Googleの衛星写真で見ると、この王宮は川川と山に囲まれた要害の地にあることがわかる。さらに王宮自身も、一辺が600mほどの四角い形の敷地で、その四方を堀と城壁が取り囲んでいる。巨大かつ堅固な造りだ。
先のアメリカとの戦争で手ひどく破壊されたとのことで、今見物できるのは南側の半分の区域である。北半分では復元工事が進められていた。
このような見事な「文化遺産」を破壊するとは、アメリカもずいぶん酷いことをしたものと先ず思わざるを得ない。しかしそれが「戦争というもの」でるとするなら、この王宮も「戦争の愚かさ」を示す事例の一つとなるのだろう。
もっともこの王宮も、その昔グエン王朝創始者が戦争を繰り返した末に権力を握った結果として築き上げたものであろう・・と考えると、詰まるところは、その「愚かな戦争」と縁を切れない「人の業」を思わざるを得ない。
写真は、王宮入口を左右対称の形で取り囲む「楼」のうちの右側の部分である。