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カクレマショウ

やっぴBLOG

子どもたちにきちんと説明できることか?

2008-05-19 | ■社会/政治
中国・四川大地震の被害の甚大さ、そして犠牲者・行方不明者の多さには目を背けたくなる思いがします。とりわけショッキングなのは、学校が崩壊した例がきわめて多いということ。しかも、その原因はどうやら「おから工事」(手抜き工事)にあるらしいというニュースを知り、これは「人災」だと叫ぶテレビのコメンテーターの言葉に、珍しくうなずきたくもなります。

なぜ手抜きが行われるか。建築費用が最初から足りないわけではありません。当初の予算はちゃんとついても、悪徳役人たちによってピンハネされてしまうため、結果的に費用が不足し、「おから」のようにもろい、スカスカの建築物ができあがるというわけです。

中国史をひもとけば、この手の役人の不正の話は、枚挙にいとまがありません。で、結局そのあおりを受けるのはいつも民衆。そうした構図は、社会主義体制をとっている今も全く変わらないのが不思議。しかし、よくよく考えてみれば、共産党の一党独裁体制ですから、基本的には「皇帝」による専制政治と変わらないのかもしれません。昔なら農民たちが決起して「ナントカの乱」でも起こしているところです。

国の大きさ、人口の多さは、この場合、関係ないのでしょうか。13億とも言われる人口、しかも多様な民族から構成される中国という国は、いつも思うのですが、一つの国としてはあまりにも肥大しすぎているのではと。そのために目の行き届かないところは必ずあるのではないか。そもそも、中国国内の「辺境」に住む少数民族は、自分たちが「中華人民共和国」という国の一員だとは思っていないのではないか。

かつて、古代ローマ帝国も、肥大しすぎて自滅していきました。分割して統治するという手を施したにもかかわらず、いったん目が届かないようになると、あとはガラガラポン!でした。「大きいことはいいことだ」幻想から、どこかで抜け出さなければいけないのです。

一方で、この大地震をオリンピックがらみでとらえる見方もあるという。どこかの知事じゃないけれど、オリンピックを国威発揚の手段として利用しようなんて思っていること自体が、時代遅れもはなはだしいところですが、挙げ句の果てに、報じられているように、「地震のおかげでチベット問題から世界の目をそらすことができたのはラッキー」なんて言っている政府関係者が本当にいるとしたら、あるいは、「地震の痛手を克服して中国は見事にオリンピックを成功させたというシナリオ」が本当にあるのだとしたら、それこそ目も当てられない。末期症状と言うしかありませんわな。

軍事政権下のミャンマーがサイクロン被害に対する国際支援を拒否しているというのは言語道断ですが、中国もなぜか最初は日本の支援を断っていました。そのへんも解せないところ。中国人だろうがミャンマー人だろうが、同じ人間が被害に遭って苦しんでいるのに、それを「国」が拒否するなんて、越権行為もはなはだしい。いったい何のための「国」であり「政府」なのでしょうか。困っている人がいたら、助ける。ただそれだけの単純な話なのに、物事をこんなに複雑にしているのは、誰なのか。そんなにわけのわからない、複雑怪奇なストーリー、子どもたちにうまく説明できません。なぜ学校があんなにもろく崩れ去っているのか。その原因が大人の欲得のせいだなんて、説明したくもない。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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歴史には… (きーまま)
2008-05-21 14:09:02
中国の歴史には、後々
「北京オリンピックの妨害をしたチベットに天罰が下った。」
と、載るのでしょうかねえ…。

受け入れ態勢が整っていないからと言って、支援を拒否。
支援されて困ることがあるのでしょうか?
ニュースを観ながら夫とこんな話になりました。
「他国に見られたくないものがあるんだろうねえ。」
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Unknown (やっぴ)
2008-05-23 01:02:06
きーままさん

まあ、そういうこともあるかもしれませんね。
いずれにしても、「国家」と「国民」が乖離している国はろくなものじゃありませんね。
どんな形にしろ、「学校」で子どもたちが死ぬなんて、あまりにも悲しすぎますよね。
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