カクレマショウ

やっぴBLOG

リーダーシップはワンマンシップでは決してないだろう。

2008-10-16 | ■社会/政治
「世界でナンバーワンになってやる」なんて言っている人にロクな人はいないと思う。ましてや「自分は今や世界でナンバーワンだ!」と、勝手に思いこんでいる人は目も当てられない。この前経営破綻した留学斡旋会社ゲートウェイ21の元社長がそうだったし、あるいは青森県内でここ数年爆発的に店舗を増やした挙げ句、経営に行き詰まって放り出してしまったガソリンスタンド会社。柿本石油の元社長も、たぶんそんなことを考えていたのではないかと思います。

二人の共通点は、経営が苦しくなって資金繰りに困ると、その資金を消費者からの売り上げで回収しようとした点。もう破綻は目に見えているのに、それでも契約金を払わせる、プリペイドカードを買わせる。これは立派な詐欺ではないのか。

ただ、両者の違いもあって、ゲートウェイの社長は曲がりなりにも被害者(元顧客)の前に出てきて謝罪したこと(土下座までして逆にひんしゅくを買っていましたが)。柿本石油の社長は、マスコミの前には姿を見せて、型どおりの謝罪と、さんざん「人のせい」にするコメントを残しては雲隠れ。被害者(元顧客)の前で直接謝罪する様子はありません。

柿本石油の元社長は、会見の中で「ワンマンで何が悪いのか。リーダーシップがなければ会社を大きくすることはできない」と言ったそうですが、リーダーシップの意味とワンマンの意味を完全に取り違えていますね。リーダーシップは、決してワンマンではない。何でも自分の思い通りになることがリーダーシップを発揮していると思っていたらそれは大間違いです。本当のリーダーシップって、部下の意見にも耳を傾けながら、組織としての最善の道を選択することでしょ。

ゲートウェイの元社長は、自分が経験してきた営業のノウハウを最高のものだと思い込み、それを部下にも押しつけていました。自分ができることは部下にも当然できるはずという思い込み。それもまたリーダーシップからはかけ離れた考えと言わざるを得ません。

そういう輩が、経営破綻まで至らなければ「過ち」に気づかないという怖さ。自分のやり方のままだと、消費者はもちろん、経営者として何をおいても守るべき従業員さえ不幸にしてしまうことに、なぜ気がつかないのか。きっと、腰巾着みたいな取り巻きもいたんだろうなと思いますね。

失敗しても、何度でもチャレンジすることはとても大事なことなので、二人にもその権利はあるかもしれない。でも、この二人の場合、チャレンジするなら、条件がありますね。まず従業員と消費者にきちんと謝罪をすること、そして、できうる限りの経済的補償をすること。そういうことを弁護士に任せるのではなく、自分自身でどうしたらいいのか考えること。あとは、リーダーシップについて考えを改めること。決してワンマンにはならないことを誓うこと。「世界一になる」なんて、決して口に出さないこと。心の中でも思わないこと。さらに言えば、子どもたちの前で、自分のしてきたことがいかに間違ったやり方だったかを正直に話すこと!

条件、多すぎでしょうか? でも、再チャレンジしたいのなら、そのくらいの社会的責任は負って当然ですよね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿