警察庁は、今年4月から全国の警察で「取り調べ監督官制度」を本格運用するのだそうです。これは、警察署の取調室の状況を、刑事部門以外の警察官がマジックミラー越しに監督する制度。容疑者の体に接触したり、長時間にわたる取り調べをしたりしていないかをチェックするのだとか。刑事部門以外とはいえ、「身内」による監督の意味があるのかとも思いますが、警察の取り調べによる自供が冤罪の温床になっていることを考えれば、冤 . . . 本文を読む
「前例主義」は「無責任の連鎖」。
とある雑誌に出てきた言葉です。役所の前例主義(前例や慣例に基づいて判断したり行動したりすること)は、結果的に誰も責任を取らなくてもいいシステムになっているという指摘。まったくごもっともだと思います。
私自身は、「前例踏襲」は一番きらいな言葉だと思っているのですが、それでも知らず知らずのうちに前例に頼って仕事をしていることもあります。公務員は、多分に法律とか条令 . . . 本文を読む
どうやら「定額給付金」とやらをもらえるらしい。総額2兆円!
しかし、そのお金は、決して政府が作りだしたお金ではなくて、元はといえば私たちの税金ですからね。要するに税金の還付金みたいなものです。政府が集めた2兆円をお返ししますので、国民全員に返してあげてください。でも「お金持ちの人」に返すか返さないかは各市町村で判断してください、ときた。
「お金持ち」かどうかの基準は、最低年収1,800万円だと . . . 本文を読む
「世界でナンバーワンになってやる」なんて言っている人にロクな人はいないと思う。ましてや「自分は今や世界でナンバーワンだ!」と、勝手に思いこんでいる人は目も当てられない。この前経営破綻した留学斡旋会社ゲートウェイ21の元社長がそうだったし、あるいは青森県内でここ数年爆発的に店舗を増やした挙げ句、経営に行き詰まって放り出してしまったガソリンスタンド会社。柿本石油の元社長も、たぶんそんなことを考えていた . . . 本文を読む
俳優のポール・ニューマンが亡くなりました。享年83歳、ガンだったそうです。
ポール・ニューマンといえば、私にとっての最高の傑作は「スティング」(1973年、ジョージ・ロイ・ヒル監督)。ロバート・レッドフォードとのコンビによる絶妙なコン・ムービーです。ポール・ニューマンが演じたのは、伝説的詐欺師ヘンリー・ゴンドーフ。まさに地を行く"ポーカー・フェイス"でギャングのボスを手玉に取っていくのが痛快でし . . . 本文を読む
去年に引き続き、今年の中秋の名月も美しい月でした。今年の中秋(旧暦の8月15日)は、9月14日でしたが、この日を含めて、ここ4日ばかり、本当にきれいなお月様を愛でることができています。特に、昨日(9月15日)は、月齢で言えば満月に当たり、澄んだ秋の夜空に浮かぶ月は神々しいほど美しく見えました。
地上が人工の照明で明るいので、昔の人が感じていたであろう「月明かりのうれしさ」のような感覚を抱くことは . . . 本文を読む
夕べの福田総理の辞任表明、つくづく、こんな話は子どもたちに聞かせたくないと思いました。この1年、大変な状況の中で総理を務めなければならなかった、国会で民主党が言うことを聞いてくれなかった、自分が辞めるのはみんな人のせいと言わんばかり。記者会見では言ってませんでしたが、連立している公明党も最近ちっとも協力的じゃないし…てなことも思っていたに違いない。
受験に失敗した子どもが、全部先生とか親のせいに . . . 本文を読む
「大分事件」を機に、「議員の口利き」の事例が他県でも明らかになっています。支持者や知り合いから、採用をめぐる「口利き」を頼まれて「口を利いてやる」、合否を正式な発表前に教えてもらうなど、モラルに欠けた議員が何人もいた。
読売新聞が全国の都道府県議計100人に取材した結果、少なくとも22都道県の議員がそのような事実を認めたと言います(2008年7月30日付け読売新聞)。彼らの回答を読むと、げんなり . . . 本文を読む
寺山修司は、「体験と実感は違うよ。実感というのは体験から来る実感もあればそうでない実感もあるんだよ」というようなことを友人に話していたらしい。「体験以外の実感」とはどんなものか。浦山というその友人の問いに寺山はこんなふうに答えたという。
「浦ちゃんはまだ19歳で19回しか夏の体験がないだろう。だけど、ボクの体験は、たとえば映画の『太陽がいっぱい』の夏もあるし、何かの本で読んだ夏もある。だからボク . . . 本文を読む
「蟹工船」はまる若者、という新聞記事(2008年5月13日付け朝日新聞)に思わず引きつけられました。
小林多喜二の『蟹工船』。1929年、昭和の初期に書かれたこの作品は、「プロレタリア文学」の代表作と言われます。「プロレタリア文学」なんてもうとっくに過去の遺物かと思っていましたが、ところがどっこい、この作品は今でも立派に若い世代の心をとらえるらしい。
「おい、地獄さ行(え)ぐんだで!」という有 . . . 本文を読む
中国・四川大地震の被害の甚大さ、そして犠牲者・行方不明者の多さには目を背けたくなる思いがします。とりわけショッキングなのは、学校が崩壊した例がきわめて多いということ。しかも、その原因はどうやら「おから工事」(手抜き工事)にあるらしいというニュースを知り、これは「人災」だと叫ぶテレビのコメンテーターの言葉に、珍しくうなずきたくもなります。
なぜ手抜きが行われるか。建築費用が最初から足りないわけでは . . . 本文を読む
青森県三戸町の三戸中央病院に、この春から小児科の専門医の方が非常勤医師として勤務しています。森彪(たけし)さん、78歳。埼玉県立小児医療センター名誉総長を務めるなど、小児科医として豊富な経験を持つ方です。森さんが勤務するのは、週3日。月曜日の朝の新幹線に乗って昼過ぎに病院に着き、午後から診療。水曜日の午後に帰京するのだそうです。木、金は弘前大学から別の小児科医が来るので、毎日、小児科の専門医がいる . . . 本文を読む
地方分権の声が高まる中で、数年前から「道州制」をめぐる議論がさかんに行われるようになっています。様々な区分の仕方やスタイルが唱えられていますが、いずれにしても現在の都道府県の枠組みを変えて、国の権限を「道・州」に移行していこうという仕組みになっています。
私は、基本的には行政体は「国」と「市町村」があればことは足りると思っています。考えてみると、ずっと昔は、小さな生活共同体としての「ムラ」しかな . . . 本文を読む
ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映を予定していた東京、大阪の5つの映画館が、すべて「自主的に」上映の中止を決めたというニュースを聞いて、情けないなと思いました。一部の自民党国会議員がこの映画を「偏向している」と問題視し、試写会を開催したことが上映中止に至る契機になりました。
「偏向」とは、何なのでしょう? あるいは「中立」とは?
ドキュメンタリーは、すべて「偏向」しているに決 . . . 本文を読む
経営学者であり、シンクタンクの理事長や大学の学長も務めている方と、仕事の関係でお会いしてきました。御年80歳を超えて、いまだに論壇の第一線で活躍されていることにも驚きますが、話の端々にさりげなく出てくる著名人との交友関係にも、その広さ、多彩さに度肝を抜かれました。かつて、塩野七生さんの著書を読んで感銘を受け、ロシアを訪問した折りに、フィレンツェまで彼女に会いに行って一晩語り明かしたとかいう話も披露 . . . 本文を読む