くと考えられているが、過去20年の超高度経済成長はボチボチ終わりに差し掛かっているのではないだろうか?

個人的な経験に照らし合わせて日本を振り返ってみると、妙に納得出来る。私が5歳位の時に牛に鋤をつけて田んぼを耕している写真があるのだが、1970年頃の日本の田舎は、まだそんなに明治時代と基本的には変わらない風景であった。でも、既に高度経済成長は終わっていたのである。中国で盛んになってきている労働争議とかも日本のデジャヴュの様に思えてくる。

中国は人口が多い分、規模が桁違いになるのだろうが、これまでとは違う経営戦略が求められてくる時期に来ていると思われる。

WSJ の社説に戻ると、日本は20年に渡る史上初の壮大なケイジニアン理論の失敗例であり、アメリカもその轍を踏まない為に、1980年の政策(つまりレーガン路線)でやるしかないと締めくくっている。肝心の中国の話が付け足しみたいな感じなのは、"Japan as Number Three" のタイトルからして理解出来なくも無いが、まあ取り敢えずという感じであろう。